未経験でゲームデバッガーになるには?仕事内容や必要なスキルを紹介

最終更新日:2024年8月6日

これからゲーム業界に参入したいが特別なスキルがないため、まずはゲームデバッガーからキャリアをスタートさせようと考えている人もいるでしょう。そしてゲームデバッガーから始める選択肢は有効です。自身でのスキル習得と並行すれば、その後他の職種で活躍する道も見えてきます。

ただしゲームデバッガーは誰にでも務まる仕事ではなく、適性は重要でしょう。ではゲームデバッガーにはどのような適性が必要なのか、より細分化するとどのような仕事を担当するのかなどについて解説していきます。

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この記事のまとめ

  • ゲームデバッガーはゲーム制作プロジェクト内でゲームをテストし、バグの発見や原因調査を行う職種
  • ゲームデバッガーは未経験からでも目指しやすい職種なので、ゲーム業界での最初のキャリアとして有効な選択肢
  • ゲームデバッガーに求められるスキル要件は低いものの、単純作業が続くのでこれに耐えられる適性は重要

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ゲームデバッガーとは

ゲームデバッガーとは、ゲームのテストを実施してバグを発見する職種です。バグを見つけて修正の担当者に報告するまでが主な仕事ですが、プロジェクトによってはゲームデバッガーがバグの修正を行う場合もあります。どのような業務を行うのか、どのようなスキルが求められるのかの詳細は案件によって異なるので、最終的には案件ごとにご確認ください。

デバッグの対象範囲

デバッグの対象範囲もプロジェクトによって異なりますが、大まかな内容はどのプロジェクトでも類似しているでしょう。具体的には、複数の種類のバグを見つけて、修正する場合もあります。バグの種類としては、停止バグ、グラフィックバグ、仕様バグなどがあります。

まず停止バグは名前の通りで、ゲームの操作中に停止してしまうバグです。グラフィックバグは画面の切り替えやキャラの移動時にグラフィックに不具合が生じるバグです。仕様バグは仕様通りにはなっているものの、そもそも仕様に問題があって発生するバグです。

テスト仕様書に含まれている項目もあればそうでないものもありますが、なるべく網羅的にバグを探していくのがゲームデバッガーの役割になります。

ゲームデバッガーの必要性

ゲーム制作においてテストは必須の工程です。テストによってバグを発見し、すべて修正することでゲームのクオリティが担保されます。そしてゲームデバッガーはテストを担当する職種なので、ゲーム制作プロジェクトには必要ということです。

テストはAIや各種ツールによって自動化が進んでいるので、今後ゲームデバッガーの仕事はなくなっていくという意見もあるでしょう。実際AIやツールによって人間がテストしなければならないことは減っていますが、人間の作業が不要になるわけではありません。

テストの全体設計や操作性やデザインなどある程度主観が伴う部分は機械的に判断するのが難しいので、人間が担う必要があるでしょう。言い換えれば、これらの作業を担当できるゲームデバッガーには需要が生まれやすいということです。

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ゲームデバッガーの仕事内容

ゲームデバッガーの仕事はゲームのテストを実施してバグを洗い出すことです。そしてこの仕事をより細分化すると、いくつかの工程に分けられます。具体的には、ゲームの仕様を確認し、実際にプレイしてバグを見つけ、報告する、といった流れです。プロジェクトによってはゲームデバッガーがバグの修正まで行うということでした。

仕様書の確認

まずはゲームの仕様書を確認し、テスト項目を設定していきます。ゲームの仕様書なのでテスト仕様書ではなく、ゲームそのものがどのような設定になっているのかを確認するということです。仕様書からテスト項目に落とし込む作業は慣れれば自分で行うはずですが、最初は先輩ゲームデバッガーが作成した項目を使用するケースもあるでしょう。

テストプレイ

ゲームの仕様書を確認してテスト項目を設定したら、テストプレイを進めていきます。テストプレイしながら各テスト項目をチェックしていくので、同じシーンで同じ操作を何回も繰り返すことになるでしょう。

バグの報告

テストプレイが完了してバグの情報をまとめたら、修正担当者に報告します。報告の方法はまとめた資料などを共有し、必要であれば口頭でも説明します。もしくは、プロジェクトで使用しているバグ管理システムなどに情報を登録する場合もあるでしょう。

バグの改善・修正

バグの改善・修正をどこまでゲームデバッガーが対応するかはプロジェクトによって異なります。修正までゲームデバッガーが行う場合もあれば、バグの原因などを調査するまでを担当する場合もあるでしょう。

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未経験からでもゲームデバッガーになれる!

ゲームデバッガーは未経験からでも目指しやすい職種です。他のIT関連職種同様に必須の資格がないことはもちろん、求められるスキル要件もそこまでありません。たとえばゲームプログラマーはプログラミング経験が必須の場合が多いですが、ゲームデバッガーは専門スキル不要、業界経験不要、といった場合が多いでしょう。

ただしライバルとなる他の応募者が一定のスキルを持っている場合もあるので、ゲームデバッガーとしての就職を有利にしていく必要があります。具体的にどうすれば良いのか、解説していきます。

未経験から正社員のゲームデバッガーを目指すステップ

未経験から正社員のゲームデバッガーを目指すと仮定して、目指すステップを挙げていきます。ただしどこまで取り組むべきかはケースバイケースで、スキルを身に着けずにいきなり就職活動をするのも一つの手です。ここではより着実なステップを紹介します。

基礎的なプログラミングスキルを身に着ける

ゲームデバッガーに必ずしもプログラミングスキルは必要ありませんが、プログラミングスキルを身に着けていると採用に有利でしょう。バグの原因特定などに役立ち、また修正対応もできるからです。特にゲームデバッガーの後にゲームプログラマーを目指している人などは、プログラミングスキルは積極的に身に着けていくべきです。

アルバイトや単発の仕事で経験を培う

ゲームデバッガーは正社員での募集が比較的少なく、募集があってもスキルがある人や経験者を優先している場合が多いでしょう。そこで有効なステップとして、アルバイトや単発の仕事から始めるのがおすすめです。

アルバイトや単発の仕事で経験を積むことで、正社員の枠も狙えるようになります。またアルバイトや単発でゲームデバッガーの経験を積めば、ゲームプログラマーなどの職種を目指す足掛かりにもなるでしょう。

転職エージェントなどを活用して転職する

転職を確実に成功させるには、転職エージェントなどを活用して転職するのが有効です。自分で求人を探して応募するよりもより自分に合った求人を紹介してもらえる可能性が高いでしょう。また今後ゲームプログラマーなどの職種を目指す場合は、その点もエージェントに相談すれば適切なステップアップを示してくれる可能性があります。

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ゲームデバッガーに求められるスキル・経験

ゲームデバッガーに求められる必須のスキル・経験はありませんが、スキル・経験があるとよりゲームデバッガーとして良い仕事ができるでしょう。またゲームデバッガーに特別なスキルは不要ですが、誰にでも務まるわけではありません。性格や考え方による適性などはあるということです。ゲームデバッガーを目指すにあたって、以下に紹介する内容を意識しておくのがおすすめです。

基本的なPCスキル

ゲームデバッガーがテストするゲームの媒体がパソコンとは限りませんが、テスト結果をまとめたり共有したりするのはパソコンです。またバグの修正を行う場合、パソコンでプログラミングすることになります。そのため、基本的なPCスキルは必要です。具体的には、ExcelやWordを普通に扱えることや、プロジェクト内で使用しているツールに慣れていく程度で問題ないでしょう。

品質マネジメントの知識・経験

品質マネジメントの知識・経験はあるとより良いという程度です。実際そこまで専門的な知識や経験を持つゲームデバッガーは少ないと考えられるので、意識的にスキル習得すれば差別化を図れます。ゲームデバッガーになってからも余力があれば意識的に学習していくと良いです。

テスト技法の知識 ・経験

テスト技法の知識・経験についても品質マネジメントと同様の考え方です。専門的な知識・経験がなくてもプロジェクトのテスト手法に従えばテストを実施することは可能でしょう。また採用段階でも、テスト技法の専門的な知識がなくても採用はされるはずです。ただし知識があればより良いテスト手法、設計を考えていくことができるので、プロジェクト内で重宝されるでしょう。

問題発見能力

ゲームのテストではバグを発見する必要があるので、問題発見能力は重要です。単にテストを機械的に進めるだけではなく、どこにバグが潜んでいそうかを考え、探し出していくイメージになります。またバグが見つかった場合は原因や再発防止策を考えることになるので、これらの作業でも問題発見能力が重要です。

論理的思考力

漏れなくテストを設計する、効率的にテストを進める、修正担当者にわかりやすく結果を報告する、といった作業には論理的思考力が求められます。特殊なスキルや思考法というわけではありませんが、普段からどうすればより効率的に物事を進められるかなどを考えることで養われていくでしょう。

コミュニケーションスキル

ゲームテスターは他のゲームテスターや修正担当者と連携して仕事を進める必要があるので、コミュニケーションスキルは必須です。モニターに向かって作業をしている時間の方が圧倒的に長いものの、コミュニケーションを軽視するのはNGです。特別高いコミュニケーションスキルというわけではありませんが、基本的なコミュニケーションスキルは意識しておくと良いでしょう。

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未経験からゲームデバッガーを目指すのに役立つ資格

ゲームデバッガーに必須の資格はありませんが、資格を取得することでゲームデバッガーとして採用されやすくなり、また働き始めてからも資格で身に着けた知識が役立つでしょう。ゲームデバッガーにとって特に取得メリットの高い資格は、テスト関連の資格や、マイクロソフトオフィスの資格です。これらの資格は実務に直結するでしょう。

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB認定テスト技術者資格はテストに関する国際的な資格です。Foundation Levelと Advanced Levelの2つのレベルがあるので段階的に取得していくことになりますが、ゲームデバッガーとしての就職を目指すのであればFoundation Levelでも十分と考えられます。またAdvanced Levelを受けるためにはFoundation Levelに合格している必要があり、3年以上の実務経験も求められるのでFoundation Levelのみの合格を目指すのが現実的です。

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)はマイクロソフトオフィスの基本スキルを問う資格試験です。ゲームデバッガーはExcel、Word、PowerPointなどを使用する可能性があるのでMOSの取得が役立ちます。難易度は低いので、基本的な操作ができて試験対策をすれば合格できるレベルです。より上のレベルを目指すのであれば、Excelの関数やVBAを資格とは別にある程度追加で勉強しておくのがおすすめです。

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ゲームデバッガーの平均年収

レバテックキャリアの求人では、ゲームデバッガーの平均年収は460万円程度です。下限平均と上限平均の中間値を算出した数字になります。ただし求人数は少ないので、参考程度とお考えください。レバテックキャリアの求人は正社員か契約社員が基本ですが、ゲームデバッガーはアルバイトの募集も多いです。そのため、アルバイトも含めるとゲームデバッガーの平均年収はもっと低くなるでしょう。

ゲームデバッガーの求人例

レバテックキャリアで募集されているゲームデバッガーの求人例を紹介します。

【想定年収】
360~450万円

【業務内容】
ゲームのテスト業務受託及び、ネットワークやサーバー稼働環境管理受託(オンラインゲーム)、カスタマーサポート業務。

テストスタジオの運営
・チームビルド、メンバー管理、協力会社の管理
・テスターの勤怠管理
・営業部門、コーポレート部門との社内調整
・テスターの採用/育成計画立案

テスト管理/運営
・新規、既存顧客へのテスト手法/人材の提案
・顧客とのスケジュール調整/工数の交渉
・テスト設計/実施における進捗管理、タスク調整
・テスト品質の管理、テストリーダーの管理

【求められるスキル・経験】
・ゲーム会社/その他開発会社での品質管理業務経験、またはテスト専門会社でのチーム運営経験
・スマートフォンゲームのテスト計画策定~工数見積もり~テストチーム管理の経験
・協力会社または、顧客との折衝の経験
・JSTQB foundation level相当のソフトウェアテスト知識

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ゲームデバッガーの将来性

ゲーム業界全体の市場規模は右肩上がりに推移していて、またゲーム制作にゲームデバッガーは必須の存在です。つまりゲームデバッガーの需要は続くということです。ただしテストの自動化は進んでいるので、ゲームデバッガーの一部の業務は人間が実施する必要性が薄れていくでしょう。

ゲームデバッガーとして生き残るためにはツールで自動化できない人間にしかできないような業務に力を入れることが重要です。具体的には、テストの全体設計や操作性・デザインの確認などが該当します。

またゲームデバッガーにこだわるのではなく、ゲームプログラマーやゲームプランナーなど、より人間でなければ難しい職種を意識してスキル習得することも重要です。

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ゲームデバッガーのキャリアパス

ゲームデバッガーのキャリアパスには、QAエンジニア、ゲームプログラマー、ゲームプランナーなどがあります。どの職種を目指すかの判断基準としては市場動向を見る必要もありますが、どちらかというと適正の方が大きいでしょう。

なぜならいずれの職種も将来性はあり、その職種の中で需要のある人材になれるかどうかは適性が重要だからです。自身が今後どのようなことをやっていきたいのかを考えて選択してください。たとえば、テストに特化したいのか、プログラミングでゲームを作りたいのか、ゲーム全体の企画などを担当したいのか、といったことを考えると進むべき道は見えてくるはずです。

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ゲームデバッガーに関するよくある質問

ゲームデバッガーに関するよくある質問と回答を紹介します。ゲームデバッガーは未経験からでも目指しやすい職種ですが、性格や考え方によって向き不向きがあります。誰にでもできる仕事というわけではないので、その点はよく考える必要があるでしょう。またゲーム業界の他の職種に比べると給料は低めなので、許容できるかご検討ください。

Q1. ゲームデバッガーに向いている人は?

ゲームデバッガーに向いている人の特徴は、ゲームが好き、集中力がある、単純作業に耐えられる、といったものがあります。特に単純作業が長時間続くことを考えると、単純作業の適性は重要でしょう。

Q2. ゲームデバッガーのやりがいは?

ゲームデバッガーの仕事の何にやりがいを感じるかは人によって異なりますが、バグを見つけて修正することでゲームのクオリティを向上させられることや、集中してテストをやり切ったことにやりがいを感じられる人は多いでしょう。

Q3. ゲームデバッガーの給料はどれくらいですか?

レバテックキャリアの求人では、ゲームデバッガーの平均年収は460万円程度です。下限平均と上限平均の中間値を算出した数字になります。ただしレバテックキャリアではゲームデバッガーの求人数は少ないので、参考程度とお考えください。

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まとめ

ゲームデバッガーは未経験からでも目指しやすい職種なので、ゲーム業界での最初のキャリアとしてゲームデバッガーを選ぶ人も多いでしょう。ゲームデバッガーとしてプロジェクト内で経験を積みながら自身でもスキル取得に取り組めば、ゲームプログラマーなどへのキャリアアップも可能でしょう。

ゲームデバッガーはアルバイトでの求人も多いので、正社員や契約社員での採用が難しそうな場合はアルバイトも視野に入れるのがおすすめです。アルバイトでもゲーム業界で経験を積めばその後の転職に有利になるので、最初のキャリアよりもその後のキャリアアップも含めて計画を立ててください。

このようにゲームデバッガーはゲーム業界での最初のキャリアとしておすすめできますが、万人にできる仕事ではありません。求められるスキル要件こそ高くないものの、単純作業が長時間続く大変さがあるからです。自分の性格や適性を考えてゲームデバッガーとしてやっていけそうなら、最初のキャリアに選択することをご検討ください。

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