Pythonで統計学を学ぶメリットは?勉強の手順も解説

最終更新日:2023年11月14日

データドリブンという考え方が業界・業態を問わずに広がっており、データ活用スキルの需要は高まっています。IT業界でもデータサイエンティストなどの統計学の知識を持ったエンジニアが人気です。

そこで注目すべきなのが「Python」です。Pythonは統計学関連のライブラリが充実し、関連したプログラムが作りやすい特徴を持ちます。Pythonの実務経験があれば、統計学知識の習得により、エンジニアとしての価値向上が可能です。
本記事では、Pythonに興味がある若手エンジニアに向けて、統計学とPythonの関係性、学習に向けたおすすめの本などを紹介します。

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この記事のまとめ

  • Pythonはコードがシンプルな上に、ライブラリが豊富で煩雑な計算を省略できるため、統計学を学ぶ際に活用できる
  • 実際の現場でも、Pythonが広く使用されている。Pythonで統計学を学習することは、エンジニアとしての市場価値を上げやすくなる
  • 統計学と機械学習の関係は深く、Pythonを用いて統計学を学ぶことは、機械学習の知見が深いエンジニアにスキルアップができる

Pythonで統計学を勉強するメリット

統計学を学ぶにあたって、Pythonを利用するメリットを確認しておきましょう。

近年の統計業務は、Pythonを使ったアプリケーションで行うケースが増えており、Web上のノウハウや書籍が充実しています。これらを活用することで、統計学の知識が乏しい状態でも、Pythonを切り口として学習を進めやすくなっています。

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ライブラリが豊富で煩雑な計算を省略できる

Pythonは科学計算処理に必要なライブラリが充実しています。Pythonのライブラリには、統計で用いられる専門的な計算式が内包されており、基礎的な考え方さえ理解していれば、具体的な計算式を知らずとも実践的な統計を実行可能です。もちろん読書や座学でも学習は可能ですが、Pythonを利用することで「煩雑な計算の理解」に時間を取られずにすむため「統計を使ってできること」をダイレクトに理解し易くなるでしょう。

データが簡単に可視化できる

Pythonにはデータを可視化するためのライブラリも存在しており、これらを活用することで、直感的・感覚的な理解が進めやすいこともメリットです。
また、Pythonを理解すると「Jupyter Notebook」のような、統計学の学習に適したツールを利用できます。Jupyter Notebookとは「ノートブック」と呼ばれるファイルに対して、「プログラム本体」や「プログラムの説明」「実行結果」などをまとめられ、PC上に統計学の学習環境を構築できます。

コードがシンプルで学習しやすい

Pythonを勉強するメリットのひとつは、コードがシンプルで学習しやすいことです。Pythonの文法は非常にわかりやすく、他のプログラミング言語に比べて読みやすい特徴があります。例えば、JavaやRubyなどのプログラム言語と比べて、Pythonのコードは非常にシンプルです。このため、初心者にとっては独学で学ぶのに最適な言語と言えるでしょう。

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自作アプリに組み込める

Pythonは多岐にわたる分野で利用でき、統計解析をはじめとするさまざまな処理、例えばAI処理や画像解析との統合がスムーズに行えます。そのため、Pythonを用いて開発した統計解析を自作のアプリケーションに組み込むことも可能です。Pythonの柔軟性と豊富なライブラリが、様々なデータ解析および処理ニーズに対応し、アプリケーション構築に役立ちます。

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Pythonで統計学を勉強する手順

Pythonを使って統計学を学ぶ際には、まず統計学の基本的な用語や概念に触れることから始めましょう。次に、Pythonの環境をセットアップし、実際にデータを用いて統計処理を実装します。本章では、Pythonを活用した統計学の学習におけるステップを順を追って詳しく紹介していきます。Pythonで統計学を勉強する際の参考にしてください。

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1.最初に統計学の基礎的な用語と考え方を知る

最初に統計学の基礎的な用語と考え方を学びましょう。同時に、Pythonの基本文法と用語も学習します。さらに、統計的仮説検定の考え方を理解することが重要です。そして、相関関係や回帰分析の考え方を習得しましょう。本項では、統計学の基盤となる重要な要素に焦点を当てて詳しく解説していきます。

統計学の基本用語を知る

統計学において、平均、中央値、標準偏差、分散などは基本的な用語として登場します。平均と中央値という、よく聞く単語でも、その違いは意外にも誤解されやすいことがあります。平均は全てのデータを合計して、データ数で割って求められる値です。

対照的に、中央値はデータを昇順または降順に並べた際に、中央に位置する値です。このような統計学の基本用語は必須の知識になります。

Pythonの基礎文法と用語を知る

Pythonの基本文法と用語をしっかり理解することは、Pythonで統計学を勉強するための重要なステップです。なぜなら、統計学をPythonを用いて学ぶ際に、Pythonの基礎が欠けていると、統計学の学習がスムーズに進まないからです。Pythonは統計学のための強力なツールであり、その力を最大限に発揮するためには、Pythonのライブラリやモジュール、変数、if文などの基本概念の理解が必要です。

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検定の考え方を理解する

検定は統計的仮説検定、仮説検定とも呼ばれ「統計的な手法を用いて研究対象(母集団)の性質について仮説を立てて、それが正しいかどうかを調べる」ことを意味しています。

検定は次の3ステップで行います。;


  • ・母集団の性質について仮説を立てる

    ・仮説の基、データを集めて観察(集計)する

    ・観察の結果、仮説が正しいかを調べる

相関の考え方を理解する

相関とは、2種類のデータの関係性を表すものです。相関を調べる手法に相関分析が挙げられます。
相関分析とは、一方の数値が増加するともう一方の数値が増加または減少するという、2つの変数の相互の関係を検討する分析。散布図を視覚的に考察するステップ、相関係数という数値により判断するステップで構成されます。

回帰分析の考え方を理解する

回帰分析とは、ある数値を別の1つ以上の数値で説明や予測を行いたい場合などに、関係のあり方を調べる手法です。

言い換えれば、結果の数値と要因の数値の関係を調べて、それぞれの関係を明らかにする統計的手法になります。

2.環境を構築する

Pythonを使って統計を実行するのに必要な環境を構築します。環境構築は「統合開発環境」と「ライブラリ」のセットで行います。

Pythonで統計学を学習するには、以下を併用して環境を構築すると良いでしょう。

統合開発環境を用意する

Pythonで統計を行うための統合開発環境としてJupyter NotebookのライブラリのパッケージにAnacondaを利用するのがおすすめです。AnacondaをインストールすることでJupyter Notebookも同時にインストールされます。

・Jupyter Notebook
Pythonなどのプログラミングをブラウザ上で行える統合開発環境です。OSSのWebアプリケーションであり、実行可能なソースコード、説明の文章、実行結果などをまとめて管理できます。

・Anaconda
Python本体とデータサイエンス用ライブラリがセットになったディストリビューションです。1500以上のデータサイエンスパッケージを利用でき、統計学の学習に必要なライブラリはほぼ網羅されています。

参考:
Jupyter Notebook
Anaconda

ライブラリを併用する

以下のライブラリはすべてAnacondaのインストールに含まれており、環境設定後は利用可能です。代表的なものについて記載しています。

・pandas
データ解析をしやすくするための前処理を簡略化するライブラリです。データフレームと呼ばれる構造にデータを変換することで、並べ替え・欠損値の補完・といった「データの下処理」を行う機能も搭載されています。また、ExcelやCSVなど様々な形式からデータを読み込むことが可能です。

・NumPy
数学的な計算に特化したライブラリです。「行列」「微分」「三角関数」といった計算を容易に実現できます。

・Matplotlib
「描画」に特化したライブラリです。線グラフや棒グラフ、3Dグラフなどが手軽に作成できるため、推測値の視覚化などに活用することができます。

・SciPy
NumPyよりも高度な科学計算が可能なライブラリです。統計用のモジュール「stats」を利用できるため、Pythonを使った統計学の学習ではぜひ取り入れていきましょう。

3.身近なデータを用いて統計処理の実装を行う

開発環境と必要なライブラリが整ったら、統計処理の実践に取り組んでみましょう。まず初めにデータを収集し、その後要約統計量を計算します。その次に、データを視覚的に表現するための可視化を行います。最後に、データの関係性を把握するために散布図を作成します。本項では、身近なデータを用いて統計処理の実装を行う手順について解説します。

データを収集し、要約統計量を算出する

初めに、データの収集と要約統計量の計算を行います。このステップでは、分析対象のデータを収集し、要約統計情報をまとめます。その後、Pythonを利用してデータの特性を抽出します。

データの特性を抽出する段階では、個々のデータ点ではなく、データ全体の特性や傾向を理解することに努めます。データの全体像を把握することは、統計学では大切な工程となります。

データを可視化する

細かくデータを分析するための可視化(ヒストグラム化)を行います。ヒストグラム化は、データ同士を区間で区切り、その区間に含まれるデータの数・割合を可視化するものです。ヒストグラム化によって、個々のデータの特徴・傾向が直感的に理解できるようになります。

散布図を作成する

可視化が完了した後は、多変量解析を行ってみましょう。多変量解析は、異なるデータ項目間の関係性を確認する方法です。前述したPython用ライブラリ「NumPy」には、多変量解析に必要な「行列演算」の処理が含まれているため、ぜひ活用してみてください。

Pythonで統計学を学ぶのにおすすめの本

Pythonを使って統計学に必要な処理を実現する手順を説明してきましたが、学習とPythonによる検証を独学だけで進める場合は難易度が高くなってしまいます。そのような場合には書籍とあわせて学習することをおすすめします。

統計学の基礎を学ぶためにおすすめの本

Pythonで統計学を学ぶためには、最初に統計学の基礎を習得することが重要です。統計学に関連する書籍は、近年の需要に応じて数多く出版されており、手に入れやすい状況です。統計学を学ぶために書籍を活用する際には、基本的な概念からわかりやすく、体系的に解説されている書籍を選びましょう。本項では、統計学の基礎を学ぶためにおすすめの本を紹介します。

Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書(AI & TECHNOLOGY)

『Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書』(AI & TECHNOLOGY)
以下の点に重点を置き、Pythonをツールとして統計学を学ぶための書籍です。


  • ・データをどのように分析するのか

    ・なぜそのように分析するのが良いことなのか

    ・Pythonを使ってどのように分析するのか


統計学の基礎理論からJupyter Notebookを使った統計のためのプログラミングまでをカバーしていることが特徴です。

Pythonによる統計分析入門

『Pythonによる統計分析入門』(山内 長承、オーム社)

Python、統計学のどちらも初心者でも気軽に学べる書籍です。Pythonについては基本文法やライブラリパッケージから丁寧に記載されています。統計学についても基礎理論から学べるよう記述されており、まさに入門に向けた一冊です。

Pythonで統計学を応用したプログラミングスキルを身に着けるための本

統計学の基礎を習得したら、それを活かしてPythonのプログラミングスキルを向上させるための書籍に挑戦してみましょう。統計学の知識をPythonを通じて実際のデータ分析や問題解決に活かすためには、プログラミングのスキルも必要です。本項では、Pythonで統計学を応用したプログラミングスキルを身に着けるための本を紹介していきます。

Pythonによるデータ分析入門 第2版 ーNumPy、pandasを使ったデータ処理

『Pythonによるデータ分析入門 第2版 ーNumPy、pandasを使ったデータ処理』(Wes McKinney 、 瀬戸山 雅人、小林 儀匡、滝口 開資、オライリージャパン)

Pythonの代表的なデータ分析ツールpandas。その開発者であるウェス・マッキニー氏による書籍です。データ分析を行うための基本を網羅しています。
Numpy、pandasという利用頻度の高いライブラリの使用例が豊富に記載されています。書籍内のすべてのサンプルコードはダウンロード可能です。Jupyter Notebookを使って動作を確認しながら知識を習得できる様に記載されており、実践的な学習に向いています。
第2版にあたりPython 3に対応しています。

Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書(AI&TECHNOLOGY)

『Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書』(AI&TECHNOLOGY)

データ分析エンジニアになるための基礎を身に付ける事を目的にした人向けの書籍です。
主な内容は以下となります。


  • ・Pythonの基本的な文法

    ・データフォーマットについて

    ・データの前処理技術

    ・データの可視化技術

    ・既存アルゴリズムでの機械学習の実装


Pythonのインストールからscikit-learnを利用した機械学習の実践方法までを学ぶことが可能です。Python3エンジニア認定データ分析試験の対策にも利用可能となっています。

エンジニアに統計学が求められる理由

エンジニアはデータの一番近くで働く職種です。せっかく豊富なデータが身近に存在しているのですから、その内容を統計学を使って分析することで、顧客や企業に大きな貢献をすることが可能です。

また、エンジニアはITスキルを持っており、他の職種よりも統計学を使った分析を実現しやすい立場でもあります。エンジニアは統計学を身に着けることで付加価値を高めることができるのです。

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利益につながるデータ分析が可能になるため

現代はデータがビジネスの成否を左右すると言われています。なぜならデータからビジネス課題の解決方法や、ビジネスを成長させるヒントが得られるからです。しかし、取り扱うデータの量・種類が増え続けているため、単純な集計だけではビジネスに活用できるデータを読み解くことが難しくなっています。

そこで注目されているのが統計学です。統計学は、ビッグデータを複数の観点から分析し、経営方針の決定などに役立つ意味のある情報を見つけ出すことに適した学問です。つまり、統計学を身につけることで「データを分析してビジネスに活用できる人材」へとスキルアップできます。

また、今後は統計学をベースとした分析がより一般化していくと予想されます。一般的に統計はITツールとともに用いられるため、両方の知見・スキルを持った人材は付加価値が高いのです。

機械学習の基礎的な理論への理解を深めるため

Pythonを利用するエンジニアにとって統計学を学ぶメリットは統計分野だけでなくAI、機械学習にもあります。なぜならAIや機械学習の処理を実現する場合には、大量のデータをAIに学習させるため統計分野に近いライブラリを使うことが多いからです。

統計学や機械学習は「データを使って問題を解決する」方法論であり、関係の深い存在です。両者を知ることで基礎的な理論の理解が深まります。

両者に関する知見を持ったエンジニアは、需要が非常に高いIT人材となるでしょう。

エンジニアが利用するデータ処理の種類

エンジニアが利用するデータ処理方法は複数ありそれぞれの手法や用途は異なりますが、大量のデータから意味のある情報を抽出するという点で同じです。エンジニアが利用するデータ処理の種類は、以下の3点が挙げられます。本章では、エンジニアが利用するデータ処理の種類について解説していきます。


  • ・自然言語処理

    ・画像処理

    ・数値処理

自然言語処理

自然言語処理とは、人間が日常で使用する自然言語(英語や日本語など)をコンピュータが処理する技術です。コンピューター言語とは異なり自然言語は、曖昧さを含んでいるためコンピュータは意味を推測しなければなりません。

例)あのお店は本当に「やばかった」
→やばかったの意味は文脈によって異なる

自然言語処理は、言語における語彙、文法、意味などを解析して、内容を推測しています。自然言語処理の主な用途は、テキストの自動翻訳、文章の要約、感情分析、自動回答システムの開発などです。

例えば自動翻訳システムは、入力された文章の言語を検知しその言語に対応する翻訳モデルを選択して翻訳を行います。また感情分析は、文章や発言の中から感情表現を自動的に抽出し、その感情の種類や程度を判定します。これらの技術は日々進化しており、今後ますます多くの分野で活用されることが期待されています。

2022年に発表されて話題のChatGPTも自然言語処理を基にしたサービスです。

画像処理

画像処理とは、デジタル画像を処理する技術です。例えば、画像の輝度や色彩を補正すること、画像内の物体を検出し、画像の特徴を抽出できます。

画像処理には、画像の前処理、特徴抽出、物体認識など段階を分けて画像を処理します。画像の前処理では、ノイズの除去や画像の輪郭の強調などを行い、特徴を抽出しやすくします。

次に特徴抽出では、画像の中から重要な部分を抜き出し、情報量を減らすことで計算の効率化を図ります。最後に物体認識では、画像から物体を検出しその種類や位置を認識する処理を行います。

画像処理の主な用途は、画像認識、顔認識、自動車運転支援システムなどです。自動車運転支援システムでは、車の周囲の状況をカメラで取得し物体検知技術を使って車両や歩行者を検知し、衝突回避などの制御を行います。また画像処理は医療分野でも活用されており、MRIやCTなどの医療画像の解析や診断支援システムの開発にも使われています。

数値処理

数値処理とは、数学的な演算を行い計算結果を出力する技術です。例えば、データの平均値や中央値、標準偏差、相関係数などを求める場合や、回帰分析や最適化問題などを解く場合に数値処理が必要となります。

数値処理の主な用途は、科学技術分野や金融やビジネス、マーケティングでの数値予測などです。金融分野では、株価や為替の予測に数値処理を利用しています。また医療分野では、画像処理と連携して、MRIやCTスキャンなどから得られたデータを解析し、病気の診断や治療法の開発に役立てることがあります。

また、数値処理は計算機科学でも広く使用されています。例えば電卓の計算やスプレッドシートなどの表計算ソフトは数値処理によるものです。また、オンラインゲームなどの物理演算にも数値処理は利用されています。

エンジニアが学ぶべき統計学

統計学の手法は、座学だけでは身に付きにくいです。ITエンジニアの場合は、実際の活用シーンを想定しながら、Pythonを使って学習するのが効率的です。エンジニアが学ぶべき統計学は、統計学の基礎やビジネスでよく用いられる統計学などを中心に学習しましょう。本章では、エンジニアが学ぶべき統計学を詳しく解説していきます。

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統計学の基礎

統計学は、過去のデータを分析して未来の予測や特徴を導き出す学問です。エンジニアにとって重要な統計学の基礎には、記述統計と推測統計が含まれます。記述統計はデータの要約と可視化に関連し、データの特性を理解するのに役立ちます。

一方、推測統計はデータからの一般的な結論や予測を行う方法を提供します。本項では、エンジニアが統計学の基本を理解し、データを効果的に扱うための記述統計と推測統計の概念について詳しく解説します。

記述統計

記述統計とは、収集したデータの統計量(平均、分散など)を計算して分布を明らかにし、データの「傾向」や「性質」を知る分野です。また「特定データに対して、特徴をわかりやすく表現する」ことを目的としています。

例えば、ある母集団の「平均身長」や「平均年収」は、記述統計の典型例と言えるでしょう。これらは母集団に属する人間の数値を並べただけではわかりにくい特徴です。そこで「平均」という考え方に沿って特徴をあぶりだし、異なる集団との比較などに使用します。ただし、記述統計には非常に大規模なデータの分析や、将来の推測などには不向きという弱点があります。

推測統計

推測統計とは、推計学とも呼ばれており収集したデータ(標本・サンプル)から母集団の性質を確率統計的に推測する分野です。記述統計学よりも後に登場し、記述統計学の弱点である「非常に大規模なデータの分析や、将来の推測などには不向きという」弱点を補えるという強みがあります。

推測統計では「データはある母集団の一部分である」という考え方をベースに分析します。そのため、限られたデータ(標本・サンプル)から母集団(実際には得られていないデータ)を推測できます。例えば、「今年の高校3年生の模試結果から本試験の結果を推測したい」というテーマがあるとしましょう。推測統計を使えば「卒業生の模試結果と本試験の結果の関係性」を分析し、今年の高校3年生の本試験結果を推測可能です。これは「回帰分析」と呼ばれ、ビジネスの現場でも良く使われる手法のひとつです。

このように推測統計は記述統計よりも実用的な側面があり、データサイエンス領域でも頻繁に使用されています。

ビジネスでよく用いられる統計学

エンジニアによって広く活用される統計学は、ビジネスシーンでの実計算処理をPythonで行う場合が多いです。実際のビジネス環境で頻繁に利用される統計学の分野には、確率分布、相関関係、統計的検定、回帰分析などがあります。本項では、ビジネスにおいてよく遭遇するこれらの統計学の概念について、詳細に説明していきます。

確率分布

確率分布とは確率変数の値と、その値がどの程度の確率で発生するかを分布形式で表す手法です。変数による確率の違いを視覚的に捉えたい時などに活用できます。確率分布は、データの性質や分析の目的に応じて選択する必要があります。適切に選択された確率分布は、データ解析や意思決定において強力なツールとなり、正確な予測や有用な情報を提供する役割を果たします。

相関関係

相関関係とは、あるデータ同士の関係性を数値化したもので、「-1〜+1」の間で表現する手法です。あるデータ同士の関連性を数値で表す際などに活用されます。

相関関係は、データ分析や統計学において重要な役割を果たします。相関関係を正確に把握することは、ビジネス戦略の策定において必要であり、データ駆動型の意思決定において有益です。

統計的検定

統計的検定とは単に「検定」とも呼ばれます。サンプルデータから母集団に関する仮説を検証する際などに活用される手法です。統計的検定は、統計学の学習早期の段階で学ぶ分野です。統計的検定を用いることで、データから得られた結果が偶然の産物か、ある種のパターンや傾向が存在するかを確認し、統計的に意味のある結論を導くことが可能です。

回帰分析

回帰分析とは、ある変数を別の変数の変動によって説明・予測するための手法です。「目的変数」と「説明変数」を使い、目的変数の動きを説明変数によって予測します。また、説明変数がひとつの場合は「単回帰分析」2つ以上の場合は「重回帰分析」と呼ばれ、重回帰分析はより高度な分析が可能です。

Pythonで統計学を行う際によくある質問

統計学の学習を検討しているエンジニアがよく持つ疑問や質問には、Pythonを用いた統計学に関連するものが多くあります。具体的には、Pythonを用いた統計学の勉強の難易度やPythonによる統計の具体的な事例、統計学でPythonがよく利用される理由についてなどがあります。本章では、Pythonで統計学を行う際によくある質問について回答します。

関連記事:Pythonエンジニアの転職事情を解説!求人数や年収も紹介

Q1. Pythonを用いた統計学の勉強は難しいのでしょうか?

Pythonを用いた統計学の勉強は、初心者でも比較的容易に取り組めます。Pythonには、データ解析に必要なライブラリが多数存在し、それらのライブラリを組み合わせることで計算仮定を理解せずとも実務に活用できるレベルの計算が可能です。

また、Pythonには直感的でわかりやすい文法が採用されているため、プログラミング未経験の人でも比較的理解しやすいです。一方で、統計学には必要な理論的な知識が必要になります。最低限の統計学知識を得てからPythonで学習することで、実務レベルの統計学を最短距離で身につけられるでしょう。

Q2. Pythonによる統計で具体的な事例はありますか?

Pythonによる統計の具体的な事例は複数あります。以下はその一例です。


  • ・回帰分析や重回帰分析によるデータの説明、予測

    ・データの集計や平均値など特徴抽出

    ・機械学習に必要なデータ処理

Q3.統計学でPythonがよく利用されるのはなぜですか?

Pythonには統計解析に必要なライブラリが多数あり、データ分析を簡単に行えるからです。代表的なライブラリにはNumpyやPandas、matplotlibなどが挙げられます。

これらのライブラリを活用することで簡単に実務レベルの統計学を実装できるため、Pythonを利用することが多いです。

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