おすすめの本とあわせてPythonで統計学を身につけ、より付加価値の高いエンジニアになろうPythonで統計学を学ぶメリットは?勉強の手順も解説

最終更新日:2021年12月1日

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データドリブンという考え方が業界・業態を問わずに広がっており、データ活用スキルの需要は高まっています。IT業界でもデータサイエンティストなどの統計学の知識を持ったエンジニアが人気です。
そこで注目すべきなのが「Python」です。Pythonは統計学関連のライブラリが充実し、関連したプログラムが作りやすい特徴を持ちます。Pythonの実務経験があれば、統計学知識の習得により、エンジニアとしての価値向上が可能です。
本項では、統計学とPythonの関係性、学習に向けたおすすめの本などを紹介します。

1. Pythonで統計学を勉強するメリット

統計学を学ぶにあたり、Pythonを利用することのメリットを確認しておきましょう。

近年は実際の統計業務をPythonを使ったアプリケーションで行うケースが増えており、Web上のノウハウや書籍の充実が進んでいます。これらを活用することで、統計学の知識が乏しい状態でも、Pythonを切り口として学習を進めやすいことが前提となっています。

煩瑣な計算を省略できる

Pythonは科学計算処理に必要なライブラリが充実しています。Pythonのライブラリには、統計で用いられる専門的な計算式が内包されており、基礎的な考え方さえ理解していれば、具体的な計算式を知らずとも実践的な統計を実行できるようになっています。もちろん読書や座学でも学習は可能ですが、Pythonを利用することで「煩雑な計算の理解」に時間を取られずにすむため、「統計を使ってできること」をダイレクトに理解し易くなるでしょう。

データが簡単に可視化できる

Pythonにはデータを可視化するためのライブラリも存在しており、これらを活用することで、直感的・感覚的な理解が進めやすいこともメリットです。
「Jupyter Notebook」のように、統計学の学習に適したツールが利用可能です。Jupyter Notebookは、「ノートブック」と呼ばれるファイルに対し、「プログラム本体」や「プログラムの説明」「実行結果」などをまとめておけるようになっており、PC上に統計学の学習環境を構築することができます。

2. Pythonで統計学を勉強する手順

Pythonを使った統計学の学習における順序を紹介します。

最初に統計学の基礎的な用語と考え方を知る

まずは統計学の基礎知識や用語について学習します。このとき、関連するPythonのライブラリの知識も同時に習得しておくと効率的です。
以下に、統計学の基礎として重要な分野を記載しています。

参考:一般財団法人日本科学技術連盟「統計的品質管理」

検定の考え方を理解する

検定は統計的仮説検定、仮説検定とも呼ばれ、「統計的な手法を用いて研究対象(母集団)の性質について仮説を立てて、それが正しいかどうかを調べる」ことを意味しています。

次の3ステップで実現します。

  • ・仮説を立てる

    ・仮説のもとデータを集めて、観察(集計)

    ・観察の結果、仮説が正しいといえるかどうかを調べる

相関の考え方を理解する

相関は2種類のデータの関係性を表すものです。
一方の数値が増加するともう一方の数値が増加または減少するという、2つの変数の相互の関係を検討する方法が相関分析です。これは、散布図を視覚的に考察するステップと、相関係数という数値により判断するステップとで構成されます。

回帰分析の考え方の理解する

ある数値を別の1つ以上の数値で説明や予測を行いたい場合などに、関係のあり方を調べる手法として回帰分析があります。
言い換えれば、結果の数値と要因の数値の関係を調べて、それぞれの関係を明らかにする統計的手法です。

環境を構築する

Pythonを使って統計を実こうするのに必要となる環境を構築します。環境構築は「統合開発環境」と「ライブラリ」のセットで行います。
Pythonで統計学を学習するには、以下を併用して環境を構築すると良いでしょう。

統合開発環境を用意する

Pythonで統計を行うための統合開発環境としてJupyter NotebookのライブラリのパッケージにAnacondaを利用するのがおすすめです。AnacondaをインストールすることでJupyter Notebookも同時にインストールされます。

Jupyter Notebook
Python他のプログラミングをブラウザ上で行うことができる統合開発環境です。OSSのWebアプリケーションであり、実行可能なソースコード、説明の文章、実行結果などをまとめて管理することができます。

Anaconda
Python本体とデータサイエンス用ライブラリがセットになったディストリビューションです。1500以上のデータサイエンスパッケージを利用でき、統計学の学習に必要なライブラリはほぼ網羅されています。

ライブラリを併用する

以下のライブラリはすべてAnacondaのインストールに含まれており、環境設定後は利用可能です。代表的なものについて記載しています。

pandas
統計量の可視化・グラフ化などを得意とするライブラリです。データ読み込み・並べ替え・欠損値の補完・といった「データの下処理」を行う機能も搭載されています。

NumPy
数学的な計算に特化したライブラリです。「行列」「微分」「三角関数」といった計算を容易に実現できます。

Matplotlib
「描画」に特化したライブラリです。線グラフや棒グラフ、3Dグラフなどが手軽に作成できるため、推測値の視覚化などに活用することができます。

SciPy
NumPyよりも高度な科学計算が可能なライブラリです。統計用のモジュール「stats」を利用できるため、Pythonを使った統計学の学習ではぜひ取り入れていきましょう。

身近なデータを用いて統計処理の実装を行う

開発環境とライブラリの準備が整ったら、次の手順で作業を行い、実際に統計処理を行ってみましょう。

データを収集し、要約統計量を算出する

分析したいデータを収集し、一覧化します。その後はPythonを使ってデータの特徴を抽出します。ここでは、個別のデータよりも「全体の特徴」を理解することに努めます。

データを可視化する

次に、細かくデータを分析するための可視化(ヒストグラム化)を行います。ヒストグラム化は、データ同士を区間で区切り、その区間に含まれるデータの数・割合を可視化するものです。ヒストグラム化によって、個々のデータの特徴・傾向が直感的に理解できるようになります。

散布図を作成する

可視化が完了した後は、多変量解析を行ってみましょう。多変量解析は、異なるデータ項目間の関係性を確認する方法です。前述したPython用ライブラリ「NumPy」には、多変量解析に必要な「行列演算」の処理が含まれているため、ぜひ活用してみてください。

3. Pythonで統計学を学ぶのにおすすめの本

Pythonを使って統計学に必要な処理を実現する手順を説明してきましたが、学習とPythonによる検証を独学だけで進める場合は難易度が高くなってしまいます。そのような場合には書籍とあわせて学習することをおすすめします。

統計学の基礎を学ぶためにおすすめの本

統計学の基礎から学ぶ場合におすすめの本を紹介します。

Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書 (AI & TECHNOLOGY)

以下の点に重点を置き、Pythonをツールとして統計学を学ぶための書籍です。

  • ・データをどのように分析するのか

    ・なぜそのように分析するのが良いことなのか

    ・Pythonを使ってどのように分析するのか


統計学の基礎理論からJupyter Notebookを使った統計のためのプログラミングまでをカバーしていることが特徴です。

Pythonによる統計分析入門

Python、統計学のどちらも初心者という人でも気軽に学べる書籍です。Pythonについては基本文法やライブラリパッケージから丁寧に記載されています。統計学についても基礎理論から学べるよう記述されており、まさに入門に向けた一冊です。

Pythonで統計学を応用したプログラミングスキルを身に着けるための本

統計学の基礎が身についたら、統計学的な処理を応用してPythonのプログラミングスキルを磨くための書籍にも挑戦してみましょう。

Pythonによるデータ分析入門 第2版 ―NumPy、pandasを使ったデータ処理

Pythonの代表的なデータ分析ツールpandas。その開発者であるウェス・マッキニー氏による書籍です。データ分析を行うための基本を網羅しています。
Numpy、pandasという利用頻度の高いライブラリの使用例が豊富に記載されています。書籍内のすべてのサンプルコードはダウンロード可能です。Jupyter Notebookを使って動作を確認しながら知識を習得できる様に記載されており、実践的な学習に向きます。
第2版にあたりPython 3に対応しています。

Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書 (AI&TECHNOLOGY)

データ分析エンジニアになるための基礎を身に付ける事を目的にした人向けの書籍です。
主な内容は以下となります。

  • ・Pythonの基本的な文法

    ・データフォーマットについて

    ・データの前処理技術

    ・データの可視化技術

    ・既存アルゴリズムでの機械学習の実装


Pythonのインストールからscikit-learnを利用した機械学習の実践方法までを学ぶことが可能です。Python3エンジニア認定データ分析試験の対策にも利用可能となっています。

4. エンジニアに統計学が求められる理由

エンジニアはデータの一番近くで働く職種です。せっかく豊富なデータが身近に存在しているのですから、その内容を統計学を使って分析することで、顧客や企業に大きな貢献をすることが可能です。

また、エンジニアはITスキルを持っており、他の職種よりも統計学を使った分析を実現しやすい立場でもあります。エンジニアは統計学を身に着けることで付加価値を高めることができるのです。

利益につながるデータ分析が可能になるため

現代はデータがビジネスの成否を左右する時代と言われています。データからビジネス課題の解決方法や、ビジネスの成長のヒントが得られるからです。しかし、取り扱うデータの量・種類共に増大が続く今、単純な集計だけではビジネスに活用できるデータを読み取ることが難しくなっています。

そこで注目されているのが統計学です。統計学は、ビッグデータを複数の観点から分析し、経営方針の決定などに役立つ意味のある情報を見つけ出すことに適した学問です。つまり、統計学を身につけることで、「データを分析してビジネスに活用できる人材」へとスキルアップできるのです。

また、今後は統計学をベースとした分析がより一般化していくと予想されます。一般的に統計はITツールとともに用いられるため、両方の知見・スキルを持った人材は付加価値が高いのです。

機械学習の基礎的な理論への理解を深めるため

Pythonを利用するエンジニアにとって統計分野以外でメリットが多いのがAI、機械学習の分野です。AIや機械学習の処理を実現する場合には、大量のデータをAIに学習させるため統計分野と近いライブラリを使うことも多くあります。

統計学も機械学習も「データを使って問題を解決する」方法論であり、関係深い存在です。両者を知ることで基礎的な理論の理解が深まります。

両者に関する知見を持ったエンジニアは、需要が非常に高いIT人材となります。

5. エンジニアが学ぶべき統計学

統計学の手法は、座学だけでは身に付きにくいものです。ITエンジニアの場合は、実際の活用シーンを想定しながら、Pythonを使って学習するのが効率的です。

統計学の基礎

統計学は「過去の事実(データ)から特徴を見つけ出し、未来に対する推測を行う学問」であり、主に以下2つの分野で構成されています。

記述統計

記述統計は、収集したデータの統計量(平均、分散など)を計算して分布を明らかにし、データの「傾向」や「性質」を知る分野です。また、「特定データに対して、そのデータの特徴をわかりやすく表現する」ことを目的としています。

例えば、ある母集団の「平均身長」や「平均年収」などは、記述統計の典型例と言えるでしょう。これらは母集団に属する人間の数値を並べただけでは特徴がわかりにくいものです。そこで「平均」という考え方に沿って特徴をあぶりだし、異なる集団との比較などに使用します。ただし、記述統計には非常に大規模なデータの分析や、将来の推測などには不向きという弱点があります。

推測統計

推測統計は推計学とも呼ばれており、採取したデータ(標本・サンプル)から母集団の性質を確率統計的に推測します。記述統計学よりも後に登場し、前述したような記述統計学の弱点を補うことができるという強みがあります。

推測統計では、「データはある母集団の一部分である」という考え方がベースに分析を進めます。そのため、限られたデータ(標本・サンプル)から母集団(実際には得られていないデータ)を推測することができます。例えば、「今年の高校3年生の模試結果から本試験の結果を推測したい」というテーマがあるとしましょう。推測統計を使えば、「卒業生の模試結果と本試験の結果の関係性」を分析し、今年の高校3年生の本試験結果を推測することができます。これは「回帰分析」と呼ばれ、ビジネスの現場でも良く使われる手法のひとつです。

このように推測統計は記述統計よりも実用的な側面があり、データサイエンス領域でも頻繁に使用されています。

ビジネスでよく用いられる統計学

エンジニアが統計学を活用するのは、ビジネスシーンで統計学を利用する場合の実計算処理をPythonで行う場合が多くなります。実際のビジネスでよく使われる統計学を具体的に見ていきましょう。

確率分布

「確率変数」の値と、その値がどの程度の確率で発生するかを分布状態で表す手法です。
変数による確率の違いを視覚的に捉えたい時などに活用されます。

相関関係

相関関係とは、あるデータ同士の関係性を数値化したもので、「-1~+1」の間で表現する手法です。あるデータ同士の関連性を数値で表す際などに活用されます。

統計的検定

単に「検定」とも呼ばれます。サンプルデータから母集団に関する仮説を検証する際などに活用される手法です

回帰分析

ある変数を別の変数の変動によって説明・予測するための手法です。「目的変数」と「説明変数」を使い、目的変数の動きを説明変数によって予測することが可能です。また、説明変数がひとつの場合は「単回帰分析」、2つ以上の場合は「重回帰分析」と呼ばれ、重回帰分析はより高度な分析が可能です。

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