R言語とPythonの違いとは?目的や汎用性などから徹底比較

最終更新日:2024年3月8日

R言語とPythonは、ともにデータ分析や統計解析の分野で使用されている言語です。しかし、両者は別のプログラミング言語であり、それぞれ強みが異なります。一般的にR言語はデータサイエンス、Pythonは機械学習やアプリケーション開発に適していると言われています。

今後、先端IT人材としてスキルアップを目指すのであれば、2つの言語の特性を見極め、どちらを優先的に学ぶかを明確にしておくべきでしょう。本記事では、R言語またはPythonを習得しようと考えている方に向けて、R言語とPythonの違い、求人比較、習得方法などを紹介します。

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この記事のまとめ

  • R言語とPythonは、ともにデータ分析や統計解析の分野で広く使用されているプログラミング言語で、それぞれ強みが異なる
  • R言語は統計データの分析や可視化に長けており、Pythonは最小限の記述で多くの処理を行える特徴がある
  • Pythonは、求人の豊富さや高速な処理能力、そして広範な用途に対応するため、今後の学習に最適なプログラミング言語

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R言語とは?

R言語は、統計解析やデータ解析の分野で人気のあるプログラミング言語として知られています。この言語は、統計モデルの構築や解析を効率的に行うことを主な目的として、1995年にニュージーランドのオークランド大学で誕生しました。

その後、2000年にオープンソースとして公開され、その利便性の高さから多くの学術機関や研究開発部門での研究ツールとして採用されてきました。この記事では、R言語の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

R言語の特徴

R言語は、統計解析の分野で多く用いられるプログラミング言語として知られています。統計データの分析や可視化の処理したり、機械学習などの統計解析に利用されます。さまざまな追加機能やグラフ作成ツールを提供する拡張パッケージが豊富に存在し、ユーザーのニーズに合わせて利用できます。また、WindowsやMacといった主要なOSで利用ができるため、多くのユーザーにとって利用しやすい言語となっています。

R言語のメリット

R言語は、データサイエンスや統計解析に特化した優れたツールです。この言語を使いこなすことで、データの整理や解析、そして可視化をスムーズに行なえます。さらに、多種多様なビジュアライゼーションツールを活用することで、データを視覚的かつ効果的に伝えるグラフを容易に作成できます。また、R言語はオープンソースであり、多くのユーザーに支持されています。これにより、世界中のユーザーからのサポートや豊富なオンラインリソースを利用できることも大きな魅力です。

R言語のデメリット

R言語は、通常のソフトウェアやシステムの開発には向いていません。その主な理由は、R言語が統計解析やデータ処理に特化しているためです。R言語は、統計に関する専門的な知識が要求されるため、初心者には少しハードルが高いかもしれません。また、他のプログラミング言語に慣れている方がR言語を学ぶ場合、その独特の文法やデータ操作方法に時間を要することが予想されます。

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Pythonとは?

Pythonは、1991年にオランダのグイド・ヴァンロッサム氏によって生み出されたオブジェクト指向のプログラミング言語です。Pythonは、シンプルで読みやすい文法から初心者にも学びやすいプログラミング言語です。特に、機械学習の分野ではPythonは人気があり、多くのデータサイエンティストやAIの研究者が活用しています。本章では、Pythonの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

関連記事:Pythonエンジニアが担当する仕事内容やその開発分野とは

Pythonの特徴

Pythonは、構文がシンプルで記述量が少なく、最小限の記述で多くの処理を行えるという特徴を持ちます。また、ライブラリを標準・外部ともに豊富に搭載しています。そのため、さまざまな機能の実装を容易に行えます。近年は機械学習関連の開発において、事実上のデファクトスタンダードになっており、他の言語の追随を許さないほどの人気を誇っています。

関連記事:Pythonとは?特徴やできること・活用事例などを解説!

Pythonのメリット

PythonはR言語に比べると「使う人を選ばない」ことがメリットです。例えば、統計解析やデータサイエンスの専門知識を持たないITエンジニアであっても、ライブラリの知識さえあれば高度な計算処理を実装することが可能です。特にAI開発に欠かせない機械学習をサポートするライブラリが増えたことで、機械学習関連の開発コストが減ったという見方もあるようです。

関連記事:Pythonは就職に有利!そのメリットと就職の3ステップ

Pythonのデメリット

Pythonは、その使いやすさや多機能性で多くの開発者から愛されていますが、完璧なプログラミング言語というわけではありません。例えば、C++のような言語よりも実行速度が遅いことが挙げられます。さらに、Pythonの開発環境の設定やデバッグ作業は、他のプログラミング言語と比べてやや複雑になることがあります。特に大きなプロジェクトでは、設定やツールの管理に手間取ることが考えられます。

関連記事:C#とは?特徴やメリット、C言語やC++との違いを解説

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R言語とPythonの違い

R言語とPythonは、データ分析や統計解析といった分野で多く活用されています。しかし、これらの言語の間にはどのような違いが存在するのでしょうか。それぞれの言語は独自の特徴や強みがありますが、どちらが自分のニーズに合っているのかを見極めることは重要です。ここでは、R言語とPythonを「目的」「汎用性」「処理速度」「プログラミングのやりやすさ」で比較していきます。

目的

2つのプログラミング言語の最も大きな違いは、その目的にあります。R言語は統計学的な処理を経て「説明」を行うための言語です。これに対してPythonは、種々のデータから「予測」を行うことが多い言語だと言えます。

例えばR言語では「Plotメソッド」を記述することで簡単に視覚化が行えます。一方Pythonは、外部ライブラリをインポートして視覚化しなければなりません。最終的にどちらも可視化できますが、よりスムーズかつ簡単に「説明」を行えるのはR言語です。

一方、商品の売れ行きやキャンペーンの結果など、企業内に蓄積されたデータを有効活用しながら「予測」を行う場合は、Pythonに軍配があがります。これは、機械学習のためのライブラリが豊富なだけではなく、最新の予測手法もPythonで実装されることが多いためです。現在は「機械学習のトレンド=Pythonのトレンド」と言っても過言ではない状況であり、機械学習による予測はPythonを使用する最大の目的となっています。

汎用性

汎用性の面で見ると、Pythonが一歩リードしていると言えます。Pythonは汎用スクリプト言語として知られており、その用途は非常に幅広いです。統計解析から機械学習、さらにはアプリケーションの開発まで、Pythonは多岐にわたるタスクを効率的にこなすことができます。このような柔軟性と広範な対応能力が、Pythonの魅力です。

処理速度

処理速度の点では、PythonはR言語よりも優れていることが多いです。具体的には、同じタスクを実行した場合、PythonはR言語よりも6倍から15倍ほど速く動くことがあると言われています。つまり、大量のデータを扱う時や、時間が限られていて迅速な結果が求められる場面では、Pythonの方が効率的に作業を進めることができます。

プログラミングのしやすさ

プログラミングのしやすさで比較すると、Pythonに軍配があがります。R言語も比較的扱いやすいという評判があるものの、汎用スクリプト言語として作られているPythonに比べると、やや見劣りするかもしれません。

Pythonは統計解析のみならず、一般的なアプリケーション開発でも広く使われている言語です。また、業務システム内に組み込む「ある処理をバッチ処理化して定期的に実行させる」といった使い方などは、Pythonのほうが圧倒的に使いやすいです。さらに、R言語はPythonに比べてメモリ消費が激しい傾向にあるという点も、Pythonの優位性につながっています。

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R言語とPythonの求人比較

R言語とPythonの違いを確認したところで、ここからはR言語とPythonの求人を比較していきましょう。ここでは、ITエンジニアのための転職サービス「レバテックキャリア」に掲載されている求人の中から、R言語とPythonのスキルをキーワードに検索した結果をピックアップしてご紹介します。R言語やPythonを使った仕事に興味がある方は参考にしてみてください。

R言語の求人例

【想定年収】
350~600万円

【業務内容】
・ビッグデータの分析(データ収集、抽出、加工、集計、可視化、特徴の発見、業務への活用)
・課題とする業務の分析→内製化→自動化など効率化への流れを目指した業務改善の支援
例:品質安定化(製造系)、与信分析(金融系)、 運用効率化(工業系)、 商圏分析(小売系)、 顧客分析(マーケティング系)
・データ基盤の構築、運用
・分析に必要なデータの変換と整備の提案。データ蓄積のためのDWHやデータレイクの設計、構築、実装作業

【求められるスキル・経験】
・BIツールを使用した可視化や統計解析、AI(機械学習、ディープラーニング)などの業務に携わった経験

Pythonの求人例

【想定年収】
760~860万円

【業務内容】
・SQLを用いたデータ抽出
・Pythonを活用した分析
・分析結果を元にしたマーケティング施策の策定
・既存サービスの再定義(ユーザーのペルソナ再設定、マーケティング施策の提案/効果検証)
・新規サービスの企画(企画チームと連携し、誰にどのような価値のあるサービスをどう届けるのかを検討/実行)

【求められるスキル・経験】
・0を1にするサービス立ち上げに関わった経験がある方
・開発ディレクション経験をお持ちの方
・KPI設計の経験をお持ちの方
・SQLにてデータを抽出し、Python活用して分析をした経験がある方
・運用設計(ドキュメント作成)ならびに実運用の経験がある方

関連記事:Pythonエンジニアが高年収な理由は?需要と将来性についても解説

求人数

2023年9月時にレバテックキャリアで求人検索するとそれぞれ下記件数がヒットしました。


  • R言語:369件

    Python:4,484件


Pythonの求人数は10倍以上あるため、就職や転職先を見つけるのはPythonの方が容易と言えるでしょう。

関連記事:Pythonエンジニアの転職事情を解説!求人数や年収も紹介

年収

2023年9月時にレバテックキャリアの求人を確認するとそれぞれの年収幅は以下の通りでした。


  • R言語:450〜2,000万円

    Python:350〜2,000万円


どちらの言語もデータサイエンティストなど需要の高い職種は高い年収を設定されています。また、Pythonは様々な分野に活用されているため、R言語と比べて年収幅が広いようです。

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R言語とPython、どちらを学ぶべきか?

PythonとR言語は、データ分析や統計解析の分野で多く用いられるプログラミング言語です。しかし、それぞれの特色や用途には明確な違いがあります。自分のキャリアや目標に合わせて、最適な言語を選択することが重要です。

具体的には、データの詳しい可視化や専門的な統計解析を行いたい方にはR言語がおすすめです。一方、ビッグデータの分析やAIの領域での開発に関心がある方は、Pythonが向いています。さらに、求人の数や初心者向けの学習リソースの点で見ると、Pythonが優れていると言えます。ここからは、PythonとR言語のどちらが自分に適しているかを選ぶ基準を紹介します。

データの可視化・解析などの専門分野で活躍するならR言語

データの可視化・解析などの専門分野で活躍したいと考えるならR言語がおすすめです。この言語は統計解析に特化しており、専門的なデータ解析スキルを習得するのに最適です。機械学習やテキストマイニングといったデータ抽出・探索の分野でも、R言語はその専用パッケージを持つなど、非常に優れています。また、データの正確な可視化に関しても、R言語はExcelを上回る能力を持ち、高度なグラフ作成やデータ整理ができます。

ビッグデータの解析やAI開発ならPython

ビッグデータやAIの開発を目指す方には、Pythonの学習がおすすめです。Pythonはその汎用性から、ビッグデータの解析やAIの構築に非常に適しています。対照的に、R言語はメモリ消費が大きく、大量のデータ処理には向きません。特にディープラーニングのような大きなデータセットを使用する場合、Pythonの方が効率的です。

求人数や学習のしやすさなどではPython

Pythonは求人数の多さや学習のしやすさで一歩リードしています。AIの分野での需要の増加に伴い、Pythonの求人も増加傾向にあります。対照的に、R言語はデータ解析に特化しているため、求人の幅は狭めです。

Pythonの学習は、そのシンプルな構造と豊富な学習リソースのおかげで、初心者にも取り組みやすいです。R言語も基本的にはシンプルですが、統計や数学の深い知識が必要とされる場面が多く、学習の敷居は少し高めです。総じて、仕事の幅を広げたい方や初めてのプログラミング学習を考えている方には、Pythonが特におすすめです。

関連記事:Pythonによる機械学習入門!プログラミングの勉強法も解説

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R言語とPythonの習得方法

PythonとR言語の習得には、参考書やオンライン学習サイトが役立ちます。データサイエンティストの役割が増える中、R言語とPythonをサポートする学習サイトも増加しています。

オンライン学習サイトを活用すれば、自分の興味やニーズに合わせて、PythonやR言語を効果的に学べます。ただ、データアナリストとしてのキャリアを目指す方は、プログラミングだけでなく、統計学の基礎も身につけることが重要です。

独学であれば、継続的な学習と学習意欲の維持が求められます。もし独学が難しそうな場合、プログラミングスクールの利用も考慮すると良いでしょう。

また、以下にR言語とPythonの習得に、おすすめな書籍とオンライン学習サイトを紹介します。

R言語のおすすめ書籍

『R言語ではじめるプログラミングとデータ分析』(馬場 真哉)

この入門書はR言語の初心者向けに、データ分析の基本とR言語の初歩をわかりやすく解説しています。無料で利用可能なR言語の特徴や、生産性を高めるTidyverseパッケージ群についても触れています。本書の特色として、初心者に優しいステップバイステップの進行、3行で完結するプログラミング事例の紹介、各章の難易度マークなどがあります。

R言語が学べるオンライン学習サイト

ドットインストール

ドットインストールは、プログラミング初心者向けの学習プラットフォームで、短い3分間の動画を通じて各レッスンを学ぶことができるのが魅力です。R言語の入門講座も提供されており、通勤や休憩時間などの短い時間を利用して効率的に学習することができます。

Pythonのおすすめ書籍

『スッキリわかるPython入門 (スッキリわかる入門シリーズ)』(国本大悟、須藤秋良、株式会社フレアリンク )

本書は、プログラミングの基礎をわかりやすく解説し、楽しいストーリーを通じて初心者もスムーズに読み進められるよう工夫されています。プログラミングのコツを効果的に学べる内容となっており、機械学習やWebアプリケーションへの学習も可能です。また、練習問題やエラー対策のセクションも含まれており、挫折せずに確実にスキルアップできます。

pythonが学べるオンライン学習サイト

python Japan

python Japanは、Pythonに関連する情報が豊富にまとめられたWebサイトです。ボランティアの手により、Pythonの公式ドキュメントが日本語に翻訳されており、さらに最新のニュースやアップデート情報なども掲載されています。

関連記事:Python学習サイトまとめ!初心者におすすめのロードマップをご紹介!

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R言語とPythonに関するよくある質問

R言語とPythonに関する学習を考えている方たちは、これらの言語に対して数多くの疑問を抱えています。特に、これらの言語のメリットやデメリット、そして学習の難易度に関する質問が多く寄せられます。また、R言語とPythonのどちらを学習すべきかという選択に悩む方も多いです。本章では、R言語とPythonについてのよくある質問を、分かりやすいQ&Aスタイルで紹介します。

Q1.R言語のデメリットは?

R言語はPythonと比べると処理速度が遅く、最大で15〜6倍かかってしまいます。また、Pythonと比べて汎用性が低く、メモリ使用量も多い傾向にあります。

Q2.PythonとR言語のメリットは?

それぞれの言語の目的が異なるため、目的に応じて使い分けられる点です。R言語は統計学的な処理を経て「説明」を行うための言語です。これに対してPythonは、種々のデータから「予測」を行うことが多い言語になります。

Q3.R言語の難易度は?

R言語は多数あるプログラミング言語の中で比較的扱いやすいとされていますが、Pythonと比べるとやや難易度は高いです。ゼロからプログラミングに挑戦する際はPythonがおすすめです。

Q4.R言語とPythonのどちらを学ぶべき?

現在の求人数や言語の難易度、汎用性を踏まえてこれから学習する方はPythonがおすすめです。

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