- SEが転職時の自己PRを書く7つのポイント
- SEに求められるスキル別の自己PR例文集
- 特定分野のSEに転職する場合の自己PR例文
- メーカー系からユーザー系企業のSEへの転職の自己PR
- 未経験からSEへの転職での自己PR
- 自己PRは第三者チェックでブラッシュアップするのがおすすめ
- SEの自己PRに関するよくある質問
- まとめ
SEが転職時の自己PRを書く7つのポイント
採用担当者に伝わりやすい自己PRを書くためのポイントについて解説していきます。この7つのポイントはすべて重要で意識しておく必要があります。とはいえ難しいことではありません。基本的なものなので、転職経験のある人にとっては基本の復習のようなものになるでしょう。知っていても意識していないと抜けてしまう可能性があるので、その点はご注意ください。
関連記事:SEに必要な7つのスキル|関連職種からスキルアップの方法まで紹介
1. 企業が求める人材像・スキルを意識する
自己PRは、企業側が求める人材像やスキルに沿った内容が望ましいです。たとえば、特定領域の技術力を求める企業に対して、別の分野の技術力をアピールしても結果にはつながりにくいです。「仕事内容の下調べをしていないのでは?」と悪い印象を与えてしまうおそれもあります。
転職を希望する企業の仕事内容や求められる人材像・スキルをしっかりと調査したうえで、それらに合わせたアピールポイントを考えましょう。
2. 転職理由を明確にしておく
自己PRを考える際には転職理由を明確にする必要があります。たとえば、転職理由が「習得した技術や培ってきた経験を、より活かせる場所で働きたい」という場合です。この場合、現職(前職)では活かせない状況なのか、活かせるよう努力したのかなどが見られるでしょう。合わせて、志望企業で活かせる内容であるのかチェックされます。矛盾が生じないこと、企業研究を念入りに行なっていることを示せる自己PRにする工夫が必要です。
3. 話題を盛り込みすぎない
自己PRでは話題を盛り込みすぎないことも大切です。自己PRの柱となるテーマは1つ、多くても2つに絞り込みましょう。
たとえば、「リーダーシップがあり・コミュニケーション能力が高く・技術にも自信があり・クライアントからの信頼も厚い」といった自己PRを考えたとします。これでは、一つひとつの話題が薄まってしまいます。また、人によっては「何を言いたいのか分からない」と感じるでしょう。
伝えたいことがたくさんあったとしても、自己PRに書く話題は絞り込むべきです。ほかのスキルや強みは、面接でもアピールできます。絞り込みをする際は、企業が求める人材像・スキルを意識しましょう。
4. 技術力が伝わる具体的なエピソード・実績を示す
自己PRは具体的なエピソードを添えることが重要です。「C言語が使えます」よりも「C言語で開発を行うプロジェクトに3年間関わっていました。そのプロジェクトではポインタも多用しており、使いこなすことができます」と具体的に説明したほうが伝わりやすくなります。
ただし、あまりにも具体的に企業名やプロジェクトの詳細を書くのは避けましょう。守秘義務を守れないと思われる可能性があります。
5. 自分なりの工夫や結果を示す
見栄えの良い自己PRを意識するあまり、テンプレート的な自己PRを書いてしまう人も少なくありません。しかし、あまりにもテンプレート的な自己PRでは、面接官の印象に残りにくくなってしまいます。
過去のプロジェクトを例に挙げて自己PRをするのであれば「プロジェクトに対する自分なりの工夫やその結果」を示しましょう。小さなことでも構いません。それだけでオリジナリティの高い自己PRとなり、担当者に良い印象を与えられます。
6. 経験期間を記載して経験の豊富さをアピールする
過去の経験をアピールする場合、期間が重要です。企業の募集要項でも期間が記載されていることが多く、一つの目安になります。経験期間が長い場合はアピールしやすいですが、逆に期間が短くてアピールしにくい場合もあるでしょう。その場合、期間は短いが短期間にここまでの開発を行った、といった短期集中でやり遂げたことなどをアピールしていくと良いでしょう。
7. アピールポイントとキャリアプランは一致させる
アピールポイントとキャリアプランは対応している必要があります。キャリアプランから逆算してアピールポイントを選ぶということです。詰め込みすぎるとかえって焦点がぼやけるので、アピールポイントの取捨選択も重要です。
SEに求められるスキル別の自己PR例文集
アピールしたいスキルによって、自己PRの文章は変わってきます。以下では複数のパターンを紹介しますが、以下に当てはまるPRだけが正解というわけではありません。人それぞれ強みは異なり、中には一般的にはあまりない個性的な強みをアピールする人もいるでしょう。そのため以下はあくまでも例文となります。以下を参考に、オリジナルのアピールポイント、PR文を作成してください。
顧客対応力をアピールする例文
顧客対応力をアピールする例文です。
例文
私は5年間システムエンジニアとして働き、なかでも顧客対応に力を入れてきました。プロジェクトではさまざまなトラブルが起こり、設計やプログラミングを進めているだけではうまくいきません。そこで、積極的に顧客に対してヒアリングを行い、トラブルに発展する前に解決することを心がけました。
私がヒアリングで重要視していることは、顧客のニーズを正確に読み取るために業務内容や現状の課題、最終的な目的について細かく伺うことです。また顧客がうまくニーズを表現できない場合もあるので、その際はこちらから提案を行い、ご理解いただいた上で開発を進めることが重要と考えています。
その結果、配属当初よりもトラブル発生率は20%ほど減少し、クライアントとの齟齬から生まれる修正もなくなりました。
自己PR作成で意識するポイント
顧客対応力に絞ってアピールするため、設計やプログラミングのスキルについては触れていません。その前段階の顧客からのヒアリングに力を入れることで、設計とプログラミングの結果も良くなるという趣旨です。
ただし設計やプログラミングのスキルもアピールする必要はあるため、スキルシートなどでアピールしましょう。自己PRと組み合わせることで強力なアピールになります。
マネジメント力をアピールする例文
マネジメント力をアピールする例文です。
例文
私はシステムエンジニアとして働きながらも、マネジメントに力を入れてきました。開発チームが少人数だったため、プロジェクトマネージャーのサポート役としてポジションを任せられ、自身のスケジュール管理はもちろん、プロジェクトのコスト管理、リスク管理、ほかの開発メンバーの成果物やスケジュール管理など、あらゆる種類のマネジメントのサポートを行ってきました。
特にマネジメントで重要なのはリスク管理だと考えています。プロジェクト内では不足の事態が起こるため、あらかじめ推測して労力、人員、スケジュールなどに余裕を持たせることが重要です。このような考えから、プロジェクトマネージャーへの提案も積極的に行ってきました。
自己PR作成で意識するポイント
マネジメント人員を募集している企業を想定してアピールしています。システムエンジニアとして開発に力を入れるだけでなく、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーへのキャリアアップに力を入れてほしいと考えている企業も多いです。
自身の開発を行いながらも周囲に目を向けて、広い視野でマネジメントができる人材はプロジェクト内でも重宝されます。
正確性をアピールする例文
正確性をアピールする例文です。
例文
私は業務をミスなく正確に進めることに力を入れています。金融機関のプロジェクトに4年間在籍していたため、正確性の徹底は体に染み付きました。金融システムは一つのバグがシステム全体におよぼす影響が非常に大きく、顧客や顧客の顧客に大きな損害を与えてしまう可能性があります。
そのため、設計、プログラミング、テストのどの段階でも仕様に問題ないか、仕様通りにできているかの確認は徹底してきました。結果的に、4年間の間システムに大きなトラブルはありませんでした。
自己PR作成で意識するポイント
システム開発において正確性は非常に重要です。その点をしっかり把握し、転職後も正確に業務を進められるというアピールになっています。創造性やモチベーションをアピールしたいと考える人が多いため、正確性のアピールは差別化にもつながる可能性があるでしょう。
ユーザー目線をアピールする例文
ユーザー目線をアピールする例文です。
例文
私はユーザー目線を持ってシステム開発を行うことを重要視しています。なぜなら、システムを利用するのはあくまでもユーザーだからです。モノづくり全般、作り手側ではなくユーザー側の目線で行うべきというのが私の考え方になります。
システムを開発する際には、要件定義からシステムの利便性やユーザー体験にこだわり、初めてシステムを利用するユーザーでも感覚的に操作できることを意識しています。その結果、多くのユーザーから「使いやすい」「見やすい」といった声をいただきました。
自己PR作成で意識するポイント
ユーザー目線をないがしろにし、開発者の独りよがりになってしまうケースは少なくありません。システム開発は最終的にユーザーに利用してもらうことでサービス、ビジネスとして成立します。ユーザー目線を持っているということは、ビジネスの視点を持っているということにもつながります。
プログラミングスキルをアピールする例文
プログラミングスキルをアピールする例文です。
例文
私はプログラミングが好きで、仕事以外にもいろいろなアプリを開発しています。前職では主にWebシステムを担当していましたが、プライベートではiOS、Androidのアプリを開発してリリースしました。
また新しい技術にも興味があり、スキルを停滞させないためにも学習を続けています。現在はScalaを独学で学んでいて、アプリの開発も予定しています。
自己PR作成で意識するポイント
プログラミングスキルに自信がある場合、シンプルにプログラミングスキルをアピールするのが良いです。さまざまなアピールポイントを紹介してきましたが、やはり企業はSEに対して高いプログラミングスキルを求めています。またマネジメントやコミュニケーションよりも目に見える形ではっきりとポートフォリオなどを提出できるので、発言の根拠を明確にしやすいです。
論理的思考力をアピールする例文
論理的思考力をアピールする例文です。
例文
私は論理的思考力アップに力を注いできました。前職ではプロジェクト内で発生したトラブルの原因と結果を整理し、今後発生するトラブルや対応にかかる労力や時間を見積もれるようになりました。その結果、プロジェクトごとに最適なリソース配分ができるようになり、納期遅れは0件になりました。
自己PR作成で意識するポイント
論理的思考力という用語自体は抽象的なので、アピールしたい場合は具体的なエピソード、何をもって論理的思考力なのかという説明が必要です。エピソードを聞くことで、論理的思考力の定義が明確になるようなアピール文が良いでしょう。上記の場合、物事の因果関係を明確にし、そこから未来予測することを論理的思考力と定義づけています。
自己学習能力をアピールする例文
自己学習能力をアピールする例文です。
例文
私は常にスキルアップのための自己学習を行っています。自己学習の手段は、専門書、スクール、学習サイトなどによるインプット、実際に手を動かしてアプリケーション開発を行うアウトプットです。
また自分が学習した内容はコンテンツとして人に共有しています。ブログやYouTubeにもアップしていて、詳細はポートフォリオに記載しました。
自己PR作成で意識するポイント
自己学習能力をアピールする場合、現状何に取り組んでいるのか、それがどのような形になっているのかといった説明が重要です。そして、ポートフォリオを提出できるとより良いでしょう。ポートフォリオは、開発したシステム、ブログや動画による情報などが挙げられます。
トラブルへの対応力の高さをアピールする例文
トラブルへの対応力の高さをアピールする例文です。
例文
私はこれまで数多くのトラブル対応を行ってきました。すでにトラブルが発生しているプロジェクトに参画することが多く、トラブル対応が必須の状況だったためです。システムやアプリケーションが停止したプロジェクトでは迅速に原因を特定し、対策を講じる必要がありました。
方法としては、ログ分析、デバッグツールの使用、ネットワークトラブルの診断、適切なバックアップの取得などです。またトラブル発生時には当然ユーザーへの説明も求められます。ユーザーからの問い合わせに対しては分かりやすい説明を心がけてきました。今後もトラブルが発生した際には的確に状況を把握し、臨機応変な対応を心がけてまいります。
自己PR作成で意識するポイント
トラブル対応力はSEにとって重要なスキルです。トラブル対応力をアピールする場合は、具体的なエピソードが重要でしょう。どのようなトラブルが発生したのか、どのように対処したのか、そこから何を学んだのか、今後より良いトラブル対応としてどのような行動を取るか、といったことをアピールしましょう。
コミュニケーション能力をアピールする例文
コミュニケーション能力をアピールする例文です。
例文
私はシステム開発の現場ではコミュニケーションがプロジェクトの成否に直結すると考えています。新人の頃にクライアントやプロジェクトメンバーとの連携不足によりプロジェクトが円滑に進まない状況を経験しました。
この経験以降、私は常にどのようにコミュニケーションを取ればプロジェクトが円滑に進み、また周囲の人が働きやすい環境になるかを考え続けています。今後もコミュニケーションに力を入れ、プロジェクトを成功に導いていく所存です。
自己PR作成で意識するポイント
コミュニケーション能力が重要といわれることは多いですが、コミュニケーション能力は曖昧なものです。人によって考え方は異なるでしょう。そこで重要になるのが、コミュニケーション能力そのものや、それによって何を達成できるのかを明確にすることです。例文では、コミュニケーション能力をプロジェクトを円滑に進めることや周囲の人が働きやすい環境を作るためのツールと考えています。これにより、採用担当にコミュニケーション能力によるメリットが伝わります。
特定分野のSEに転職する場合の自己PR例文
SEは細かく分けると複数のITエンジニア職に分類できます。それぞれの分野で活躍するSEへと転職する際の自己PR例文とポイントを挙げていきます。自分の能力や企業で求められているものを考え、PRする内容を精査していってください。以下ではSEから目指す職種ごとの自己PR例文を紹介します。
関連記事:SEのキャリアパスとは?キャリアパスの具体例を詳しく解説
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアへの転職での自己PR例です。
例文
私はこれまでSEとしてさまざまなプロジェクトに参画してきました。大規模な業務用システム開発のプロジェクトもあれば、小規模なアプリケーション開発のプロジェクトもありました。その中で、私は自分がユーザーに近いアプリケーション開発でもっともやりがいを感じられることに気づきました。日常的にも新しいアプリケーションがリリースされたら利用してみることが多いので、ユーザーに近い目線でアプリケーションを改良していくことができます。
自己PR作成で意識するポイント
アプリケーションエンジニアに転職しようと考えた経緯や、そのような考えを持っているからこそアプリケーションエンジニアとして強みを発揮できることをアピールしています。技術力だけでなく、ユーザー目線でアプリケーションというサービスを改善していける人には需要があるでしょう。
Webエンジニア
Webエンジニアへの転職での自己PR例です。
例文
SE時代にフロントエンドからサーバーサイドまで一通り経験したので、Webエンジニアとしても技術的に対応できると考えています。また単にWebシステムを構築するだけでなく、サービス品質向上にも力を入れていきたいです。現在は伸びているWebサービスの研究や、アクセス解析、SEO施策などの勉強も行っています。これにより、ユーザーが使いやすい、サービスとして伸びやすいWebシステムを構築していけると考えています。
自己PR作成で意識するポイント
技術的に転職後の業務に対応可能であること、そこからさらにプラスして付加価値を付けられることをアピールしています。Webエンジニアが構築するWebシステムは、SEが構築するWebシステムに比べるとサービス寄りの面が強いでしょう。そのため、サービス面を意識していることや、勉強に力を入れていることはアピールポイントになりやすいです。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアへの転職での自己PR例です。
例文
前職では主にソフトウェアのプログラミングを行っていましたが、プロジェクト発足時にはクラウドサーバーを構築し、ネットワーク設定なども行っていました。また物理的な機器に触れるのも好きで、自宅に物理サーバーを設置し環境構築を行っています。これまでのプログラミング経験も活かして、物理サーバーにもクラウドサーバーにも対応できるマルチなサーバーエンジニアを目指したいです。
自己PR作成で意識するポイント
SEからサーバーエンジニアに転職する際は、特に採用担当者に納得のいく理由やPRが必要でしょう。SEからサーバーエンジニアへの転職が一般的ではないというわけではありませんが、比較的少数派の転職パターンだからです。上記の例文では、ソフトウェアのプログラミングを行っていたものの、サーバー技術への関心が高まっていったという流れになっています。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアへの転職での自己PR例です。
例文
SE時代は小規模なプロジェクトに参画することが多く、一人で幅広い工程を担当していました。要件定義からテストまですべての工程を担当するだけでなく、サーバーやネットワークといった環境構築も自分で行っていました。ソフトウェアの設計やプログラミングも好きな業務なのですが、ネットワークエンジニアとしてより土台となるネットワークのスキルを深めていくことに魅力を感じています。
自己PR作成で意識するポイント
サーバーエンジニア同様に、SEからネットワークエンジニアという転職は比較的少数派でしょう。そのため、採用担当者に納得のいく理由が必要です。ソフトウェアの開発が大変だったからネットワークの方に行こうとしているのではないかと勘繰られる可能性もあるので、そうではなく純粋にネットワークに関心があることや今後スキルを高めていきたいことをアピールすると良いでしょう。
プログラマー
プログラマーへの転職での自己PR例です。
例文
SE時代は要件定義からプログラミングまで幅広く担当していました。しかし徐々にプログラミングよりも上の設計までの工程のみ自分で行い、プログラミング以降の工程は別の人に依頼することが多くなっていきました。そんな中でプログラミングに力を入れたいという気持ちが増していき、やはり自身でコードを書くのが好きなのだと自覚しました。今後は上流工程も視野に入れていますが、その場合もやはり業務の主軸はプログラミングに置いて、プログラマーとして働いていきたいと考えています。
自己PR作成で意識するポイント
プログラマーという職種は企業によって扱いが異なり、SEとの対比でどのような位置づけになるかはケースバイケースです。しかし多くの場合、SEとプログラマーが在籍しているプロジェクトではSEの方が上流工程、プログラマーの方が下流工程を担当します。上流工程から下流工程への転職はどちらかというと少数派なので、なぜ下流工程に転職するのか採用担当者が納得する自己PRにすると良いでしょう。
社内SE
社内SEへの転職での自己PR例です。
例文
私の強みは提案力です。直近のプロジェクトでは製造業のお客様より「在庫の見える化をするために在庫管理システムを刷新したい」という相談を受けました。クライアントの生産現場や倉庫を見学させて頂いたところ、生産計画に対し、現場が製品を作り過ぎていること、その結果、倉庫内の管理がうまくいかず無駄な在庫が減らないことが分かりました。
そこで、「既存の生産計画・生産実行システム・在庫管理システムを結びつけること」と「倉庫の入出庫時を簡単に登録できる端末の導入」を提案しました。結果として、開発・導入費用を抑えつつ、在庫を減らすことに成功しました。
問題の本質を見極め、システムを使う側の立場でソリューションを提案してきた経験は、貴社でも必ず役立つと確信しております。
自己PR作成で意識するポイント
まず上流工程を経験している場合、クライアントや下請けと各種調整や管理を行った経験があるはずです。それらは社内SEにおいてもマネジメント能力としてアピールできます。次にクライアントに提案し、要望以上の成果を出した経験はアピール材料になります。社内SEはシステム導入によって仕事を効率化することが求められます。社内稟議を通すため上司や役員にプレゼンを行うこともあるため、提案力や問題解決力は社内SEにとって重要な要素です。
またハード・ソフトの選定に携わった経験があれば、製品に関する幅広い知識をアピールできるでしょう。転職希望先の企業や同業他社にシステムを導入した経験がある場合、業界に関する知識や理解があるはずです。それは転職後に社内システムを構築するうえでも役立ちます。
メーカー系からユーザー系企業のSEへの転職の自己PR
前項では、特定領域で活躍するSEに転職する際の自己PRの例文を紹介してきました。ここでは、そもそも別の業態のSEとして転職するパターンを紹介します。メーカー系SEからユーザー系SEへの転職を例として挙げています。
例文
私の強みはハンディターミナルやタブレットなど、通信端末に関する知識と多くの導入実績を持っていることです。ハンディターミナルは進化を続けており、スマートフォン並みの処理性能を持つ製品も少なくありません。使い方によっては、さまざまなソリューションを生み出します。
過去に携わったプロジェクトでは、大手病院にRFIDリーダー付き小型端末の導入を行いました。患者さんにはRFID付きのリストバンドを装着してもらうことで、本人確認が簡素化され、ミスを防ぐことにつながります。特に人間ドッグでは待ち時間が短くなり、患者様より高い評判を得たそうです。
現職の親会社では、多くの端末を生産していることはご存知かと思います。自社製品はもちろんですが、比較のために他社の端末についても数多く触れてきました。それぞれのメリット・デメリットは熟知しております。それらは貴社においても必ず役立つと考えています。
自己PR作成で意識するポイント
メーカー系企業SEからユーザー系企業のSEを目指すのであれば、ハードウェアに関する専門性とクライアントの抱える問題を解決した提案力が自己PRの柱となります。
まず、ハードウェアとの組み合わせによってソリューションを提案した経験がある場合、業種によってはユーザー系企業SEでも役立ちます。システムを実現するうえで、ハードウェアの視点で考慮すべきことは、専門でないと分からないことも多いため深い知識があれば自己PRにつながります。
さらに、クライアントが抱える問題を解決することは、メーカー系・ユーザー系SEに共通する部分です。これまでのプロジェクトにおける提案経験は自己PRにつながります。
未経験からSEへの転職での自己PR
未経験からSEに転職するパターンで自己PRの例文やそのポイントを紹介します。
例文
私は現職の仕事を通じ、製造業における設備管理システムについて深く理解しています。
製造業にとって生産設備はなくてはならないものです。生産を滞りなく続けるためには、適切に維持・管理を行う必要があります。一方で、緊急のオーダーなどへの対応で、設備の維持・管理が適切に行えないといったことは多くの生産現場が抱える課題です。
現職では生産計画と設備管理とを結びつけるシステムを導入し、多くの課題を解決しました。一方で、設備管理の履歴が残しにくいといった問題も感じています。
貴社では製造業向けに多くのシステム導入実績があるとうかがっているため、私のこれまでの経験が役立つと考えております。
一方、異業種からの転職希望のため、技術力に対して不安を抱いているかと存じます。IT業界への転職を考えて以降、独学にてC#を習得しました。これまでに作成したプログラムはGitHubに公開しておりますので、ぜひ一度ご確認いただければと思います。
自己PR作成で意識するポイント
未経験からSEへの転職を目指す場合、ユーザー目線や自ら身につけた技術力と学ぶ姿勢が自己PRの柱となります。
たとえば、製造業からSEを目指す場合を考えてみましょう。在庫管理・生産管理・設備管理など、さまざまな知識・経験があるはずです。製造業での実務経験は「製造業向けにシステムを開発している会社」にとっては大きなPRとなります。
また、未経験からSEを目指す場合には、技術力に対して不安を抱かれやすいです。その不安を払拭できるようなスキルをアピールすることも大切です。SEを目指すためプログラミングを学習しているはずなので、これまでどのような技術を身につけたのか、どれくらいのレベルなのかなども併せて示しましょう。
なお、技術力を示すためには、言葉で説明するよりも、プログラムを見せたほうが早いケースも多々あります。何かしらの成果物(ポートフォリオ)を作成し、そこでのプログラムをGitHubなどで公開するのがおすすめです。アカウントを伝えれば、採用担当者はあなたの書いたプログラムをチェックできます。
また、技術に興味を持ち、学ぶ姿勢も自己PRにつながるポイントです。
関連記事:未経験でSEに転職するには?年齢別のポイントや年収、実際の働き方を解説
自己PRは第三者チェックでブラッシュアップするのがおすすめ
自己PRは他人に伝わるものでなくては意味がありません。それにも関わらず、補足情報が少なく、書いた本人にしか分からない自己PRを作成してしまっている例も多く見られます。
そのため、自己PRを作成した後は、第三者にチェックしてもらうことをおすすめします。「強みは正しく伝わるか」「自分本位の自己PRになっていないか」「そもそも読みやすい文章になっているか」など、書いた本人では気づきにくい部分が見えてくるはずです。
自己PRのチェックを友人や同僚などに頼むのも良いですが、あなたのことやこれまでの働きぶりを知っている人だと、どうしてもバイアスがかかるものです。より冷静な目線でチェックしてもらうためには、転職の専門家であるエージェントの利用がおすすめです。
自己PRはしっかりとブラッシュアップして、あなたの魅力・強みを余すところなく伝えましょう。
関連記事:SE(システムエンジニア)の職務経歴書テンプレート|職種別の書き方のポイントも紹介
SEの自己PRに関するよくある質問
SEの自己PRに関するよくある質問と回答を紹介します。SEに必要なスキルや求められる要素を把握しておくことで、SEとして成長できるだけでなくSEから別の職種に転職する際にアピールすべきポイントが分かります。すぐに転職を考えていない人でも、自分の強み、アピールポイントは知っておいた方が複数の面から役立つでしょう。
Q1. SEに求められる強みはなんですか?
SEに求められる強みは複数あります。プログラミングスキル、マネジメントスキル、交渉力などが挙げられるでしょう。ただし自己PRでアピールするポイントは厳選すべきです。詰め込みすぎると焦点がぼやけるからです。
Q2. SEに活かせるスキルはなんですか?
SEに活かせるスキルには、プログラミングスキル、設計スキル、提案力、マネジメント力、問題解決力、情報収集力、コミュニケーション能力などが挙げられます。複数のスキルを幅広く身につける必要がありますが、自己PRではその中でも得意なスキルに絞ってアピールしてください。
Q3. SEに向いているのはどんな人ですか?
SEに向いているのは、問題解決力、論理的思考力、情報収集力がある勉強熱心な人です。現状のプログラミングスキルも重要ですが、土台となる考え方や性格も適性においては重要でしょう。適性があれば、現状のスキルが不足していても伸びていく可能性が高いです。
まとめ
SEに転職する場合、自分のスキル、経験、強みや企業が求めているものを分析して自己PRを考える必要があります。ある程度経験を積んでアピールできる要素が増えていくと、盛り込みすぎてしまう場合も多いでしょう。
特に技術職は、経験のある技術やプロジェクトの内容を記載しすぎてしまう傾向があるようです。内容を盛り込みすぎると焦点がぼやけて採用担当者に伝わらなくなるので、アピールポイントを絞って自己PRを作り込むことが重要です。
またアピールしたい主軸が何であっても、具体的なエピソードや経験内容を入れることが重要になります。エピソードや経験内容を入れることで、採用担当者に魅力が伝わるでしょう。たとえば主軸を論理的思考力にしていても、プロジェクト内で問題解決したエピソードがあれば技術力やコミュニケーション能力も伝わるということです。ぜひどうすれば自分の魅力が伝わるかを多角的な角度から考え、試行錯誤してください。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングでお話してみませんか?(オンラインでも可能です)
転職支援サービスに申し込む
また、「初めての転職で、何から始めていいかわからない」「まだ転職するかどうか迷っている」など、転職活動に何らかの不安を抱えている方には、無料の個別相談会も実施しています。キャリアアドバイザーが一対一で、これからのあなたのキャリアを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。
「個別相談会」に申し込む
レバテックキャリアのサービスについて