Javaエンジニアの仕事内容
Javaエンジニアは、Java言語を用いて各種のソフトウェアの設計・開発や運用保守などを担当するエンジニアです。Javaエンジニアが、Javaでどのようなシステムを開発するかや担当するフェーズは所属する企業やプロジェクトによって異なります。
以下ではJavaエンジニアがどのようなシステムを対象に開発を行うのか、代表的なものを紹介します。
ITシステム開発(基幹システムなど)
Javaエンジニアは、各種のITシステム開発において一般的なITエンジニア、プログラマーと同様に、SEからの指示を受けて主に「詳細設計」及び「コーディング」「テスト」などを担当します。
詳細設計は、プログラムの具体的な振る舞いや動作などの仕様を、実際にコーディングできるレベルまで細分化・具体化する工程です。基本設計で定められた内容をもとに、詳細設計では具体的なソースコードに落とし込めるレベルまで詳細化します。詳細設計書には、ソースコードの構成や処理の流れ、変数や関数の定義などが含まれます。
コーディングは、プログラミング言語を使用して、ソフトウェアの実装を行う作業です。Javaエンジニアは、プログラミング言語Javaによりコンピュータへの命令や指示を行います。
コーディングが完了したプログラムが仕様通りに動作するか確認する作業が「テスト」です。詳細設計やコーディングの成果を、テストを実施することにより確認する工程です。
Webサービス、アプリ開発
JavaはWebサービス・アプリ開発にも用いられています。特にサーバーサイドと呼ばれる利用者の目に見えない処理分野において、Javaの堅牢性、実行速度が評価されてよく利用されます。また、汎用性の高さからスマートフォン・PC・タブレットと、複数のデバイスで動作するアプリも構築可能です。
組み込み系開発
現在は、Webのイメージが強いJavaですが、その原点は家電製品向けの組み込み言語です。安定した動作とマルチプラットフォームという特徴を活かし、家電製品・デジタルデバイス、車載器や大型の設備機器などのマイコン(小型コンピュータ)向け組み込み用言語としても活用されています。組み込み系アプリケーション分野では、IoTの普及に伴った需要も見込まれます。
クレジットカードのICチップ内のソフトウェア実装
Javaエンジニアにとって近年重要な領域となっているのが、クレジットカードなどのICチップです。各種カードのICチップ内には、偽造防止のためのさまざまな情報が含まれており、その内部にはJavaによる処理が実装されています。
そもそもJavaとは
Javaは1990年代に登場し、広く普及したプログラミング言語です。Googleなどの企業でもさまざまな仕組みの構築に利用されており、信頼性の高いスタンダードなプログラミング言語としての立ち位置を確立しています。
以下では、Javaの言語としての特徴とJavaでできること、混同されがちなJavaScriptとの違いについて紹介します。Javaについてよく知らないまま学習するよりも、特徴などを知って効率的な学習にお役立てください。
Javaの特徴
Javaを他のプログラミング言語と比較した場合の特徴について紹介します。これらの特徴は、システムやアプリケーション開発時にJavaを採用する理由となります。
汎用性が高い
Javaの大きな特徴にあげられるのが、様々な用途で利用できる汎用性の高さです。各プログラミング言語では、Webやスマホアプリなど特化した開発領域を持つことが多いのですが、JavaはWeb、スマホアプリ、デスクトップアプリ、コマンドラインアプリ、バッチ、APIなど幅広い領域に活用できます。それぞれの用途のためのライブラリが充実していることも、この特徴を支えています。
マルチプラットフォームに対応している
Javaは動作環境にJVMを利用した仕組みを持つことで、一度記述してコンパイルしたファイルを様々な環境で動作させることができます。多くのプログラミング言語は、コードの記述やコンパイルして作成した実行モジュールに、ハードウェアやOSなどに関する依存が存在しています。Javaはコンパイラにより中間言語を生成し、中間言語を実行時に翻訳して機械語にすることで、コンパイラ言語の実行速度とマルチプラットフォームでの稼働を両立しています。
オブジェクト指向を採用している
Javaはプログラミングパラダイムとしてオブジェクト指向を採用しています。オブジェクト指向はプログラムで表現するモノを中心として設計、プログラミングするという考え方です。手続き型言語よりも後に登場し、今日まで幅広いプログラミング言語で採用されています。
オブジェクト指向に基づいて作られたプログラムは、モジュールの分割・部品化がしやすく、再利用性が高いため大規模なソフトウェア開発で好まれます。
コンパイラ言語のなかでは比較的難易度が低い
現在主流なプログラミング言語を大きく分類すると、コンパイラ言語とインタプリタ言語(またはスクリプト言語)に分かれます。
コンパイラ言語は、プログラムを実行する前にコンピュータが理解しやすい言語への翻訳を行う「コンパイル」を行う必要があります。その分、コンパイラ言語は処理速度の速さやメモリ管理を詳細に行うことができるメリットがあるのですが、プログラムそのものはインタプリタ言語(やスクリプト言語)よりも記述量が多く難解になりやすいとされています。
Javaはコンパイラ言語ですが、メモリ管理は基本的に開発者が意識する必要が無い仕組みが用意されています。したがって、C言語やC++などと比べると、プログラミング言語としての難易度は低いといえます。
フレームワークが充実している
JavaにはWebアプリケーション開発などに向けたフレームワークやライブラリが充実しているという特徴もあります。Javaは関連団体によるエコシステムが発達しており、様々なフレームワークやライブラリが生み出されてきました。
フレームワークとは、アプリケーション開発の骨組み・ひな形ともいわれ、Webアプリケーションの画面遷移など一定の機能をすでにできた状態で提供してくれます。開発の生産性と品質向上に役立つため、多くのプロジェクトでフレームワークを活用した開発が行われています。
JavaのWebアプリケーションフレームワークでは、「Spring」「JSF」「Play」などが人気があります。
JavaScriptとの違い
JavaとJavaScriptは名前は似ていますが、まったく別のプログラミング言語です。主な用途や言語の実行方式なども異なります。
Javaのほうが歴史が古く、JavaScriptの開発時に「Javaのような表記」とすることを目指したためJavaScriptという名称がつけられたとされています。その後は、それぞれ独自に発展、拡張が進んだためコードの記述も大幅に違うものとなっています。
JavaとJavaScriptの違いは、下記の表にまとめられます。
実行方式 | 主な利用用途 | |
---|---|---|
Java | コンパイラ言語に属し、 JVM上で実行される |
Webのサーバーサイド デスクトップアプリ スマホのネイティブアプリなど |
JavaScript | スクリプト言語に属し、 ブラウザ上などで動作する |
Webのクライアントサイド ※Webのサーバーサイドやネイティブアプリの開発 でも一部利用されるなど用途は拡大中 |
Javaが利用されている身近なサービス・製品例
身近なサービスや製品でもJavaは利用されています。Androidスマートフォン向けアプリの他にも下記の例があげられます。
Blu-rayプレイヤー
基本的に全てのBlu-ray DiscプレイヤーにはJavaが搭載されています。BD-J(Blu-ray Disc Java)はBlu-ray Discにおける対話型のコンテンツ向けの基盤として採用されており、非常に身近で多くの機器で利用されている例といえます。
CG
Javaを用いてCG(Computer Graphics)を描くことも可能です。2D、3DのCGも、それぞれに対応したライブラリを用いて描画できます。また、CGを連続させることでアニメーション作成やゲームの開発にも活用できます。
ICカード
Javaはクレジットカードや電子マネーなどに利用されるICカードの分野でも利用されています。Javaカードと呼ばれる製品は、ICカード上にCPUとメモリを搭載し、Javaの動作する環境を構築、 Javaのアプリケーションを動作させることが可能です。このJavaカード上のアプリケーションは追加や削除も可能な製品もあります。
Javaエンジニアになるメリット・デメリット
Javaエンジニアになることにはメリットもデメリットもあります。そのため、メリットとデメリットを比較検討したうえでJavaエンジニアになるかどうかを決める必要があるでしょう。
プログラミング言語は複数あるので、人によってはJavaよりも他の言語を優先した方が良い場合もあります。以下の内容を参考に、自身の目的にJavaが合うかどうかを判断してください。
Javaエンジニアになるメリット
ITエンジニアが、Javaを習得するメリットには下記があげられます。汎用性の高さ、大規模開発への適性が評価され利用が普及し、その後にもOracle社などにより開発が続けられていることなどが大きなポイントです。
汎用性が高くさまざまな開発に携われる
Javaは汎用的なプログラミング言語です。Web、コマンドライン、デスクトップ、スマホアプリ、組み込みアプリなど様々な用途で利用されます。Javaという言語を身に着けることで、これらの全ての開発に対応が可能となることは、エンジニアにとっては活躍できる領域が広がるメリットがあります。
基幹システム構築に用いることが多く大規模な開発に携われる
Javaはオブジェクト指向を採用していることにより、大規模開発に適する特徴を持ち、エンジニアにとっては基幹システムなどの大規模開発に携わりやすいというメリットがあります。
Javaが採用しているオブジェクト指向では、オブジェクト(クラス)という単位でプログラムを作り、オブジェクトを組み合わせて期待する動作を実現します。オブジェクト単位で構造が分けられるため、大規模なプロジェクトでの開発範囲を分担した開発に向く特性を持っています。また、このオブジェクト指向によりモジュールの独立性、再利用性が高いことも大規模開発で採用される理由の一つです。
Javaは登場から期間が経過し、安定した動作に対して信頼性が高いことも大規模開発でされやすい理由です。
世界的に普及していて就職・転職市場需要が安定している
Javaは世界中で普及しているプログラミング言語です。現在の開発元のORACLE社によると、世界中に数百万の開発者を持ち、510億以上の稼働環境が動作しているプログラミング言語、開発プラットフォームとされています。
レバテックキャリアでも2024年11月22日時点でスキルに言語「Java」を指定して検索すると、9,114件の転職・求人情報が見つかりました。これは、言語別に件数を見た場合、全てのプログラミング言語の中で一位の件数です。就職・転職においてもJavaエンジニアの需要が高いことを示すデータといえます。
Javaエンジニアの求人・転職情報>
Javaエンジニアになるデメリット
他の言語と比較して、Javaの習得を目指す場合のデメリットには、以下があげられます。概して、未経験から独学で習得するには難易度が高いといえるでしょう。
文法や構造が複雑で作業が膨大になりがち
Javaは他の言語と比較して、プログラミングの記述文法がやや複雑といわれています。また、型の指定などでも厳格な方です。最初に学習する際には、多少のハードルとなる場合があります。
また、オブジェクト指向を採用しているため、プログラムの構造が複雑で、作業が膨大になる場合もあります。これは、メリットの裏返しともいえます。
プログラミング初心者には習得の難易度が高い
上記の文法や構造の複雑さ、汎用的であることにより知識の範囲が多岐に渡ること、フレームワークやライブラリが膨大で利用に迷うことなどが原因となり、Javaは初心者にとって習得難易度が高いといわれています。
これらを整理しながら学びJavaエンジニアになるには、書籍やスクール、オンラインの教材などを活用して体系的に知識を学ぶことが必要となります。この点が、Javaエンジニアを目指す場合にはデメリットとなってしまうこともあります。
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Javaエンジニアの仕事に必要な知識
JavaエンジニアにはJavaの知識が必須ですが、言語の知識さえあれば開発ができるわけではありません。言語以外にも、開発環境、フレームワーク、データベース、テストなどに関する知識が必要になります。ただし最初から同時にすべてを進めることは難しいので、優先順位を決めて順に学習を行うと良いでしょう。
Java言語の知識
Javaエンジニアにとって、Java言語の知識は最も基本的で重要なものです。Java言語の構文や基本機能、オブジェクト指向プログラミングの概念などを理解することが必要です。これらの知識は、開発したいアプリケーションやシステムを効率的かつ正確に実装するために欠かせません。
Webアプリ開発に関する知識
近年のシステムやアプリケーション、サービス開発で積極的に採用されているのがWebという仕組みです。JavaはWebにも対応しており、Webシステムのサーバーサイドアプリとして活用されることも少なくありません。
JavaでWebの開発を行う場合には、Javaの基礎的な知識に加えて、Webに向けたJava ServletおよびJava Server Pages(JSP)などの技術に関する知識も必要となります。後述するWebフレームワークも、Java ServletおよびJSPのうえに成り立っている技術です。
Java Servlet
Java ServletはWebのサーバーサイドアプリケーションおよび仕組みです。Webサーバーアプリを構築するための部品がライブラリとして提供されており、JavaのWebアプリ開発では基礎的な要素となります。
Java Server Pages(JSP)
Java Server PagesはJSPとも呼ばれ、Javaを使ってHTMLでできたWebページを動的に生成する仕組みです。JavaServletと組み合わせて、JavaによるWeb開発の基本的な仕組みとしてあげられます。
フレームワークの知識
Javaエンジニアにとって、フレームワークの知識は重要なスキルの1つです。フレームワークを用いることで、開発を効率化し、高品質かつ保守性の高いアプリケーションを作ることができます。
Javaのフレームワークには多種多様なものがあり、Spring FrameworkやHibernate、Strutsなどがその代表的なものです。フレームワークは用途によりいくつかの種類があり、特によく利用されるのがWebアプリケーションの構築に用いるWebフレームワークです。JavaのWebフレームワークは
Webアプリケーションの中のサーバーサイドアプリケーション向けです。
フレームワークのトレンドは常に変化しており、新しいものが生まれたり、古いものが使われなくなったりします。常に最新の情報にアンテナを張っておきましょう。
また、フレームワークを使う際には、そのフレームワークの設計思想や使い方を理解することが重要です。フレームワークが提供する機能を使いこなせれば、格段に開発効率を高めることができます。
データベースの知識
Javaアプリケーションはバックエンドの構築に用いられることが多く、バックエンドではデータを参照、保持する仕組みとしてデータベースを利用することが一般的です。Webのサーバーサイド処理でもデータベースへのアクセスが前提となっているケースが多いです。
したがって、これらのアプリケーションを設計、構築するために、Javaエンジニアにはデータベースの知識が不可欠です。データベースの設計や最適化、データベースアクセスのプログラミング、SQLの知識などが求められます。さらに、データの分析や可視化に必要な知識も重要です。
近年ではNoSQLデータベースが注目されています。NoSQLデータベースは、リレーショナルデータベースに比べて柔軟でスケーラブルなデータ処理が可能です。JavaエンジニアがNoSQLデータベースに精通していることは、求人市場でも価値が高く評価されます。
統合開発環境など開発ツールの知識
Javaエンジニアにとって、開発ツールについての知識や利用スキルはプロジェクトの推進スピードや品質に大きく影響します。
統合開発環境としてはEclipseが特に著名です。それ以外にも、よく利用される統合開発環境としてIntelliJ IDEAやNetBeansなどがあります。それぞれの開発環境には特徴があり、自分に合ったものを選ぶことが重要です。また、これらのツールの設定やカスタマイズも重要であり、細かな設定を知っていることで開発効率を高めることができます。
多人数での開発を行う場合には、ソースコードなどのバージョンを管理するバージョン管理ツールを用いることが多いです。バージョン管理ツールとしては、Gitが最も広く使われています。また、GitHubやGitLabといったクラウドベースのリポジトリホスティングサービスを使うことで、複数人での開発をより効率的かつシームレスに行うことができます。
テスト自動化の知識
Javaエンジニアは、アプリケーションの品質を担保するために、テストも実施します。その際、手動でのテストでは非効率的なため、テストの自動化もよく利用されます。これに伴い、Javaエンジニアはテスト自動化の知識が必要となることも多いです。
Javaの単体テストを自動化するツールとしてJUnitが良く知られています。また、WebのテストではSeleniumなどの知識があると役立ちます。
Javaを習得するための勉強方法
Javaを身に着ける場合には、まずはPCにJavaのJDK Development Kit(ソフトウェア開発キット実行環境を含む)を用意し、そこでプログラムを作成して動かすのが何よりの学習方法です。
JDK Development KitはORACLEのサイトより無償でダウンロード、利用することが可能です。2024年11月22日時点では最新版としてJDK Development Kit 23.0.1が提供されています。
それに加えて、体系的にJavaの知識を身に着けるために、下記の方法を組み合わせて利用しましょう。
学習サイトを利用する
Javaは非常に普及している言語です。日本語だけでも学習サイトが多数存在しています。ブラウザ上でコーディングできるサイトや動画で学習するサイト、画像とテキストで学習するサイトなどの種類があります。無料のものもありますので、試してみて自分に合うものを探しましょう。
プログラミングスクールへ通う
各種のプログラミングスクールを利用して学ぶのも効率的な方法です。Javaは多くのスクールで専門のコースが提供されており、言語としての人気を裏付けています。
一人でプログラミングを学習する際に陥りがちなのが、つまづきやトラブルでの挫折です。プログラミングスクールを利用することで、トラブル発生時も講師や他の受講生との連携で解決でき、継続的な学習につながります。
入門本で基礎を身につけ、学習内容の補足も行う
書籍を利用するのも有効な学習方法です。書籍は入門レベルからハイレベルなものまで幅広く存在するため、レベル感の合うものを利用しましょう。入門レベルの書籍で基礎を身に着け、その後発展的な内容の書籍にうつります。書籍内に書いてあるコードを、実際にPC上で書いてみて動作させながら学習すると理解が深まります。
Javaエンジニアになるために有効な資格
Javaエンジニアになるために必須の資格はありませんが、有効な資格は複数あります。資格を取得することで、エンジニアのスキルアップができ、転職活動では評価アップにつながります。経験が浅い人は特にスキル証明できるポートフォリオ作りが難しいので、資格取得のメリットは大きいでしょう。
以下ではJavaエンジニアになるために有効な資格を紹介します。
関連記事:Java資格の最新一覧と各試験の難易度やおすすめの書籍を紹介
Oracle Certified Java Programmer
現在、Javaの開発元となっているのがORACLE社です。このORACLE社のOracle Universityによる「Oracle Certified Java Programmer」は、Javaエンジニアにとってもっともスタンダードな資格といえるでしょう。
難易度別に3つのランク(Bronze、Silver、Gold)が用意されています。過去のバージョン向けの試験もサポートしていますが、これからJavaエンジニアとなる場合は、まずは各ランクが揃った最新版バージョンに向けた試験から受けるのがおすすめです。
ベーシックな資格試験に加え、Java EE(Enterprize Edition)などの試験も用意されています。
Java™プログラミング能力認定試験
Java™プログラミング能力認定試験はサーティファイ情報処理能力認定委員会が主催するJavaのプログラミングスキルを示すことができる民間資格試験です。1~3級で構成されており、資格自体の難易度が比較的低いため、未経験者がJavaの基礎から学ぶときに利用するとよいでしょう。
Android™技術者認定試験
Android™技術者認定試験制度は一般社団法人 IT職業能力支援機構 Android技術者認定試験制度委員会が実施している民間資格です。Android OS上で動作するスマートフォン向けのアプリケーションの開発力を証明する資格であり、Javaエンジニアにとってもスキルを証明できる資格となります。
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験はいずれも独立行政法人情報処理推進機構が認定する国家試験です。Javaエンジニアに限らず、ITエンジニア全般に必要となる基礎知識および応用知識が試されます。基本情報技術者試験の上位試験が応用情報技術者試験で、その上にはさらに複数のスペシャリスト試験があります。
Javaエンジニアの将来性
Javaは数あるプログラミング言語の中でも比較的古くから使われていて、現在もJavaで稼働しているシステムは多数存在します。Javaで新規開発が行われるケースも多く、Java案件は豊富です。しかし、Javaより新しいプログラミング言語も伸びていて、Javaが代替されるケースもあります。それでは複数の観点から見て、Javaの需要や将来性はどのような状況なのでしょうか。
プログラミング言語の人気という観点では、JavaはPythonにより首位の座を明け渡す状況となっています。プログラミング言語の人気ランキングであるTIOBE Indexでは2021年10月にPythonが一位の座につき、2024年11月時点でもPythonが一位、javaはC++に続く三位です。PythonはデータサイエンスやAIなどの領域で活用されており、Webなどの開発にも利用できるため、今後の新規開発においてはJavaの領域を獲得していくことが予想されます。
しかし、実際には多くの企業・システムでJavaは選択され続けています。これは、Javaの堅牢性とこれまでに作られたIT資産の活用という点が大きなメリットとなっているからです。また、マルチプラットフォームで動作する利便性と再利用性の高さから、サーバー・PC・スマートフォン・タブレット・組み込みソフトウェアといったマルチデバイスに向けて利用され続けることにも繋がっています。
今後も、Javaエンジニアは将来性のある仕事といえます。
Javaエンジニアの平均年収
レバテックキャリアにて言語「Java」を指定して検索を行い、取得されたデータから30件を抽出し、年収の上限、下限の中間値の平均を取って平均年収を算出しました。(2024年11月19日時点)
上記の算出方法によると、Javaエンジニアの平均年収は約579万円です。このデータには上流工程から携わるエンジニアも含んでおり、上流工程やマネジメントスキルを持つ場合、他のプログラミング言語にも見識を持つ場合などに高い年収につながる傾向があります。
Javaエンジニアの求人・転職情報>
関連記事:Javaエンジニアの平均年収は?年収アップの方法や役立つ資格を紹介
Javaエンジニアの求人例
Javaエンジニアとしての転職を検討している場合には、公開されている求人例を見比べておくことをおすすめします。求められるスキルや経験とそれに対する年収額の参考となるため、転職成功に役立ちます。自分がどんなスキルを身につけて、どんなキャリアを歩むのかを想定するヒントとして利用することも可能です。
以下は、Javaで構築されたWebのサーバーサイドアプリケーションのリプレースを行うJavaエンジニアの求人例です。
【業界】
IT・通信
【業務内容】
Javaを用いた既存システムのリプレースプロジェクト
設計・開発・テストに一貫して携わるサーバーサイドエンジニア
【求められるスキル・経験】
・Java開発経験3年以上
・SpringBootなどのフレームワーク利用経験
・主体的に動き、チームワークを大事にする方
【想定年収】
400~700万円
【勤務地】
大阪府
未経験でJavaエンジニアに転職できる?
プログラミングやIT業界未経験でJavaエンジニアになることはできるのでしょうか。Javaエンジニアの市場は大きく、その中には未経験者歓迎となっている求人も確かに存在しています。
新卒からJavaエンジニアを目指す場合であれば、問題なく多くの求人募集を見つけることができるでしょう。未経験者に向けて充実した研修制度を用意して採用している企業も多くあります。人材不足が大きな課題となっているIT業界ですので、積極的に採用に動いているところです。
IT以外の業界からの転職の場合、新卒に比べれば未経験者歓迎の求人の数は減ります。減りはしますが求人は存在するという状況です。またこの場合は、Javaを用いた業務自体は未経験でも、自分で一定のスキル習得に向けた取り組みをすることが前提条件となります。他にも、第二新卒をターゲットとした求人パターンもあります。
関連記事:未経験からJavaエンジニアに転職するには?求人例なども紹介
Javaエンジニアからキャリアアップするために必要な経験
Javaエンジニアはどのような経験を積めば、さらに収入をアップさせられるでしょうか。ここではJavaエンジニアとしてステップアップするために経験しておきたい業務について解説します。
Javaでプログラミングして一通り開発できるようになったら、上流工程やフロントエンドなどに視野を広げることでエンジニア自身の市場価値が高まります。
関連記事:Javaの将来性は?需要が高い理由や平均年収も紹介
基本設計などの上流工程
Javaエンジニアのキャリアは詳細設計や開発、テストなどの下流工程から始まることが一般的です。ステップアップ先として、上流工程を担当することを多くのエンジニアが目指します。
上流工程とは、要件定義や基本設計などシステム開発における前半に行われる工程です。上流工程に携わりスキルを身につけ、経験を積むことで、収入アップを目指すことができます。
上流工程では、顧客からの要望や問題点を把握し、それを解決するためのアプリケーションの要件定義や設計を行います。
チームでの開発
Javaは大規模開発に適する特徴を持ち、チームでの開発でよく利用されます。チームでの開発を行う場合には、自分の成果を最大限にするのではなく、チームの成果を出すことが重要です。開発対象を分割してコーディングにあたるため、それぞれのプログラムの連携についてもスムーズになるよう設計する必要があります。
Javaエンジニアのキャリアアップ先として有望なプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどになる際には、チームを導く経験やチームの管理を行った経験などは必須となります。
アジャイル開発
アジャイル開発は、Webサービスなどの構築において多くの企業で採用されている開発手法の一つです。アジャイル開発の仕事を経験し、対応するノウハウを持つことも収入アップにつなげることが可能です。開発の中心的な役割を担い、チーム全体の開発進捗管理や品質管理などが行えるようになると評価に繋がります。
フロントエンド(画面側)の開発
Web開発のプロジェクトにおいて、Javaエンジニアが担当する主な仕事はサーバーサイドの開発です。しかし、Webアプリケーションにおいては、フロントエンド(画面側)の開発も欠かせません。
フロントエンド開発は、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)を設計し、実際にUIを構築するための開発プロセスです。具体的には、HTML、CSS、JavaScriptなどのWeb技術を使用して、ユーザーが直接触れるUI部分を実装します。
JavaエンジニアでWebのサーバーサイド開発をメインとしている場合には、フロントエンド(クライアントサイド)のスキル習得は仕事の幅を広げて高い収入を得ることにつながります。
インフラの構築・保守
Javaエンジニアは、アプリケーションが動作するインフラの構築や保守のスキルを持つことで業務の幅を広げることができます。具体的には、サーバーやデータベースの設定や監視、問題の解決などが含まれます。
インフラの構築・保守とは、コンピューターシステムやネットワーク、サーバーなどの基盤となるインフラストラクチャの設計・構築・運用・保守・管理を行うことを指します。主に、ITシステムがスムーズに動作するように、セキュリティを維持し、障害や災害時には迅速に復旧するための業務を担当します。
Webデザイン
Javaエンジニアはプログラミングの専門家であり、Webデザインに特化したスキルを持っているとは限りません。ただし、JavaエンジニアがWebアプリケーションを開発する場合には、Webデザインに関する知識を持っているとより活躍できる場合があります。例えば、下記のような場合です。
-
・WebアプリケーションのUI/UXの改善
・Webアプリケーションのデザインの一部を担当する
・Webアプリケーションのフロントエンドの開発
ただし、これらの作業に必要なスキルは、Javaエンジニアの専門分野ではないため、専門のWebデザイナーと協力して業務を進めることが一般的です。
Javaに関するよくある質問
Javaに関するよくある質問と回答を紹介します。
プログラミング言語はJava以外にも複数存在し、各言語は特徴や得意な開発対象が異なります。そのためどのような開発をしたいかによって習得すべき言語は変わってきます。Javaの特徴や開発対象を把握したうえで、他の言語とどちらを優先すべきか検討してください。
Q1. Java未経験から転職した場合の年収を教えてください
Java未経験者であれば、初任給は大体月収20万円から30万円程度が一般的なので、スタート時の年収は300万円〜400万円程度になります。経験年数を積み、スキルが向上すると年収も上昇し、5年以上の経験があるJavaエンジニアの平均年収は600万円前後から800万円前後を望める場合もあります。
Q2. Javaの開発の仕事内容を教えてください
Javaの開発対象は幅広いです。具体的には以下のようなものが挙げられます。
-
・アプリケーション開発
・システム開発
・ライブラリやフレームワークの開発
・テストの実施
・セキュリティの対策
Javaでプログラムを書くだけでなく、その前後の業務や周辺業務もあります。
Q3. Javaの習得はなぜ難しいのですか?
Javaはオブジェクト指向プログラミング言語であり、クラスやオブジェクトなどの概念を理解する必要があります。またJavaを学習するには、Java開発環境の構築が必要です。環境構築がうまくいかない場合や、設定ミスがある場合は、開発が進められないことがあります。
関連記事:Javaが難しい理由とその解決策!キャリアパスや年収も解説
まとめ
Javaは汎用性が高く、大規模開発にも適したプログラミング言語です。オブジェクト指向の採用やマルチプラットフォームへの対応などの特徴を持ちます。
Javaを用いて業務を行うJavaエンジニアの仕事内容は、システムやサービスの詳細設計、Javaによるコーディング、テスト、運用・保守などです。組織やプロジェクトにより担当範囲は異なります。
Javaエンジニアとして働くには、仕事内容にあわせたスキルの獲得が必要となります。Javaを用いてプログラミングができることが基本となり、その上でフレームワークや周辺技術、開発環境についての知見を持つと活躍の機会が広がります。
プログラミング言語としての人気はPythonに追い抜かれつつあるものの、実際のシステム開発では採用されることが多く、Javaエンジニアの需要は高い状況にあります。また、汎用性の高さから利用範囲も広く、既存ITシステムが多数あるため改修やメンテナンスの需要が見込めます。大規模開発に向いたプログラミング言語の対抗馬が出てきていないことなどを理由とし、Javaエンジニアは将来性も高い職種といえます。
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