PHPエンジニアへ転職するには?需要と将来性や必要スキルも解説

最終更新日:2024年9月30日

深刻な人手不足が続くIT業界では、PHPエンジニアも同様に売り手市場と言われています。近年Webアプリケーションのシステム開発案件も増え、転職市場では多くのPHPエンジニアが求められている状況です。

一方で売り手市場とはいえども、転職を考えるなら事前に情報を収集しなければなりません。「転職後の年収はどのくらいアップする?」「どのような知識を身につけておくべき?」など、不安や疑問を持つ人も多いでしょう。

PHPに求められているニーズから将来性やキャリアアップ、年収アップに結びつく転職方法の情報について詳しくご紹介します。

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この記事のまとめ

  • PHPとは、動的なWebページを作成できるサーバーサイドのスクリプト言語
  • PHPエンジニアの主な仕事内容は、CMSを利用したWebサイト構築、業務システムなどのWebアプリケーション開発、ECサイトの構築など
  • PHPは学習難易度が低いプログラミング言語のため、未経験からでもPHPエンジニアを目指せる
  • PHPは小規模システムからFacebookといった大規模システムまで広く使用されているため、PHPエンジニアの需要は高い

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PHPエンジニアとは

PHPエンジニアとは、プログラミング言語であるPHPを用いて開発を行うエンジニアです。PHPは主にWeb開発のサーバーサイドの開発で使用される言語なので、PHPエンジニアはWebエンジニアやサーバーサイドエンジニアと呼ばれることもあります。サーバーサイドはバックエンドと呼ばれることもあるので、PHPエンジニアはバックエンドエンジニアと呼ばれることもあるでしょう。

PHPエンジニアの仕事内容

PHPエンジニアの仕事は、アプリケーションやシステム、サービスなどを開発し、ユーザーに提供することです。具体的には、業務システム、Web開発、ゲーム開発などが挙げられます。特にWeb開発の案件は多く見られるので、一般的にPHPはWeb開発のプログラミング言語と認識されているでしょう。PHPはWeb開発を主軸にしつつも、他の開発で用いられる場合もあるということです。

関連記事:PHPでできること一覧!転職で必要なスキルや学習方法も解説

PHPエンジニアの平均年収

2024年9月9日時点でレバテックキャリアに掲載されている言語「PHP」の求人・転職情報より、PHPエンジニアの平均年収を試算しました。30件を抽出し、年収の最大値と最小値の中間値の平均値を算出した結果、PHPエンジニアの平均年収は約600万円と想定されます。PHPエンジニアの平均年収は他のプログラミング言語のエンジニアと同程度の水準と考えられます。

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PHPエンジニアの転職市場

PHPエンジニアを目指している方や転職を検討している方にとって最初に気になるのが、PHPエンジニアとしての需要や将来性ではないでしょうか。多くの開発現場で「エンジニアの人手が足りない」といった言葉をよく耳にするかと思います。人材不足の業界なら仕事探しに困ることはないと思われがちですが、決してPHPエンジニアの数が少ないわけではありません。

実際の開発現場で通用する人材が少ないことが理由にあります。レバテックキャリアで掲載されている求人を参考にして、これからの需要や将来性について解説します。

関連記事:
PHPとは?できることやメリットをわかりやすく解説
PHPエンジニアとは?仕事内容や平均年収、求められるスキルを解説

PHPエンジニアの現在の需要

2024年9月現在で募集している求人数は、PHP言語の案件は全国で約4,700件の募集があります。Java言語の約7,300件、JavaScriptの5,200件、Pythonの約5,100件に続くWebアプリ開発言語となっています。

PHPエンジニアの需要が高い理由

PHPエンジニアの需要が高い理由は、小規模システムからFacebookといった大規模システムまで広く使用されている点です。W3Techsによるとサーバーサイドのプログラミング言語の75.9%(2024年9月時点)を占めている点でも、PHPエンジニアの需要の高さが伺えます。

またLaravelなどのフレームワークが豊富で開発効率が高いことや、必要な情報は検索すれば出てくるなど入手しやすいこともあり、ほかのプログラミング言語に比べて採用事例が多く案件数も多くなることが理由としてあげられます。CMSの主流でもあるWordPressもPHPで動作していることから、PHPエンジニアとしての需要は現状で高いといえるでしょう。

PHPエンジニアの今後と将来性

PHPは1994年に正式公開されてから現在まで、Webアプリ開発などで用いられ今もなお高い人気を誇っています。一方でプログラミング言語の多様化によって汎用性の高いJavaや、比較的新しいRubyやPythonなどの言語を扱う案件も増えてきました。

とはいえ、すべてのシステムが別の言語に移行することは考えにくく、今後も一定数の割合でPHPを用いたシステム開発は残るでしょう。

ただし、エンジニアとしての成長やスキルアップを考えた場合、PHP一本ではなく複数のプログラミング言語も習得することをおすすめします。複数の言語を習得できれば、開発言語に依存しないWebアプリ開発エンジニアとして評価されるでしょう。

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PHPとほかのサーバーサイド主要開発言語を比較

PHPの他にサーバーサイドではいくつかの言語を使用しますが、それらの他言語とPHPの違いを求人数や難易度の観点から見ていきましょう。

言語 求人数 難易度
PHP 約4,700件
Java 約7,300件 ★★★
Ruby 約2,900件 ★★
Python 約5,100件 ★★

PHPとJavaの比較

JavaはWebサーバーサイドだけでなく、幅広い分野で使われるプログラミング言語です。JVMが動くコンピュータであればどのようなものでも動作できる特徴を持ち、大規模開発から組み込み、ロボット、アプリ開発にも使われています。

汎用性が高い言語であるため、プログラミングを学ぶ人が最初に触れる基本言語としての認知もあります。人気が高く、求人数も他言語と比較して多いのが特徴です。ただし習得難易度は高く、ある程度の学習時間を確保しなくてはなりません。

PHPとRubyの比較

Rubyは国内で開発されたプログラミング言語。他の海外で開発された言語と比べて日本語資料の数が多く、プログラミングの導入として触れる人もいます。フレームワーク「Ruby on Rails」を使うと簡単にWebアプリケーションを作成でき、小規模開発を素早くこなせるのが特徴です。

求人数はPHPに比べると少なめですが、扱いやすさからスタートアップ企業での求人が多く見つかります。キャリアスタートを考えている人にはおすすめできる言語です。

PHPとPythonの比較

Pythonは近年急成長中のプログラミング言語で、人気の高さも十分にあります。AI、ロボット、IoTやディープラーニングなどの分野に使われており、高度な開発から小規模開発まで網羅している点が特徴です。

今後も需要が伸びていく可能性も高いとされ、求人媒体によってはPythonが扱えるエンジニアは重宝される傾向にもあります。

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PHPエンジニアへの転職は未経験からでも可能

PHPは独学で身につけるのが比較的容易です。Web上には多くの解説サイトがあり、独学を対象にした書籍も見つかります。

初心者でも学びやすい言語であることから、未経験でも勉強を進めて転職できます。ただし、完全未経験から就職することは難しく求人もほとんどありません。ある程度の技術と知識を持ち、それを資格などで証明できれば転職が成功する可能性は高まるでしょう。

関連記事:PHPの環境構築とは?Windows/Macの環境構築手順を解説

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PHPエンジニアの転職に求められるスキルと経験

ひと言でPHPの技術を生かした転職といっても、求められるレベルは企業や職種によってもさまざまです。エンジニアとしてのスキルに応じてポジションや年収も変わるため、PHPエンジニア採用の具体例をスキルごとに解説します。最初からハイレベルの人材を探すのではなく、転職を前提に、ハードルの低そうな求人から狙っていくのがおすすめです。

実務レベル・仕事で使えるレベルの水準とは

PHPエンジニアとして実務で通用するレベルの水準として、一人でブログシステムを作れるかが目安とも言われています。一見当たり前のように聞こえる機能かもしれませんが、LAMP環境の構築からログイン処理、記事の追加や編集、脆弱性を避けたデータ保存など機能は多岐にわたります。Webアプリ開発においてこれらの工程には、基本的な要素がすべて詰まっているためです。

評価する人によって基準となるレベルは異なりますが、設計から実装、仕様書作成や修正によるリファクタリングなどができれば一人前として活躍できるでしょう。

未経験・初心者としての転職で求められるスキルと経験

PHPエンジニアとしてはまだ実務経験を積んでいない、未経験または初心者の転職について分析します。以下のいずれかに該当するPHPエンジニアは、まだ初心者レベルと評価されることが多いです。


  • ・プログラミングスクールでPHPを学習したが実案件は未経験

    ・PHP言語の経験はないがJavaやRubyなどの言語経験が1年程度ある

    ・LaravelなどPHPのフレームワークを使ったことがない


プログラマーなどITエンジニアの求人は実務経験者を対象としているイメージがあるかもしれませんが、未経験や初心者でも応募可能な求人は存在します。開発経験を数年積んだのち、転職することでさらによい条件を目指すことも可能です。金融業界など開発予算が潤沢な大規模開発の案件なら、初心者レベルでも300万円後半で採用されるケースもあるようです。

関連記事:PHPエンジニアの年収はどのくらい?フリーランスの単価相場も紹介

求人例

未経験からスキル習得して目指せるレベルの求人例は以下です。

【業務内容】
アプリケーションおよびWebサイトなどのシステム開発

【求めるスキル・経験】
PCの基礎知識
向上心があり前向きな姿勢で取り組むマインド

【想定年収】
300~500万円

【勤務地】
東京都

リーダークラスとしての転職で求められるスキルと経験

開発業務を数年経験してエンジニアとしてのレベルが上がると、チームメンバーへの指示などができるようになりリーダークラスとしての転職ができます。リーダークラスへの転職においては、以下のようなスキルを持つことが望ましいです。


  • ・PHPの基本構文や複数のフレームワークを熟知している

    ・チームメンバーに相談しなくてもソースコードを書ける

    ・PHP経験が5年以上あり設計書を作成できる

    ・初心者に記述方法の指示やソースレビューができる


このレベルに到達するとエンジニア同士の意見交換にもスムーズに参加でき、リーダーとして新人育成を任されることもあるでしょう。20代後半であれば年収は400万円以上、30代以上であれば500万近い年収が得られる場合もあります。

求人例

一定のスキルレベルが求められ、リーダークラスの仕事も視野に入ってくる求人例は以下です。

【業務内容】
PHPでのBtoB自社サービスの開発

【求めるスキル・経験】
PHPによるWeb開発経験1年以上
テストコードが書けるエンジニア
Dockerによる環境構築経験
Git利用経験

【想定年収】
400~600万円

【勤務地】
東京都

マネージャークラスとしての転職で求められるスキルと経験

PHPでの開発に限らず、マネージャー職はITエンジニアにとって花形の職種です。マネージャーとして採用されるとプログラムを書くことはほとんど無くなり、プロジェクトマネジメントが主な業務となります。マネージャークラスへの転職では、以下の経験に準じるスキルが求められます。


  • ・PHPの経験が10年以上(またはJava経験が10年以上の場合はPHPの経験が3年以上)

    ・PHPの開発案件でプロジェクト計画を策定できる

    ・PHPエンジニアの採用(面接)経験がある

    ・PHPの開発案件でプロジェクトマネジメント経験がある


品質や納期だけでなく原価率なども負う重要なポジションということもあり、年収においても500万円から800万円程度が見込まれます。

求人例

PHPのスキルだけでなく幅広いスキル、経験が求められる求人例は以下です。

【業務内容】
Webアプリケーションのサーバーサイド開発
膨大なリクエストおよびデータを処理するクラウドサーバ運用
PHPアプリケーション開発サイドとしての推進

【求めるスキル・経験】
PHPによるWebアプリケーションの開発経験
ドメイン駆動設計やクリーンアーキテクチャなど機能拡張における設計知識・業務経験
レガシーコード・システム改善の知識・開発経験
AWSの各種サービスを利用した設計・開発・運用経験

【想定年収】
500~1000万円

【勤務地】
東京都

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PHPエンジニアの学習ロードマップ

未経験からPHPエンジニアに挑戦する際は、5つのポイントをおさえることで成功率が上がります。
これから紹介するポイントをおさえて学習することで、未経験でも転職を成功させられるでしょう。
紹介するポイントは以下の4点です。


  • ・フレームワークやサーバなどのスキルを身につける

    ・RubyやJavaなどのプログラミング言語を身につける

    ・資格を取得する

    ・ポートフォリオを作成する


それぞれについて詳しく見ていきましょう。

関連記事:
未経験からPHPエンジニアになるには?学習のメリットも解説
PHPフレームワークとは?主要なフレームワークや学習方法も解説

フレームワークやサーバなどのスキルを身につける

Webシステム開発においては、サーバ構築やデータベースとの連携が必須となります。Webサービスはサーバ上で稼働しているため、サーバ知識がなければリリース作業に対応できません。

また近年の開発手法として、フレームワークを取り入れる案件が増えてきています。ゼロの状態からコーディングするよりも効率的に開発できるメリットもありますが、フレームワークごとに記述方法が異なるため、フレームワークごとのスキルや知識の習得は不可欠です。

このようにサーバやフレームワークなど多様な知識や経験を持つことで、より良い条件で採用される可能性は高くなるでしょう。

RubyやJavaなどのプログラミング言語を身につける

PHPはWebアプリケーションの開発で多用されていますが、汎用性という点においてはほかのプログラミング言語に比べて優位性は高くありません。

自社開発のECサイトを構築するならPHPでも対応できますが、企業の基幹システムを構築する場合などは難しいケースもあります。Javaなどの汎用性の高い言語を習得しておくことで、エンジニアとしてのキャリアアップにもつながるだけでなく、転職先でさまざまな開発案件に携わることができるでしょう。

ただしあくまでもWeb系に特化したいという事であれば、Rubyのスキル習得をおすすめします。比較的新しいプログラミング言語ですが、習得の難易度が低いのでPHP経験者であれば短期間でマスターできるでしょう。

JavaやPythonもITエンジニアの中では上位にランクインする人気のプログラミング言語なので、多くの企業が開発経験のある優秀なエンジニアを常に求めています。

資格を取得する

駆け出しのPHPエンジニアがスキルアップを目指すなら、PHP関連の資格取得をおすすめします。資格といっても種類はさまざまですが、特におすすめしたいのがPHP技術者認定機構が認定している3つの資格です。

PHP技術者認定

駆け出しのPHPエンジニアがスキルアップを目指すなら、PHP関連の資格取得をおすすめします。資格といっても種類はさまざまですが、特におすすめしたいのがPHP技術者認定試験です。PHP技術者認定試験の分類は以下の通りです。

試験レベル 提供試験 ITSSレベル
初級試験 • PHP8技術者認定初級試験
• PHP7技術者認定初級試験
• PHP5技術者認定初級試験
ITSSレベル1
上級・準上級試験 • PHP8技術者認定上級・準上級試験
• PHP5技術者認定上級・準上級試験
ITSSレベル2/3
ウィザード • PHP技術者認定ウィザード  

ポートフォリオを作成する

ポートフォリオとはこれまでの作品をまとめたものです。PHPエンジニアの場合、PHPで構築したシステムがポートフォリオになります。ポートフォリオを作成して提出すれば、エンジニアとしてのスキルアピールにつながるということです。PHPに限らず、エンジニアとして転職するためには先にポートフォリオを作成しておくと採用確率が上がるでしょう。

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PHPエンジニアの転職に関するよくある質問

PHPエンジニアの転職に関するよくある質問と回答を紹介します。プログラミング言語は複数あり、どの言語を優先的に習得すべきかは人それぞれです。PHPは比較的万人におすすめの言語ですがケースバイケースなので、以下のような内容を把握したうえで、PHPを優先するか、他の言語を優先するか検討してみてください。

Q1. PHPはオワコン、時代遅れという声もありますが本当ですか?

Webアプリ開発においてはPHPだけでなく、汎用性のあるJavaや比較的新しいRubyといった言語を採用している企業も多く存在します。とはいえ現状PHPでの求人数は安定して多く、サーバーサイド言語でシェアの大多数を占めています。需要にも陰りは見られないので、引き続きPHPは広く利用されるでしょう。

関連記事:PHPの将来性を検証!現状から今後の需要まで徹底解説

Q2. 30代未経験でもPHPエンジニアに転職できますか?

PHPエンジニアは慢性的な人手不足と言われているので、実務レベルでのプログラミングスキルがあれば30代の未経験でも転職は可能です。まずはアルバイトや常駐案件などで経験を積み、自社開発の求人に転職する方法もあるので、求人検索と平行して転職エージェントにも相談してみてはいかがでしょうか。

関連記事:未経験からPHPエンジニアになるには?学習のメリットも解説

Q3. PHPとJavaはどちらが難易度が高いですか?

プログラミング言語の難易度の感じ方は人によって異なりますが、PHPよりもJavaの方が難易度は高いと言えるでしょう。PHPは文法が簡潔でわかりやすく、Web開発が中心な分Web上でサンプルコードなども見つけやすいです。

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まとめ

PHPエンジニアに限らず転職を成功させるには、スキルだけでなくこれまでの経験を最大限アピールすることが重要です。特に転職先の開発環境が過去に経験したものと合致していれば、即戦力として採用される可能性は高くなるでしょう。

企業を選ぶ際の条件として収入アップはもちろんですが、自分自身が成長できる環境を選ぶことも重要です。そのためには応募先企業が求めるポジションのチェック、自社開発か他社への常駐か、稼働時間についても確認しておきましょう。転職活動の際はこれらの情報を参考にして、最大限に活用してみてください。

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この記事の監修

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