CTOの仕事内容とは?役員ではない?求められる役割を解説

最終更新日:2024年10月4日

CTOとは、アメリカの企業で生まれたポジションの名称で、日本語では「最高技術責任者」と表現されます。CTOは、企業経営に技術面から関わる仕事で、最適な技術戦略で企業を導く役割として注目されています。そのため、日本でもIT企業を中心にCTOを配置する企業が増加傾向です。

この記事では、CTOに興味がある方に向け、CTOの仕事内容やCTOに求められる役割、必要なスキルについて解説します。

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この記事のまとめ

  • CTOとは最高技術責任者のことで、企業の技術面における方向性の決定や、技術者の採用/教育、技術チームのマネジメントなどを行う
  • CTOには技術力だけでなく、コミュニケーション能力やマネジメント能力、リーダーシップスキルが求められる
  • CTOになるためには、技術とスキルを身につけ、CTOのポジションがある企業に転職したり、現職の企業で昇進を目指したりする方法などがある

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CTOとは

CTOとは、「Chief Technology Officer」または「Chief Technical Officer」の略称で、日本語では最高技術責任者といいます。

CTOはCEO(Chief Executive Officer:最高経営責任者)やCOO(Chief Operating Officer:最高執行責任者)などと同様に、アメリカの企業で生まれたポジションです。主にIT関連の企業で設けられています。IT業界におけるCTOは、企業の経営戦略的な部分にも深く関わるため、企業の現状やこれからの方向性を見据えることが重要です。

またCTOはCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)と役割が重複している部分があるため、2つのポジションを兼任することもあります。この場合は扱う情報についての責任を持つとともに、企業内の情報システムの構築も行います。

関連記事:CTOとは?CEOとの違いや各役職の役割について解説

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CTOの仕事内容

CTOは技術面の最高責任者として、企業の経営に関わっていくのが仕事です。具体的には、企業の経営戦略をもとに、技術面での方向性の決定や、技術開発に関する企画の立案を行います。また、企業によっては技術職の採用・教育を担当したり、開発チームのマネジメントをしたりすることもあります。

ただし、CTOは日本の会社法において規定がなく、明確に役職として定義がされていません。そのため、CTOの仕事内容は企業によるところが大きいです。

以下では代表的な仕事を詳しく説明します。

技術戦略の方向性の決定

技術戦略の方向性の決定は、CTOにとって非常に重要な仕事の一つです。CTOは技術責任者として、企業の経営目標を達成するため、技術的な面からサポートします。具体的には、新規事業や業務改善を行う際に、どのような技術を取り入れるか、コストやリソースがどれくらいかかるかなどを検討します。

CTOが決めた方針に従って技術チームが動き、会社の経営に深く関係するため、非常に責任の大きい仕事です。

技術職の採用や教育

CTOは技術職の採用に関わる場合があります。たとえば、必要なスキルや経験、求められる人材像など技術職採用の方針を人事部に進言したり、採用面接を行ったりします。そのためには、技術部の現場の状況を把握しておかなくてはいけません。

また、採用後の教育を担当する場合もあります。OJTや講習の方針を決めたりなど、エンジニアのスキル向上もCTOの重要な責務です。

開発チームのマネジメント

スタートアップや小規模企業では、CTOは開発チームのマネジメントを担当することがあります。主な業務としては、プロジェクトの推進や顧客折衝などです。広い視野でメンバーのリソースやタスクの進捗状況を把握し、トラブル発生時には迅速に対応する必要があります。

企業が大きくなるにつれて、プロジェクト単位から企業全体の技術部門の統括へと役割が変化していくでしょう。

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CTOに求められる役割

CTOの主な役割は、自社内の技術面の責任を担うことです。企業によっては、各種の認可申請や特許などに関する法務的な知識を求められる場合もあります。

CTOの裁量は企業によりますが、企業の方向性を判断する中心人物であることに変わりはありません。そのため、CTOは常に新しい技術や市場における需要などの情報収集を行うことが重要です。

技術的な最高責任者として、企業にとって最善な選択をすることがCTOの使命となります。技術が経営の基盤であるIT企業にとって、CTOは非常に重要な役割です。

関連記事:CTOの役割とは?必要なスキルや混同されやすい役職との違いも解説

類似の役職とその役割

CTOと似た単語でCEOやCIOなどさまざまな役職が存在しますが、それぞれ役割が異なるので注意が必要です。CTOと類似の役職とその役割を表にまとめました。参考にしてみてください。

役職 日本語訳 役割
CEO (Chief Executive Officer) 最高経営責任者 企業の利益を最大化する
CIO (Chief Information Officer) 最高経営責任者 情報関連システムを安定稼働させる
COO (Chief Operating Officer) 最高経営責任者 事業活動を成功させる
CKO (Chief Knowledge Officer) 最高経営責任者 企業の知識を最大化、普及させる
CSO (Chief Sustainability Officer) 最高経営責任者 経営陣と共に戦略立案を行い、利益を最大化させる

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CTOに求められるスキル

CTOは責任重大な役割なので、多くのスキルを高い水準で求められます。ただしCTOは明確な定義がないため、求められるスキルは企業によって異なります。

ここでは、CTOに求められる代表的なスキルとして、「コミュニケーション能力」「マネジメント力」「リーダーシップ」「ITに関する知識とスキル」について紹介するので、一例として参考にしてみてください。

コミュニケーション能力

CTOには高いコミュニケーション能力が求められます。CTOは技術的な最高責任者として、企業の技術チームや経営部門と深く関わります。効果的な技術戦略を立てるためには、現場の声や経営戦略を正しく理解しなければなりません。そのため、CTOの業務にはコミュニケーション能力は必須といえるでしょう。

マネジメント力

CTOは開発チームのマネジメントを行う場合もあるため、マネジメント力が求められます。メンバーやタスク、リソースやコストなどすべてを把握し、チーム全体の生産性を最大化しなければなりません。自身の技術力や経験をもとに、どのように運用していくかを判断し、企業の利益を最大化させるマネジメント能力は必要不可欠です。

リーダーシップ

CTOは技術部門の最高責任者です。企業の構成にもよりますが、技術部門の最も偉い人といっても過言ではないでしょう。そのため、上に立つ存在として、リーダーシップスキルが求められます。CTOの技量によって、技術部の連携力やパフォーマンスが変わります。現場の技術者のモチベーションを高め、彼らの能力が最大限発揮できる環境を整備し、彼らに経営側が描くビジョンを浸透させる力が必要です。

ITに関する知識とスキル

CTOの仕事にはITに関する深い知識とスキルが必要不可欠です。IT活用スキルを持っていると、効果的な技術戦略を検討できます。また、現場での開発経験があると、現場エンジニアの仕事を理解した上での、統括ができます。

さらに、社内のシステムをより良くしていくには、最新トレンドなども押さえる必要があるでしょう。

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CTOになるには

CTOは責任の範囲が広く、重圧も大きい仕事ですが、その分年収が高く、やりがいも大きいです。

CTOになるにはいくつか方法があります。具体的な方法としては、「CTOのポジションがある企業に転職する」「現企業で昇進を目指す」などが挙げられます。また、自ら起業し、CTOになるのも一つの手段です。ここではCTOになるための方法を3つ紹介します。

CTOの役職がある企業に転職する

CTOの需要は高まっているため、今後もCTOを役職として配置する企業は増えるでしょう。CTOの求人も増えていくため、転職することでCTOになれる可能性が上がります。要求レベルは非常に高いですが、CTOになるための最も堅実な方法といえるでしょう。

現職の企業でCTOへの昇進を目指す

既に勤めている企業にCTOのポジションがある場合は、昇進を目指すのも手です。CTOを目指す場合は技術的なスキルだけでなく、経営に関する知識やマネジメントスキルなど多くのスキルが求められるので、積極的に学習していきましょう。

学習方法としては、求められるスキルに関連する書籍を読んだり、資格に挑戦したりする方法のほか、経営陣との繋がりを増やす方法もあります。

起業する

自身で起業してCTOを兼任して会社を運用するのも1つの手段です。自身のスキルで好きなように運営できるので、やりたいことが明確なら最良の手段となるでしょう。しかし、CTOになりたいから起業をするのはおすすめできません。CTOになることを目的に起業しても、起業後の目的がないため、経営が続かないでしょう。

起業は、ほかの方法よりリスクが高いので注意が必要です。

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CTOの仕事内容に関するよくある質問

CTOに興味がある方は、CTOに関するさまざまな疑問があるでしょう。CTOに関するよくある質問として、仕事内容や適性、年収や求められる能力などが挙げられます。

以下では、CTOの仕事内容に関するよくある質問について回答します。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。

Q1. CTOの業務内容は?

CTOの仕事は、企業の経営を技術面からサポートすることです。具体的には、経営方針をもとに技術戦略の方針を決めたり、技術者の採用や教育に関わったりします。また、技術チームやプロジェクトのマネジメントを担当する場合もあります。

Q2. CTOにはどんな人がなる?

技術面と経営面の両方に対して強い興味がある人がCTOに向いています。CTOは企業の技術責任者として、技術面におけるチームメンバーのサポートや品質の担保など、高い技術力が求められます。一方でコストやリスクを検討して使用する技術を選定する経営目線やプロジェクトマネジメント力も必要だからです。

Q3. CTOの年収相場はいくらですか?

2024年9月時点のレバテックキャリアに掲載されている「CTO候補」の求人を参考にCTOの年収相場を算出しました。その結果、CTOの年収相場は約700〜1170万円です。CTOは大きな責任が伴う立場であるため、年収相場は高くなる傾向にあります。ただし、企業規模によって異なるため、あくまでも一例です。

Q4. CTOに求められる能力は?

CTOは責任の範囲が広く、重要な役割であるため、非常に高いスキルを求められる傾向です。具体的には以下のような能力が求められます。

  • ・ITの知識/スキル

    ・経営能力

    ・マネジメント能力

    ・コミュニケーション能力

    ・柔軟性

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まとめ

CTOは技術面の最高責任者として、企業の経営に関わっていくのが仕事です。技術面での方向性の決定や技術者の採用・教育、技術チームのマネジメントなどを行います。さまざまなスキルを高いレベルで要求されますが、その分市場価値が高く、やりがいも大きいです。

CTOを採用する企業は今後増えていくことが予想されます。企業に大きな影響を与えたい技術者の方は目指してはいかがでしょうか。

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この記事の監修

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