CTOとは?CEOとの違いや各役職の役割について解説

最終更新日:2024年3月12日

技術面や研究開発を監督する「CTO」は、IT関連の企業を中心に使用されている役職名です。アメリカで使用されていましたが、現在は国内の企業でも耳にすることが多くなりました。「Cスイート」と呼ばれる肩書きはたくさんありますが、ここでは「自社にはCTOとCEOがいるようだが違いがわからない」といった方に向け、企業の経営方針に関わる執行役員の責任者「CEO」をはじめ、混同しがちなCxOとの違いについてご紹介します。

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この記事のまとめ

  • 「CTO」とは「Chief Technology Officer」または「Chief Technical Officer」の略称です。日本語では「最高技術責任者」
  • CTOの具体的な役割としては、技術戦略の意思決定、技術経営、エンジニアの採用と教育などが挙げられる
  • CEOとCTOの違いは「CEO」は会社の経営に関する責任を担う役職である反面、「CTO」は開発などの技術面の責任を担うポジション

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CTOとは

CTOとは

「CTO」とは「Chief Technology Officer」または「Chief Technical Officer」の略称です。日本語では「最高技術責任者」になります。CTOという名称で役職が設置されている場合もあれば、開発の最高責任者が別の名称で設置されている場合もあります。

具体的には、国内の場合は主に技術部長や開発部長といった役職が挙げられます。技術的な方向性、研究開発を監督するポジションです。CTOは、元々はアメリカの企業で、研究開発ディレクターの立場を拡大したポジションとして生まれました。現在は、IT関連企業を中心に設けられています。

また、CTOは企業戦略の立案や、情報システム構築など、情報に関わる業務を監督する「CIO(Chief Information Officer/最高情報責任者)」という役職を兼任することもあります。国内でも外資系の企業をはじめ、さまざまな企業で設置され始めています。

CTO(最高技術責任者)の役割

CTOの具体的な役割として、以下の3つが挙げられます。


  • ・技術戦略の意思決定

    ・技術経営

    ・エンジニアの採用と教育


多くの企業のCTOが上記のような役割を担っています。ただし企業によってCTOの役割には違いもあります。技術分野で最高責任者として意思決定や各メンバーへの指示などを行う場合が多いです。

技術戦略の意思決定

技術戦略の意思決定は、新規事業の技術的な部分の選定や最終意思決定までを行います。具体的にどこまでをCTOが決定するかは企業によりますが、細部まで意識して決定できるCTOの方が重宝される傾向です。逆に言えば、開発現場の実態を把握できていない、詳細はエンジニアに丸投げ、といったCTOは役不足と言えるでしょう。視野の広さと同時に、技術に関する深い知見が重要です。

技術経営

技術経営は、技術を利益に結び付ける役割を担います。これは技術を売るような直接的な利益、技術を生かして製品開発を行うような間接的な利益の両方を含みます。費用対効果の視点から技術を見る必要があるので、たとえばエンジニアを経てCTOに就いた人などは技術に対する見方が変わる場合が多いでしょう。エンジニアの視点だと利便性が高まるならシステム開発は積極的に行うべきですが、CTOの視点では、費用に対してどれだけコスト削減や利益拡大につながるかを判断します。

エンジニアの採用と教育

エンジニア採用と教育では、直接採用、教育の場に立ち会うこともありますが、主には方針を決定する役割を担います。ただし採用現場、教育現場を把握したうえでないと適切な決定はくだせません。最終的には各担当者に作業を割り振りますが、CTOとしての役割を果たすためには、方針を決定する段階では自身も採用や教育を実施する必要があるでしょう。

CTOと社長の違い

CTOは技術部門の最高責任者です。社長という用語に法律上の定義はありません。社長の実態としてはCEOや代表取締役など企業のトップを指す場合が多いでしょう。組織全体のビジョン、戦略、目標の策定と実行を担当します。社長は経営戦略の策定において中心的な役割を果たし、市場動向や競合状況を分析し、組織の成長と発展に向けて指針を示します。
社長を企業のトップとした場合、CTOは企業の中の技術部門のトップです。

企業には技術以外にも、財務、情報、経営戦略、マーケティングなどの部門があり、それぞれにトップである最高責任者が置かれる場合があります。CTOはこのうちの一部門である技術部門のトップ、最高責任者ということです。

とはいえこれらの役職をそれぞれ設置しなければならないという法律はなく、実態は企業によって異なります。そのため、あくまでも概要や大枠の意味合いとして捉えておいてください。

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CEOとは

「CEO」とは「Chief Exective Officer」の略称で、日本語では「最高経営責任者」になります。アメリカでは、企業の経営方針を決定する業務執行役員の最高責任者にあたり、会長と兼任することも多いポジションです。

CEO(最高経営責任者)の役割

CEOの位置づけは、企業によって異なります。そのため、CEOの役割も細かくは企業によって異なります。大枠の、あくまでも概要として、CEOの役割を3つ挙げます。


  • ・業務執行の統括

    ・経営方針、事業戦略の策定

    ・ステークホルダーへの説明、適切な情報開示

業務執行の統括

業務執行の統括は、社内的には最高責任者として全体の意思決定を行い、それと同時に対外的に説明責任を負うことです。各分野でそれぞれCxOがありますが、その中でもCEOは最高責任者です。つまり、各CxOの決定はCEOに引き継がれ、CEOが最終決定を行います。意思決定は当然すべての状況を把握した上で行う必要があります。業務執行の統括を行うためには、各業務への深い理解と日々のインプットが欠かせません。

経営方針、事業戦略の策定

経営方針、事業戦略の策定は、企業の方向性、事業の方向性を決定し、実現するための計画を作ることです。いわば会社の方向性を指し示す役割で、CEOの決定によって会社の明暗が分かれると言っても過言ではありません。CEOの経営方針、事業戦略にもとづいて各担当者が動き、事業の結果に結びつきます。

ステークホルダーへの説明、適切な情報開示

ステークホルダーとは、企業に関わる利害関係者です。具体的には、株主、顧客、金融機関、行政機関、取引先などが挙げられます。広義には、経営陣や従業員も含みます。この中で特にスポットライトが当たるのは株主で、CEOは特に株主に対しての説明責任、情報開示責任を負います。企業は基本的に株主のものであるため、株主の合意を得たうえで円満に会社経営を行うことはCEOの重要な役割です。

CEOと代表取締役との違い

CEOが経営の最高権力者であるのに対し、代表取締役は会社の代表者です。CEOには会社法に基づいた権限や責任はないのですが、代表取締役は会社法上の執行権限が与えられています。言い換えれば、CEOが業務を執行しても法的効果は発生しないということです。

ただし、CEOと代表取締役を兼任している場合、CEOとして業務を執行すると代表取締役としての法的効果が発生します。CEOと代表取締役のどちらが偉いのかという疑問もあるかもしれませんが、これに関しては会社によってケースバイケースです。

また、通常、代表取締役は取締役会によって選出され、経営陣の一員として経営にも参画することがありますが、CEOとは異なり、必ずしも経営における最高権限を持つわけではありません。

日本ではCEOの使われ方が会社によって違うことも

日本とアメリカでは企業組織の構造が異なります。CEOという役職は日本の会社法上の規定にはありません。そのため、アメリカと同じように経営責任者としてCEOを配置している企業だけではなく、代表取締役、社長、会長と同じ意味で使用している企業など、さまざまな意味で使われています。

CEOの大枠の役割は上でご説明した通りですが、名ばかりCEOと言われるように、役職名を付けただけで実態が伴っていないようなケースもあります。そのため役職名だけで判断せず、実態を見ることも重要です。

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CTOとCEOの違い

CTOとCEOは、どちらも最高責任者という点では同じです。違いは、何の最高責任者かということです。CTOが技術統括を行うのに対し、CEOは経営統括を行います。詳しくは後述しますが、各分野に最高責任者の役職があり、企業によってそれぞれ役職が設置されています。

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そのほか混同しがちなCxOの肩書き

CxOの肩書一欄


CEO、CTOについて解説してきましたが、他にも複数のCXOがあります。その他の代表的なCXOについて解説していきます。

CxOとは

CXOのXの部分には何らかのアルファベットが入ります。つまり、これらの役職を総称してCXOと呼んでいます。CXOという名前の役職自体はないので、Xはここに何かのアルファベットが入るという意味合いです。

COOとは

COOは「Chief Operating Officer」の略称です。日本語では「最高執行責任者」となります。業務全般の執行を担っているので、CXOの中でも重役、社長が兼任している場合もあります。またここでの執行は経営との対比で名づけられています。

執行なので、経営ではなく実務側の最高責任者ということです。またCOOが社長の場合、CEOは会長などになっている場合が多いです。

CFOとは

CFOは「Chief Financial Officer」の略称です。日本語では「最高財務責任者」となります。財務責任者なので、社内のお金を統括する立場です。CFOは、財務分析や予算管理を通じて、企業の経済的な健全性を評価し、経営陣や取締役会に対して経済的な視点から重要な意思決定を助言します。また、資金調達や投資戦略を立案し、企業の収益性とキャッシュフローを最適化するために貢献します。

事務的な管理だけではなく、投資や資金調達の戦略策定や意思決定を行うこともあるでしょう。最終的な決断はCEOが担当します。

CMOとは

CMOは「Chief Marketing Officer」の略称です。日本語では「最高マーケティング責任者」となります。今の時代は消費者もサービス提供者もオンライン化が進んでおり、その分データ収集しやすくなっています。これは見方を変えると、いかにデータを活用するかによって企業間に大きな差ができるということです。

CMOはデータ活用を含むマーケティング戦略の策定、利害関係者との関係構築、他部署への連携などを行います。また顧客に対するアプローチも重要で、消費者心理を読み解く想像力なども必要です。

CPOとは

CPOは「Chief Privacy Officer」の略称です。日本語では「最高個人情報保護責任者」となります。個人情報保護の重要性が年々高まり、設置された役職です。CPOは、プライバシーポリシーの構築、外部からの苦情処理、コンプライアンスの徹底、内部監査体制の構築などを行います。

CKOとは

CKOは「Chief Knowledge Officer」の略称です。日本語では「最高知識責任者」となります。CKOは企業内の評価制度の導入や、社員間で情報共有するためのツール導入などを行います。CKOは経営陣と社員間で情報の橋渡しをスムーズにできるような環境を作る役割を担っています。

日本ではCxO導入が増えている

CXOはもともとアメリカで主流だった役職ですが、1990年代以降日本で導入事例が増えています。有名な事例としては、1997年にソニーが日本企業で初めて執行役員制度を導入したことです。日本でCXOの導入事例が増えている背景としては、経営と執行の分離や責任の所在の明確化が進んだことがあります。

アメリカではもともと会社は株主のもの、担当業務を役職ごとに振り分けて責任の所在を明確化する、という考え方がありました。日本企業もこのようなアメリカ企業に近づいていると言えます。日本企業でCXO導入が増えた結果、実際に経営と執行の分離、責任者の明確化が進みました。

この変化は、デジタル技術の進化とビジネス環境の変化に伴い、経営者が組織内のさまざまな側面において専門的なリーダーシップと洞察力を持つ必要性が高まったためだと言えます。CXOの導入は、組織の成長や競争力向上に向けた重要な一環として、企業や組織がより効果的かつ効率的に運営されることを目指す取り組みとして広く認知されています。CXOの専門的な知識とリーダーシップにより、企業は迅速な変化への適応と革新的な成長に向けてさまざまな戦略を実行することができるでしょう。

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CTOとCEOに関するよくある質問

CTOに関するよくある質問と、その回答をご紹介します。

Q1.CTO/CEO/COO/CIOのそれぞれの意味は?

和訳によって差異はありますが、一般的に以下のようになっています。

CTO:最高技術責任者
CEO:最高経営責任者
COO:最高経営責任者
CIO:最高情報責任者

「最高」と「責任者」は共通していて、真ん中の担当を指す用語のみが変わります。

Q2.CTOの仕事内容は?

CTOは企業の技術責任者として、情報システムの開発など、技術的な分野の最高責任者として活躍します。技術面での方向性の決定や、技術開発に関する企画の立案といったことを行います。詳しい内容は「CTOの仕事内容とは?役員ではない?求められる役割を解説」をご参照ください。

Q3.日本のCTOの平均年収はいくら?

日本のCTOの平均年収は、950万~1200万円となっています。(平成29年経済産業省データ)。レバテックキャリア上のCTO候補求人の年収レンジは700万~1200万円です。

Q4.CTOとCEOの違いとは?

CTOは技術の最高責任者、CEOは経営の最高責任者です。役職としては、CEOの方が上位に位置します。どちらももともとはアメリカで使用され始めた役職です。外資系の企業を中心に日本でも使用されるようになり、近年は日本企業にも導入されるようになっています。

Q5.CTOとはどういう役職ですか?

CTOは「Chief Technology Officer」の略称で、日本語では最高技術責任者です。技術戦略の意思決定、技術経営、エンジニアの採用と教育などを主に担います。CTOには、技術力と経営的視点の両方が求められます。

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まとめ

CTOは技術の最高責任者です。CEOが企業の執行責任者であるのに対し、CTOは技術に特化しているという特徴があります。CTO以外にも、CxOという形でそれぞれの分野に特化した責任者が存在します。

CxOはもともとアメリカ企業で一般的だった役職ですが、現在は日本でも普及しています。その背景には、経営と執行の分離、責任の所在の明確化などがあります。日本企業でも経営と執行が分離され、各分野ごとに責任の所在が明確になってきています。

従来までの日本企業は連帯責任や会社全体で一丸となるといった考え方が一般的でしたが、価値観や働き方の多様化などの影響もあり、アメリカ型に移行していると考えられます。

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この記事の監修

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