データベースエンジニアとは
データベースエンジニアとは、あらゆるデータを管理・保管するためのデータベースのシステムを構築する職種です。必要に応じてデータを格納したり取り出したりできるよう、データベースの設計から開発、保守・運用までを行います。データベースを操作するにはデータベース言語である「SQL」のスキルが必須となります。
ITを用いたシステム、サービス、アプリケーションにおいて、データを記憶する領域としてデータベースは利用されます。特にWebなどのサーバーサイドの処理には欠かせないミドルウェアです。あらゆる画面や機能からアクセスされるため、その設計は大規模になればなるほど処理速度などの観点で重要性を増します。
データベースの管理は、RDBMS(Relational DataBase Management System)と呼ばれるソフトウェアを利用するのが一般的です。データベースを利用する場合には、データのフォーマットと関係性をシステムごとに定義し格納環境を構築します。
※ 「データベース」にはRDBMS以外の製品も含まれますが、本記事では国内のシステム開発で一般的に利用されるRDBMSに関わるエンジニアについて記載しています。
データベースエンジニアと他職種との違い
データを扱う職種には、データベースエンジニアのほかにもデータエンジニアやデータサイエンティストなどが挙げられます。これらの職種との違いを明確にし、データベースエンジニアについての理解をさらに深めていきましょう。
ここではデータベースエンジニアと他職種との違いについて解説します。
データエンジニアとの違い
データエンジニアが大量のデータを収集・処理・管理し、パイプラインを構築して有効活用するのに対し、データベースエンジニアはデータベースの設計・開発・管理を担当する点が違いといえます。
データベースエンジニアは、データベースシステムの設計やパフォーマンスの最適化、整合性の維持、セキュリティ対策など、広範なデータベース関連業務に従事します。
データサイエンティストとの違い
データサイエンティストは、データを分析してビジネスの意思決定に活用します。具体的には統計学や機械学習などの手法でデータを分析し、問題解決や戦略立案に役立つ情報を提供します。また、データのクレンジングや前処理、可視化も行い、データの品質向上やインサイトの発見に寄与する職種です。
一方、データベースエンジニアはデータベースの設計、開発、管理を担います。データの保管と管理に焦点を当て、データの整合性やアクセス性の確保、パフォーマンスの最適化などを担当します。
データサイエンティストとデータベースエンジニアは、それぞれ異なる役割を果たしながら、データ活用の一翼を担っています。
データベースエンジニアの主な仕事内容
データベースエンジニアとはどのような職種なのか、大体のイメージはできるでしょうか。データベースエンジニアに限らず転職を検討する場合には、具体的な仕事内容を理解しておく必要があります。
ここではデータベースエンジニアの業務内容を大きく3つのフェーズに分け、詳細に仕事内容を解説します。フェーズごとに細かく見ていくことで仕事内容がより具体的にイメージできるでしょう。
データベースの設計
システム開発プロジェクトでは、データベースエンジニアはデータベースの設計を行います。
データベース設計とは、現実世界の物事をデータベース上の情報として表現できるようにデータモデルを考えることです。設計が必要な理由は、システムの整合性を維持し、ユーザーの要件を満たすためです。
データベース設計の質は、業務効率を左右します。目的にかなった設計でなければ、正しい情報や最新情報へアクセスできません。的確な設計はデータ活用を促進するだけではなく、情報検索に要する時間を削減し業務効率化に繋がります。
このように、データベース設計はシステムの品質を担保するための重要な仕事です。
データベースの開発・構築
設計した内容をもとにデータベースの開発・構築を行うこともデータベースエンジニアの役割です。
具体的にはデータベースのサーバー構築や管理システムのインストール、データベース名の設定、テーブルの作成を行います。セットアップ後の動作確認やバックアップ作業も実施します。
データベースの運用・保守
運用・保守は、構築が完了し、セットアップされたデータベースの運用段階の仕事です。利用状況に合わせたアクセス権の設定やセキュリティ対策、データの定期的なバックアップを行います。また、使用しているミドルウェアのサポート期限が近づいてきた際にはバージョンアップを実施するなど、さまざまなメンテナンス作業も行います。
関連記事:データベースエンジニアの仕事内容|必要なスキルと知識、学習方法も解説
データベースエンジニアの平均年収
2024年6月時点で、レバテックキャリアに掲載されている求人のうち、職種「データベースエンジニア」で検索したところ、242件のデータが取得できました。
このデータをもとに、年収の上限、下限の中間値で平均年収を算出したところ、データベースエンジニアの平均年収は約674万円という予測値となりました。
特に以下に該当するものが高収入となっている傾向が見られます。
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・大規模で高速な処理が求められる案件
・機械学習やビッグデータといった先端技術に関わる案件
・プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとしてのスキルを問われる案件
ハイレベルな求人も多く掲載されており、スキルや経験次第では将来的に1,000万円〜2,000万円の高年収も目指せる職種といえます。
関連記事:データベースエンジニアの年収|年収アップや転職のコツも解説
データベースエンジニアの将来性
データベースを利用したシステム、アプリケーションの開発は今後も続き、その利用数は増えていくと推測されています。さらにビッグデータやデータサイエンス、AIといった先端技術ではデータベースの活用は前提となっており、データベースの需要は下がりません。
ただし、従来と同じスキルのデータベースエンジニアの仕事は、現状維持もしくは減少傾向になるといえます。これは専門のデータベースエンジニアが中小規模のプロジェクトでは必要とされなくなってきているためです。データベースソフトウェアの発展によりパッケージングされ扱いやすくなったこと、アプリケーションエンジニアもデータベースへのスキルを高めていることも関係しています。
従来のRDBMSの設計、構築、運用、管理のみを行うデータベースエンジニアは大規模なプロジェクトにおいてその領域を残す状況です。
それでも、スキルを広げられればデータベースエンジニアには将来性が十分にあるといえます。データの分析や解析によるコンサルティング、データサイエンス領域・ETLの構築スキルといったプラスアルファを持つデータベースエンジニアには高い付加価値と需要があります。新たな技術に適応できるデータベースエンジニアであれば、将来性があるといえるでしょう。
データベースエンジニアの需要については以下で詳しく解説します。
関連記事:データベースエンジニアの将来性と主なキャリアパス
データベースエンジニアの需要状況
データベースエンジニアとは、どのくらい需要がある職種なのでしょうか。2024年6月時点で、レバテックキャリアにて職種「データベースエンジニア」で検索を行うと、242件の求人・転職情報が取得できます。この件数はアプリケーションエンジニアなどと比較すると多くはありませんが、一定数のスペシャリストには需要があると捉えられます。
求人内容からは「大規模プロジェクト」「上流工程」「リーダー・マネージャー候補」といった従来型のデータベースエンジニアの中でも、特に高いスキルを持つエンジニアの需要が見て取れます。また、「AI・機械学習」「データ解析」「ビッグデータ」といったプラスアルファのスキルを持ったエンジニアを求める傾向も見られます。
需要があるとはいえ、データベースエンジニアとして今後活躍していくには、最新技術にも目を向けたスキルアップの精神が欠かせないでしょう。
データベースエンジニアに求められるスキル・知識
データベースエンジニアへ転職するには、データベース製品に関する知識は必須といえます。ただしデータベースの知識に長けているだけでは業務は成り立ちません。円滑に仕事を進めるためには、対人関係におけるソフトスキルや物事に対する考え方も大切です。
さらに、プログラマーやシステムエンジニアの経験があれば、データベースエンジニアの仕事に活かせるでしょう。
ここでは、データベースエンジニアに必要とされるスキル・知識を解説します。
データベース設計スキル
データベース設計スキルはデータベースエンジニアのコアともいえます。
データベースの設計でキーとなるのが、「正規化」という考え方です。正規化とはテーブルに無駄な項目をできるだけ持たせないようにテーブルを分割することです。正規化によってデータの不整合をなくせるので、より効率的なデータ管理が可能になります。ただし、アプリケーションの都合やパフォーマンス向上のためにあえて正規化を崩す場合もあります。
テーブルに格納するデータの量を予測し、データベースに割り当てるディスクの容量を決める「サイジング」も重要となります。テーブルの項目ごとのデータ長を予測するのは難しい場合があるので、サイジングは非常に難易度の高いタスクです。したがって、通常は余裕を持たせた容量にしておくことが多いです。
データベース製品の知識
データベースエンジニアとはデータベースを設計・構築する職種であるため、取り扱うデータベース管理システムについて十分理解している必要があります。
管理システムとは、その名の通りデータベースを管理するための仕組みです。複数の利用者の同時アクセスを制御するトランザクション管理機能やデータの暗号化などにより不正アクセスを防止するセキュリティ機能を持っています。また、データベース操作言語であるSQLの実行機能などを備えています。
データベース管理システムには多くの種類がありますが、「Oracle(オラクル)」や「Microsoft SQL Server(マイクロソフト エスキューエル サーバー)」が有名です。これらの特徴を理解した上で、システム要件に適合した製品を選定するのもデータベースエンジニアの仕事です。
SQLの記述スキル
データベースエンジニアにはデータベース言語である「SQL」のスキルが必要です。
SQLは管理システムでデータベースの操作を行うための言語です。たとえば、テーブルに新しいレコードを追加したり、既存のレコードに対して更新や削除などを行えます。また、テーブルの作成やテーブルのインデックスの作成も可能です。
データベースエンジニアにとっては、データベースを操作するためのSQLの知識やスキルは習得必須の言語といえるでしょう。
コミュニケーションスキル
データベースエンジニアにはコミュニケーションスキルも求められます。
データベースの設計では、システムに求められる要件について顧客と打ち合わせを行います。顧客への提案の際は、専門的な内容を分かりやすく説明する能力が求められます。
また、社内でのコミュニケーションも重要です。たとえば、データベースやテーブルの設計についてはアプリケーションエンジニアと連携して進めていく必要があるため、円滑かつ正確な情報交換ができなければいけません。
スムーズな意思疎通は、開発を滞りなく進めるために非常に重要となります。
OS・ミドルウェアなどIT全般の知識
データベースエンジニアはOS・ミドルウェアなどIT全般の知識も身につけておくと良いでしょう。
データベースはシステムを開発する上で基盤となる要素です。アプリケーションの基盤となるものとしては、ほかにサーバーOS、Webサーバなどのミドルウェア、ネットワークなどがあります。これらに関する知識を身につけることで仕事の幅も広がります。
実際に、多くの企業や組織において、データベースエンジニアとはシステムの基盤を扱うインフラエンジニアとして位置づけられています。したがって、データベースエンジニアとはいえインフラ関連全般の知識が求められることがあります。
関連記事:データベースエンジニアの転職|年収や求人例、将来性も紹介
ロジカルシンキング
データベースエンジニアが扱うデータベースは非常に複雑です。このような複雑なシステムを正常に機能させるためには、物事をロジカルに捉え、正確に理解するスキルが求められます。さまざまな視点からシステムを俯瞰し、適切にデータベースを構築したり、問題解決したりする力が大切です。
また、論理的思考力はコミュニケーションにおいても役立ちます。話す内容の順序立てが適切にでき、分かりやすく物事を伝えられます。
データベースエンジニアとは、技術的な作業だけでなく多くの人とも関わりながら仕事を進めていく職種であり、論理的な思考はそれらの業務全般において必要となるスキルです。
データベースエンジニアに役立つ資格
データベースエンジニアにとって資格は必須ではありませんが、スキルを示すのに役立ちます。資格取得は実務への理解度を深め、転職活動においても、知識やスキルをアピールするための有効手段です。データベースエンジニアが自分に向いていると思う方は、積極的に資格取得に励むことをおすすめします。
ここでは、データベースエンジニアに役立つ資格について解説します。
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の運営する国家資格試験です。スキルレベル、カテゴリによって試験が分かれています。
ITエンジニアとしての能力を示せる試験として、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験が存在しています。試験範囲にはデータベースに関わるものもあり、データベースエンジニアにも役立つ試験といえます。
また、データベースの高度なスキルを問う資格として「データベーススペシャリスト」があります。難易度は高いですが、データベースの専門家としてのスキルレベルを証明できる資格です。
オラクルマスター
ORACLE MASTERとは、オラクル社のデータベース製品である「Oracle Database」の知識や技能を認定する資格です。「日本オラクル社」が公式に運営しています。試験ではデータベースの管理、運用のほか、SQLの知識を問う問題が出題されます。
Oracle Databaseは世界トップクラスのシェアを持っています。したがってORACLE MASTERを保有すれば世界基準のデータベーススキルが証明できます。
また、試験の範囲はリレーショナルデータベースやSQLについての一般的な知識も含んでいるので、資格取得の勉強によって、それらのスキルも身につけられます。
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DB技術者認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が運営する、オープンソースデータベース(OSS-DB)に関する技術力と知識を認定する資格です。ベンダーニュートラルな資格であり、オープンソース系のデータベースのスキルを証明できる資格です。
資格を取得すれば、オープンソースデータベースの技術を対外的に証明でき、データベースエンジニアに転職する際やキャリアアップにおいて優位になりやすいです。
関連記事:データベースエンジニアが取るべき資格10選!難易度・コストを解説
データベースエンジニアのやりがい
やりがいを感じられる仕事に就きたいと考える人は多いです。やりがいを感じられなければ、仕事のモチベーションを保つのが難しく、キャリアアップも前向きに考えられないでしょう。では、データベースエンジニアとは、どのようなやりがいを得られる職種なのでしょうか。
ここでは、データベースエンジニアの具体的なやりがいについて解説していきます。
多角的な視点を持ち理解を深められる
データベースエンジニアのやりがいは、システム全体を見渡すための多角的な視点を持てるようになることです。データベースエンジニアは、データベースシステムの設計や管理に携わるため、単にデータの格納や操作に留まらず、システム全体を見渡す必要があります。
データベースエンジニアは、異なる利害関係者(データサイエンティスト、エンジニア、ビジネス部門など)と協力し、彼らの要件を理解しながらデータベースシステムを構築します。このプロセスで、ビジネス上の目標やニーズ、データの使い方について広範な理解を深める機会が得られます。
仕事への理解が深まり把握する領域が広がっていくことが信頼や評価につながり、やりがいを感じられるでしょう。
知識やスキルが身につく
業務領域が広く知識やスキルが身につくこともやりがいといえます。データベースエンジニアはデータベースシステムの設計、開発、管理に携わるため、データベースに関連する幅広い領域に触れる機会があります。
まず、データベースの設計と開発には、データモデリングやクエリの最適化、インデックスの設計などのスキルが求められます。これにより、データベースの構造と効率を最適化し、システムのパフォーマンスを向上させられるでしょう。
また、データベースエンジニアはデータの管理にも携わります。データの整合性の維持やセキュリティ対策、バックアップと復元戦略の設計など、データの信頼性と安全性を確保するための知識が求められます。
さまざまな業務に活かせる知識やスキルがあれば、自信を持って仕事ができるようになり、モチベーションもつながります。
データベースエンジニアがきつい・やめとけといわれる理由
データベースエンジニアはデータベースの専門家として、顧客やほかのエンジニアからも頼りにされる存在です。一方でインターネット上などにおいて、データベースエンジニアは「きつい」「やめとけ」と言う意見も存在しています。その理由としてデータベースエンジニアは「専門性が高い上に幅広いスキルが求められる」点や「責任が重い」点などが挙げられます。
この章ではデータベースエンジニアがきつい・やめとけといわれる理由について解説します。
専門性が高い上に幅広いスキルが求められる
データベースエンジニアはデータベースを扱う専門職ですが、データベースエンジニアの業務はインフラエンジニアがまとめて担当することが多いです。
企業によってはデータベース業務担当としてインフラエンジニアのみを募集する場合もあり、データベースエンジニアの働き口が少ないことが「やめとけ」と言われる理由の1つでもあります。そのためデータベースエンジニアになるには、他のデータベースエンジニアよりも優れた専門性やインフラ領域も身につけるなど幅広いスキルが必要になります。
また最近ではIT技術の進歩により、データベースもクラウド化が進んでいます。そのため今からデータベースエンジニアを目指す場合には、現行のデータベース知識に加えてクラウドの知識も身につける必要があり、学習しなければならない領域が多いこともやめとけと言われる理由の1つになっています。
責任が重い
データベースエンジニアは大量の個人情報などのデータを扱うため、業務には細心の注意を払って取り組む必要があります。もし障害等により個人情報の漏洩が発生すれば、企業に重大な損失を与える可能性があるからです。そのためデータベースエンジニアは常にプレッシャーを感じながら仕事をすることになり、他のエンジニアよりも心身へのストレスが大きいことからやめとけと言われています。
地味な作業が多い
データベースエンジニアの業務はデータベース設計や設定などです。利用者からは見られない作業が多く、利用者が喜んでいる姿や感謝されるイメージがし辛いです。そのため仕事のモチベーションにも繋げ辛いことから、やめとけと言う意見も存在します。
データベースエンジニアが向いている人の特徴
転職を考えるのであれば、仕事内容や年収だけでなくデータベースエンジニアへの適性についてもよく検討すべきでしょう。データベースエンジニアは、ほかの部門と関わることも多く、人との協力が不可欠な仕事でもあります。そういった場面も想定した上で、向いているかどうかを判断しましょう。
以下ではどのような人がデータベースエンジニアに向いているかについて解説していきます。
最新技術やトレンドを学ぶのが好きな人
ITの分野では次々に新しい技術が登場し業界動向も変化するため、最新情報やトレンドに適応していける人が向いています。
データベースについても、NewSQLやNoSQLなどの新しい形のデータベースが登場してきています。NewSQLは分散型のデータベースです。NoSQLはリレーショナルではないデータベースです。
また、大量のデータを統計的に扱うビッグデータやデータサイエンスを利用した新しいビジネスが生まれています。
データベースエンジニアとして活躍していくには、これらのような変わりゆく業界の技術・動向と向き合いながら学習を継続する姿勢が大切です。
物事を論理的に考えられる人
論理的思考力が高い人はデータベースエンジニアに向いています。
データベースエンジニアの仕事は論理的に考えることを求められる場面が多々あります。たとえば、データベース設計の正規化の考え方やサイジングの手法は論理的思考がベースになっています。また、トラブル発生時の原因の解析も論理的に考えて問題を解決することが求められます。
このように、物事を論理的に考えられる人はデータベースエンジニアとして活躍できるといえるでしょう。
周囲とコミュニケーションを取りながら仕事を進めるのが好きな人
データベースエンジニアにはコミュニケーション能力が必要です。
顧客の要望をヒアリングしてデータベースについての要件を取りまとめたり、ほかのエンジニアの意見を設計に反映したりするためにはコミュニケーションスキルが重要になります。コミュニケーション能力に不安があると、正確な意思疎通ができず、認識の相違が生まれてしまうことも考えられます。
周囲と円滑にコミュニケーションを取れる人はデータベースエンジニアに適しています。
未経験からデータベースエンジニアになるには
未経験からデータベースエンジニアになるのは難しいとされていますが、いくつかの段階を踏みながら目指すことは可能です。
まず、プログラマーやシステムエンジニアからキャリアアップをする方法です。プログラマーやシステムエンジニアはデータベースを扱う機会が多いため、業務を通じてデータベースの知識やスキルを獲得できます。たとえば、データ処理のプログラミングやデータベース処理の設計に携われます。時間はかかりますが実務経験も積めるため、より現実的な方法といえるでしょう。
また、未経験であれば、運用・保守業務のポジションからだと目指しやすいです。「未経験可」として運用・保守業務のポジションを募集している企業もあるため、比較的低いITスキルで入門でき、ステップアップの機会があります。ただし、スキル向上のためには、自ら積極的に業務に取り組むことが重要です。
また、エンジニアスクールの卒業実績やIT資格などで自身のスキルを証明できれば、採用の可能性は高まるでしょう。
関連記事:未経験からデータベースエンジニアを目指す方法とは?
データベースエンジニアのキャリアパス
データベースエンジニアのキャリアパスとして、「プロジェクトマネージャー」「データベースコンサルタント」「データサイエンティスト」などが挙げられます。
プロジェクトマネージャーになるには、プロジェクトリーダーとしての実績を積み上げる必要があります。データベースコンサルタントは高度な知識とスキルが求められます。データサイエンティストはビッグデータの分析やビジネス活用のスキルが必要です。
自分がどのような専門性を身につけたいかに合わせてキャリアパスを選択すると良いでしょう。
データベースエンジニアに関するよくある質問
データベースエンジニアは、求められるスキルの高さや責任の重さなどからネガティブなイメージがある職種ではありますが、転職を希望する人もいることは確かです。実際に、データベースエンジニアに関心を持つ方からは多くの質問が届いています。特に、仕事内容や年収などについての質問が多いようです。
ここでは、データベースエンジニアに関するよくある質問に回答していきます。
Q1. データベースエンジニアとシステムエンジニアの違いは何ですか?
データベースエンジニアはデータベースの設計・構築・管理・運用を主な仕事とし、専門的な立場としてデータの効率的な管理やセキュリティを担当します。
一方、システムエンジニアは情報システム全般の企画から運用・保守までを担当し、システム全体の設計やネットワークの構築など幅広い業務に携わります。
Q2. データベースエンジニアの年収はいくらですか?
2024年6月時点のレバテックキャリアに掲載されている求人を参考にすると、データベースエンジニアの平均年収は約674万円と予測できます。特に大規模なプロジェクトや先端技術と関わる内容、チームをまとめるリーダーやマネージャーとしてのスキルを問われる案件が高収入となっています。
Q3. データサイエンティストとデータベースエンジニアの違いは何ですか?
データサイエンティストは、統計学や機械学習などの手法でデータを分析しビジネスの意思決定に活用します。データベースエンジニアはデータベースの設計、開発、管理を担っています。
データベースエンジニアは保管と管理に焦点を当て、データサイエンティストは分析とビジネス価値の創出に焦点を当てています。
まとめ
データベースエンジニアとは、あらゆるアプリケーションのバックエンドに存在するデータベースの設計・構築・運用・保守を主業務とする職種です。ビッグデータやAI・機械学習といった今後重要視される先端技術もデータを必要とするものであり、データベースの利用は今後も増えていくものと考えられます。
一方で、従来のデータベースエンジニアのスキルに加えて、新たな能力が求められる傾向も見られます。データベースの進歩により利便性が向上し、データベースエンジニア以外でも扱えるようになってきていることが背景にあります。
データベースの専門家として活躍するには、大規模プロジェクトの経験を重ね、「AI・機械学習」「データ解析」「ビッグデータ」といったスキルを習得する必要があるでしょう。
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