テストエンジニアの将来性はない?やめとけと言われる理由も解説

最終更新日:2024年11月15日

企業が製品を作る際は「一定の品質を保っているか」を確認するために、品質検査という工程を経て出荷します。テストエンジニアとは、ソフトウェアの品質を担保するために脆弱性の有無を検査したり、意図した通りに動くか確認するための動作テストを行ったりする職種です。また、そのほかにもテスト計画の立案、テスト計画および結果のレビューを担います。

多くのソフトウェア開発の現場で必要とされていますが、AIの進歩や高性能な開発ツールの普及が進むことで近い将来テストエンジニアに求められるスキルが変わってくる可能性があるでしょう。

この記事では、今後のキャリアについて考えている若手テストエンジニアに向けて、テストエンジニアの将来性や今後身につけていくべきスキル、キャリアパスなどについて解説します。

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この記事のまとめ

  • テスト工程だけに特化したエンジニアの需要は少なくなると予想されている
  • テストエンジニアとしてこの先も生き残るのであればAIに代替えができない対人業務などのスキルを磨くなどの工夫が必要と感がれられる
  • テストエンジニアは、保有しているスキルや知識、役割に応じてさまざまなキャリアパスを選べ る

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テストエンジニアに将来性がないと危惧される5つの理由

インターネット上などで「テストエンジニアは将来性がない」という声がよく見られます。

テストエンジニアに将来性がないと考えられる要因の一つとして、AIの急速な普及が挙げられます。AIを利用した開発支援ツールやテストケース自動生成などによって、今までテストエンジニアが行ってきた仕事が奪われるという不安から、テストエンジニアの将来性について懸念の声が上がっています。また、IoTの普及やテストエンジニアの作業内容の単調さ、給与の低さなども将来性を不安視する要因となっているようです。
以下では、テストエンジニアには将来性がないと考えられる理由について、詳しく解説していきます。

1. AI技術の発展によりテスト工程だけの人材の需要は縮小

システム開発のテスト工程の作業については、今後AIが多くの仕事を担当すると考えられています。

テストケース作成やテスト実行などは、決まったルールに基づいた比較的単純な作業であり、AIにとって得意な種類のタスクです。特にAIを利用した開発支援ツールの導入やテストケース自動作成などが進められています。

実際に大規模開発の現場では、大手ベンダー製、あるいはグループ企業の開発支援ツールを取り入れていることが多いです。

これまでは、規模が大きい案件ほど、テストエンジニアを必要としてきました。しかし、テストを自動化・効率化するツールが普及し、開発支援アプリケーションの性能も日々進歩しているため、テスト工程だけに特化したテストエンジニアの需要は減少していくと考えられます。

2. 開発支援ツールにテスト業務を奪われる恐れ

今までテストエンジニアが行ってきたテスト工程の多くの作業は、開発支援ツールに置き換わると予想されています。

開発支援ツールはテストコードを自動的に生成したり、テスト対象のソースコードを解析してテストケースを自動生成したりすることができ、成果物の精度も非常に高いです。

そのため、テスト工程の作業の多くが開発支援ツールによって行われるようになると考えられます。

3. IoTの普及でIT業務が変化していくため

IoTはInternet of Thingsの略です。身の回りのあらゆるものがインターネットに繋がり、相互に情報交換をする技術を指します。IoTデバイスから収集された膨大なセンサーデータを活用し、製品の品質管理、生産効率の向上に役立てることが可能です。IoTの普及は人々の生活に影響を与えていますが、IT業務にも大きな変化を与えており、テストエンジニアの将来性が危惧される理由といえます。

4. 仕事をしながらスキルアップするのが難しいため

テストエンジニアの仕事は単純作業だけではありませんが、単純作業も多いです。そのため、スキルは身につきにくいといえるでしょう。また、IT業界は常に新しい技術が生まれ、テストエンジニアにもその習得が求められます。しかし業務が忙しく、学習時間の確保や新しい技術に触れる機会が少ない場合も多いです。スキルアップしないエンジニアは、活躍の場があまり多くないため、需要も減少傾向であると考えられます。

5. ITエンジニアと比べて給料が低いため

テストエンジニアは、業務量のわりにほかのITエンジニアと比較して給料が低い傾向にあります。テスト工程は、開発プロジェクトにおける仕上げの段階です。決められた納期のなかで、開発工程などに遅延が生じると、テストエンジニアがハードスケジュールになることもしばしばあります。そうすると、仕事内容と給料が割に合わないと感じられ、将来性がないと判断されることがあります。。
また、テストエンジニアは、特定の技術に特化しているというよりは、幅広い知識とスキルが必要です。そのため、専門性を持ったエンジニアと比較して、給与が低く評価される傾向もあります。

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今後も需要のあるテストエンジニアでいるためのポイント

テストエンジニアの仕事は、IT業界の発展とともに変化し続けています。今後も需要のあるテストエンジニアでいるためには、スキルを磨くことが重要です。

現状、AIだけではカバーしきれない領域なども多数あるため、テストエンジニアとしての需要はまだまだ続くと考えられるでしょう。そのなかでもテストエンジニアとして今後、数年〜数十年単位で活躍していくための方法を解説します。

「情報力」と「コミュニケーション力」を磨く

これからのテストエンジニアには「情報力」と「コミュニケーション力」が強く求められます。

テスト工程は、設計や開発工程よりも早い段階でAIに代替されると考えられています。ただし、完全に人工知能がテスト工程を担当することはまだ先の話であり、特に人間の「集団知」やコミュニケーション能力の重要性は依然として高いです。

たとえば、Google社のテックブログGoogle Testing Blogでは、テストに重点をおいた役割のエンジニアに対しては、「開発担当よりも広い視野を持つこと」「テストに関する知識や環境の共有」が求められると述べられています。

今後テスト工程の多くの作業がツールにより自動化されていくでしょう。しかしながら、テストエンジニアには依然として需要があり、高い情報力とコミュニケーションスキルがテストエンジニアというポジションにとって非常に重要なスキルになっていることがうかがえます。

プラスアルファのスキルを身につける

今後、テストエンジニアとして活躍するには、既存のスキルに加えてプラスアルファのスキルを身につける必要があります。

開発現場では、テスト工程だけを担当するエンジニアはあまり多くないのが現状です。プログラマーがテスト工程を兼ねていることも少なくありません。プラスアルファのスキルを身につけることで、より広範な業務に対応可能です。

たとえば、コミュニケーション能力が高いエンジニアであれば、開発エンジニアやプロジェクトマネージャーと連携して問題を早期に解決できます。また、担当しているシステムのフレームワークやアーキテクチャを熟知しているエンジニアであれば、設計者や開発担当者から助言を求められることも多いでしょう。

したがって、今後は「テストエンジニアとしてのスキル+α」を持っているエンジニアが高い市場価値を持つようになります。長年現場でシステムに携わり、幅広い知識のあるベテランメンバーや、チームリーダーとしてマネジメント経験のあるメンバー、さらにはテスト以外の工程も担当可能な専門知識を持っているエンジニアは、今後も活躍し続けられるでしょう。

AIに置き換えができない人材を目指す

テストエンジニアはAIに置き換えられる可能性があるので、AIに置き換えができない人材を目指すことが生き残りのポイントです。具体的には、専門スキルの幅を広げつつ、マネジメントやコミュニケーションといった対人業務にも力を入れる必要があるでしょう。専門スキルの種類としては、プログラミング、インフラ関連、セキュリティなどが挙げられます。

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テストエンジニアに求められるスキル・知識

テストエンジニアは、より良い製品を提供するために、さまざまなスキルや知識が必要です。
たとえば、テストエンジニアの仕事をするにあたって、テストの計画を立案するスキルやテスト結果を分析するスキルは必須です。さらに、プログラミングの知識やソフトウェア開発に関するスキルがあると、業務がスムーズになるでしょう。

ほかにもテストエンジニアに求められるスキルとして、コミュニケーションスキルやマネジメントスキル、オフィスソフトの知識、問題解決力などが挙げられます。以下では、これらのテストエンジニアに求められるスキルや知識について詳しく紹介していきます。

テスト計画の立案スキル

テストエンジニアには、テスト計画を立案するスキルが必要です。多くの現場ではシステム設計、開発(コーディング)を経てテスト工程へと順番に進んでいく「ウォーターフォール型」という開発手法が取り入れられています。この開発手法では、一つの工程の遅れが後続にまで影響が出てしまうため、スケジュール通りに進めていくことが重要です。

一般的にテストと呼ばれる工程は「単体テスト」「結合テスト」「総合テスト」など、いくつかの段階に分かれており、全体の工程として見るとテストが占める割合は少なくありません。

これらの理由から、テストエンジニアにはテストだけでなく全体のスケジュールを意識し、システムを俯瞰的に捉えた上で立案や提案をしていくスキルも求められます。

以上の例以外にもさまざまな要求をされるため、テストエンジニアは要件を把握した上でテスト実施工数やリソースの見積もりを出し、テストがスケジュール通り円滑に進められるように計画するためのスキルが必要です。

テスト結果の分析スキル

テストエンジニアに求められるスキルの1つに、テスト結果を適切に分析する能力があります。テスト分析スキルとは、実施したテストから得られるデータを詳細に読み解き、品質やパフォーマンスに関する洞察を得るスキルのことです。たとえば、エラー発生傾向を見つけたり、品質の問題点を特定したりするためには、データの因果関係やパターンを見抜く力が欠かせません。ただテストを行うだけでなく、その結果から具体的な改善策を導き出すことができる点が、テスト結果の分析スキルの要となります。製品の完成度を高め、ユーザーにとって優れた体験を提供するために不可欠なスキルです。

マネジメントスキル

大規模開発の現場に限ったことではありませんが、テスト工程では業務が膨大な量になることもしばしばあります。その場合、プロジェクト全体を管理し、効率的なテスト実施を行うためのマネジメントスキルが必要です。特に、テストエンジニアチームのリーダーや経験値の高いメンバーには求められるスキルでしょう。

ミーティングなどで全体の意識合わせやスケジュール確認を定期的に実施していたとしても、一番チームを把握できているのはチームリーダーやベテランメンバーです。たとえば、最初に割り振られている各担当者の作業量が膨大であったり、難易度が高く、時間や工数がかかることもあります。そういった場合、スケジュール調整をしていく必要があります。

また、テスト工程では一見簡単そうに見えるテストであっても、テスト環境の構築などで課題が発生した場合、解決に導くための知識の共有や環境整備なども合わせてマネジメントしていけるスキルも必要です。

プログラミングの知識

テストエンジニア自身がプログラミングを行う必要はありません。しかし、ある程度プログラミングを理解できたほうが効率的かつ安全性の高いテストを実施できます。

また、テストエンジニアがプログラミングを学ぶことでプログラマーやシステムエンジニアに転身することもできるでしょう。テストエンジニアとしてキャリアを積んでいくことも大切ですが、プログラマーやシステムエンジニアへの転職も視野に入れておくと選択肢が広がります。

コミュニケーションスキル

テストエンジニアに限らず、システム開発プロジェクトに参画するメンバーにはコミュニケーションスキルが求められます。プロジェクトでは、複数のメンバーが協力して作業を進めていくためです。また、クライアントとコミュニケーションを取る機会もあるでしょう。

テストエンジニアはシステム開発のなかでも下流工程なのでクライアントとの接点は少ないですが、それでもクライアントと関わる機会はゼロではありません。上流工程のメンバーと一緒にクライアントとミーティングを行う場合もあります。

ソフトウェア開発スキル

テストエンジニアは、ソフトウェアの開発スキルがあると業務に役立ちます。ソフトウェアの内部構造を理解すると、より効果的なテストケース設計の実現ができ、品質向上へ貢献することが可能です。また、バグの原因を特定し、根本的な解決策を提案することができます。

プログラマーやエンジニアなどを目指す場合にも身につけるべきスキルです。ハードウェアのスキルがあればトラブル対応や作業端末、サーバーの改良などができるので、ソフトウェアとハードウェアどちらも扱えたほうがより良いでしょう。

オフィスソフトの知識

オフィスソフトとは、MicrosoftのWord、Excel、PowerPointなどを指します。IT業務全般でオフィスソフトを使用する機会が多いです。たとえば、テスト結果をExcelに集計し、グラフなどを活用して視覚的に分析ができます。また、テストにおける事務業務を一部自動化することも可能です。そのため、一定のオフィスソフトの知識は必須といえます。ツールを使いこなすことはもちろん、VBAが扱えるとテストデータのバージョン管理や、過去のデータとの比較を効率的に行うことができるため、より良いでしょう。

問題解決力

テストを含むシステム開発の工程では、必ずといって良いほど問題が発生します。納期に間に合わない、想定通りに作業が進まない、クライアントから仕様変更が入った、メンバーが体調不良により離脱してしまった、などさまざまな問題が起こる可能性があります。これらの問題の解決策を考えて迅速に対処するためには、問題解決力が欠かせません。問題解決力は日々問題を見つけて解決を繰り返すことで磨かれます。

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テストエンジニアとは

テストエンジニアとは、文字通りソフトウェアやシステムが正しく機能し、仕様通りに動作するかテストを行うエンジニアのことです。アプリケーションやシステムをさまざまな観点で検証し、プログラムロジックの誤りやデータの設計ミスなどが無いかを確認します。製品やサービスをリリースする前に、その品質を保証することが仕事です。

IT業界の中で、テストエンジニアはシステムやソフトウェアの品質を担保するための重要な役割を担っています。

テストエンジニアの仕事内容

テストエンジニアの仕事は、開発プロジェクトのテスト工程を担当し、システムのテスト・検証を行うことです。テストを実施する前に、どのような観点のテストをどれくらいの期間で行うのか計画を立てる必要があります。

また、十分な品質を保証するにはテストケースを漏れなく洗い出し、テスト条件と想定結果を明確にしなければなりません。テスト計画の策定は、テスト工程で最も重要なプロセスです。

テストの実施は、最小の単位(モジュール)をテストする単体テストから始まります。その後は、モジュール間のインターフェースを検証する結合テスト、システム全体を確認する総合テスト(システムテスト)の順番です。

テスト結果を資料にまとめ、開発者やプロジェクトマネージャーに報告します。プロジェクトによってはテストエンジニアが改善案の提案まで行うこともあります。

関連記事:テストエンジニアとは?仕事内容ややりがいについて解説

テストエンジニアとテスターの違い

テストエンジニアは、開発プロジェクトのテスト工程を担当するエンジニアですが、その役割によって「テストエンジニア」と「テスター」に分けて呼ぶ場合もあります。どちらも、ソフトウェアの品質保証に関わる仕事です。明確に決まった定義はありませんが、一般的には次のように理解されています。

テスターは、あらかじめ作成されたテスト仕様書と手順書にしたがってテストを実施し、バグや不具合がないか確認する役割です。比較的単純な操作を繰り返し行うことが多く、主に総合テスト工程を担当します。

テストエンジニアはテスト計画・設計を含め、開発側への改善提案など、より幅広い業務が担当です。また、プログラミングスキルや、テストツールの知識など高度なスキルも求められます。単体テストや結合テスト、改善提案はテストエンジニアが担当する場合が多いようです。

テストエンジニアとQAエンジニアの違い

テストエンジニアは単体テスト、結合テスト、システムテストなどのテスト工程で、テストを計画し実施します。一方、QAエンジニアは完成した製品が実運用に耐えられる品質であることを保証する仕事です。

テストエンジニアの仕事は、テスト工程を主軸としているのに対して、QAエンジニアの仕事は、製品の品質管理全体を主軸にしています。また、品質管理にはテストテスト計画の策定やテストケースの作成、テスト実施、テスト結果の分析のほかに品質方針や品質基準の策定、プロジェクトマネジメント、プロセス改善などが含まれます。

テストエンジニアはテスト工程に関わり、QAエンジニアは品質管理全体に関わることが違いです。ただし、テストエンジニアとQAエンジニアの仕事には重なる部分もあるため、両者を明確に区分していない企業もあります。

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テストエンジニアの年収

レバテックキャリアに掲載されている求人によると、テストエンジニアの平均年収は約545.7万円です。個人のスキルや経験年数、企業規模などによって変動はありますが、高いスキルや経験を求める求人ほど高収入である傾向です。年収を上げるためには、求められるスキルの習得や資格取得を目指すことをおすすめします。

また、未経験からスタートする場合の平均年収は、468.5万円程度です。

関連記事:テストエンジニアの平均年収は?求人例や仕事内容、関連資格も解説

テストエンジニアの求人例

テストエンジニアの求人例を知っておくことは、自分のスキルや経験が、どの程度の年収に結びつくのかを把握できます。また、多くの求人を見ることで、企業がどのようなスキルを重視しているかを確認することも可能です。具体的な求人例を以下で紹介します。

システム開発会社のテストエンジニア求人

  • ・必須要件:システムテストの業務経験

    ・歓迎要件:PHP / Ruby / AWSの知識・経験

    ・待遇:正社員、年収312〜476万円

ゲーム開発会社のテストエンジニア求人

  • ・必須要件:Webアプリ・モバイルアプリの開発経験、テストコード実装・運用経験

    ・歓迎要件:テスト設計から運用まで一貫して担当できる方

    ・待遇:正社員、年収360〜700万円

AI・組み込みサービス会社のテストエンジニア求人

  • ・必須要件:ソフトウェア開発経験、各テストフェーズ経験3年以上

    ・歓迎要件:テスト技法導入における指導経験を持つ方

    ・待遇:正社員、年収580万円〜

業務系組み込みメーカーのテストエンジニア求人

  • ・必須要件:ソフトウェア評価あるいは開発経験3年以上

    ・歓迎要件:テストエンジニアのスペシャリストを目指す方

    ・待遇:正社員、年収300万円〜

関連記事: 未経験からテストエンジニアになるには?求人例や年収相場も紹介

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テストエンジニアが「きつい」「やめとけ」といわれる理由

「テストエンジニアの仕事はきつい」「やめとけ」といわれることがあります。その理由を知っておくことは、仕事を選ぶ上で重要になるでしょう。なぜなら、仕事の魅力だけではなく、現実的な課題や苦労も事前に把握でき、自分に適性があるか判断できるからです。ここでは、なぜそのようにいわれることがあるのか、理由を紹介します。

関連記事:テストエンジニアはきつい?理由や向いている人の特徴を解説!

納期が厳しく追われていると感じやすい

システム開発には納期があります。IT業界では共通の課題になりますが、テストエンジニアも納期の影響を受けやすい仕事です。設計変更などで設計工程や実装工程に遅れが発生すると、テスト工程にしわ寄せが来ることになります。最終的な納期を後ろ倒しにすることが難しいからです。そうなると、必然的に業務が忙しくなり残業が多く発生することになります。

単調な作業にストレスを感じることがある

テストエンジニアの仕事はテスト仕様書通りに、ひたすら単純な作業を繰り返して行うというものです。本来、エンジニアはクリエイティブで自由なイメージですが、テストエンジニアには自分で考えてものを創り出すというよりも、指示された通りに動くことが求められます。単純作業が苦にならないという人には向いていますが、自分の裁量で仕事をしたい人には苦痛に感じる可能性があります。

ただし、テストスキルが身についてくると自分でテストパターンを考えたり、より効率的かつ安全性を担保できるテストケースを提案するようなことも可能です。テストに特化して高いスキルを持つテストエンジニアも存在します。

裁量権が小さい

テストエンジニアは上流工程から流れてきたシステムをある程度決まった型に合わせてテストします。テストの内容などを考える作業もありますが、裁量権が大きいわけではありません。あくまでも下流工程の範囲内での裁量といえるでしょう。また、裁量権が小さいことで、自分の意見が反映されないと感じ、モチベーションの低下やパフォーマンスに影響が出る可能性もあります。

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テストエンジニアのやりがい

テストエンジニアはデメリットもありますが、もちろんやりがいもあります。仕事のきつい部分があっても、やりがいを意識することで、モチベーションを維持できるでしょう。

テストエンジニアのやりがいには「社会貢献している実感を得やすい」「自分の仕事が製品に反映される」などが挙げられます。ここでは、それぞれのやりがいについて紹介します。

社会貢献している実感を得やすい

世にリリースするシステムは品質が重要です。特に不具合が発生することによる社会的影響が大きいシステムは、エラーが許されません。このバグ、エラーを防ぐためにはテストの工程が必須です。また、テストエンジニアは、Webサービスやスマートフォンアプリなど、私たちの生活に欠かせないさまざまなシステムの品質を担保しています。テストエンジニアがしっかりテストすることで社会インフラが安定し、人々の生活が円滑になることも、社会貢献している実感を得やすいと感じるでしょう。

自分の仕事が製品に反映される

テストエンジニアがシステムを開発するわけではありませんが、テストエンジニアが発見したバグはプログラマーやエンジニアが修正します。つまりテストエンジニアの仕事は製品に反映されるということです。自分の意見が製品に反映されることで、より良い製品に貢献できたという達成感を得られるでしょう。

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テストエンジニアのキャリアパス

キャリアパスを知っておくと、将来的にどのようなキャリアを築きたいのか目標を設定でき、モチベーションにもつながるでしょう。

テストエンジニアのキャリアパスは、技術的スキルや役割に応じてさまざまな道を選ぶことができます。具体的には、スペシャリストやテストマネージャー、テストアナリスト、プロジェクトマネージャー、品質管理コンサルタントなどが挙げられます。また、スキルを磨くことでほかの職種への転職も可能です。
ここでは、テストエンジニアのキャリアパスについて詳しく解説します。

経験を活かしたキャリアアップ

実務経験を重ねたテストエンジニアは、テスト工程だけでなくシステム全体の知見があるため、重要なメンバーとしてテスト工程を任されることもあるでしょう。逆にさまざまな現場を経験している場合は、デバッグツールやテストパターン、開発環境などに関する幅広い知識やテスト経験を持った即戦力として期待されます。

以下では、テストエンジニアのキャリアアップ職種を紹介します。。

スペシャリスト

スペシャリストは、単にテストを実行するだけでなく、テストの設計やテスト方法の提案、結果の判定、報告といった業務を担当します。製品が期待した動作や、パフォーマンスを発揮しているかなどをチェックが必要です。そのためには、精度の高いテスト計画の作成や分析を行い、検査すべき項目に漏れがないようにします。テストに関する深い知識と経験を積むことで、より高度な課題解決に携わることが可能です。

テストマネージャー

テストは多くの場合、個人ではなくチームとして行います。マネージャーは、テストチーム全体を統括、管理し、設計したテスト計画に基づいて業務が遂行されるよう監督する仕事です。

また、テストを行う上で、顧客への利用ケースのヒアリングや協力要請なども大切な仕事に含まれます。ヒアリングは重要な業務で、顧客やエンドユーザーには、開発担当のエンジニア側と違った観点からアプローチしなくてはいけません。想定外の操作をきっかけにリリース後のバグが発生することもあるため、テストマネージャーにはそういったバグなどを未然に防ぐための確認、検討をするスキルが求められます。

テストマネージャーは、一般的に、テストエンジニアを経てからキャリアアップで就く職種です。

テストアナリスト

テストアナリストは、深い知識と豊富な経験をもとにテストに関する分析や改善計画の立案などを行う役割です。

テストアナリストは顧客やエンドユーザーが求める機能や性能を把握する必要があるため、いわゆる上流工程で必要となる設計関連の知識も必要となってきます。要件や設計の内容を踏まえた上でテスト計画を立てたり結果の分析を進めていくようなスキルが必要です。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは開発プロジェクト全体を管理・統括する役割を担います。一方、テストマネージャーはテスト工程を管理する役割を持ちます。したがって、テストエンジニアからのキャリアパスとしては、テストマネージャーとしてマネジメントの経験を積んでから、プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャーに就くケースが多いでしょう。

テストマネージャーとして培ったマネジメント能力やコミュニケーション能力、顧客との関係性をプロジェクトマネージャーの業務に活かすことができます。また、テストエンジニアとしての経験を活かして、設計工程や開発工程でシステムの品質を高めるための取り組みを行うことが可能です。

品質管理コンサルタント

品質管理コンサルタントは、QAエンジニアとも呼ばれるシステムの品質を管理するエンジニアです。テストエンジニアに近い部分がありますが、品質管理コンサルタントは開発段階ではなく完成した製品、サービスの確認を行います。テストを通じてさまざまな品質問題に遭遇し、原因究明や解決策を検討してきた経験は、コンサルティングにおいて役立つでしょう。また、さまざまなテスト手法を経験することで、製品やサービスの品質を評価する深い知識を身につけているため、品質コンサルタントとしての活躍に繋がります。

プログラマーへの転職

テストエンジニアのキャリアアップには、プログラマーへの転職という選択肢もあります。テストエンジニアとしての経験は、プログラマーへの転職に役立つことが多く、特にソフトウェア動作や品質管理に対する理解は、開発現場での問題解決や品質向上に貢献することが可能です。

ただし、プログラマーとして働くためには、実際にプログラミングスキルや開発意識を身につける必要があります。プログラムの内部構造を深く理解することで、バグや不具合の原因をより正確に特定し、効率的なテストケースの作成が可能です。また、プログラムコードと仕様書を比較することで、仕様の漏れや誤りを発見し、より高品質なソフトウェア開発に貢献できるでしょう。

このように、適切なスキルを習得すれば、テストエンジニアの経験はプログラマーとしてのキャリアの基盤となります。

プログラマー以外の業種への転職

テストエンジニアから、IT業界以外の職種へ転職することも不可能ではありません。テストエンジニアとしての経験を活かせる異業種は少ないですが、。VBAのスキルやコミュニケーションスキル、スケジュール管理スキル、集中力などがあれば、デスクワーク系、営業事務などの業務に適性があります。

現代では全く異なる業種からの転職が珍しくないため、選択肢は豊富にあります。

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テストエンジニアのキャリアパスの実現に役立つ資格

テストエンジニアのキャリアパスにおいて、資格取得は有効な手段です。企業は、資格取得を評価し、昇進や給与アップの基準にすることもあります。また、資格取得に向けて勉強すると、知識を深めることができるため、スキルアップが可能です。

ここでは、テストエンジニアとしてキャリアアップする場合とプログラマーなどのほかの職種へ転職する場合に分けて、それぞれの場合に役立つ資格を紹介します。

キャリアアップに役立つ資格

テストエンジニアとしてキャリアアップする際に役立つ資格は、以下の3つです。

  • ・JSTQB認定テスト技術者資格

    ・IT検証技術者認定試験

    ・ソフトウェア品質技術者資格認定

それぞれ詳しく紹介します。

JSTQB認定テスト技術者資格

JSTQB認定テスト技術者資格は、テストエンジニアの技術や知識を認定する国際的な資格です。ソフトウェアテスト技術者資格認定組織であるJSTQBが実施しています。

基礎的な内容を問われる「Foundation Level」と、分析など高度な内容まで問われる「Advanced Level」に分かれています。テスト計画や設計、実行、完了などソフトウェアに関する幅広い知識を体系的に学ぶことができるため、キャリアアップに役立つといえるでしょう。

IT検証技術者認定試験

IT検証技術者認定試験は、テストエンジニアの技術を認定する資格です。テスト初心者レベルのアシスタントからテスター、デザイナー、アーキテクト、エバンジェリストの順で5つにレベル分けされています。自分に合ったレベルから挑戦していくと良いでしょう。実際のソフトウェア開発現場で求められるスキルを重視した試験となっているため、IT業界でも高い評価を得ています。

ソフトウェア品質技術者資格認定

ソフトウェア品質技術者資格認定は、ソフトウェア品質の基本概念などを中心に出題される資格試験です。ほかの資格試験より易しい内容となっています。ソフトウェアに関する体系的な知識、品質管理手法、品質改善など、幅広い知識を証明することが可能です。テストエンジニアの基礎知識を固めたい人はこの資格から受験してみると良いでしょう。

そのほかのエンジニア職のキャリアパス実現に役立つ資格

テストエンジニアから別のエンジニアに転職する場合に役立つ資格として、以下の6つが挙げられます。

  • ・基本情報技術者試験

    ・Microsoft認定資格

    ・LinuC

    ・シスコ技術者認定

    ・Oracle認定Javaプログラマ

    ・PHP技術者認定

それぞれ詳しく紹介します。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営する国家資格試験で、ITエンジニアに求められる基礎スキルが幅広く出題されます。プログラミングの基礎、システム開発理論、ハードウェア、ネットワーク、セキュリティ、プロジェクトマネジメントなど幅広い領域を学習できるため、ほかのエンジニア職を目指す際に有効です。

Microsoft認定資格

Microsoft認定資格プログラムは、マイクロソフト社が提供する認定資格の総称です。マイクロソフト製品は、さまざまな企業で広く利用されているため、求人の採用基準として資格が考慮される場合もあります。また、マイクロソフトという大企業が認定している資格なので、信頼性も高いです。クラウドサービスのAzureやデータベースのSQL Serverなど、さまざまな製品に関する資格があり、インフラエンジニアを目指す際に活躍するでしょう。

LinuC

LinuCは、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-JAPAN)が運営しているLinuxの資格です。Linuxは、Windows Serverと並んで多用されているサーバーOSであり、インフラエンジニアの必須スキルの1つです。テスト環境の構築や自動化にLinuxが広く利用されているため、LinuCの資格を取ることで、より幅広い領域で活躍できるでしょう。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワーク製品において世界的なシェアを持つシスコシステムズ社の資格試験です。ネットワーク技術の基礎から応用、ネットワークセキュリティまでさまざまな資格が提供されています。ネットワークエンジニアを目指す際に有効です。また、テストエンジニアの経験と、シスコ技術者認定で得たネットワーク知識を組み合わせることで、インフラエンジニアとして活躍できる可能性も広がります。

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマは、Oracle社が定めているベンダー資格です。Javaの資格では最も有名で、OCJPやOCJPシルバーなどと略されています。難易度はBronze、Silver、Goldの3種類です。

Bronzeは言語未経験者向けの入門資格で、SilverはJavaアプリケーション開発に必要とされる基本的なプログラミング知識を有している開発初心者向けの資格になります。Goldは、設計者の意図を正しく理解し、独力で機能実装が行える中上級者向けの資格です。難易度にはかなり幅があります。

プログラミングだけでなくJavaの体系的な学習も必要となりますが、Silverに合格できていれば基礎的な部分が理解できているというアピールができるでしょう。

テストエンジニアとしての経験と、Javaの知識を活かして、データ分析基盤を構築したり、機械学習モデルを開発するデータエンジニアへの転職ができる可能性も広がります。

PHP技術者認定

PHP技術者認定は、PHP技術者認定機構という団体が定めた資格で、協賛企業は日本マイクロソフトなど複数の大手IT企業です。

初級と上級/準上級の2種類がありますが、上級/準上級は開発経験者向けのため初心者だと難易度は高いでしょう。そのため、初心者は初級からの挑戦がおすすめです。

PHPの基礎から応用まで体系的に学ぶことで、Web開発に関する深い知識とスキルを習得することが可能です。テストエンジニアの経験と組み合わせると、Webシステムの設計や開発、運用に関わるシステムエンジニアも目指せるでしょう。

関連記事: テストエンジニアに役立つ資格4選!取得のメリットも解説

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テストエンジニアに関するよくある質問

テストエンジニアに関するよくある質問について、回答をまとめました。テストエンジニアの業務内容、キャリアパス、資格やスキルなどに関してよく質問されます。また、未経験から目指せるかどうかについても気になる方が多いようです。自分自身が疑問に思っていることに近い質問があれば、ぜひ参考にしてみてください。

Q1. テストエンジニアの主要な業務内容は?

テストエンジニアの仕事は、大きく分けると「テスト計画の策定」「テストの設計、実施、結果確認」「レビュー用資料の作成」「テスト結果に基づいた開発部門への品質改善提案」の4つです。開発されたソフトウェアやシステムが、正しく動作し不具合などがないか確認することが主な役割といえます。

Q2. テストエンジニアにはどんなキャリアパスがある?

主なキャリアパスとして挙げられるのは、スペシャリスト、テストマネージャー、テストアナリストです。また、高いスキルを習得すれば、テストエンジニアの経験を活かして、プログラマーやほかのエンジニアに転職することもできるでしょう。

Q3. テストエンジニアはどんな資格を取得するべき?

エンジニアの基礎となる「基本情報技術者試験」のほか、「JSTQB認定テスト技術者資格」というテストエンジニアの専門性を証明できる資格もおすすめです。ほかのおすすめ資格について確認したい方は「テストエンジニアに役立つ資格」もご参照ください。

Q4. 活躍し続けるために身につけるべきスキルは?

テストエンジニアとして活躍し続けるために身につけるべきスキルは、コミュニケーション力や情報力などです。もちろんプログラミングスキルやテスト開発の知識も必要ですが、AIが代替できない、開発チームや関係者との連携を行える能力は+αで保有しておくと役立つでしょう。

Q5. 未経験でもテストエンジニアを目指せる?

未経験でもテストエンジニアを目指すことは可能です。基本的なPC操作やソフトウェアへの理解、ITの基本知識などがあれば、初歩的なテスト作業から始められます。また、未経験のテストエンジニアを受け入れる企業が比較的多いため、経験を積みながら専門知識を深めることが可能です。

関連記事: テストエンジニアになるには?仕事内容や求められるスキルを紹介

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まとめ

この記事では、テストエンジニアの将来性や今後求められるスキルに加え、キャリアパスやスキルアップに役立つ資格について解説しました。昨今は企業のシステム投資が盛んなことから、テストエンジニアは一定の需要を維持していますが、中長期的には一部の作業がAIなどのツールに代替される可能性があります。大切なのは、AIに代替される領域、今後も人間が担う領域を見極めた上で、求められるスキルを習得し続けることです。

IPAや経済産業省、各種資格の運営機関は、必要なスキルや将来展望に関する情報を随時発信しています。日々これらの情報を得て将来設計をしていきましょう。

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