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元SIerのPMが語る営業とエンジニアがお互いを尊重し合う環境作りとは業界未経験者大歓迎!インタースペース流エンジニア育成とキャリアプラン

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Webサービスが隆盛である昨今、開発スピードを速める為「業界経験が豊富な即戦力が欲しい」という願いを持つ企業は非常に多いことだろう。

しかしながら、同業界の経験者はそうそういるわけではなく、未経験を採用するものの思うように育たずに辞めていってしまう、または育ってもその後のキャリアが明示できず転職をしてしまうという事も多々ある。どうしたら人材を育て、また定着していけるのか。これはエンジニアだけには限らないが成長企業にとっての悩みの種である。
そうした中で、エンジニアのほぼ全員が業界未経験で入社をしながら国内トップクラスのアフィリエイトサービス「アクセストレード」を開発している企業がある。それが今回取り上げる株式会社インタースペースだ。前述の実績を有する同社だが、エンジニアの採用にあたっては広告業界未経験でも歓迎だという。同社では個々人に合わせた十分な教育制度があり、エンジニアのモチベーションを高める環境が整っていることが背景にあるのだそうだ。

それは一体どのようなものか?経緯や現在のエンジニアの環境などを、現場を代表してシステム企画開発部でプロジェクトマネージャーを務める新谷さんにお話を伺った。

新谷大輔(しんたに だいすけ)氏
大学卒業後、1998年にSIerへ入社。約7年間勤める中で、自社サービスへのあこがれが高まり、2005年に株式会社インタースペースへ入社。現在はシステム企画開発部のプロジェクトマネージャーとして、アクセストレード全般の業務に関わっている。

育てて活用するのがインタースペース流

―インタースペースでは「広告業界未経験のエンジニアでもOK」という方針で採用をされていると伺いました。その経緯を教えてください。
 
新谷氏:もちろん本音は優秀な即戦力の方を採用できればいいのですが、理想どおりの方とマッチングするのはなかなか難しい状況だったというのが要因です。「即戦力の採用が難しいのであれば、社内で育成できるような環境を整えた上で、やる気がある方を採用できればいいのではないか」という考え方が4年ほど前でしょうか、社内にちらほら出てくるようになりました。そして、会社が成長するにつれてシステム側の規模も大きくなり、教育できる土台も整ってきたということで、2012~13年あたりからこの方針で採用するようになりました。
 
実際に、SIerでしっかりやってきたような方でしたら、基礎ができているから慣れるまでに時間もかからず、すぐに戦力になってくれます。私自身も元SIerで自社サービスをやりたくて転職をしました。インタースペースでは多いパターンですね。他にはシステムオペレーターで開発をあまりやっていなかった人、テスト専門でやっていた人などが開発をやりたいということで入社するパターンもあります。
 

新谷氏自身も広告業界未経験で入社した人間の1人だという

 そのため前職での経験は人によって結構バラバラで、言語で言えばCOBOLやCなどの経験がある人が多い気がします。Javaをやってきた人は即採用できるのですが、あまりいなかったりしますね。そういった個人の経験を踏まえた上で教育を行っています。
 
―具体的な教育の方法とはどういうものでしょうか?
 
新谷氏:まずは入社後に面談を行い、その方の開発スキルや運用経験などをじっくり確認します。
 
アクセストレードの例でいうと、基本的に言語はJavaを、フレームワークはStrutsを(現在、徐々にSpringに移行中)、DBはOracleを使用しており、こういった開発環境の経験などを見て、必要であればスキルの研修を行い補完しています。研修終了または研修の必要なしとなったら、メンターを付けてOJTを行います。
 
最初に担当してもらうのは簡単な社内ツールの開発です。その後は、運用業務が多岐に渡っていますので、業務についてはメンターから学んでいくという流れですね。
 

新谷氏からメンバーへ行われたレビューの1ショット。楽しげな雰囲気が印象的

 教育体制の面で工夫していることは、メンターにすべてを任せるのではなく教育担当チームを作っていることです。
 
以前は1人のメンターがついて総合的に指導するという形をとっていたのですが、メンター側にも得手不得手の領域があり、結果として育ち方がバラバラということがありました。
そこで教育担当チームがJava基礎/応用・HTML/CSS・JavaScript・SQL・Shell・Gitなどを各担当の下に研修を行う体制に変えて、育成のバラつきを無くしました。
 
―教育を終えた後は、どのように業務を行っていくのでしょうか?
 
新谷:人によって担当する業務が偏らないよう、開発全般を任せています。具体的には管理画面や社内ツール、広告の配信処理、夜間バッチ処理など、経験に応じて順番に渡しつつ学んでもらうといった形です。
 
このやり方は会社としても、個人としてもメリットがあると考えています。会社からすれば業務が属人化しすぎて「この人が休んだら担当者がおらず、営業も動けない」というケースは好ましくない。また、個人としても自由に休みが取れなくなってしまう。そういったことへのリスクヘッジになるため、業務の担当は複数立てるようにやっています。
 
―「広告業界未経験でも可」のスタートから「業務を幅広く経験させる」となると、採用にあたってはどのような点に注目しているのでしょうか?
 
新谷氏:技術的にはゼロに近い状態からの入社を想定していますので、その分、成長意欲があるかを重視しています。成長意欲については「将来的にどういうサービスを作ってみたい」「インタースペースに入社してどういうことを目指している」といったように、具体的なビジョンがある方は成長意欲が高いことが多かったです。
 
またその意欲が行動に表れているかどうかは重要ですね。たとえば「進んで新しいことを学んでいる」「新しい情報を得るために自らセミナーや勉強会に参加している」といった方は、入社してから伸びる傾向がありますね。
 
―なるほど。そういった点を踏まえ、面接ではどういった質問をするのですか?
 
新谷氏:「何か自分でアウトプットしていますか?」という趣旨の質問をしていますね。最近でしたら「プライベートで、AndroidやiOSでアプリを作った経験はありますか?」などでしょうか。主体的にアウトプットしている人は成長意欲がある人なのかな、と感じています。

技術を追求したいエンジニアに持ってこいの評価制度やキャリアプラン

―インタースペースでは教育以外にも、エンジニアが活躍できるようにするための環境が整っていると伺いました。その事例を教えていただけますか?

新谷氏:エンジニアを含めた専門職においては、キャリアプランがマネジメント力を高める管理職コースと専門性を追求してもらう専門職コースという二つのコースに分かれているのが、特徴の一つでしょうか。これは時期がきたら、上長と本人の判断でどちらかのコースに進むというものです。

以前は管理職コースしか存在しなかったので、給与を上げるには職位を上げていくしか選択肢がありませんでした。その為マネジメントよりも技術を高めたい人にとってはストレスに感じる面もありましたが、新たに専門職コースが出来たことで技術を磨き開発に貢献することで管理職コースと同様の給与を得ることが出来るようになりました。
それによってマネジメントをしたい方も技術を高めたい方も納得がいくキャリアを描ける環境に変わりました。

普段のコミュニケーションもカジュアルで、働きやすそうな空気が感じられた

 ―エンジニア向けの制度は他にもありますか?
 
新谷氏:インタースペースでは自己評価に基づくスキルシートのようなものをベースに社員の評価を行っているのですが、システム企画開発部では、本人が技術的に学習したことをアピールできるテクニカルシートというものも合わせて採用しています。
 
まずは言語やDB、ネットワークのことをどこまで知っているかというテクニカルスキルの部分。他にもプロジェクトを管理する上でのコミュニケーションの取り方であったり、ソフトウェアの開発スキル・開発工程などの知識があるかだったり。こういった項目に対して、自己採点していく形ですね。
 
―技術面に特化した評価があるというのは、エンジニアの方にとって学習しがいがありそうですね。なぜそのような制度を採用したのでしょうか?
 
新谷氏:常に数値を基にした定量的な評価をできれば好ましいのですが、エンジニアの評価には知識や技術の習得のように定性的にならざるを得ない面もあります。そういったところを補完し、かつ自分を見つめなおしてもらう意味でテクニカルシートを採用しています。

エンジニアへの理解を深めてもらうことが重要

―ここまでのお話の中で、インタースペースではエンジニアの方を尊重した環境が築かれていると感じました。新谷さんが入社されたころからこのような状態だったのですか?
 
新谷氏:そこはちょっと難しい質問ですね(笑)。
 
私が入社した当初は今よりもずっと会社規模が小さかったのですが、取引先の仕様に随時合わせて改修をしていくことが多々ありまして。その対応が場当たり的になってしまっていた部分もありました。
 
小さい会社でしたので、会社の利益のために、取引先の要望に応えていくことが必要であることは理解していました。しかしながら当時はまだまだお互いの理解が浅く、エンジニアの都合がわからない中で営業からの依頼はどんどん増えていってしまい「工数が際限なく膨らむ」「仕様の統一感がなくなる」という課題も感じていましたね。遅くまで残って開発をするということも多くありました。今ではほとんど残業はなくなりましたが。
 
―そういった状況から、どのようにして変わっていったのでしょうか?
 

新谷氏:営業とエンジニアの相互理解が深まっていったのが一因ではないでしょうか。お互いの都合で要望を話すのではなく、「共に取引先の要望に応えていきながら成果を出す」という共通目標があったことが大きいと思います。営業だけでは解決できない事案などが出た際はエンジニアが対応していくというように、職種の枠を超えて協力して物事を進めていく過程で少しずつ変わっていったと思っています。
 
―具体的な事例をお聞きできますか?
 
新谷氏:たとえば、システムに関する取引先から営業に寄せられた質問や不正防止の調査依頼を引き受けたり、時には取引先のシステム担当と直接打ち合わせをしたりもしました。そうした過程で少しずつ信頼を得られたと感じています。
 

社内での勉強会や他社と一緒に行う勉強会は活発に開催されているのだという

 ―一緒に仕事を進めることで理解を深めていったのですね!直接、社員向けにシステムに関するレクチャーもされていらっしゃるとか?
 
新谷氏:入社経験の浅い営業の人たちに広告トラッキングの仕組みなどについて研修を実施したり、昨年は営業向けにJavaScriptの勉強会をしたりしましたね。
 
インタースペースの営業はアフィリエイトのシステムを通じて、取引先が望む成果を出していくことが仕事ですので、技術的なことに対しても基本的な理解が求められます。取引先からの信頼を得るには、頂いた質問をエンジニアに任せきりにするのではなく、自身で回答が出来るようになっていく必要があります。そこで、まずはプログラミングがどういうものか、システム開発がどういうものかを知ってもらうために勉強会を開催しました。
 
―エンジニアの仕事を理解してもらえるよう、積極的に取り組まれてこられたのですね。
 
新谷氏:社内のメンバーに、エンジニアの仕事を知ってもらうメリットは他にもあります。
 
事例を一つ挙げると、インタースペースではエンジニアではない新卒社員にも、外部のプログラミング研修会社にお願いをして実際にプログラミングを体験してもらっています。これは実際にプログラミングができるようになることを目的とするのではなく、プログラミングがどういう仕組みで行われているのかを知ってもらうことに重きを置いています。
 
たとえば「要件が変わることで、こんなにもやることが変わるんだ」ということを体感すれば、「ここをちょっと直してもらいたいんだけど、明日までにできる?」といった無茶振りはなくなりますよね(笑)。
 
実際にはそういう無茶振りを言う社員はいないのですが、エンジニアの仕事を知ってもらうことで互いに尊重しあう文化ができてくると思っています。それが発展していけば、相手の立場に立った相談ができるようになり、ひいては社内だけではなくクライアントに対してもできるようになっていくだろうと考えています。

啓蒙活動は社内にとどまらず外部にも広がる

―インタースペースでは外部への情報発信も頻繁にされていますよね。
 
新谷氏:エンジニアにはリソースの都合が付く限り、外部のイベントなどに登壇して情報を発信するように促しています。これはインタースペースの開発における取り組みを世の中に認知してもらう目的もありますが、本人に登壇や情報発信の経験を積んでもらうことでスキルアップをして欲しいという目的があります。
 
相手に分かりやすく伝えるには、自身も体系的に理解をしておく必要がありますよね。知識の棚卸しをすることで自身にも新しい発見ができたり、成長を実感してもらえるのはとても良いことだと思います。
 

インタースペースがヒカ☆ラボで講演した際も100名を超える多くの参加者が訪れ、賑わいを見せた

 この業界はけっこう狭いので、こうした情報発信は外部の方の目に留まりやすいんですよ。
他社さんに「最近インタースペースさんって色々登壇されていますね」「頻繁に技術的な部分を発信されていますよね」と言ってもらえれば、社内の人間としては誇らしいですし、当社への信頼にもつながる。そこから、あわよくばいい人とご縁があって一緒に働けたらとも思っています(笑)。
 
内部にも外部にもエンジニアの実績を伝えていき、理解と信頼を深めていくということを、今後も続けていきたいですね。

レバテック営業担当「御所名麻希子」から一言!

職種の枠を超えて尊重し合う文化が築かれるまでの取り組みに感銘を受けました!

個人的にとても興味深かったのが「自分たちがどういうことをやっているのかを知ってもらう」という点です。技術職である以上、他の部署からは仕事内容をなかなか理解されにくいはず。それでも理解を得るために取り組み続けて改善していったという事例は、エンジニア以外にも参考になるはずと感じました。

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