業務系からWeb系エンジニアへの転向は「地盤づくり」がモノを言う!|株式会社インテリジェンス

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レバテック営業担当、林の写真

こんにちは。レバテック営業の林です。
Webサービスを展開する企業への注目度が転職市場で上昇するなか、他業界からWeb系への転向を考えるエンジニアの方は多いのではないでしょうか。

今回の記事では、実際に業務系からWeb系へと転向を果たした、株式会社インテリジェンスで働くエンジニアの方々への取材内容をお届けします!
当インタビューでは、Web系エンジニアになった経緯や働いて感じたギャップ、業務系からWeb系へと転向するにあたり、準備しておくべきことなどについて伺いました。
キャリアチェンジに悩む、エンジニアさんのヒントになれば幸いです。

プロフィール

清田 馨一郎氏
株式会社インテリジェンス マーケティング企画統括部 データアナリティクスグループ所属。前職では業務系システムエンジニアとして開発およびマネジメントを担う。ビッグデータ、データ分析業務への関心をきっかけに転職。

吉田 雅史氏
株式会社インテリジェンス マーケティング企画統括部 データアナリティクスグループ所属。前職では15名規模の企業で人事・給与・勤怠関連のWeb業務アプリケーション開発に携わる。新しい技術を積極的に取り込む環境を求めて転職。

眞野 拓也氏
株式会社インテリジェンス 新規事業推進チーム所属。前職では主に官公庁システムの業務系システムエンジニアに携わる。BtoCサービスへの興味からWeb系へ転向し、アプリケーション開発、マネジメント経験を経てインテリジェンスへ転職。

業務系からWeb系へ。株式会社インテリジェンス エンジニアインタビュー

Web系へ転向を決めたきっかけは「このままじゃ取り残される」

-本日はよろしくお願いします。まずはみなさんが業務系からWeb系へ転向しようと考えられたきっかけについて、お聞きしたいと思います。清田さんは、ビッグデータに携わりたくて転職を考えたそうですね。詳しく伺えますか。

清田氏:当時はまだ「ビックデータ」という言葉がバズる前でしたが・・・ECっぽいコンテンツの販売をやるという案件に入っていたとき、ちょうどAmazonでレコメンドシステムが出てきたのがきっかけでしたね。

僕にはとても斬新なシステムに思えて、「何で、ああいうシステムができるんだ?」と周りと話をしていました。そしてちょうど同じくらいのタイミングで海外からも関連する本が出版されていて、読んでみるとデータ分析を活用してビジネスを活性化する方法や事例などが書いてありました。しかも当時はHadoopとか、大量データを使う技術も出てきていました。

その時、そういった大きなデータを使ってデータ分析をする職種が今後流行ってくるだろうと思い、そこからずっと追いかけていたんです。それが3、4年前の話です。

でもこのまま受託案件をこなしているだけだと、関われるのは良くて構築まで。そこから自分で分析をするのは無理だと、昨年あたりから感じました。「じゃあ転職しかないな」と動き出した感じです。

-清田さんはこれまでも、そのようにトレンドを見てこられていたのですか?

清田氏:そうですね。スキルアップやトレンドを考えると、自分のなかで「こういうことが今後必要だろうな」というのは、なんとなく想像していました。普段から、なるべく一歩先を勉強しておくように心がけています。勉強会へ参加したり、海外の情報などをチェックしたりしています。

-転職活動の末、なぜインテリジェンスさんを選ばれたのでしょう。インテリジェンスさんなら大規模のデータを扱える、とお考えになったのでしょうか。

清田氏:そうですね。実は転職活動を始めた当初、広告業界を狙っていました。「大量のデータを扱って分析できる」と思っていたので。でも一方で、BtoCのサービスも、自社で大量のデータをとって分析する面白さがあるとも思っていました。だから、当初の第一志望は広告で、第二第三の希望として、BtoCのサービスを提供する企業を考えていました。そんな時に、たまたま紹介でインテリジェンスと出会いました。

最終的には、広告の会社さんとインテリジェンスから内定をいただき、少し迷ったのですが・・・しかし、広告の場合、扱うデータの種類は一部だけだったんですね。いっぽうインテリジェンスはいろんな種類の広告を作っているし、会員さんのデータも見るので、扱うデータ量がかなり多い。だったら、きっとできることも多いはずだと、インテリジェンスへの転職を決めました。

-ありがとうございます。

次は、吉田さんの転職理由について伺えますか。前職の会社が、新しい技術を取り入れていくことに後ろ向きだった、とのことですが。

吉田氏:はい。当時、私は社外の勉強会などに参加して、新しいものを触ったり実際に自分で使ってみたりして、その内容を社内で勉強会を開く等シェアしていました。しかし、その時の会社の対応が、イメージしていたものよりも後ろ向きだったんですよね。モチベーションやマインドにおいて、自分と会社の間には大きな開きがありました。

特に、前職は小さな会社だったので、ひとりひとりができることを増やしていかないと、スキルがどんどん古くなって使えないものになってくるんじゃないか、と不安が募っていきました。

そして、「このままだと取り残される」と思い、転職を考えました。

-吉田さんご自身で勉強会を企画されていたのですね。

吉田氏:そうですね。そんなに人数はいなかったので、他のメンバーがやっていることがすぐ見える状態でした。多くの人が、自分の守備範囲しかやらない状況に違和感がありました。「このままではいけない」と思って社内で勉強会を開いてみたのですが、受け身で参加しているような雰囲気がありました。結局、私自身が抱えていた案件が忙しくなってしまい、尻すぼみになって継続して実施することが出来ませんでしたね。

-では転職先を探すにあたって、向上心が高い人が多くいる環境だということも、大事なポイントだったのでしょうか。

吉田氏:そうですね。特に大谷(※インテリジェンス 大谷祐司氏)の話を聞いた時に、インテリジェンスにはそうした環境があるということが分かりましたし、大谷自身すごく熱い人で、惹かれましたね。

「この人と一緒にやってみたい」という気持ちで、インテリジェンスを選びました。

-他にはどのような業界や企業を見ていたのですか。

吉田氏:清田と同じで、自分も広告業界はチェックしていました。私が着目していたのは、データの量よりスピードですね。どうしても広告は応答を早くしなければいけないので、それをどうさばくか、というところに興味を持っていました。

あとはBtoCですね。特にScalaに興味があり、本格的に学んでいきたいと思っていたので、自分の持っているスキルを活かしつつ取り組めそうなところを探していました。そのなかでインテリジェンスを選んだのは、先程お話した通り大谷の存在が大きかったこと。そして「自分達で考えて、自分達で決めていく」という風土に、大きな興味を持ったのが理由です。

-続いて眞野さんに伺います。これまで業務系システムエンジニアとしてお仕事をされていたなか、なぜBtoCサービスに興味をもたれたのでしょうか。

眞野氏:初めの7年ほどは業務系のお仕事をしていたのですが、うち4年くらい官公庁系の案件を担当していました。バックエンドの仕事をずっとしていて、それが何に使われているのか大体はわかるのですが、全体像までは見えませんでした。だから、自分が作った物がどう使われるのかを、見てみたいと思っていました。

自身の転職について語る眞野氏の写真

-なるほど。実際に自分で作った部分が、目に見える仕事をしたいと考えられていたんですね。

眞野さんは転職の際にどういうところを見られていたのですか。

眞野氏:当時はC言語を使っていたので、スキルを活かしていけるような企業がメインでした。でも、まだ年齢的にも若かったですし、特定の分野に強いこだわりを持っていたというわけでもなかったので、幅広く面接を受けました。

-そしてまず入られたのがナビタイムさんですね。決め手はどういう点だったのですか。

眞野氏:これからGPSが来るというタイミングで、位置情報を扱っていたということ。また、そのような技術の世界標準、デファクトスタンダードを見ていたところに惹かれました。自分自身に強いグローバル意識があったわけではないのですが、そうした視点も面白いと感じ、決めました。

-「自分で作った部分が、目に見える仕事をしたい」という思いは、ナビタイムさんでは叶えられましたか。

眞野氏:初めの配属先がアプリケーション部で、当時はいわゆるガラケーのアプリ一式の改善をやっていました。改善すればすぐに反映されますし、ユーザーからのフィードバックが来る楽しさもありましたね。

-iOSでも開発されているんですよね。アプリの勉強はどういう風にされていたのですか。

眞野氏:業務に使われていたので、"勉強=仕事"になっていましたね。まさにやらざるを得ない状況。どんどん覚えていきました。

そこでもC言語を使っていたので、培ってきたスキルは役に立っていたのですが、オブジェクト指向というものが、全くありませんでした。最初は画面側の処理にまったく触れなくて、共通処理のフレームワークを作っていましたね。

そんななか、社内でわからない部分について聞こうにも、誰にも知見がない状態で。どうしようかと、悩みながら作っていました。

-眞野さんはその次のご転職でマネジメントを経験された後、インテリジェンスさんに入られたのですよね。当時の企業選びで気にしていたポイントは何でしたか。

眞野氏:iOSのアプリエンジニアとして結構長くやってきていたので、まずはそこを活かせる企業かということ。あとは、新規事業にも興味がありました。業界は特に限ってはいないですね。

-なるほど。

では、インテリジェンスへの一番の決め手は何でしたか。

眞野氏:新規事業に携われるということ、そして大谷と一緒に働けるということです。あとは当時、インテリジェンスがこれからエンジニアの組織を作っていくというフェーズにあったということですね。

前職で養った知見を活かせるのも魅力的でしたし、もの作りと組織作りを一緒にやっていける環境があるのも、楽しそうだと感じました。

今までの知識・経験は通用するのか?転向への不安

-業務系からWeb系へ転向した当初のお話を、もう少し伺います。

エンジニアとしてまったく違う領域へシフトすることについて、不安や戸惑いを感じたりはしませんでしたか。

清田氏:正直、どちらもあまりなかったです。受託の時に、派遣のような形でWeb業界の開発についていたので、Web系エンジニアの仕事内容や雰囲気については、あらかた掴んでいるつもりでした。

どちらかというと期待感の方が大きかったですね。新しい事を一からやりたかったので、ネガティヴなことはほとんど思い浮かびませんでした。

眞野氏:私は、不安が大きかったですね。ナビタイムに入るまでは受託でやってきていましたが、出向先が大手SIerなどだったので、Web系の下地はありませんでした。

Webサービスに携わったことがまったくない状態で入社して、今までやってきたことが通用するのか、新しいことについていけるのか、気がかりでした。もちろん期待もあったんですが、不安とない交ぜでドキドキしていましたね。

吉田氏:スタートダッシュさえうまくいけば大丈夫だろうと予想はしていたのですが、そもそもそのスタートダッシュが出来るかというところが、一番の不安でしたね。

今までJavaしか使ってこなかった自分が、全く別の言語を使い始めて、どれだけ早く他の人達に追いつけるかが勝負だ、と思っていたので。

Web系へ転向した時の気持ちを話す吉田氏の写真

転向してみた感想は・・・「楽しい!」

-実際にWeb系に転向されてみて、いかがしたか。

眞野氏:やはり楽しいですね。作ったものをすぐに見られる部分も、みんなでワイワイ作るという部分も。メンバーとコミュニケーションを図りながら作っていくので、「みんなで作っている」っていう感覚が強くありますね。

清田氏:Webサービスは内部ツールでもあるので、ユーザがすぐそばにいるんですよね。そうした人たちから、ダイレクトにフィードバックを得られるのは楽しいです。

でも、どちらかというと面白いのは、チャレンジができるということです。責任を持つ代わりに、なんでもできるというところ。これがいい!と思えばディスカッションをするし、ダメならやめるという選択肢も取れる。そういう部分にダイレクトに関われるのが、とても面白いところですね。

吉田氏: やはり違ったのは、お客さんが近いということですね。それは非常に大きいし、逆にコミュニケーションをきちんととっておかないと、お互いに空気を読んで、遠慮してしまうなどということがあるかも知れません。そうならないように、注意したいと考えています。

-やはり、Web系ではユーザとの距離は近いですか。

清田氏:そうですね。例えばUX系でいうと、カスタマージャーニーマップとかペルソナ設計なんかについて、かつては本やネットで調べて「ああ、そういうことをやるんだな」と思っていましたが、もう今では当たり前になっている。そういう部分もすごく面白いですよ。

あとは自社サービスの存在ですね。

眞野氏:確かに。自社サービスは、自分たちの環境を自分たちで作ることができるんですよね。いっぽう、業務系は他社に決められた条件で、他社のサービスを作ることが多い。

だから、自分たちでやりたいことを提案して、やってみることができることは、自社サービスを手がける企業に勤めるエンジニアならではの醍醐味だと感じています。

個人的に勉強していた技術や知識が業務に生きるというのは、うれしいですよね。個人で使ってるだけだったら、結局お遊び程度になってしまう。それが、業務で使えるとかなり自信にもなって、身につくのを実感します。

吉田氏:あとは、個人で扱えるデータ量と、企業が持っているデータ量の違いですね。どうしても個人では手に入れられないものがあります。

もちろん、データ量は企業によって異なると思いますが、幸いインテリジェンスの場合は持っているデータもさばけるデータもすごく大きかったので、そういった意味でもとても恵まれた環境だと感じています。

-いかに新しいモノを導入してテストしようと思っても、データ量は確かに個人だと限界がありますよね。

新しいことをどんどん試せるからこそ、プレッシャーも大きい

-ところで、逆にプレッシャーは感じませんでしたか。例えば自社サービスでは、作っては終わり、ではないですよね。

清田氏:感じることはありますね。自分たちで提案して、やってみることができると言いましたが、いざ提案が通って、実装して、リリースした後に、反応が悪かったらどうしよう、と気を揉むこともあります。

あとは、新しいことをやっているチームは、そこで固まってはいけないというプレッシャー感もありますね。やろうと思えば、新しいことをどんどんやれるし、逆に自分たちの技術を固めてしまうこともできます。甘い誘惑に負けないようにしています(笑)

眞野氏:前職では一人で作っていたので、リリースした後に本当にこれでいいのかな、と思うことはありました。

また、スマートフォンでは技術がすごい速さで変わっていくので、作ったものを基本的に一人でメンテナンスしていかなければならないということ、新しい技術を取り入れて反映し続けなければならないということに、プレッシャーを感じていました。

業務系とWeb系の違いはマーケターとの関わり

-業務系エンジニアとしてBtoBで働かれていた頃に比べて、「ここが違った!」という点はありましたか。

清田氏:やっぱりゼロから考えるのは大変ですね。受託の場合、サービスとしての形はある程度決まっています。それがWeb系の場合、ゼロベースであることが大きな違いですね。

身振り手振りを交えながら真剣な眼差しで語る清田氏の写真

-吉田さんはいかがですか。

吉田氏:話している言葉ですね。インテリジェンスの社内で、同じチームメンバーの会話を理解できるようになるまで、少し時間がかかりました。

インテリジェンス特有なのかも知れませんが、社内辞典があるくらいです。広告には広告の、マーケティングにはマーケティングの言葉があり、しかもそれを独自に短縮したりするものだから、最初は「この人たち何をしゃべっているんだろう?」とびっくりしましたね。

清田氏:あとは、マーケティング専門の人材がいることですね。リスティングやSEO、アフィリエイトなど、マーケに特化した人たちが活躍しています。前職では社内にそうした役割の人がいなかったので、自分はびっくりしましたね。

-そういう方々との交流はありますか。

清田氏:ありますよ。専門用語でやり取りされると分からないこともあるのですが、逆に知識を吸収できるので、刺激があります。情報交換は結構しますね。

一度慣れれば「もっと早くやればよかった」と思える

-Web系に転向して苦労された点は、ありますか。

清田氏:技術面で言うと、Webサービスっぽく整えるのに苦労しましたね。

-Webサービスっぽくというのは・・・

清田氏:要は今風のWebサービスっぽく。ちゃんと自動化したり、新しい技術のベースを作ったりと、大変でしたね。

弊社のサービスは、エンジニアをぽっと引っ張ってきてすぐ作れるようなものではありません。ですから、特に異なる領域から転職してきたエンジニアは、ある程度勉強をして仕事に臨む必要がありました。

もちろん僕自身も学びましたし、他のエンジニアにもWeb系の知識とテクニックを身につけてもらえるような体制を整えました。そこはやはり、苦労しましたね。

眞野氏:私はナビタイム当時は、BREWという実行環境を使っていまして、そこが大変でした。癖がとても強くて、なかなか慣れることができなかった原因のひとつだと思います。

C言語で作っているサーバのUNIXに書いて、デバックをして、ということが通用しなかったので、そこは最初慣れるまで苦労しました。

あとは、アジャイルなど新しいことをやったり、コミュニケーションツールが変わったりと、慣れるまで時間がかかった部分がありました。でも、慣れてしまうとすごく楽にできるようになるんですね。むしろ「もっと早くやればよかったな」と思うくらいでした。

業務系の経験は今も活きている

-Web系に転向されてから、業務系のエンジニアの経験があって良かったな、と思うことはありましたか。

清田氏:僕は、前の会社が結構特殊だったこともあり、いろいろ経験できたのは大きかったです。新卒でプログラマとして入って、プログラミングをやりつつ大きいプロジェクトの設計をやったり。あとはリーダーとかPMもやっていました。いい意味で、ひとつのポジションに特化しなかったんですよ。

ですから、今もマネジメントをするうえでシステマティックにやるような、きっちりかっちり要件定義をして、基本設計をしてというパターンにもできるし、アジャイルも取り入れられる。そういうところは、前職を経験したからこその財産ですね。

眞野氏:スキルの話をすると、私はやはり最初からC言語でやってきてるので、そのCの経験が活きてるのは良かったなと思いますね。

ただその反面、C言語をできるとなんでもできると思われることがあるので、困ります(笑)

-確かにそういうイメージがありますね(笑)

眞野氏:今回の転職活動でも何回か言われて、ちょっと知らない言語だけど、Cだから大丈夫だよって言われて(笑)

それだけC言語はコアな部分を扱う言語なので、そこを最初にできたことは、有り難かったですね。

-最初からがっつりBtoCのWebサービスだと、最初にC言語に関わることはないですものね。吉田さんはいかがですか。

吉田氏:非エンジニアに対して相手の言語で説明できるのは、前職の経験があってこそだと思いますね。

前職では、顧客が総務の方だったので、例えば「今どういったことをやっていて、このシステムが入るとこんな感じになりますよ」と相手が理解できる言葉で話す必要がありました。

インテリジェンスに入っても、相手の言葉を使って自分たちの技術や作業の内容などを表現できるのは、そうした経験が活きているからだと感じています。

開発の基本はどこに行っても変わらない

-業務系からWeb系のエンジニアに転向を考える場合、あらかじめどんなことを準備したり、勉強したりしておくとよいのでしょうか。

清田氏:システム開発の「いろは」は、SIerでも業務系でもWebサービスでも変わりません。

そこは、やっぱり押さえておくべきですね。基本がちゃんとしていないと、どこに行っても成果は出せないはずです。

-システム開発の「いろは」とは、具体的に何でしょうか。

清田氏:何を作りたいかですね。

提供したいものを、ちゃんと落とし込めることや、その作りたいものをどう実現していくのか。何を選択するのか、システムとして通すとどうなるか、などということをちゃんと考えられるかどうかです。

新しい技術だけでなく、古い技術やコアな技術のように、ベースになる部分はしっかりと押さえておくべきでしょう。

吉田氏:私には、2つあります。ひとつ目はまず、特にSIerや受託をやっている人がWeb系に転向する場合では、自分から何かしら新しい技術に取り組むことが出来るということです。インプットができる人、モチベーションがある人は、職種や業界が違っても必ずやっていける人だと思うからです。

もうひとつは、アウトプットです。いくらモチベーションがあっても、結局アウトプットをしないと身につかないと思います。昔はアウトプットの手段があまりなかったのですが、今ではGithubや技術系のブログ、勉強会など、何かしらアウトプットをできる場があります。

特にWeb業界は、すでにアウトプットをしている人の方が注目されやすい環境になっているので、吸収したことを恐れず外に出していける人がいいですね。

「何がやりたいのか」さえ明確なら、チャンスはある

-みなさんはこれまでさまざまなキャリアを歩んで来られました。今後は、エンジニアとしてどういう道を考えていらっしゃいますか。

眞野氏:私はスマホのエンジニアとしてずっとやってきているので、これからはインテリジェンスのスマートフォンアプリをどんどん出していけるように、地盤を作っていきたいですね。

エンジニアとしてスペシャリストを目指すというよりも、スマートフォンアプリを作る体制のベースを作って、メンバーのマネジメントもできるようになっていきたいです。

吉田氏:私は教育の部分ですね。これからインテリジェンスに入ってくるエンジニアたちが今後、新しい技術を選択するときに、何かしらの手助けができるような、そんなエンジニアになっていきたいと考えています。

そのためには自分自身も新しい技術をキャッチアップしたり、その内容をアウトプットしたりと、社内に限らずそうしたことができるエンジニアになっていきたいですね。

清田氏:僕は、短期的な話をすると、町工場のおっちゃんのような腕一本でやっていけるような、この人しかできない!っていうところを目指したいですね。

実は、どの分野で目指していくかはまだ決めてはいないです。この業界はどんどん変わっていくので、今のところはあまり絞ってもしょうがないと思っています。

それでも、ベースは変わらないはずです。だから、まずは土台をどうにか作りたいですね。

ちょうど最近、早期定年をしてから再就職という形で入社した者がいるのですが、典型的なスペシャリストなんですよ。そんな風に専門に尖った人が腕一本でやっているのを見ると、なんだか自分も自信が湧いてきますね。

今後について笑顔で語る眞野氏、吉田氏、清田氏の写真

-では最後に、これからWeb系へ転職を考えているエンジニアさんに、一言メッセージをお願いします。

清田氏:転職活動をして思ったのですが、SIer出身というだけでフィルターがかかってしまうことが多いです。「SIerだから、新しいことを知らないよね」などと言われてしまうこともあります。でも、本当に行きたい企業だったら、そこで気後れしないでアピールしてほしいですね。

実はSIer出身の方は、さまざまな企業で需要があります。SIer出身でシステム開発を知っていて、マネジメントもできて、技術力があれば鬼に金棒です。だから自分自身で変なフィルタをかけずに、腕を磨いてほしいですね。

吉田氏:これだ!という武器を持ってほしいです。何かしら自分が得意なのを持つ。自分のこだわりを忘れないでほしいですね。

転職活動をしていると、モチベーションが下がることもあるかと思います。そんなときは、自分が本当に何をやりたいかを考え、「なぜエンジニアとして働きたいのか」という核になる部分を、きちんと見つめてほしいですね。

眞野氏:「何をやりたいか」を明確にすると、いいでしょうね。やりたいことがSIerではできない理由、Webじゃないとできない理由を明確にすることなく、ただ漫然と「やりたいから」というノリでWeb系に転職してしまうと上手くいかなくなるかも知れません。

やりたいことが明確にあり、その地盤をしっかり作ることができれば、どこに行っても好きなことができるだろうと考えています。

 

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