話題のソーシャルショッピングサイトを手がける、エンジニアの働き方とは?「BUYMA開発を支えるのは、日々の試行錯誤の積み重ね」|株式会社エニグモ サービスエンジニアリング本部 部長 小澤賢治氏

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海外に住むパーソナルショッパー(出品者)から、世界中のファッションアイテムを直接購入できるC to Cのファッションショッピングサイト・BUYMA

サイトオープン10周年を迎えた2015年、取り扱い商品は約135万点、会員数は約270万人、パーソナルショッパーは124カ国・約7万人にも上り、多くのファッショニスタの心を掴んでいる。

そんなサービス成長の裏側には、サイトを運営する株式会社エニグモ独自の工夫があるという。そこで今回は、BUYMAの開発を統括するサービスエンジニアリング本部・部長の小澤賢治さんにインタビュー。サイトのシステムサイドを支えるエンジニアの働き方について、教えてもらった。

小澤 賢治氏(オザワ ケンジ)
大学卒業後、SIerに9年間勤務。研究開発部門で人事系業務アプリの開発を行い、管理職を任されるも、自ら開発ができなくなることに物足りなさを感じて退社。2011年7月にエニグモへ入社し、BUYMAの機能開発などを手がける。現在はサービスエンジニアリング本部部長を務める。

1. 職種にとらわれない働き方をするのがエニグモ式

現在、エニグモのエンジニアは17名。2015年秋にBUYMAの英語版をリリースし、2チーム体制で開発を行っている。同社では、エンジニアやデザイナー、ディレクターなど、職種で役割を分けてしまうのではなく、企画段階からみんなで意見を出し合い、サービスや機能を作っていくという。

「エンジニアならエンジニアの、デザイナーならデザイナーの視点から、サービスが魅力的かどうか、実現可能かどうかを判断できる部分があります。例えば会議のテーマが『返品』なら、どんな返品サービスを作っていくか、といったところからみんなで話し合うんです。

そうやって一人ひとりが当事者意識を持って仕事に取り組めば、できあがるもののクオリティーも上がりますし、自らサービスを作り出している実感が持てるので、モチベーションアップにも繋がります」(小澤氏)

エニグモ式について笑顔で語る小澤氏の写真

さらに、エニグモで働くエンジニアの特徴として、自ら考え、提案した機能を実現できる機会が多いことが挙げられるという。

「機能もサービスも、やりたい人が手を挙げて作ったほうが絶対に良いものが作れるんです。例えば僕が提案したのは、出品者が情報発信を行う『パーソナルショッパーポスト』です。

Webサイト「BUYMA」の画像

C to Cのサービスでは、買い手は「商品が届かない」、「偽物が届く」などのリスクを考えて、購入をためらう可能性があることが課題でした。買い手であるユーザーには、売り手であるパーソナルショッパーの姿が見えないためです。ユーザーに安心して取引を行ってもらうためには、パーソナルショッパーを身近に感じ、信頼してもらうためのツールが必要でした。そこで、思いついたのがブログです。

パーソナルショッパーの人柄や、自分が買おうとしている商品はどんなお店で買い付けているのか、といった情報をユーザーに届けることができれば、安心して買い物を楽しんでもらえます。

また、パーソナルショッパーは出品アイテムをアピールする場としてブログを利用することもでき、更新も簡単に行えます。結果として、売り手と買い手の双方にとってプラスとなる機能になりました。

開発時には投稿のしやすさを考え、出品数の多いパーソナルショッパーでも紹介したい商品データをすぐに見つけられるように、アイテムの検索機能を付けるなどの工夫をしました。さらに、このブログの開発を通してデザインにも関わることができ、リリース後にはユーザーから『今まで以上に安心して取引ができるようになった』などの声をもらえてうれしかったですね。

もともと僕はファッションが好きなので、パーソナルショッパーポストのように、ユーザー目線でどんなサービスがあったら便利か、といった意見を仕事に活かせるのはとても面白いです」(小澤氏)

このようにして生まれた独自のサービスは、他にもある。例えば、手元に届いた商品が本物かどうかを調べてもらえる「鑑定サービス」。さらに、購入時にオプションで補償制度「あんしんプラス」に加入すれば、商品に汚れや破損があった場合、BUYMA側で商品の交換依頼を行ってくれる「初期不良補償制度」や、「届いた商品のサイズが合わない」、「イメージと違った」などの個人的な理由でも返品が可能になる「返品補償制度」のサービスも受けられるのだ。

「BUYMAには、日本で売っていないファッションアイテムを多く掲載しているので、実際に店頭で商品を見たり、試着したりできないんです。それって買う側にとっては不安ですよね。だから、初期不良補償や返品補償のサービスはかなり好評で、『このサービスがあったから買いました』と言ってくれるユーザーも多いですね」(小澤氏)

2. 現在は開発環境をアップデート中。より使いやすいサイトを目指して

BUYMA開発の使用言語は、PHPとRuby on Railsだ。サイトオープンから10年が経ち、今は開発環境をアップデートしている最中だという。

「10年も経つと、開発環境がかなり古くなってくるんですよね。もともとは外注で作っていたのですが、現在は自社で書いています。フレームワークはPHPで独自に作っていたのですが、それを今Ruby on Railsに書き換えているところです。

作業は地道なものですが、長い目で見て開発をスムーズに行うには必要なことだと思っているので、よく使われる機能から徐々に変えていっています。」(小澤氏)

ノートパソコンを前に笑顔で話す小澤氏の写真

また、サイトの機能面では、ユーザーにストレスを与えないUIやシステムの改善などもメンバーが一丸となって取り組んでいる。

「例えばサイトを使用するうえで、レスポンスタイムの速さは大事ですよね。動作が遅かったがために、買うことを止めてしまう人もいると思います。エンジニアにとって、スムーズな動作環境作りは重要なタスクです。

今は約135万点ある商品の中から、『ユーザーが欲しいアイテムを探しづらい』ことが課題のひとつとして挙げられているので、検索機能の改善に取り組んでいます。ブランド名のサジェストをつけたり、商品項目のタグ付けをできるようにしたり、マイナーチェンジを繰り返しながら進めています。

また、『ちょっとここのボタンが押しづらい』といった小さなことでも、自分で気づいたことはほかのスタッフと共有し、改善するようにしていますね。そういったことを気軽に伝え合える環境づくりも大切だと思っているので、全社員で飲み会を開くなど、仕事外でコミュニケーションを図れる機会も設けています。

僕達が日々行っている試行錯誤は、一つひとつをとってみれば小さなことなんですよね。その積み重ねで良いサービスやシステムを作り、より多くの人にBUYMAを使ってもらえるようにしたいですね。その上で、チームみんなで楽しく仕事ができれば最高です。」(小澤氏)

レバテック営業担当、大林の写真

レバテック営業担当「大林春菜」から一言!

時代に合わせて進化し続ける「BUYMA」をこれからも追い続けたい!

10年の時を経て、日本中の女性に愛されるファッション・ショッピングサイトへと進化してきた「BUYMA」。積み重ねてきた歴史も現代のニーズに合った形にアップデートしていく為に、日々試行錯誤を重ねている姿に感銘を受けました!
ファッションを専門に扱っているだけあり、オフィスもスタイリッシュで、小澤さんを筆頭にオシャレな方がたくさん働かれていましたよ。弊社からの紹介で参画しているエンジニアのみなさんも、口を揃えて楽しい現場だと話してくださいます。

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