登録待ちの列が絶えない話題のファッションレンタルサービス洋服とのワクワクする出会いをもたらす「airCloset」は、なぜ女子の心を掴むのか?

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「いろいろな服を着たい!でも、何を買っていいかわからない!」。

そんな女性の声に応えるべくスタートしたのが、日本初の月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」。プロのスタイリストがコーディネートしたアイテムが毎回3着ずつ届くサービスで、会員数は7万人を超えている。

ユニークなのは、返却するとすぐに次の3着が届き、気に入った洋服は買い取ることも可能だということ。返却時のクリーニングも必要ない。

この日本初のサービスを運営しているのは、株式会社エアークローゼット。CEOでファウンダーの天沼聰さんと、CTOの辻亮佑さんに、「airCloset」というサービスが生まれた背景や人気の理由、サービスを支えるプラットフォームの開発秘話などを伺った。

株式会社エアークローゼット

代表取締役 CEO/Founder
天沼聰(あまぬま さとし)

英国の大学にて経営やコンピュータを学び、帰国後の2003年にコンサルティングファームに入社。IT・戦略コンサルタントのマネージャーとして経験を積む。2011年に楽天に入社。UI/UXに特化した海外13拠点へのサポートグループを組成し、グローバルマネージャーを務める。2014年、株式会社ノイエジーク(現・株式会社エアークローゼット)設立。

執行役員 CTO
辻亮佑(つじ りょうすけ)

2009年、エンタープライズ向けの開発会社にてキャリアをスタート。インフラ、DB、バックエンド、フロントエンドなど多岐にわたる開発に従事し、開発の面白さにのめり込む。2012年より楽天へ。フロントエンドに特化した新規立ち上げビジネスの設計、開発、チームマネジメントを担当。2015年より株式会社エアークローゼットへCTOとして参画。

1. 妻に対する素朴な疑問が「airCloset」のヒントに

―本日はよろしくお願いいたします。それにしても、お二人ともおしゃれですね。

天沼:いやいや、そんなことは(笑)。

辻:以前の私たちを知る方々には、「以前はそんなにおしゃれじゃなかった」と言われます(笑)。

天沼: 3人の創業メンバーで事業の構想を練っていた当初は、ファッション分野で創業するとは思っていませんでした。こだわりは、インターネットを活用したサービス、シェアリングの概念のあるサービス、ライフスタイルに浸透するサービスの3つだけ。衣食住の分野を問わず、百数十ものビジネスアイデアを出していったんです。

そこから4、5ヶ月かけて、「これまでにない新しいファッションとのワクワクする出会いを作ろう」という事業の目的が固まっていきました。

その後、どういう人たちにどういうサービスを提供しようかというディスカッションを重ねていったのですが、大きなヒントとなったのは妻の行動ですね。

僕の妻は、出かけるにあたって必ず「着る服がない」というのですが、物理的には僕の数倍の服を持っているんです。それなのに、買い物に行くお店はだいたい一緒で、「ちょっと前にも同じようなものを買ったよね?」という服を欲しがるんですよね。本人には言えないですけれど(笑)。

つまり、似合う服はもっといろいろあるだろうし、試してみたら面白いと思うのに、女性たちにはなかなかそういった時間がない。それだったら、自分で選ぶのではなく、プロのスタイリストが選んだ服との出会いを作ってあげれば、忙しく働く女性や、お子さんがいて試着を伴う買い物がしにくいというママもワクワクするのではないか? そこから、ファッションレンタルというサービスを発想しました。

―これまでの日本にはなかったファッションレンタルサービスを始めるにあたり、最初は手探り状態だったのでは?

天沼:創業メンバーはコンサルティングファーム出身なのですが、誰もファッションや流通関係の仕事をしたことがなく、コネクションはゼロでした。

まずは、二百数十人の女性にファッションに対するニーズなどをヒアリングしつつ、業務連携を依頼するために寺田倉庫さんを訪問。持参した業務計画書を書き直し、具体的なフローに入っていくのと並行して、多くのファッションブランドさんひとつひとつにアポイントメントを取り、訪問してお話を聞いていただき……ということを積み重ねていきました。

ブランドさんは、「洋服とのワクワクする出会いを作る」という我々の価値観にはポジティブな反応を示してくれました。これまでにないサービスを一緒に作り上げていくことに多くのブランドさんが共感してくださって嬉しかったですね。

「airCloset」創業の経緯について笑顔で語る天沼氏と辻氏の写真

最初はいぶかしがっていたブランドも、ユーザーとブランドとのワクワクする出会いを作るという理念に共感してくれたそう

2. 期待を超えるサービスを作ることが新市場の開拓者たる自負

―「airCloset」が世に出るのと同時期に、他のレンタルサービスも立ち上がっていったと思いますが、どのくらい意識されましたか?

天沼:動向は、見てはいました。当然気にはなりますが、他社を気にするよりも、僕らが事業に集中したほうが楽しみに待っていてくださるお客様のためになると信じて、サービスを作り込んでいました。

辻:そもそも、弊社が提案したい価値観は「洋服とのワクワクする出会い」であり、ファッションレンタルそのものが目的ではないんです。そこが他社とは違うと考えています。

それに、今は日本にファッションレンタルという市場ができたばかりなので、競合とはいえ、一緒に市場を作っていく仲間でもあるんですよね。

―「airCloset」の特徴は、プロのスタイリストさんが服を選んでくれることだと思います。インタビュー中も、スタイリストさんらしき方々が社内を歩いているのが見えるのですが、スタイリングチームに関してはどのような仕組みづくりをされていますか?

天沼:スタイリストは社内に数名いるほか、社外に業務提携の方々が数十名おります。みなさんテレビや雑誌で活躍している方々で、紹介で広がっています。

スタイリストによる服の選定は、当然リモートでできるような仕組みを作っています。とはいえ、最初は一定レベルのスタイリングができるようになるまで、弊社のメンバーが直接指導をさせていただいています。また、サービスの改善を図っていくために、外部のスタイリストさんにもできるだけ弊社に来てもらって直接選定作業をしていただきながら、意見を出してもらっています。

そのおかげか、最近では3着お送りした服を3着ともお買取りされるお客様が増えてきました。それだけしっかりとしたスタイリングをお届けできている証拠だと思っています。

また、「届いた服を着て出かけたくなった」とか、「いつもと雰囲気が違うけれど、似合うと言われた」など、ファッションを楽しむ幅が広がったというご感想が多く寄せられています。

「airCloset」ユーザーへの思いを語る天沼氏の写真

「『airCloset』によってこれまで手を出すことがなかった色やデザインと出会い、新しい自分を発見してほしい」と天沼氏

―お客様からは、要望なども上がっているのでは?

天沼:「一度に送ってくる点数を増やして」や「服の価格帯を上げて」など、さまざまなご意見があります。我々はそれをしっかりと咀嚼し、その要望の根底には何があるのかを考えながらベストを尽くしていきたいと思っています。

要望を解決すればご満足いただけるのかもしれませんが、もしかしたら潜在的なご不満は別のところにあるのかもしれません。あくまでも僕らが当事者として、意思を持ってサービスを作り、提供していかなければならないと考えています。

3. スタイリンググループとプロダクトグループ、その両輪が新機能を生む

―ファッションレンタルサービスという仕組みづくりに関して、最もご苦労された点はどのようなところですか?

天沼:2015年2月にサービスを正式リリースした直後に、2万5000人ものお客様が登録してくださり、一時サーバーダウンしてしまったんです。我々としてはヒトケタ少ないくらいのお客様を想定していたので、驚きました。

最終的には一度サービスをストップさせていただき、約10日間でシステムの裏側を完全に作り直して再度立ち上げました。その後のサービスの展開を考え、ここでのストップは仕方がないと。苦渋の決断でしたね。

―現在のシステムの開発環境や言語は?

辻:サーバーサイドのメインはNode.jsです。もともとRubyで作っていたため、一部Rubyも使っています。その他、解析関係ではPython、帳票関係ではJavaなど、適材適所で言語を変えています。

天沼:弊社では、エンジニアのチームを「システム開発グループ」ではなく、「プロダクトグループ」と呼んでいるんです。システム面を考えるだけではなく、弊社のサービス全体を含めたプロダクトを支えてほしいという思いを込めています。

プロダクトグループは、テクノロジーで解決できる部分をすべて管轄しています。たとえばIoTで解決できることや、それを導入することでより価値が高まるのではないかなど、プロダクトグループから意見が出てくることも多いです。その点がよくあるシステム開発チームとは目線が違う点だと思います。

辻:プロダクトグループは、スタイリストが使う管理画面のUIを作り込む際など、スタイリンググループとのコミュニケーションはかなり密に取っていますね。

改善のスピードを徹底的に高め続けることがサービスの品質向上につながっていると考えているため、当日上がった課題を解決するべく、その日のうちに新しい仕組みがリリースされることもけっこうあります。

先ほど天沼がお客様の要望を咀嚼するという話をしましたが、プロダクトグループも同じです。スタイリンググループからの要望の裏を読み、よく咀嚼して、なんのために欲しているのかを考える。そして、より良い解決方法があればどんどん提案していくという、コンサルティング機能を備えたエンジニアのチームにしていきたいと考えています。

「プロダクトグループ」と呼ばれるエンジニアチームの業務について語る辻氏の写真

エンジニアもファッション好きが多いというエアークローゼット社。管理側のUIひとつにもこだわっている

4. 「洋服とのワクワクする出会い」という目的を見失うことなくサービスを拡大

―今後はどのような展開を考えていらっしゃいますか?

天沼:このたび、クリーニング大手のホワイト急便を運営されている中園ホールディングスさんにも資本参加していただきました。我々のサービスの基盤であるファッションレンタルプラットフォームの品質を高めていくという部分に、ますます注力していきたいと考えています。

また、サービス全体で見たときの改善点はまだまだたくさんあると思っています。そのための幅広いプロジェクトが、いくつも同時に動いているという状況です。

サービスジャンルとしては、メンズやシニア、キッズ、マタニティといった領域への拡大も計画しています。また、アクセサリーレンタルも開始していきたいと考えています。

辻:開発においては、サービスの品質向上のために必要なことはすべてやるというのが基本的なスタンスです。システムに関しては、徹底的に自動化していきたいですね。人工知能などもどんどん取り入れていきたいと思っています。

ただし我々のサービスは、人が介在することによる温かみと自動化とのバランスが大切です。もちろん全部置き換えるつもりはなく、必ず最後には人の目が入るという信頼感を忘れないようにしていきたいです。

天沼:我々は、「洋服とのワクワクする出会いを作る」という目的があり、その手段としてレンタル事業をやっています。だから、目的を叶えるための幅広い手段をリサーチして知っておき、次の手として考えておきたい。けれど、手段と目的は決してはき違えてはならない。そのことは常に意識していたいです。

レバテック営業担当、大林の写真

レバテック営業担当「大林春菜」から一言!

スタイリストやユーザーから上がってくる感覚的な要望を、スピーディに仕組み化していく組織力に驚きました。

「ファッションとのワクワクする出会い」という目的からブレることなく、新しいビジネスモデルに果敢に挑むエアークローゼット社。天沼さん、辻さんがともにおっしゃっていた「スピード」と、「ユーザーの要望の咀嚼」というキーワードが印象に残りました。
システムとしては、適材適所で言語を使い分けていく柔軟な姿勢とともに、ユーザーの使いやすさへのこだわりを第一義とする姿勢がとても素晴らしいと感じました。

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