クラウドエンジニアのキャリアパスは?具体例や考え方をチェック!

最終更新日:2024年7月10日

クラウドの急速な普及に伴い、クラウドエンジニアの役割は大幅に拡大しました。クラウドインフラの設計や構築、セキュリティ対策、クラウドサービスの開発、コンサル提案など、さまざまな役割・キャリアパスが存在しています。本文ではキャリアパスの具体例や想定される年収、キャリアパスを検討するためのポイントなどについて解説しています。クラウドエンジニアへの転職を検討している方や、今後のキャリアを検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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この記事のまとめ

  • クラウドエンジニアからのキャリアパスにはクラウドアーキテクト・クラウドセキュリティスペシャリスト・クラウドプロダクトマネージャーなどがある。
  • キャリアパスを検討する場合、自分の興味・関心と、市場のニーズの両面から考えることが重要である。
  • クラウドの普及に伴い、クラウドネイティブな開発も増えつつある。

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クラウドエンジニアのキャリアパス例

まずはクラウドエンジニアの主なキャリアパスや想定年収、平均年収、中央値、業務内容について紹介します。他にもさまざまなキャリアパスが考えられますが、参考にしてください。

各職種の詳しい解説については次項で行います。

キャリアパス 想定年収 平均年収 中央値 主な業務内容
クラウドアーキテクト 400~2,000万円 795万円 775万円 クラウド環境の概要設計
クラウドセキュリティ
スペシャリスト
325~1,700万円 750万円 730万円 セキュリティ案の策定
クラウドプロダクト
マネージャー
400~2,000万円 849万円 800万円 クラウド上でのサービスや
製品の方向性を策定
クラウドデータエンジニア 400~1,500万円 745万円 741万円 クラウド上でのデータ収集・分析
DevOpsエンジニア 300~1,505万円 775万円 750万円 DevOps環境の構築、
開発・運用の効率化
ITコンサルタント 300~2,000万円 826万円 838万円 ソリューションの提案
プロジェクトマネージャー 400~1,500万円 798万円 800万円 進捗・課題・予算など
各種マネジメント
テックリード 400~2,000万円 877万円 845万円 メンバーへの技術的なサポートや、
成果物の品質管理

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クラウドアーキテクト

クラウドインフラの設計を担当し、オンプレミスからの移行を支援するなど、企業がクラウドを導入するうえで重要な役割を担います。クラウドアーキテクトは、AWS、Microsoft Azure、GCPでの設計経験に加え、AWS Certified Solutions Architect、Azure Solutions Architect Expertなどの資格が求められます。クライアントとのやり取りも多いため、プレゼンテーション能力やビジネス要件の把握も重要です。

クラウドセキュリティスペシャリスト

企業データの安全を保障するための戦略を立てるのが役割です。クラウドではネットワーク上で各種データを扱うため、オンプレミスよりも高いセキュリティ要件が求められます。

クライアントのビジネスモデルの理解と状況に応じたソリューションの提案力が欠かせません。
関連する資格は、CISP、CCSP、AWS Certified Security - Specialty、Azure Security Engineer Associateなどが挙げられます。

クラウドプロダクトマネージャー

クラウドサービスや製品の開発方向と戦略を定義するのが主な役割です。製品リリース後には市場ニーズに合わせた製品管理を実施します。

市場の動向をつかむために、マーケットリサーチ、プロダクト戦略、ユーザーニーズ分析などのビジネススキルも重要です。チームを先導するリーダーシップや問題解決能力も求められます。

関連する資格はCertified Scrum Product Owner (CSPO)、AWS Certified Cloud Practitionerなどがあります。

クラウドデータエンジニア

市場の動向や反応をいち早くつかむために大規模なデータセットの収集、保存、処理、分析をクラウド上で行います。具体的な技術としてはSQL、Python、ETL、データウェアハウス、ビッグデータツール(Spark、Hadoop)などが求められます。

クラウドデータエンジニアが収集・分析したデータは意思決定に使われるなど、企業活動の重要な役割を担います。ビジネスの視点からデータを分析することも欠かせません。

関連する資格はGoogle Professional Data Engineer、AWS Certified Data Analytics - Specialtyなどです。

DevOpsエンジニア

主な役割はDevOps環境の構築や、開発・運用全体の最適化です。DevOpsは製品の企画から提供までの時間短縮を実現し、注目を集めている開発手法です。

必要なスキルには、CI/CDツール(Jenkins、GitLab CI)、コンテナ(Docker、Kubernetes)があります。

ITコンサルタント

オンプレミスからクラウドへの移行経験は、ITコンサルタントへの転身時に役立ちます。クラウド技術全般やクラウドアーキテクチャ設計のスキルに加えて、戦略的思考、プロジェクトマネジメント、リスクマネジメントなどのスキルが重要です。

また、クライアントとの関係性が重要なため、コミュニケーション能力、プレゼンテーションスキル、クライアントリレーションシップは欠かせません。

プロジェクトマネージャー

マネジメントに興味を持っているのであれば、プロジェクトマネージャーへのキャリアアップを目指すのが王道です。オンプレミスからクラウドへの移行や、クラウド環境でのシステム開発などプロジェクトの内容はさまざまですが、リーダーシップやコミュニケーション能力、問題解決力が求められます。無理のないプロジェクト計画の立案や、リスクマネジメント、予算管理などの能力も必須です。

関連する資格はPMP、AWS Certified Cloud Practitioner、ITIL Foundationなどです。

テックリード

技術に強い興味・関心を持っているクラウドエンジニアにおすすめです。クラウドには仮想化など多様な技術が使われており、若手エンジニアが全てを理解するのは困難です。テックリードは技術面でのリーダーとして、若手エンジニアのサポートや問題の解決などを通し、プロジェクトを支えます。

以下に、キャリアパスごとに求められるスキルレベルを表形式で示します。進みたいキャリパスに自身のスキルが足りているかチェックする際に活用してください。

  クラウド
プラット
フォーム
アーキテクチャ
設計
セキュリティ DevOps プロジェクト
マネジメント
ソフト
スキル
クラウド
アーキテクト
★★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
クラウド
セキュリティ
スペシャリスト
★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
クラウド
プロダクト
マネージャー
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★
クラウドデータ
エンジニア
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★★
DevOps
エンジニア
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★
ITコンサルタント ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★★
プロジェクト
マネージャー
★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★★
テックリード ★★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★★
スキルレベルの定義
初級 基本的な概念や用語を理解し、基本的なタスクを実行できる。
★★ 中級 実務経験を有し、標準的な課題を自立して解決できる。
★★★ 上級 専門知識と実務経験を持ち、複雑な課題を効果的に解決できる。
★★★★ エキスパート 高度な専門知識と豊富な経験を持ち、特に難しい課題も解決できる。
★★★★★ マスター 卓越した専門知識とリーダーシップを持ち、指導的立場を担える。

関連記事:クラウドエンジニアの需要が高い理由を解説!将来性や年収も紹介

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仕事の幅を広げたいクラウドエンジニアは海外企業もおすすめ

クラウドエンジニアは、国内外を問わず高い需要を保っているので、海外企業でのキャリアパスもおすすめです。

日本とは大きく異なる環境での開発は、エンジニアとして大きく飛躍するチャンスかもしれません。レバテックキャリアでは海外の求人情報も数多く扱っています。オフショア開発を円滑にするブリッジSEなども需要が高まっている仕事の1つです。

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クラウドエンジニアのキャリアの決め方とキャリアを高めるポイント

自分に合った道を見つけるための方法について解説してきます。

キャリアの決め方

クラウドエンジニアが自分に合ったキャリアパスを選ぶためのプロセスは以下の通りです。

①キャリアの明確化、自分の強みや興味、価値観を確認

最も大切なのは、キャリア目標を明確にすることです。5年後・10年後、どのようなエンジニアになりたいのか、どんなプロジェクトに関わりたいのか、どのような立場にいたいのかを明確にすることで、そこへ至る道筋を考えられます。

「アーキテクチャ設計が好き」「セキュリティ対策を深掘りしてみたい」など、興味があるジャンルを具体的に挙げながら考えてみましょう。

仕事と生活は密接に関係しているため「海外で仕事をしてみたい」といった、人生の価値観も重要となります。

②市場動向の確認

企業が求めるスキルやトレンドなど、市場の動向を確認しましょう。

昨今のトレンドでは、クラウドセキュリティやマルチクラウドなどの技術・知識を持ったエンジニアの需要が高まっています。一方で、自分の興味や関心とのバランスを取ることも重要です。

③資格取得や学習プランの策定

目指すべきキャリアパスが明確になったあとは、必要なスキルと現在のスキルレベルを比較し、補完すべきポイントを明確化します。

例えば「AWS認定を取得してクラウドアーキテクトを目指す」や「CISSPを取得してセキュリティスペシャリストを目指す」など、具体的な学習プランを立てましょう。

④自己分析と市場動向、スキルギャップの補完を基にキャリアパスを選定

選定したキャリアパスに沿って、転職やキャリアアップのアクションを考えてみてください。

もし具体的なキャリア目標やキャリアパスが見えてこない場合には、転職エージェントなどのプロに相談してみるのもおすすめです。第三者の視点からチェックしてもらうことにより、キャリアパスが明確になることもあります。

キャリアアップを図るためのポイント

効率的にスキルを身につけ、キャリアアップを図るためのポイントについて解説します。

幅広い技術に目を向ける

エンジニアとして仕事をしていると、今使っている技術だけに目が行きがちになります。AWSやGCPなど特化したサービスに依存せず、さまざまな技術に目を向けましょう。

クラウドネイティブな思考と開発を理解する

クラウドへの移行が進む中、クラウドネイティブな発想が求められます。

マイクロサービスアーキテクチャ、コンテナ、Kubernetesなどのクラウドネイティブ技術を学び、デザインパターン、コスト最適化、パフォーマンスチューニングなどクラウドのベストプラクティスを理解することが大切です。

また、新しい技術や考え方をビジネスにどう活かすかまで検討しましょう

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キャリアパスの幅を広げたいクラウドエンジニアにおすすめの知識・スキル

クラウドに特化したおすすめの知識やスキルを紹介します。

クラウドセキュリティ

クラウドでは、例えばアクセス権限などの単純なミスにより、情報漏えいのリスクが大幅に高まります。

アクセス制御、データの暗号化、セキュリティポリシーの設定などクラウドセキュリティに関する知識やスキルは評価につながりやすいです。

サーバーレスアーキテクチャ

プログラムの実行時のみに実行環境を利用する手法のことです。AWS Lambda、Azure Functions、Cloud Functionsなど、各プラットフォームでサーバーレスアーキテクチャ構築に役立つサービスが提供されています。

これによりクラウドの利用時間の減少につながり、ランニングコストの削減が期待できます。

仮想化

複数の仮想マシンを1つのサーバー上に構築する仮想化は、クラウドの根幹をなす技術の1つです。とはいえ、クラウドプラットフォームで提供されているサービスは仮想化されていることを意識せずに使えるため、仮想化に詳しくないクラウドエンジニアも一定数存在しています。

仮想化に関する知識は、セキュリティの設計やインフラの最適化などに必須の価値あるスキルです。

AIとの連携

多くのクラウドプラットフォームではAIによるソリューションが提供されており、データ解析の効率化など、さまざまな分野で活用されています。また、AIの利用は今後も増え続けることが予想されます。

自動化・オーケストレーション

クラウド上でのシステム構築・運用を効率的に実施するために欠かせないのがCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)などの自動化やオーケストレーション技術です。

CI/CDに関連して、コンテナの管理に強いKubernetesや、アプリケーションの開発・配置・実行に便利なDockerなど、多様なツールが存在しています。

一方で、これらのツールを使いこなすには深い理解と高度な技術が求められるため、自動化・オーケストレーションに強いエンジニアは需要が高く、評価につながりやすい傾向にあります。

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クラウドエンジニアへの転職ならエージェントの利用がおすすめ

クラウドエンジニアは仕事を通じさまざまな知識・スキルが身につきます。また、将来の豊富なキャリアパスも魅力です。

クラウドエンジニアを目指すのであれば、エージェントの利用がおすすめです。エージェントを利用すれば、自分の希望にあった求人情報のみを簡単に手に入れられ、転職活動を効率的に進められます。また、職務経歴書のチェックなど、各種サービスを受けられることも魅力です。

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この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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