Linuxとは?
Linuxとは、正確にはGNU/Linuxと呼ばれるオープンソースのOSです。1991年にフィンランドのヘルシンキ大学に通っていたリーナス・トーバルズ氏が開発したLinuxカーネルと、GNUプロジェクトのソフトウェア群を組み合わせて作られました。
LinuxはUNIXとは別物ですが、構築時にUNIXを参考にしているため、コマンドなどの点で似ています。また、Linuxは商用コンピューターOS「Unix」の互換OSとして開発されているので、Unixの派生OSとする見方もあります。しかし、歴史的な背景からすると厳密にはUnixを参考にしつつ、ゼロから作り直されたOSであり、全く別のOSといえるでしょう。
関連記事:UNIXとは?その特徴やLinuxとの違いを解説
Linuxの将来性は?
サーバーOS市場は今後も伸び続けると予測されているため、Linuxの将来性は高いといえるでしょう。
Linuxは、オープンソースライセンスであるGPLを採用したことで、1991年10月5日にversion 0.02がリリースされて以降、徐々にユーザーを増やし、開発が活発化しました。1990年代後半から2000年代にかけて、HPやIBM、Intelなどの企業も注目し、2000年代には欧州の政府機関などでも採用されるようになりました。特にサーバー市場や組み込みシステムなどにおいては、既存OSのシェアを奪いつつあります。
Linuxに将来性があるといわれる理由
仕事でLinuxに関わる方にとっては、今後の需要や将来性がどのように変化していくのか気になるところでしょう。Linuxに将来性があるといわれる理由として、以下が挙げられます。
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・需要の高いサーバーOS市場
・クラウド化と親和性が高い
・コストパフォーマンスが高い
・柔軟性はサーバーOSの中で随一
Linuxの将来性の高さを裏付ける理由について、1つずつ解説していきます。
需要の高いサーバーOS市場
2024年10月にFORTUNEが発表した世界のサーバーOS市場規模の予測によると、2023年のサーバーの出荷台数は2,375万2千台だったのが、2024年には2,638万9千台に、2032年までには6,783万7千台まで成長すると見込まれています。2024年から2032年にかけて、年平均成長率(CAGR)は12.5%という予測です。
また、Surveyreportsによると、2024年のサーバーOS市場規模は211億米ドル(日本円で約3兆1,803億円)に達し、2033年末までに352億米ドル(約5兆3,056億円)に達する予測です。2024年から2033年の予測期間中に、年間平均成長率は約9.8%と予測されています。
このようにサーバーOS市場は今後も大きな成長が見込まれており、特にLinuxは高い需要を維持すると考えられます。その理由として、オープンソースであることによる高い柔軟性とカスタマイズ性、堅牢なセキュリティ、そして活発なコミュニティによる継続的な開発とサポートが挙げられます。これらの特性は、コスト効率と信頼性を重視する企業にとって大きな魅力となり、サーバーOS市場におけるLinuxの優位性を支えています。
クラウド化と親和性が高い
Linuxはクラウドプラットフォームと相性が良いOSです。Linuxの強みは、自動化・スケーリングへの対応力です。強力なコマンドラインと豊富なオープンソースツールにより、クラウドにおけるインフラの自動構築・運用・スケーリングを効率化します。
また、DockerやKubernetesなどのコンテナ技術との親和性も高く、クラウドネイティブなアプリケーション開発を促進することも利点です。主要クラウドプラットフォームもLinux向けに最適化されたサービス・ツールを提供し、開発を支援しています。
これらの要素が、クラウド時代におけるLinuxの需要と将来性を高めています。
コストパフォーマンスが高い
企業がITシステムを構築・運用するコストは「TCO(Total Cost of Ownership:総保有コスト)で表されます。このTCOを抑制するためには、ライセンス料などランニングコストの削減が欠かせません。Linuxはオープンソースゆえに安価に維持しやすく、コストパフォーマンスが高いOSといえるでしょう。
柔軟性はサーバーOSの中で随一
Linuxの生みの親であるトーバルズ氏は、Linuxの最も大きな強みとして「柔軟性」を挙げています。無償で公開されているLinuxカーネルを中心としつつ、さまざまな開発者が独自の機能を付与し、誰もが自由に利用できることがLinuxの特徴です。こうした柔軟性の高さは、変化の激しい現在のビジネス環境にマッチしています。また、オープンソースのため、特定ベンダーに依存しないこともメリットの1つです。
Linuxの将来性に対する懸念
Linuxの将来性があるとする根拠は複数ありますが、その一方で懸念も存在します。たとえばLinuxをターゲットにしたウィルスの増加です。LinuxはWindowsに比べてシェアが小さく、ターゲットにされにくいOSといわれてきました。また、Linuxは「権限(パーミッション)」を管理するOSなので、外部からの不正アクセスは容易ではありません。
こうしたことから、Linuxはウィルスに感染しにくいとされてきましたが、Linuxの普及に伴って徐々にウィルスが増加する可能性もあります。そのため、セキュリティ対策コストの上昇が懸念されるでしょう。
さらに、ディストリビューションが独自に提供しているアップデートが終了する、もしくは有償化する可能性もあります。これにより、サーバーOSの変更を余儀なくされたり、ランニングコストが増加したりといった事態が想定されます。
Linuxが利用されている分野
Linuxは、サーバー用途で広く利用されているだけでなく、デスクトップPCや組み込みシステムなど、さまざまな用途でPC全体を制御・管理するOSとして利用されています。いまや、コスト面やカスタマイズ性、安定性などの特徴から、システム開発においてもLinuxは欠かせない存在です。
では、実際にどのような分野で利用されるのか、具体的に解説します。
アプリケーション開発
業務用アプリケーションでもWebアプリケーションでも、開発現場でLinuxが使われているケースは多いです。コスト面以外に、豊富なオープンソースのデバイスドライバやミドルウェアが利用可能なこと、特にWebアプリケーション開発で多くのエンジニアがLinuxに慣れている利点があります。Linuxは、開発環境の構築が容易で無償の開発ツールも多いため、アプリケーション開発の利便性を高められます。
組み込み系システム開発
組み込み系システム開発では、組込みに特化させたシステムである組み込みLinuxが使われていることが多いです。また、開発時に使うサーバーOSだけでなく、家電や医療系機器などの製品にも組み込みLinuxが使われている場合があります。身近な具体例は、スマートフォン、テレビ、プリンター、デジカメ、カーナビなどです。
サーバー構築
サーバー構築において、Linuxは主要な選択肢の一つです。企業のあらゆる情報やアプリケーション開発、システム開発のデータなどを保管・管理するためにはサーバー構築、あるいはクラウドサービスの利用が欠かせません。
Linuxは、Webサーバーやメールサーバー、データベースサーバー、FTPサーバーなどすべて構築可能です。そのため、アプリケーション開発や組み込み系システム開発のサーバーOSはLinuxの場合が多いです。
Linuxの特徴、メリット
Linuxが多くの場で採用されているのは、その特徴やメリットがユーザーの需要にマッチしているからといえます。しかし、Windows ServerやmacOSに慣れたユーザーにとっては、Linuxサーバーが選ばれる理由が分かりにくい場合もあるでしょう。
そこで、Linuxの特徴とメリットを解説します。普段使用しているOSと比較しながら、Linuxの特徴をつかむための参考にしてみてください。
Linuxの特徴
Linuxには大きく以下の3つの特徴が挙げられます。用途によってLinuxを利用すべきか否か判断が分かれる場合もありますが、多くのユーザーの要望を満たしているからこそLinuxは人気があります。つまり、これらの特徴がLinuxの将来性を高めているといえるでしょう。ここでは1つずつ詳細に解説していきます。
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・オープンソースのOSで無料で使える
・多数のディストリビューションがある
・軽量・安定で動作する
無料で使えるオープンソースのOSである
Linuxはオープンソースのオペレーティングシステムであり、誰でも自由に無料でダウンロードして使用できます。ほかのOSの多くはライセンス費用がかかりますが、Linuxは無料で使用できるため、企業や個人の予算に負担をかけることなく利用できます。このようなコストパフォーマンスの良さが、Linuxが多くの人々に支持され、多くの企業や機関に採用される理由の1つです。
多数のディストリビューションがある
Linuxには多数のディストリビューションがあり、ユーザーに柔軟性と選択肢を提供しています。異なるディストリビューションは、パッケージ管理システムやデスクトップ環境、デフォルト設定などが違うため、自分の技術レベルや利用目的、好みに合ったものを選択できます。
さらに、多数のコミュニティによって活発に開発が行われているため、バグの修正やセキュリティ対策が迅速に行われ、結果として高い安定性と信頼性を実現しているのがメリットです。
Linuxのディストリビューションは主に、次の3つに分類されます。
・RedHat系
商用ディストリビューションとして幅広く支持されています。「RHEL:RedHatEnterpriseLinux」が特に有名です。
・Debian系
派生ディストリビューションが多く、その1つの「Ubuntu」は特に人気が高いです。UbuntuはWindowsとUI(使用感などの画面デザイン)が似ているため、Windowsユーザーにはおすすめです。
・Slackware系
シンプルさが特徴です。実績がある信頼性の高いソフトウェアのみで構成されています。安定性や速度、セキュリティ面において優秀な点も人気の理由です。
軽量で安定して動作する
Linuxは軽量で安定して動作します。LinuxはOSのコンポーネントが最小限に抑えられ、必要な機能だけを実装できます。また、Linuxの開発では多数の開発者が安定性と軽量性を重視したコードを共有しているため、品質が高いといえるでしょう。これらの理由により、Linuxを使用することで、システムが高速で動作し、リソースの消費も少なくなります。
Linuxのメリット
Linuxのメリットは特に低コストでITインフラを構築できるという点です。多くのLinuxディストリビューションではライセンス料が必要ないため、ランニングコストを節約することができます。また、ハードウェアに要求されるスペックも低いため、イニシャルコストの削減にもつながるでしょう。
コスト面以外では、以下のようなメリットも挙げられます。
安定性の高さ
Linuxは長期間の連続稼働でも問題が生じにくいという強みがあります。クラウド上での動作においても安定性は重要です。Linuxは、クラウドプラットフォームで利用されるケースも多いため、ユーザーにとって快適に使用できる安定性は欠かせない大きな強みといえます。
自由度の高さ
Linuxには多くのディストリビューションがあるため、必要な機能や特徴を備えたものを自由に選択できます。便利な機能は多く存在しますが、ときには不必要な機能もあるでしょう。しかし、Linuxなら無駄な機能も省けます。優れたカスタマイズ性によって必要な機能だけを備えられるので利便性が高いです。
高いセキュリティ
LinuxはWindowsなどに比べるとウィルスが少ないため、セキュリティレベルを維持しやすいでしょう。また、Linuxのソースコードは公開されているため、世界中の開発者による常時監視体制が敷かれています。これにより、脆弱性が発見された場合でも迅速に修正され、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。
Linuxエンジニアの仕事内容
Linuxエンジニアの仕事内容は、工程別に示すと以下になります。
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・要件定義
・設計
・構築
・運用/保守
上流工程から下流工程までがLinuxエンジニアの業務範囲です。1人のエンジニアがすべての工程に携わる場合もありますが、経験を積んだエンジニアは上流工程、逆に経験の浅いエンジニアは下流工程を担当する場合が多いです。
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インフラエンジニアに必要なスキルは?知識、資格まで徹底解説
要件定義
要件定義は、クライアントの要望のヒアリングや、その要望をもとにしたクライアントへの提案を行う工程です。プロジェクトの最初の工程なので、重要度が高いです。要件定義に基づいてプロジェクトは進んでいきます。要件定義がしっかりできているとプロジェクトは円滑に進みやすく、逆に不十分だと後の工程でトラブルが発生しやすくなります。
たとえば、「クライアントとの認識に相違があり仕様変更が発生する」、「想定の工数や予算と違う」、といったことです。要件定義は重要度が高いので経験を積んだエンジニアが担当する場合が多いです。
設計
要件定義に基づいて設計を行いますが、一般的に基本設計と詳細設計に分けられます。プロジェクトによって呼び方は異なりますが、全体の概要設計と、細かい設計とで別々に設計を行うケースが多いでしょう。設計も後の構築に大きく影響するので、ある程度経験を積んだエンジニアが担当するのが一般的です。
構築
構築は、設計書に基づいて進めていきます。特に詳細設計が良くできていれば、設計書に従って作業を進めるのでスムーズです。逆に設計に問題があると、構築の段階でうまくいかない事態になります。
要件定義や設計の段階ですべてのことを把握できるわけではないので、実際に構築をして実現が難しい部分が出てきた際は、上流工程の担当者に相談して構築を進めていくことになるでしょう。
運用・保守
システムが完成したら、運用・保守を行います。運用・保守は比較的経験の浅いエンジニアが担当する場合が多いです。システム導入後にトラブルが発生した場合の対処やソフトウェアのアップデートなどの定期的なメンテナンスなどを行います。運用・保守はマニュアルに沿って作業を進める場合が多いですが、正確さとスピード感が求められます。
Linuxエンジニアの平均年収
レバテックキャリアが扱っている求人からランダムで30件抽出し、最小想定年収と最大想定年収の中央値を算出すると、Linuxエンジニアの平均年収は約710万円です。インフラエンジニアやサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどの平均年収と概ね同じと考えられます。年収の下限は300万円程度、上限は2,000万円を提示している求人も存在します。
Linuxエンジニアの求人案件一覧>
Linuxエンジニアになるメリット
Linuxエンジニアになるメリットは、キャリアパスの形成のしやすさと技術力を磨きやすいことが挙げられるでしょう。
Linuxは多くのサーバーやWebシステムで使われているため、活躍の場は多岐に渡ります。キャリアパスの選択肢も広く、サーバー管理やクラウドエンジニア、組み込みシステム開発など、自身の興味関心に沿ってキャリアを築けます。
また、Linuxはオープンソースであるため、ソースコードを自由に閲覧したり、改変したりできるのも利点です。システムの深い部分まで理解することができ、技術力を向上させることができます。学ぶ意欲さえあれば、常に新しい技術に触れ、成長し続けることができるでしょう。
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Linuxエンジニアに必要なスキル
Linuxエンジニアに必要なスキルとして、以下が挙げられます。
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・Linuxに関するスキル
・インフラ開発に関するスキル
・システム開発における上流工程を担えるスキル
・コミュニケーションスキル
Linuxの知識はもちろんのこと、インフラ周辺のサーバーやネットワークなどの知見も欠かせません。それぞれのスキルについて解説していきます。
Linuxに関するスキル
Linuxに関するスキルは、Linuxエンジニアとして必須です。まずはLinuxに関する基礎知識を身につけ、実際に手を動かして構築できるようになる必要があります。基本スキルが身についたら、最新情報を取り入れて知識をアップデートしていきます。一度習得したスキルでも、新しいツールや技術が登場することがあり、トレンドや最新技術に合わせて知識を補足する必要があるからです。
インフラ開発に関するスキル
Linuxはインフラのソフトウェアの土台となるOSで、ハードウェアとソフトウェアの橋渡しをする役割を担います。そのため、Linuxエンジニアは、OSの管理・運用だけでなく、ミドルウェアやネットワーク、セキュリティなど、関連するインフラ技術にも精通している必要があります。
クラウドコンピューティング、コンテナ技術、自動化ツールなど、最新のインフラ技術に関する知識・スキルを習得することで、エンジニアとしての市場価値はさらに高まるでしょう。
システム開発における上流工程を担えるスキル
Linuxエンジニアとしてキャリアを積むと、上流工程の役割が求められる場合が多いです。
構築や運用・保守の工程でも上流工程を意識しながら作業したり、プロジェクト内でチャンスがあれば積極的に上流工程に携わったりすると良いでしょう。今割り振られている作業よりも、少し上流工程に近い作業に携われるように行動していく姿勢が大切です。そういった小さな経験を積み重ねて自身のスキルアップを図り、プロジェクト内で上流工程を任せてもらえるようになっていくと良いです。
コミュニケーションスキル
Linuxエンジニアを含むエンジニアはチームで作業を進めるのが一般的で、クライアントや他部署と関わる機会もあります。そのため、円滑に意思疎通を図れるコミュニケーションスキルが必要です。特に認識のズレを防ぐために細かい連携を取る場合が多いので、その際に正確に分かりやすく伝える力、汲み取る力が重要になります。
Linuxの学習方法
ここでは、Linuxの学習方法を紹介します。Linuxの学習方法は複数あるため、自分に合った方法を選択すると進めやすいです。複数の学習方法を並行して取り組むのも有効です。
マイペースに進めたい方も、カリキュラムに沿ってストイックに学習に励みたい方も、まずは具体的な学習方法を知ることが大切といえます。効率良く学習を進め、Linuxのスキルを身につけていきましょう。
スクールで学習する
プログラミングスクールやエンジニア養成スクールでは、Linuxに特化した講座を開講していることがあります。また、スクールはカリキュラムが設けられているので、学習の進捗が管理しやすいです。疑問点などがある場合も質問できる体制が整っているため、安心して学習できます。
スクールを利用すれば、基本的な操作方法などを短期間で身につけることができるでしょう。
資格を取得する
Linuxに関する業務に携わるなら、資格の取得に挑戦してスキルを習得する方法も有効です。関連資格を持っていると、相応レベルの知識・技術があるという確かな証明になります。
Linuxの関連資格は複数あるため、その例をいくつか挙げながら解説します。
Linux技術者認定資格「LinuC」
Linux技術者認定資格「LinuC」は、Linuxの知識と技術を実践的に学べ、Linuxの技術者としての能力を認定する資格です。
LinuCには4つの段階があり、それぞれに必要な知識や技術が異なります。LinuCレベル1は、Linuxの基本的な知識とコマンド操作ができることを証明する資格です。LinuCレベル2は、Linuxサーバーの設定や管理、ネットワーク構築などの実践的な知識が問われます。LinuCレベル3は、Linuxの特定領域における高度な知識と技術が求められます。LinuCシステムアーキテクトは、Linuxによる大規模なITプロジェクトを成功に導くスキルがあることを証明する資格です。
Linuxに関する基礎的な知識から徐々に身につけていきたい人にはおすすめの資格です。
LPIC
LPICは世界的に認められたLinux技術者認定資格です。複数のレベルがあり、レベル1ではLinuxシステムの基本的な操作と管理能力、レベル2ではシステム管理者としてのより高度なスキルが問われます。レベル3ではエンタープライズレベルのシステム設計・実装・トラブルシューティング能力が問われます。
LinuCとの違いは、国際的な認知度と、試験内容の焦点です。LPICは世界共通の基準で評価されるため、国際的に通用する資格として認められている一方、LinuCは日本の企業ニーズに特化しており、国内での評価が高い傾向にあります。 また、LPICは英語での受験が基本ですが、LinuCは日本語で受験できます。
CCNA
CCNAはシスコシステムズが認定しているシスコ技術者認定試験です。CCNAはインフラに関わる企業やエンジニアの間では人気も知名度も高く、ネットワークスキルを証明する資格として一定の評価を得ています。そのため、企業によっては、CCNAの取得を推奨または奨励している場合もあります。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験はサイバーセキュリティに関する国家資格で、IPAが主催する国家資格のうちの一種です。具体的には、情報セキュリティポリシーの策定やセキュリティシステムの設計・構築・運用、インシデント対応、セキュリティ監査など、多岐にわたるスキルが問われます。情報セキュリティに関する法律や倫理についても理解している必要があり、総合的なセキュリティ人材の育成を目的としています。
難易度は高めですが、IT業界では評価が高い資格です。
書籍などで独学する
書籍を用いた独学でもLinuxの知識を身につけられます。ただし、具体的な構築・操作スキルを身につけるためには、実機を用いて手を動かしながら学習することが大切です。書籍で学習しつつ、実機でアウトプットしながらスキルを身につけていきましょう。
以下では、Linuxの学習におすすめの書籍を紹介します。
『[試して理解]Linuxのしくみ ―実験と図解で学ぶOS、仮想マシン、コンテナの基礎知識【増補改訂版】』(技術評論社、武内覚)
Linuxの基礎的な仕組みや仮想化技術について解説する入門書です。
初学者にも分かりやすい説明と実践的な内容が特徴です。実際に手を動かしながら学べるように、豊富な図解とサンプルコードが提供されており、Linuxや仮想化技術に関する理解を深めることができます。
また、最新のLinuxカーネルや仮想化技術にも対応しており、より実践的な内容が盛り込まれています。そのため、Linuxに興味がある初心者から上級者まで、幅広い読者におすすめできる書籍です。
『Linuxをマスターしたい人のための実践Ubuntu』(秀和システム、水野源、小林準)
Ubuntuを使ったLinuxの学習を支援する実践的なガイドです。
基本的なコマンド操作から、シェルスクリプト、セキュリティ対策、Webサーバー構築、仮想化、クラウドサービスの活用まで、幅広いトピックを網羅しています。
Ubuntuはデスクトップ版とサーバー版があり、それぞれの環境での活用方法を学ぶことができるため、多様な読者のニーズに応える内容となっています。
『Linuxブートキャンプ サーバ操作/OSのしくみ/UNIXネットワーク』(技術評論社、宮原徹、佐野裕 、鶴長鎮一、武内覚、くつなりょうすけ他18名)
Linuxに関する入門書です。
OSの基本的な機能から、コマンドライン操作、ネットワークに関する内容まで、幅広く扱っています。図解や実際の画面写真が多く用いられており、理解しやすい点も魅力です。
Linuxのみならず、周辺知識としてサーバ操作やネットワークに関する知識も併せて習得したい初心者におすすめの一冊といえます。
Linuxに関するよくある質問
Linuxの将来性に期待し、Linuxエンジニアを目指す方も珍しくありません。Linuxの知見は、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアなどのほかのエンジニアにとっても欠かせないため、多くの方が関心を持っています。Linuxに関するよくある質問と回答をまとめたので、知識の補足や疑問解決のための参考にしてください。
Q1. Linuxに将来性はある?
Linuxは将来性があります。現状、サーバーOSとして一般的で、市場が十分に成長していることや利便性の高さから今後も使われるでしょう。クラウド化、AI化などが進んでも、Linux自体は使われる可能性が高いため、Linuxには将来性があるといえます。
Q2. なぜLinuxはプログラミング向きなのか?
Linuxは無料で使え、また軽量で利便性が高いからです。そしてプログラミングのサーバーとして使われることが多いため、多くのエンジニアはLinuxに慣れています。その結果、開発プロジェクトではLinuxの使用が一般的になっています。
Q3. Linuxの優れているところは?
Linuxの優れているところは、安定性・自由度・セキュリティの高さなどです。Linuxは改良が重ねられていて、機能も豊富です。定期的にセキュリティのアップデートも行われているため、トータルで優れたOSといえます。
Q4. Linuxのメリットとデメリットは?
Linuxのメリットは、「導入コストがかからない」「高いカスタマイズ性」などが挙げられます。一方でデメリットとしては、「無償ディストリビューションの場合、トラブルなどの保証がない」「一部の機器やソフトウェアは機器やソフトウェアによってはLinuxに対応していない」などが挙げられます。
まとめ
この記事では、Linuxの将来性や、それを裏付ける背景について解説しました。Linuxは、サーバーOS市場の成熟度やクラウド化との親和性の高さ、コストパフォーマンスの高さなどから、今後もシェアが拡大していくと予想されます。そのため、システム開発に従事する方はLinuxに関するスキルを習得しておくことをおすすめします。
Linuxの学習方法やLinuxエンジニアになるメリット、平均年収などもまとめているので、ぜひ今後の参考にしてください。
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