イラストレーターに転職するには?必要なスキルや資格を紹介

最終更新日:2024年6月19日

イラストレーターはポスターや広告、Webサイトや動画までさまざまな媒体に掲載する絵を描くのが仕事です。面白さや創造性を発揮できる魅力から就職を目指す人が多く見られる人気の職業ですが、「報酬が低い」「労働環境が過酷」といった意見もネット上で目にします。実際はどうなのでしょうか。

本記事では、イラストレーターへの転職を目指している人に向けて、仕事内容や転職する際のポイント、求められるスキル、年収や求人例などを詳しく解説します。

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この記事のまとめ

  • イラストレーターは人気の職業であり、スキルや経験、実力によって年収の上下差が開きやすい
  • イラストレーターの将来性はあり、未経験からでも目指せる
  • イラストレーターに必要なスキルは、イラストやデザイン制作の技術力に加え、コミュニケーション力や根気強さ、ヒアリング力も必要
  • イラストレーターになるために資格は必要ないが、専門知識やツールの習得のために資格取得を目指すのは効果的

イラストレーターへの転職は経験者は歓迎されるが未経験は厳しい

イラストレーターに転職する際に特に重要視されるのは、イラスト制作のスキルです。実力を測る指標としては実務経験1〜3年のため、未経験からの転職だと不利になる傾向があります。しかし、未経験でも学校で制作した経験やポートフォリオがあれば評価されるでしょう。ほかの職種と比較すると実務経験が求められるものの、スキルとアピールの仕方次第で経験をカバーできます。

イラストレーターへの転職でおさえておくべきポイント

イラストレーターに転職したい場合、知っておくべきポイントがあります。転職において、事前準備はとても大切です。企業の下調べや求める人物像、必要スキルなどあらゆる要素を考慮し、正しい対策がとれれば成功率は高まります。押さえるべきポイントは万人に共通する部分もありますが、経験者と未経験者で異なる部分などもあります。それぞれ、詳しく解説していきます。

経験者が転職活動する際のポイント

イラストレーター経験者が転職活動する際の大きなポイントは、これまでの制作物をまとめたポートフォリオを準備することです。ただし、ポートフォリオはスキルレベルがどれだけあるのかをアピールできるよう工夫を凝らす必要があります。自分の実力や魅力などを含め、イラストレーターとしての価値を評価してもらえるようなものを意識しましょう。

アピールできる制作物をポートフォリオとしてまとめる

イラストレーターとしての業務や趣味で制作したイラストをポートフォリオとしてまとめましょう。ポートフォリオには以下の2つがありますが、できれば両方を用意できると良いです。

・インターネット上のWebサイトで公開しているもの

・紙に印刷されたアナログなポートフォリオ

また、できるだけ志望先の企業に応じてアレンジすることが望ましいでしょう。イラストレーターといっても、企業によって求められるテイストやニーズが異なるからです。しっかりと作り込んだポートフォリオを提示すれば、志望先企業が求めている人材であることを適切にアピールでき、転職活動時の最大の武器になるでしょう。

業界未経験者がイラストレーターになるには

業界未経験者は、経験者のように説得力のあるポートフォリオを準備して転職活動に臨むのはやや難しいです。しかし、未経験者なりにスキルを磨いたり、未経験者可の条件の会社に入社したりすることで、イラストレーターとして転職するチャンスをつかみやすくなります。時間はかかりますが、現状のスキルレベルや欠けている要素を分析し、スキルアップのための行動に徹する必要があるでしょう。

専門学校に入学する

業界未経験者の場合、いきなり転職するのではなく、イラスト制作を学べる専門学校に入学するのも1つの方法です。専門学校ではプロの講師からイラスト制作を学べるため、独学よりも効率良くスキルを上げることができるでしょう。

またそのような専門学校では、イラストレーターとしての就職活動を支援している場合があります。専門学校の卒業生のみを受け入れている制作会社への就職を目指せたり、推薦してもらえたりするケースもあるので、支援制度は積極的に活用すると良いでしょう。

イラスト制作会社に入社する

未経験者でも受け入れてくれるイラスト制作会社に入社できれば、それは大きなチャンスです。経験のあるイラストレーターやスタッフがいる中で、働きながらイラスト制作を学べるので、収入を得ながらより実践的なスキルを身につけられます。未経験者として入社するので、最初は収入が低いかもしれませんが、スキルアップすれば役職が上がり収入アップを目指せるでしょう。

転職を有利に進めるには

イラストレーターへの転職を順調に進めるには、相応のスキルやアピール材料の準備、志望動機の落とし込みなど、考慮しなければならない点が多くあります。準備不足のまま進めてしまうと時間と労力を費やすばかりか、疲弊してしまい本末転倒にもなりかねません。転職を有利に進めるために、気をつけておくべきポイントをまとめました。イラストレーターへの転職を成功させるために考えたい6つの項目を紹介します。

1.資格だけを頼りするのは要注意

イラストレーターの業務に関する資格は多数ありますが、「資格を持っているから転職できる」とはいえません。とはいえ、資格取得のために学んだり技術を高めたりすると自身の付加価値を上げられるため、イラストレーターへの転職につながりやすいです。

資格取得を最終目的にするのではなく、あくまでスキルアップと業界理解のためとし、自分のスキル証明の1つの手段として考えておきましょう。限られた時間の中で転職する場合、資格の勉強とイラスト制作のどちらを優先するべきかは、自分の実力を客観視して選ぶ必要があります。

2.評価されるポートフォリオを作る

ポートフォリオとして過去に制作したイラストを集めた作品集を提示するのが一般的です。男性や女性といった人物のイラストや、オリジナルのキャラクター、風景などジャンル別・構図別にさまざまな分野を網羅したポートフォリオを準備しましょう。また、ラフと清書の双方を含めて、その工程を見せる方法もあります。

企業によっては特定のジャンルに強みを持っている場合があるので、ポートフォリオもその傾向に合わせて作品を選定しましょう。関わった作品すべてを提出する必要はなく、20ページ前後でまとめるケースが多いです。作品数が少ない場合や未経験でもポートフォリオの作成を考えている場合は、提出用にイラストを作成することをおすすめします。

3.面接時のポートフォリオへの質問の回答を用意する

イラストレーターの転職ではポートフォリオに関する質問があります。ポートフォリオに含まれる、それぞれのイラストに関して、制作時間・時期・使ったツール・仕様・工夫したポイントなどを答えられるように準備しましょう。

チームでイラスト制作を行った場合、「どのような工程を担当したか」「ほかのメンバーとどのようにコミュニケーションをとってきたか」をアピールすると、説得力のある回答になります。

4.未経験の場合の自己PRはこれからどうしていくかを重視

イラストレーターとしての実務経験がない場合、これからスキルを身につけていく意欲を具体的にアピールしましょう。志望先の企業がどのようなイラストレーターを求めているのかを事前に調査して、それに応じた自己PRを行えば説得力が生まれます。

流行の表現方法や最新の技術を取り入れている点、独学でイラストを制作している点など、強みとなるポイントと今後の展望を示しつつ、人材としての伸びしろを感じてもらえる内容にすると良いでしょう。

5.志望動機・転職理由の回答を考えておく

志望動機や転職理由は、面接時には必ずといっていいほど聞かれる項目です。選考の過程でどれだけ重視されるかどうかは別として、担当者に違和感や不信感を与える内容とならないように注意しましょう。軽はずみな動機と思われるような希薄な内容だと、実際はやる気に満ちていてもその意欲が伝わりにくいです。

イラストレーターとして仕事をしていく意欲と覚悟を盛り込み、熱意をアピールできるよう意識しましょう。また、なぜその企業なのか明確な理由も伝えられるとより効果的です。

6.転職エージェントを活用し書類選考・面接対策をするのもおすすめ

イラストレーターとして転職を成功させたいのであれば、転職エージェントを活用して書類選考や面接対策を万全にするのもおすすめです。特に業界未経験の方にとって、自力での転職活動は困難なものでしょう。

しかしイラストレーター業界を知り尽くしている転職エージェントは、転職希望者にとって強い味方となります。転職成功実績が豊富、かつ評判の良い転職エージェントを探して積極的に活用すれば、不安も少なく効率的に対策が進められるので有益です。

イラストレーターとは

イラストレーターはクライアントの要望に合わせてイラスト制作をする職業です。紙・Web媒体における雑誌や広告、ゲーム、アニメなどのさまざまなイラストを手掛けます。比較的、仕事内容がイメージしやすい職種であり、実際の業務とのギャップも少ないでしょう。では具体的にはどのような仕事をするのか、どのような業界で活躍できるのか紹介します。

イラストレーターの仕事内容

イラストレーターの仕事内容はクライアントの指示に従ってイラストを仕上げるものが基本です。そのため自身の創造性を活かしたいアーティスト思考の人には不向きというイメージがあります。しかし、自主制作を続けてイラストレーターとしての人気が高まった結果、直接仕事の依頼を受けられるようになった人もいます。

イラストレーターは、大きく分けて次の2パターンが存在します。

  • ・クライアントからの仕事をこなすイラストレーター(企業に所属している場合がほとんど)

    ・自主制作を続け直接依頼の仕事をするイラストレーター(フリーランサーも多い)

イラストを制作する方法は人やクライアントの要望によってさまざまで、コンピューターグラフィック・デジタルアート、水彩・パステルなど多岐に渡ります。イラスト制作能力はもちろん、発想力やセンス、コンセプトやメディアに合ったイラストが描けるかなど技術も求められるでしょう。

イラストレーターが活躍する業界

イラストレーターの働く業界はさまざまであり、複数の業界で活躍できるのは魅力の1つといえます。転職を考える際には、どの業界で働きたいのかを明確にしておくと企業や業界に合わせた対策がしやすいでしょう。イラストレーターの就職・転職先として、特に求人が多い業界は次の3つです。

  • ・ゲーム業界

    ・広告業界

    ・出版業界

特にゲーム業界はスマホアプリの増加にともない、イラストレーター自体の需要が増えています。また、イラストレーターとして働き始める際にゲーム業界を選択する人も多いようです。

関連記事:ゲーム会社で働くイラストレーターになるには|仕事内容や年収を紹介

類似職種との違い

イラストレーターと似た職種として、グラフィックデザイナーやWebデザイナー、キャラクターデザイナーなどがあります。いずれもデザイン制作に携わる職種であり仕事内容の類似点もあるため、違いがいまいち分からない人もいるのではないでしょうか。認識が違ったままでいると転職活動の方向性を誤る可能性があるため、再確認しておくと良いでしょう。

イラストレーターと類似職種の違いを説明します。業務が重複する部分もありますが、メイン業務はそれぞれ異なります。

グラフィックデザイナーとの違い

イラストレーターとグラフィックデザイナーは絵を描く仕事という点が共通しています。イラストレーターがポスター、パンフレットなど「イラスト素材」を制作するのに対し、グラフィックデザイナーの仕事はデザインで情報やメッセージを伝える「広告素材」の制作をするのが違いです。

グラフィックデザイナーは必ずしもイラストを制作するわけではなく、デザイン上必要になる場合はイラストを用います。また、イラスト制作のみを受け持つイラストレーターと違い、デザインの考案やレイアウト、DTPデザインなど編集作業を担当する場合もあります。

イラストのエキスパートがイラストレーター、デザイン全般のエキスパートがグラフィックデザイナーです。

Webデザイナーとの違い

Webデザイナーの製作対象はWebデザインです。そのため、Webサイトのデザインや、イラストレーターが納品したイラスト、テキストなどをWebサイトに入稿、編集をすることがあります。またプログラミングを行う場合もあるので、仕事上での関係性はありますがイラストレーターとWebデザイナーは根本的に異なる職種です。

関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介

キャラクターデザイナーとの違い

イラストレーターはイラスト、キャラクターデザイナーが制作するのはキャラクターです。たとえば、キャラクターデザイナーはゲームやアニメのキャラクターをデザインします。クライアントの指示通りに描くイラストレーターとは違い、個性的なキャラクターを生み出す創造性が必要です。スキル的には使用ソフトなどが重複することもありますが、制作対象が異なるので細かなデザイン手法やアイデアの出し方などは当然異なります。

関連記事:キャラクターデザイナーになるには?必要なスキルや向いている人をご紹介

イラストレーターに転職するにあたって求められるスキル

イラストレーターへの転職を目指すなら、まずはどのようなスキルが必要なのか把握しておく必要があるでしょう。求められるスキルを習得すれば、転職の成功率が格段に上がります。一方で、スキル不足だと「活躍が見込めないのではないか」と判断されやすく、特に即戦力を求める企業への転職は厳しいでしょう。

イラストレーターに転職する場合に求められるスキルを紹介します。

表現力(デザインスキル)

表現力(デザインスキル)はイラストレーターに求められるスキルの中でも重要です。イラストが使われる用途や目的に応じて、異なるテイストで描き分けたり、ポップ・未来的・現実的など、イラストの世界観も含めて表現したりするスキルが必要でしょう。

さらに、人物や動物、建物など、さまざまなモチーフを魅力的なイラストとしてデザインできるスキルもあればイラストレーターとして大きな強みになるはずです。このような豊かな表現力を持っているとさまざまな現場で活躍できます。

ソフトウェアスキル(デザインソフトを扱うスキル)

イラストレーターはパソコン上で動作するソフトウェアを使って制作を行う場合がほとんどです。Photoshop®やIllustrator®に代表されるデザインソフトや、SAI、CLIP STUDIO PAINT、Mayaといったツールを使いこなせるスキルが必要です。転職の際にも、これらのツールを使った経験をアピールすると良いでしょう。

コミュニケーションスキル

イラスト制作を担当する場合、ディレクターなどからの指示書に基づいて作業を行います。その指示を正確に汲み取り、協調する姿勢がイラストレーターには求められます。厳しいスケジュールでも、チームとして作業が納期に間に合うよう、コミュニケーションをとりながら進めていくことになります。

また、自分のスタイルに固執し過ぎず、イラストに関して周囲からのフィードバックを素直に聞ける人、自分の個性を出す部分のバランス感覚を持っている人は高い評価を受けるでしょう。

ヒアリングスキル

クライアントの意向をどこまでイラストに落とし込めるかは、ヒアリング力にかかっています。イラストレーターというと、想像力を発揮して自由にイラストを描く仕事をイメージする方がいるかもしれません。しかし、プロのイラストレーターなら、クライアントの要望通りのイラストを制作しなければなりません。

そのために必要なのがヒアリングスキルです。情報が足りないときは質問しながら丁寧にヒアリングし、クライアントと具体的なイメージを共有するところからイラストレーターとしての仕事がスタートします。

自主制作のみでイラストレーターを目指す場合には、ユーザーがどのようなイラストを求めていてどのようなイラストに人気があるのかを把握するのが大切です。そのためには、ユーザーニーズをヒアリングするもしくは自分で調べる必要があります。

イラストレーターの転職で活かせる資格

イラストレーターに必須の資格はありません。しかしイラストレーターとしてのスキルを証明する手段の1つとして、資格取得は決して無駄にはなりません。ここではイラストレーターの転職で活かせる資格について紹介します。時間に余裕がある場合や企業から求められている場合に、スキルアップの手段として取得すると良いでしょう。

Illustrator®クリエイター能力認定試験

Illustrator®クリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイが実施している、Adobe Illustrator®のスキルを証明する民間資格です。実技試験と実践試験の両方が実施されるスタンダードと、それらに加えて多肢選択解答形式の知識試験が追加されるエキスパートの2つのレベルの試験が実施されます。

Illustrator®はグラフィックやロゴ制作で使用するツールであり、企業によってはIllustrator®の出力形式「ai」での提出を求められることもあります。その際にツールの知識や使用経験があれば、スキルの証明として役立つでしょう。

Photoshop®クリエイター能力認定試験

Photoshop®クリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイが実施している、Adobe Photoshop®のスキルを証明する民間資格です。試験制度はIllustrator®クリエイター能力認定試験と同様に、スタンダード試験とエキスパート試験の2つのレベルが設けられています。

Photoshop®は画像編集ソフト、イラスト作成ソフトとして現在多くのイラストレーターが使用しており、前提のスキルとして求められるケースがほとんどです。他業種からの転職の場合にはポートフォリオの実力を裏付ける手段となるため取得すると良いでしょう。

色彩検定

色彩検定は、色彩検定協会が実施している色彩に関する文部科学省後援の資格です。難易度別に1級から3級までと、ユニバーサルデザインに関するUC級の合計4つの区分があります。2級・3級・UC級はマークシート形式の出題で、1級のみマークシート形式の1次試験と記述式の2次試験が実施されます。

クリエイター能力認定試験がデザインツールの実践的な操作スキルを証明する資格であるのに対し、色彩検定は色に関する知識や理論を体型的に学べる資格です。イラストレーターには欠かせない知識のため、習得すればメリットとなるでしょう。

アドビ認定プロフェッショナル

アドビ認定プロフェッショナルは、Photoshop®やIllustrator®、Premiere Proの3つのアドビ製品ごとに行われている認定資格試験です。その中でもイラストレーターが頻繁に使用するのはIllustrator®やPhotoshop®でしょう。

イラストレーターへの転職には必須スキルともいえるため、Illustrator®やPhotoshop®のアドビ認定プロフェッショナルを取得すると自身の市場価値が上がり、必要なソフトを使いこなせるという証明になります。

CGクリエイター検定

CGクリエイター検定はCG制作や映像製作のスキルを証明する資格です。CGを用いた表現技法に特化した内容のため、イラストレーターにとってはプラスアルファのスキルといえるでしょう。とはいえ、イラスト制作の多様性も増しているので、CGや映像を扱えるとより表現の幅は広がります。試験は、基礎的な知識を問う「ベーシック」と専門的・応用的な能力を問う「エキスパート」の2つがあります。

イラストレーターに向いている人

イラストレーターは専門性の高い仕事であり、イラストを描くスキル以上に向き不向きも大切です。素直にイラストを描くのが楽しいと感じる人もいれば、上手に描くスキルがあっても楽しさややりがいを感じない人もいるでしょう。そのため、イラストレーターがすべての人に適しているとはいえません。長く働きながらキャリア形成をしていきたいのであれば、向いている職種に転職するのが望ましいです。

ここからはイラストレーターの適正がある人の特徴を見ていきましょう。

とにかく絵を描くのが好きな人

イラストを描く仕事であるため、絵を描くことが苦にならない・絵を描くのが好きな人に向いています。業務の中では、度重なるリライト作業が発生したりうまくイメージが掴めなかったりと、クリエイターであるがゆえにスランプが起こる可能性もあるでしょう。そのような状況でも立ち止まらず、絵を描き続けられる人はイラストレーターとして成功しやすいといえます。

向上心が高い人

イラストはクライアントの数だけ種類があり、またトレンドによってもどのような絵柄が求められるかは日々変化します。今の実力だけで満足せずフィードバックを前向きに捉えて向上できる人は、イラストレーター向きです。

また、イラスト制作方法がアナログのみという特定の手段にこだわらず、クライアントの要望に幅広く答えられるようにツールの習得も必要でしょう。勉強意欲が高く向上心を持つ人は、イラストレーターだけでなくさまざまな職業で求められる理想的なクリエイター像です。

コミュニケーション能力が高い人

イラストレーターは個人で仕事するイメージがありますが、クライアントやユーザー、プロジェクトメンバーなどさまざまな周りの人と関わり合いながら仕事を進めていきます。決まった仕事をこなすだけではなく、ニーズを汲み取るため質問したり打ち合わせで話し合いながらイメージを固めたりする場面も多いです。

その際に自分の意見を主張する説得力や、適切な言葉選びができるコミュニケーション能力は大切です。人と話すのが好きなイラストレーターは、関係者のつながりから受注に結びつく機会が得やすい傾向があります。

イラストレーターに転職するメリットとデメリット

イラストレーターとして活躍するメリットとデメリットを紹介します。イラストレーターを目指す人の中には、職種の良いイメージだけで転職を決断してしまう人もいるでしょう。しかし、転職後にデメリットに直面しその結果、働き続けるのが不安に感じてしまう可能性もあります。転職活動を始める前に、メリット・デメリットの両方を知り、本当に目指すべきかを冷静に判断することをおすすめします。

イラストレーターとして転職すべきかどうか迷っている方はこちらを参照ください。

イラストレーターに転職するメリット

まずはイラストレーターとして活躍するメリットを紹介します。イラストレーターは、デザインや絵を描くのが好きな人には向いているため、そういった人にとっては楽しさややりがいを感じやすく魅力的な職種といえるでしょう。また、努力し続けられれば年収を上げられる可能性も十分あります。

やりたいことで高い年収を得られる人はそう多くはないため、イラストレーターに向いている人にとっては転職が大きなメリットになります。

好きな分野で活躍できる

イラスト制作が好きな人にとって、好きなことを仕事にして生活が成り立つ点は魅力でしょう。生活のために望まない仕事を選択し、大半の時間を費やしている人は多いです。そのため、好きな分野を仕事にできることは人生の幸福度などにもつながります。また、好きな仕事であればモチベーションを高く保ちやすく、困難に直面しても前向きに乗り越えていけるでしょう。

人の心に残るものを作れるやりがいがある

イラストは見る人にさまざまな印象を与えます。言葉だけでは伝わらない複雑な心情や事象などを表現できるため、ときにはそれを見て感銘を受ける人もいます。イラストレーターが制作したイラストが誰かの心に響き、心に残る可能性があるということです。良い意味で人に影響を与えられるので、イラストレーターの1つのやりがいになるでしょう。

実力次第で高収入を得られる

イラストレーターとして実力があると、高収入を得られます。会社員として働きながらスキルを向上させ実力が評価されれば収入を上げていけます。一方で、フリーランスになって仕事を請け負えば、どんどん収入が増えます。実力があれば高単価で仕事を受けられるので、会社員時代よりも収入が伸びる可能性が高いでしょう。会社員でもフリーランスでも、認められる実力がつけば収入アップにつながるのはメリットです。

イラストレーターに転職するデメリット

イラストレーターとして活躍することにはデメリットもあります。転職を考えるとき、職種のデメリットを理解しておくのは重要といえます。デメリットが受け入れられないまま転職しても、後悔する結果となりかねないためです。とはいえ、捉え方は人それぞれなので、一般的に挙げられるイラストレーターのデメリットに対し、ネガティブ要素を感じない人もいるでしょう。

自分にとって妥協できないほどのデメリットだと感じるなら、転職はおすすめしません。イラストレーターに転職するデメリットを紹介するので参考にしてみてください。

業務内容やそれに伴う支払いトラブルが起こる可能性がある

特にフリーランスのイラストレーターは、受けた仕事の業務内容が不明確であったり、支払いトラブルが発生したりする可能性があります。イラストを制作して納品したにも関わらず、音信不通になったり、何らかの理由をつけて支払われなかったりといったケースが考えられます。このようなトラブルを防ぐためには、事前に契約内容を明確にし、法的対処ができるよう契約を結んでからイラスト制作に取り掛かるのがおすすめです。

流行を追う必要がある

イラストは流行の影響を受けやすい傾向があります。たとえば、使用するソフト・ツールが進化することで制作方法や人々のデザインセンスが変化します。流行の移り変わりはファッションなどに近い部分もあるでしょう。時代遅れのデザインにならないためには、流行を追い続け、世の中が求めるものをキャッチアップする必要があります。

イラストレーターの年収の相場

厚生労働省のjobtagによると、令和4年賃金構造基本統計調査をもとに算出されたイラストレーターの年収は466.7万円です。年齢別に見ると、10代のうちから年収が上がっていく傾向が見受けられ、60歳頃の年収637.9万円がピークです。

しかし、イラストレーターはスキルによっても大きく収入が異なる職種であり、上下の差が広いと予想できるでしょう。そのため、単純に平均年収だけ見て、自分がイラストレーターとしてどの程度の収入を得られるのか判断するのは、不適切といえます。

イラストレーターの求人例

イラストレーターの求人では、基本的に実務経験者が求められるケースが大半を占めています。しかし、何らかのイラスト制作の実績やスキルがあれば、実務経験を必須としていない企業もいくつかあります。また、イラストレーターの求人の多くは共通してPhotoshop®のスキルが求められます。

このように、求人情報から企業が求めるスキルの傾向や人物像を読み取るのも転職対策には有効です。レバテックキャリアに登録されている情報をもとにしたイラストレーターの求人例を紹介します。

求人例
【想定年収】
450~800万円

【業務内容】
スマートフォン向けゲームのグラフィック制作
・キャラクターのデザイン、イラスト制作
・キャラクターづくりに関わる企画提案
・イラストチームのディレクション業務
・外注/クオリティ管理

【求められるスキル・経験】
・キャラクターイラストの制作
・Photoshop®
・デジタルペイントアプリケーションを使用した2Dペイントの操作スキル

イラストレーターのキャリアパス

イラストレーターになるのは簡単ではありませんが、目指すなら将来のキャリアパスまでイメージした上で転職するのが望ましいでしょう。実際にはイラストレーターとしての腕を磨き続ける人や違う職種へとキャリアチェンジする人もいます。イラストレーターに転職した場合、その後どのようなキャリアパスがあるのかを紹介します。収入を上げる視点からも、キャリアパスを考えてみましょう。

フリーランスとして独立する

企業に所属するイラストレーターは成果をすべて自分のものにはできません。しかし、個人で受注できるほど人気が出ればフリーランスとして独立するイラストレーターもいます。個人活動となるため成果は自分のものであり、実績を積むほど単価を上げることも可能です。

最近ではクラウドソーシングサイトで仕事を請けたり、イラストを依頼したい企業と制作者を結ぶコミッションサイトに自身の作品を出品したりするイラストレーターもいます。企業のイラストレーターとして仕事を安定してこなせるようになったら、単価交渉ができ自分の采配で仕事ができる独立を視野に入れるのも良いでしょう。

グラフィックデザイナーやWebデザイナーを目指す

イラストレーターの受け持つイラスト分野以外の範囲も担当できるのがグラフィックデザイナーです。イラストレーターとしての仕事を続けながらグラフィックデザイナーとして全体デザインも受け持ち、Webデザイナーとしてコーディングなどの仕事もできると受注単価を上げられます。スキルを増やせば仕事の幅が広がりマルチに活躍できる人材として市場価値が高まるでしょう。

イラストレーターに関するよくある質問

イラストレーターは複数の類似職種があることから、正しい仕事内容を理解できていなかったり、違う職種と勘違いをしていたりする人が多くいます。また、寄せられる質問は「年収はどのくらいなのか」「どのようなキャリアパスがあるのか」など、転職に関わるものが多いようです。疑問の解決は転職を決断するための1歩となるため、ここで紹介する質問もぜひ参考にしてください。

Q1. イラストレーターの年収を教えてください

jobtagによると、イラストレーターの年収は466.7万円となっています。年功序列の傾向も見られますが、スキルが高く実績が評価されれば年齢に関係なく年収を上げていけるでしょう。また、フリーランスとして仕事が受注できれば、自分の裁量と実力次第で会社員の収入を上回る年収を得られます。

Q2. イラストレーターに繁忙期はありますか?

イラストレーターの繁忙期は、なんらかのイベントがあるタイミングです。具体的には年末の12月、年度末の3月、ボーナス期の6月、行楽期前の10月が挙げられます。人の動きが大きくなる長期休暇や注目が集まるイベントに合わせてイラスト制作の依頼が多くなり、仕事も忙しくなるでしょう。

Q3. イラストレーターに類似する職種はありますか?

イラストレーターに類似する職種として以下が挙げられます。

  • ・Webデザイナー

    ・キャラクターデザイナー

    ・グラフィックデザイナー

上記の職種はそれぞれ違いがありますが、デザインに関わるほかに業務上共通する部分もあります。また、1つのプロジェクトの中で互いに関わる場合もあるでしょう。

Q4. イラストレーターとして活躍できる年齢を教えてください

20代から40代までが活躍しやすい年齢です。これは、転職市場が求めるイラストレーターの年齢層が20代から40代に集中しているためと考えられます。また、イラストレーターは斬新な発想力や体力が求められる仕事でもあるため、若い人のほうが活躍しやすいといえます。

Q5. 30代からでもイラストレーターに転職できますか?

30代からでもイラストレーターへの転職を目指せます。まずは、転職のために何をすべきかを理解し、自分に合った勉強法で効率的にスキルを習得する必要があるでしょう。また、採用担当者の目を引くポートフォリオを作成し、効果的にアピールできれば年齢に関係なく、転職の成功率が高まります。

まとめ

イラストレーターは、クライアントの指示に従ってイラストを制作する職種です。スキルを応用すれば、ゲームやアニメーションなど、さまざまな分野で活躍できます。

イラストレーターは、学歴や資格よりもポートフォリオで評価される傾向にあるため、専門学校や通信教育などを通してスキルを磨けば、未経験でも転職できる可能性があるといえます。転職時に特に重要なのが、ポートフォリオの提出です。

スキルを身につけたら実際に作品を作り、企業に対してアピールすると良いでしょう。提出が必須になっている場合もありますが、必須でない場合も提出したほうが評価アップに役立ちます。

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この記事の監修

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