未経験でAIエンジニアになるには?求人例や年収、資格やスキルも紹介

最終更新日:2024年7月19日

近年、AI技術の一般化、成熟が進み、各種のビジネスシーンでAI活用が当たり前の選択肢となりつつあります。DXの推進や新たなサービス形態の模索には欠かせない要素です。そのため、AIそのものやAIを活用したサービスの実装、AI活用のためのデータハンドリングなどを担う「AIエンジニア」の需要が高まっています。

本記事ではAI領域に興味を持つエンジニアに向けて、実務未経験からAIエンジニアになるための方法を解説します。AIエンジニアの仕事内容や収入例、将来性についても紹介しているので、今後のキャリア設計の一助となれれば幸いです。

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この記事のまとめ

  • AIエンジニアへの転職は未経験からでも可能だが、要求されるレベルは経験者と同様な場合が多く事前の準備が必要
  • 未経験にはプログラミング/エンジニア/業界/社会人など種類があり、それぞれの場合に合わせた対応が必要
  • AIエンジニアはプログラミングスキル以外に大学レベルの数学、機械学習理論など幅広い知識を要求される

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未経験からAIエンジニアへの転職は難易度は高いが可能

未経験からAIエンジニアへの転職は可能です。しかし、未経験といっても要求レベルは経験者と同様に求められるため、決して容易ではありません。AIエンジニアはプログラミングスキル、大学レベルの数学、機械学習理論など幅広い知識を要求されます。

また、AIエンジニアは上記の知識だけでなく高い問題解決力や創造性も要求されます。AIを構築する背景には課題解決を目的としているからです。

幅広い知識やスキルを要求されるAIエンジニアですが、逆説的に考えるとこれらを身につけると未経験からでも転職できる可能性があります。

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未経験からAIエンジニアになるには

未経験にはさまざまなパターンがあります。プログラミングをしたことがない方をはじめ、エンジニアとして働くのが初となる方、AIには触れたことがない方、IT業界が初めての方、社会人経験がない方などです。ここでは、以下4パターンで解説していきます。

・新卒者の場合

・第二新卒者の場合

・ITエンジニア経験者でAI関連業務が未経験の場合

・ITエンジニア経験がない場合

それぞれの場合を解説していきます。

新卒者の場合

新卒者であれば、ポテンシャルや適性次第ではあるものの「AIエンジニア候補」として採用される可能性は十分にあります。ただし、理系学部出身者が有利なことは覚えておきましょう。AIエンジニアの場合は、データサイエンスや機械学習の分野において数理統計学や大学レベルの数学の知識を問われます。したがって、こうした知識もしくは素養を持つ人材を重点的に採用する企業が多いです。

ただし、文系学部出身者にもチャンスがないわけではありません。文系学部出身者であっても、適性や志向が企業側とマッチしていれば、採用される可能性は十分にあります。また、自身の適性や知識が採用基準に満たないと感じる場合は、エンジニア養成スクールや専門学校でITや統計学の基礎を学びつつ就職活動することも視野に入れておきましょう。

第二新卒者の場合

社会人経験が3年未満かつ20代の第二新卒者は、新卒者とは異なる採用条件になります。前提として第二新卒者の場合でも、知識・スキルがゼロの状態から採用されることは稀です。ポテンシャル採用枠を設けている企業であっても、一定のエンジニア経験を持つ人材のみを対象にするケースがほとんどです。

したがって「1~3年程度のエンジニア経験と基礎的なプログラミングスキル・開発スキルなどを備えている」が最低条件となります。第二新卒者かつエンジニア経験がない状態からAIエンジニアを目指すのであれば、エンジニア養成スクールや独学で自己研鑽を積みつつ、中小規模の企業を中心に転職活動を行うという方法がおすすめです。

ITエンジニア経験者でAI関連業務が未経験の場合

新卒・第二新卒採用以外の一般的な中途採用です。すでにPython、C++、Rなどのスキル・開発実績があれば「機械学習に特化した開発スキル」を習得することで、AIエンジニアへの道が拓けてきます。

たとえば、数理モデルの実装(コーディング)スキルや機械学習用のライブラリを活用した開発スキルです。また、データサイエンスに関するスキル(データ分析、レポーティング、効果検証など)も同時に身につけておくと、評価の対象になるでしょう。

こうしたスキルが揃った段階で、まずは「機械学習エンジニア」を目指し、さらに機械学習エンジニアとして1~3年程度の実務経験を積むと、AIエンジニア候補と見なされるようになります。

ITエンジニア経験がない場合

中途採用でITエンジニアとしての職務経験がないケースです。ITエンジニアの経験がない場合であっても、アナリストや研究職としての実務経験があれば、AIエンジニア候補と見なされる可能性があります。ただし、機械学習アルゴリズムの実装やデータ分析の過程で、エンジニアスキルが必要になるため、独学・スクールの活用などを通してエンジニアスキルを磨いておきたいところです。

まず、AI関連事業を展開する企業へ「アナリスト業務」や「データサイエンス業務」を担う人材として転職し、エンジニアスキルを磨きつつAIエンジニアを目指す方法が現実的といえるでしょう。エンジニアスキルは、習得までに半年~1年程度の時間を要するため、転職活動の前に準備を進めておきたいところです。

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AIエンジニアとは

AI(Artificial Intelligence、人工知能)は「人の知的活動をコンピュータによって人工的に再現」する技術です。過去のデータなどを参考に判断の正確性を高め、知的なふるまいを実現します。機械学習やディープラーニングもAIの一分野です。

AIエンジニアは、AIを用いて各種の課題を解決するエンジニア職種です。AIが物事を考える仕組みであるアルゴリズムの研究・開発、AIを活用したアプリケーション・サービスの開発、AIが正しい判断を下すためのデータの収集や活用など業務領域は広範に渡ります。

関連記事: AIエンジニアとは?仕事内容やなるために必要なスキル、年収を解説

AIエンジニアの仕事内容

AIエンジニアは対象業務により大きく2つに分かれます。「やりたい仕事ではなかった」とミスマッチを起こさないためにも、応募をする前にはどのような業務を行なうのかよく確認したほうが良いでしょう。

AIを用いてサービスを開発する

「どのように物事を判断するのか」というAIの基礎となるアルゴリズムの開発や、AIを活用したアプリケーション・サービスを開発する、いわゆるソフトウェア開発を行うAIエンジニアが一つ目の分類です。プログラミングなどを行うため、開発者寄りのAIエンジニアといえます。

AIデータ設計・構築・分析を行う

AIは何もないところから正解を導き出すのではなく、過去のデータなどの参考情報を繰り返しインプットして、最適解と思われる判断を導き出し、判断の精度を高めていきます。このプロセスの中で重要となるのが、継続的にデータを収集して、分析し、AIのインプットにするデータ基盤です。

このデータを扱う仕組みを作成することも、AIエンジニアの業務にあたります。業務内容からデータサイエンティスト寄りのAIエンジニアといえるでしょう。

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20代、30代、40代など年齢によっても目指しやすさは変わる

未経験からAIエンジニアを含むエンジニアを目指す場合、年齢によって難易度は変わってきます。同じ未経験であれば、若ければ若いほうが有利です。またIT業界でのキャリアがある場合も、同じスキルなら年齢が若いほうが良いとされています。

一定の経験がある20代は難易度低め、30代になると難易度が上がってくる、40代になるとかなり難しい、というイメージです。年齢が上がれば無条件で採用されるのは難しいので、たとえば個人でスキル習得して案件受託できるレベルにしてから企業への入社を目指すといった努力が必要でしょう。

20代でAIエンジニアを目指すポイント

20代は新しい知識の吸収力が高く、企業から見ればこれから長く勤めてもらえる可能性も高いという魅力があります。教育コストも回収しやすいなどの理由から転職市場では歓迎される年齢層です。

AIエンジニア未経験でも、ほかのプログラミング言語の経験や大学レベルの数学レベルを証明できれば転職しやすいでしょう。また、AI業界の盛り上がりから以前よりも挑戦しやすいです。さらにまだ学生の場合はインターンシップなどから挑戦するチャンスもあります。

30代でAIエンジニアを目指すポイント

30代でAIエンジニアを目指す方は、これまでの職務経験で培ったスキルを活かしましょう。コミュニケーション能力やプロジェクト管理経験は、AIプロジェクトでも高く評価されます。

また、AI関連の知識を独学などで身につけることも大切です。AI業界は変化の早いIT業界の中でも特に早いため、自己研鑽する意欲を積極的にアピールしていきましょう。経験と学習意欲を中心にアピールすることで、転職成功の確率が上がります。

40代でAIエンジニアを目指すポイント

40代でAIエンジニアを目指す方は、長年の経験で培ったドメイン知識や問題解決力、マネジメントスキルが重要です。ドメイン知識はAIモデル構築時に役立つケースが多く、若い方が深く理解するのは難しいからです。転職活動時はこれまでの経験をAI技術とどのように紐づけるかを重点的に考えましょう。

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未経験からのAIエンジニア転職の対策ポイント

未経験からAIエンジニアへ転職するには、年齢ごとの目指し方のポイントに加えて対策すべきポイントがあります。募集企業は年齢ごとのポイント以外も重視しているからです。ここからは、AIエンジニアへ転職する際のポイントを「履歴・職務経歴書の書き方」「面接対策」に分けて紹介します。転職経験の多い方も、今一度確認しておきましょう。

履歴書・職務経歴書の書き方

未経験者の場合、企業はこれまでの職務経験を通して得られたスキルや経験を、AIエンジニアの仕事にどのように活かせるのかを見極めようとしています。

そのため、履歴書や職務経歴書では、単に職務経験を羅列するのではなく、AIエンジニアに必要なスキルと紐付けながら具体的なエピソードを交えて記述することが重要です。また、業務外で身につけた統計の知見や機械学習の知見は必ず記載しましょう。

面接対策

未経験者の場合、面接ではAIエンジニアに対する熱意や学習意欲を効果的に伝えることが重要です。企業は、応募者がAIエンジニアとしてどのように成長していきたいのか、そのためにどのような努力を続けるのかを知りたいと考えています。具体的な学習計画やキャリアプランを伝えることで、AIエンジニアへの転職の本気度が伝わり、企業の心を動かすことに繋がるでしょう。

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AIエンジニアになるために必要な知識・スキル・経験

AIエンジニアになるために必要な知識・スキルについて、主な仕事内容別に解説します。AIエンジニアは、仕事内容によってデータサイエンティスト寄りエンジニア特化型という2つのタイプに分類できます。それぞれに異なる知識・スキル・経験が求められますが、共通して求められる内容もあるので、すべて確認しておきましょう。

共通して求められる知識・スキル

まずは、データサイエンティスト寄りとエンジニア特化型に共通して求められるスキルを解説します。どちらを目指す場合にも、まずはこれらの知識とスキルは身につけたほうが良いといえるでしょう。

プログラミングスキル

AIエンジニアにとって、プログラミングスキルは必須です。どのような働き方をするにも、プログラミングスキルは土台になります。AIエンジニアは業務内容によってプログラミングすることがありますし、設計段階ではプログラミングのスキルが必要です。そのため、AIエンジニアにはプログラミングスキルは必須です。

SQLをはじめとするデータベースの構築・運用スキル

AIはデータベースと関連の深い技術です。AIはデータベースにある膨大なデータから自動的に判断します。そして、そのデータベースを操作する言語がSQLです。データベースのスキルはSQLのスキルといっても過言ではないので、SQLを書く練習をすると良いでしょう。構築、運用のためにはデータベースの全体像や仕組みを理解する必要があるので、合わせてその学習も必要です。

機械学習やディープラーニングに関する知識

機械学習やディープラーニングは、AIに内包される技術です。具体的には、AIの中に機械学習があって、さらにその中にディープラーニングがあります。AIの技術領域には機械学習やディープラーニング以外もありますが、まずは代表的な機械学習やディープラーニングを中心に学習するのが効率的です。

統計に関する知識

AIは統計に基づいて動いています。そのため、統計、微分積分、線形代数などの知識が重要です。AIのロジックを理解した上で設計を作り、設計に基づいてAIプログラミングします。

データサイエンティスト寄りのAIエンジニアの知識・スキル

データサイエンティスト寄りのAIエンジニアに求められる知識やスキルを紹介します。データサイエンティストと機械学習エンジニアの業務を兼任するタイプで、コンサルティング業務やアナリスト業務にも積極的に関与します。

データ分析・レポーティングスキル

SPSS、SAS、R、Pythonなどを用いたデータ分析・レポーティングのスキルです。また、分析結果やレポートを用いて、経営課題の解決につながるように提言するスキルも必要になります。

効果検証に関するスキル

効果検証のスキルとは「ある施策が成功・失敗した原因を、データから読み解くためのスキル」です。A/Bテストなど比較的メジャーな効果検証モデルを扱った経験や、効果検証モデル自体を考案・活用するスキルなどが必要となります。

エンジニア特化型のAIエンジニアのスキル・経験

エンジニア特化型のAIエンジニアは、機械学習アルゴリズムの開発・実装が主な仕事内容で、他分野のITエンジニアと同様に開発業務が中心です。そのため、要求されるスキルも開発に関連するスキルが多いです。詳しく確認していきましょう。

エンジニアの基礎スキル

エンジニア特化型のAIエンジニアの場合は、一般的なITエンジニアのスキル(システム設計・開発・実装・運用など)が必要です。また、単独で設計・開発・テスト・チューニング・リリースまでを担当した経験があれば、評価の対象になるでしょう。

AIに関連したコーディングスキル

「Python」「R」「C/C++」などは、AIや機械学習の開発・実装で頻繁に使われる開発言語です。ドキュメントでライブラリを調べながら、必要な機能を一人で実装できるレベルを目指していきましょう。また「scikit-learn」や「TensorFlow」など、機械学習向けのフレームワーク・ライブラリも必須スキルです。

概念実証モデル運用のスキル

概念実証とは、ある施策に対し技術的な観点から「実現可能性」や「効果・効用」を検証するプロセスです。一般的には「PoC検証」などとも呼ばれています。PoC検証のスキルは、経営層や部門長に対するアドバイザリー業務やコンサルティング業務の基礎となるため、ぜひ磨いておきたいところです。

パブリッククラウドの活用経験

現在、AIの開発・運用は、大半がクラウド環境で行われています。したがって、AWSやGCPといったメジャーなクラウド環境にも慣れておくべきでしょう。

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AIエンジニアに求められる資質

AIエンジニアは高度なスキルを幅広く要求されます。そのため、ほかのITエンジニアと比較して要求される素質が多いです。AIエンジニアに求められる資質として、以下のようなものが挙げられます。

  • ・論理的思考力(ロジカルシンキング)

    ・探究心

    ・行動力

    ・新しい技術への興味/関心

    ・データや数式などへの興味/関心

それぞれ解説していきます。

論理的思考力

AIエンジニアを含むエンジニアは、論理的に思考する必要があります。人と人とのコミュニケーションにも論理的思考力は必要ですが、人間の場合はある程度ニュアンスで汲み取ることが可能です。

しかし、コンピュータはすべて指示通りにしか動かないので、矛盾が許されません。そのため、プログラミングというコンピュータへの指示文は正確に書く必要があります。当然、付随する設計なども論理的であることが求められます。

探究心

技術の世界は変化が激しいです。AIはその中でも最新技術なので、今後より一層進化していくでしょう。技術の進化に対して興味を持って情報をインプットし、定着させた情報をアウトプットしていく必要があります。この工程を楽しめるかどうかで成果が変わってくるので、最新技術に対する探究心が欠かせません。

行動力

得た知識は、実際に活用しなくては意味がありません。言い換えると、インプットだけでなくアウトプットが重要ということです。IT業界には、知識コレクターやノウハウコレクターと呼ばれる人が一定数存在します。技術に関心があって調べはするものの、実際に手を動かしてアウトプットはしない人です。しかしAIエンジニアはインプットしたものをアウトプットして形にする必要があるので、行動力を持って能動的に取り組むことが重要になります。

新しい技術への興味・関心

AIやそのほかの技術への興味・関心も重要です。仕事として仕方なく情報収集している人と、興味・関心から情報収集している人とでは成果が変わってきます。行動量はもちろん、興味・関心があったほうが頭にも入りやすいでしょう。ただし、インプットして終わりではなく、アウトプットも重要です。

データや数式などへの興味・関心

プログラミングは数学が苦手でも問題ないといった話を耳にしたことがある人もいるでしょう。実際プログラミング自体は英語を土台に文章で命令を記述するものなので、数学と直接的な関係はありません。

しかし、AIの場合は設計の段階で数学や統計学の考え方が必要になります。AIのロジックは数学や統計学に基づいているからです。プログラミングの記述自体に数学は不要ですが、AIの設計で必要になるので、データや数式に興味・関心がある人でないとAIエンジニアは務まらないでしょう。

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AIエンジニアへの転職で役立つ資格

AIエンジニアになるのに資格は求められません。しかし、転職するうえで資格を持っているとアピール材料になり、業務に従事する際にも役立てられます。ここでは、AIエンジニアへの転職で役立つ資格として、ITエンジニアとしての基礎的スキルを示す資格、AI関連のスキルを示す資格を紹介します。

関連記事:AI関連の資格おすすめ15選!取得のメリットや勉強方法も解説します

情報処理技術者試験

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により運営され、経済産業省が認定する国家資格試験が情報処理技術者試験です。その中の試験カテゴリとして、基本情報技術者試験応用情報技術者試験があります。

基本情報技術者試験はエンジニアとしてエントリーレベルのスキル、応用情報技術者試験は一般レベルのスキルを示す資格です。AIに特化したものではなく、ITエンジニアとしての幅広い知見とスキル保有を裏付けることが可能です。AIエンジニアへの転職では、ITの基礎分野に関するスキルをアピールできます。

AIエンジニアはほかのITエンジニアと比較しても高いスキルが要求されます。そのため、応用情報技術者試験を取得後には、データベーススペシャリスト試験ITストラテジスト試験など自身が取り組みたい業務と重なる高度技術者試験にも挑戦しましょう。

G検定・E資格

G検定E資格は一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)の運営するAIエンジニア向けの資格試験です。

G検定のGは「ジェネラリスト」を意味しており、AIの全般的な知識を持つことを認定します。AIをビジネスに活用する立場の人に向けた資格です。ディープラーニングの基礎知識、事業活用するための知識とスキルが問われます。AI全般に関する基礎的な知識・スキルを有している証明になりますが、AIを実装できる手前の基礎知識までです。

E資格のEは「エンジニア」を意味しており、AIエンジニアをターゲットとしています。G検定の出題範囲の知識に加えて、実際にAIを実装する能力までが必要です。ディープラーニングの理論を理解し、現場で実際の事業に活用する知識・スキルを有しているかを検定します。AIに関する知識・スキルに加え、事業への活用、実装など実務能力まで問われる資格です。AIエンジニアとして活躍可能なスキルを有する人材であることを示せます。AIエンジニアを目指す方は、E検定を目指しましょう。

Python3エンジニア認定試験・データ分析試験

Pythonエンジニア認定は一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会によって運営される資格試験です。

Python3エンジニア認定基礎試験はPythonエンジニアとしての基礎力を問う入門レベルにあたります。Python3エンジニア認定データ分析試験は基礎構文に加え、「データ分析」「数学」「ライブラリ(pandas)」など実践的なデータ分析に対する知識・スキルを対象としており、データサイエンティスト寄りのAIエンジニアにとってスキルの示せる有用な資格です。

いずれの試験もITSSスキル標準のレベル1にあたり、Pythonを使った開発、データ分析の基礎レベルの知識・スキルを示します。

画像処理エンジニア検定

画像処理エンジニア検定は公益財団法人画像情報教育振興協会が運営する資格試験です。AIの活用分野の1つである画像処理分野での設計、開発に向けた知識とスキルを検定します。ベーシック、エキスパートの2段階があります。

画像処理に特化したスキルの保有を示せるため、AIエンジニアでも画像処理と関係する領域では一定の評価につながります。

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未経験からAIエンジニアになるための学習方法

AI関連業務の経験がない場合は、独学で学んだりスクールを活用したりしながら、自身の弱点を補強していきましょう。どの方法も特徴やメリット・デメリットがはっきりしているため、自身の特性やライフスタイルに沿った勉強方法を選ぶことで、効率的に学習できます。具体的な学習方法の代表例は、次のとおりです。

独学

独学でスキルを磨く場合には、「書籍活用」「プログラミングサイトやコミュニティへの投稿」「独自のWebサービス・アプリ開発」などがおすすめです。ただし、AIエンジニアには、プログラミング以外の知識・スキル(機械学習自体の専門知識や数学・統計学・分析検証の方法論など)が求められるため、全てを独学で賄うのは難しい傾向があります。

また、プログラミングについても、初学者ほどエラーの解決に多大な時間を要し、挫折しがちです。したがって、独学をする場合でも最終的には何らかの方法でメンターを確保することをおすすめします。

独学のメリット・デメリット

独学だと自身の気になる分野を重点的に学習できる、無料または低予算でも学習できるのがメリットです。一方でプログラミングの挫折率は高い、参考としているものの情報が正しいか、古いものでないか判断が難しいといったデメリットもあります。

おすすめの書籍

AIエンジニアを目指している方におすすめの書籍は以下の5つです。


上から難易度の低い順に書籍を紹介しています。人工知能について右も左も分からない方はマンガ形式の書籍で全体像を学んでみると良いでしょう。

スクール活用

メンターを確保する方法として、最も手軽なのは「エンジニア養成スクール」を活用することです。特にエンジニア・アナリスト・研究職の経験がない場合は、「AIエンジニア養成コース」を提供するスクールの活用を検討するのが良いでしょう。エンジニア養成スクールは数ヶ月~1年程度の学習期間の中で、成果物の作成や転職サポートサービスなどを提供していることがあります。

スクールのメリット・デメリット

スクールを活用するメリットは、挫折しやすいプログラミング学習を最後までやり切りやすい点です。プログラミングの挫折率は高く、その中でもAI関連のプログラミングは難しいと評価されることが多い領域になります。高度な数学を理解しておかないと理解できない記述がたくさんあるからです。

一方でスクールを活用すると高額な費用が発生する、契約形態に合わせて学習ペースを調整する必要があるなどのデメリットがあります。

AIが学べるおすすめのスクール

AIが学べるスクールにはAidemyが挙げられます。Aidemyとは、AIに特化したプログラミングスクールです。自身の目的に合わせて7つの講座を選択し学習します。

また、条件を満たすと講座で教育訓練給付制度(専門実践教育訓練)を利用できます。最大で70%分の費用を支給されるので、受講を検討している方は確認してみると良いでしょう。

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AIエンジニアの平均年収

AIエンジニアに限定した年収に関する公的な統計調査は存在しません。しかし、経済産業省が令和3年に発表した我が国におけるIT人材の動向によれば、AIエンジニアも含まれる「先端IT従事者」の最も多い年収区分は1,000万~1,500万円と、高い水準となっています。

これは一般的なITエンジニアに比べても高い水準であり、高い技術を持つAIエンジニアの需要の高さが伺えます。

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AIエンジニアの求人例

厚生労働省の運営している職業情報提供サイト jobtagによると、AIエンジニアの平均年収は558万円です。また、2024年6月時点でレバテックキャリアに掲載されているAIエンジニア案件の最新30件を抽出し、年収の上限と下限の平均値を基に平均年収を算出したところ約667万円でした。

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審査企業のAIエンジニア求人

審査企業に求められるAIエンジニアの求人実例は以下の通りです。

【想定年収】
720~800万円

【働き方】
一部リモート

【主な業務内容】
・AIシステムのシステムアーキテクト、保守運用業務(オンプレ環境、Azure環境)
・データサイエンティストと協業し、AIモデルの開発業務(機械学習やDeep Learning)
・ビジネス部門やシステム部門との折衝 他

【求められる知識・経験】
<経験>
・サーバーサイドエンジニアとして、2年以上システム開発のご経験をお持ちの方
・AIシステムのシステムアーキテクトにご興味をお持ちの方
<学歴>
・大学、大学院
<マインド>
・特になし

教育企業のAIエンジニア求人

教育企業に求められるAIエンジニアの求人実例は以下の通りです。

【想定年収】
500~1,000万円

【働き方】
一部リモート

【主な業務内容】
・教育データ活用サービスの開発や、ビジネス開発
・数理統計や機械学習、深層学習等を用いた分析、数理モデル設計業務
・PythonやR、SQLなどのプログラミング言語を用いた分析フローや数理モデルの実装(データの前処理や後処理含む)
・上記の類似の技術を使い、教育データの活用を実施
・画像や音声を用いて授業や子どもたちの非認知能力の可視化
・MEXCBTやドリル、学力テストや自己評価アンケートなどの教育データのデータ分析、AIモデル開発による技術開発支援と価値創造

【求められる知識・経験】
<経験・スキル>
・データ分析プロジェクトの業務経験(1年以上)
※切り分けられた作業をこなすだけではなく、自身で課題を発見しロジックを組んだりという主体的な業務の経験を求めます
・基本的なビジネススキルやコミュニケーション能力
<学歴補足>
・大卒以上
<求める人物像>
・常に「顧客の嬉しさ」を追求し、サービスを通じて世の中を変えたいという熱量を持っている方
・部下だけでなく、上司、チームメンバー、他部署を巻き込みながら、指示を待たずに主体的にスピード感をもって動ける方
・新規サービス開発に必要なスキル習得に前向きに取り組んでもらえる方

関連記事:AIエンジニアの年収を年代・業務内容・業務形態別に紹介します

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AIエンジニアの将来性

日本国内ではDX推進人材の不足が企業運営上の課題とされており、その中でも重要視されているのが高いスキルを持つDX推進人材の不足です。IPAにより発表されたDX白書2023にて、回答企業の80%以上が、DX推進人材について質・量ともに不足を感じていると回答しています。

このアンケートにおけるDX推進人材にはAIエンジニアも含まれています。まさにAIエンジニアは今必要とされている人材なのは間違いないといえるでしょう。

今や私たちの生活のすぐそばで、AIは活用されるフェーズに至っています。AIによる言語からの画像生成サービスが話題となり、あらゆるWebサイトやSNSで表示される広告の選択にもAIによる最適化が利用されるなど、事例は枚挙にいとまがありません。AI技術の普及がこれからも進むことが予測されるため、AIエンジニアの将来性が高いことは疑いようのないところです。

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AIエンジニアからのキャリアパス

AIエンジニアに転職した後のキャリアパスが気になる方も多いでしょう。AIエンジニアからのキャリアパスには複数の選択肢があります。代表的なものとして、以下について解説します。

  • ・スペシャリスト

    ・機械学習エンジニア/データサイエンティスト

    ・研究者

    ・ディレクター/プロジェクトマネージャー

スペシャリスト

AIエンジニアとしてスキルを磨き、そのままスペシャリストになる道もあります。スペシャリストという名称というよりは、AIエンジニアとしてそのまま技術領域のスキルを高めていくイメージです。

機械学習エンジニア・データサイエンティスト

機械学習エンジニア・データサイエンティストは、AIのコア技術である機械学習や、データサイエンスのスキルを高めていくキャリアパスです。より技術を絞り込むことや、データベース側のスキルを高めることで機械学習エンジニア・データサイエンティストのキャリアパスを目指せます。

ただし機械学習エンジニア、データサイエンティスト、AIエンジニアにそれぞれ優劣はありません。キャリアアップではなく横並びの職種と考えると良いです。

研究者

AIでの開発ではなく、AIの研究に集中するキャリアパスもあります。AIは新しい技術分野なので、今後技術が発展していく可能性が高いです。そのため既存の技術を活用してシステムを作るだけでなく、技術そのものを研究する研究者にも需要があります。

ディレクター・プロジェクトマネージャー

AI開発のプロジェクトでディレクターやプロジェクトマネージャーを目指すキャリアパスもあります。ディレクターやプロジェクトマネージャーになるにはプロジェクトのことを理解している必要があり、またエンジニアのスケジュールや成果物を管理するために技術力も求められます。

AIエンジニアとしての経験があれば、ディレクターやプロジェクトマネージャーとして働く際に役立ちます。

関連記事:未経験でAIエンジニアになるには?必要なスキルや役立つ資格を紹介

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AIエンジニアに関するよくある質問

AIエンジニアに関するよくある質問とその回答を紹介します。AIエンジニアになるには多くの知識とスキルを習得する必要があります。目指している途中で将来性に不安を感じたりほかの職種が気になったりして方向転換をすることになると、学習内容は無駄にならないとはいえ、現職から転職するのに遠回りすることになりかねません。よくある質問を確認し、疑問を払拭した状態で転職活動に臨みましょう。

Q1. AIエンジニアに将来性はある?

経済産業省のIT人材需給に関する調査によると、2018年時点のAIエンジニアの需要は4万4,000人、2030年には24.3万人と算出されています。こちらのデータからも分かる通り、AIエンジニアの需要は今後ますます増えるでしょう。

Q2. AIの専門家になるにはどうしたら良い?

AIの専門家になるために必須の学歴や資格はありません。しかし、AIに特化した学科や専門学校で学ぶことで、就職しやすくなります。現時点ですでにエンジニアとして働いている方は、独学やスクールでAIに関するプラスアルファの知識を身につけると良いでしょう。

Q3. データサイエンティストとAIエンジニアの違いは?

AIエンジニアはAIの開発やAIを用いた開発を行う職種です。一方で、データサイエンティストはデータの分析や、データを活用した課題解決を行う職種です。AIエンジニアはAIをメインにしていますが、データサイエンティストのメインはデータです。AIはあくまでもツールという位置づけになります。

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まとめ

本記事では、未経験からAIエンジニアとして就職する方法について解説してきました。IT人材不足が深刻化している現在、未経験からでもAIエンジニアとして転職することは不可能ではありません。ただし、AIエンジニアはエンジニア職の中でも特に専門性が高く、高度な技術的知識を必要とする職種であることから、転職活動の際には事前の準備を入念に行うようにしましょう。

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