- サイバーセキュリティに関する資格11選と難易度
- サイバーセキュリティに関する資格の勉強方法
- サイバーセキュリティの資格を取得するメリット
- サイバーセキュリティに関する資格を選ぶ際のポイント
- サイバーセキュリティの資格に関するよくある質問
- まとめ
サイバーセキュリティに関する資格11選と難易度
サイバーセキュリティに関する資格は、国が認定する「国家資格」、社団法人や財団法人といった機関が認定している「公的資格」、民間企業が認定する「民間資格」の3つに分けられます。
本記事で紹介するサイバーセキュリティに関する資格は以下の11種類です。
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1. 情報処理安全確保支援士試験
2. 情報セキュリティマネジメント試験
3. SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
4. SPREAD情報セキュリティマイスター
5. 情報セキュリティ管理士認定試験
6. 公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
7. 個人情報保護士認定試験
8. AWS認定セキュリティ
9. シスコ技術者認定
10. (ISC)²資格
11. CompTIA Security+
以下では、それぞれの資格の特徴や難易度について紹介します。
関連記事:セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説
国家資格
まずは、国家資格に認定されているサイバーセキュリティ関連の資格を紹介します。国家資格とは、国の法律に基づいて認定されている資格であるため、一定の社会的地位が保証される信頼性の高い資格です。
ここでは、情報処理安全確保支援士試験と情報セキュリティマネジメント試験について解説します。
1. 情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティ領域では国内初となる国家資格です。近年のサイバー攻撃増加を受けて、サイバーセキュリティに携わるための専門知識と実践的なスキルを持つ人材の確保・育成を目的に制度化されました。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって実施される情報処理安全確保支援士試験に合格し、所定の登録を行うことで、「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」となります。
出題範囲は、情報セキュリティの技術や運用、開発管理、法的要求事項など幅広い分野にわたるのが特徴です。合格率は例年20%前後となっており、非常に難易度の高い試験であるため、取得することで高い評価を得られます。
情報処理安全確保支援士試験の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
情報処理安全 確保支援士試験 |
春期(4月) 秋期(10月) |
19.3% (令和6年度春期) |
7,500円 |
科目 | 出題形式 | 試験時間 | 問題数/解答数 |
---|---|---|---|
午前Ⅰ | 多肢選択式 (四肢択一) |
9:30~10:20 (50分) |
30問/30問 |
午前Ⅱ | 多肢選択式 (四肢択一) |
10:50~11:30 (40分) |
25問/25問 |
午後 | 記述式 | 12:30~15:00 (150分) |
2問/4問 |
2. 情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、主に企業などの組織において情報セキュリティの管理や運用を担う人材を認定する国家資格です。試験内容としては、情報システムの企画、開発、運用におけるセキュリティ確保の知識が問われます。
この資格は、業界・職種を問わず、個人情報を扱う業務に従事する人々にとって、取得しておくべき価値のあるものであり、セキュリティ関連資格のなかでも、入門レベルの資格とされています。
情報セキュリティマネジメント試験は例年4月と10月の2回実施されていましたが、令和5年度から随時試験が実施されるようになりました。
情報セキュリティマネジメント試験の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
情報セキュリティ マネジメント試験 |
随時実施 | 72.6% (令和5年度累計) |
7,500円 |
科目 | 出題形式 | 試験時間 | 問題数/解答数 |
---|---|---|---|
科目A | 多肢選択式 (四肢択一) |
120分 (2科目まとめて実施) |
60問/60問 |
科目B | 多肢選択式 |
公的資格
次に、公的機関が認定している資格について紹介します。公的機関とは公共のために業務を行う機関のことで、社団法人や財団法人などを指すことが多いです。
サイバーセキュリティに関する公的資格としては、SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定、SPREDAD情報セキュリティマイスター能力検定、情報セキュリティ管理士認定試験、公認情報セキュリティマネージャー、個人情報保護士認定試験などがあります。
ここでは5つの資格について詳しく紹介します。
3. SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定は、一般財団法人草の根サイバーセキュリティ推進協議会(Grafsec)が実施している公的資格です。SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定に合格し、一般会員としてGrafsecに入会することでサポーターに登録されます。
そもそもSPREAD情報セキュリティサポーターとは、インターネットを安全に利用できるようさまざまなアドバイスを提供する相談相手です。地域や組織内などのコミュニティにおいて、情報セキュリティの意識向上を図ったり、リテラシー向上にも貢献できたりします。
「セキュリティに関する水先案内人」として、地域のITサポートを提供するボランティアスタッフや、企業でITサポート業務に従事する人々が取得する資格です。ITの専門家である必要はなく、広範な人々が取得することができるため、その難易度は初級レベルといえるでしょう。
SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
SPREAD情報 セキュリティサポーター能力検定 |
年2回 | 非公開 | 3,300円 |
試験方式 | 出題形式 | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|
オンライン受験 | 四肢択一 | 50分 | 50問 | 70% |
4. SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定
SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定は、SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定と同じく一般財団法人草の根サイバーセキュリティ推進協議会(Grafsec)が実施しており、サポーター能力検定の上位資格です。マイスター能力検定を受験するためには、サポーター能力検定に合格し、Grafsecに入会する必要があります。
SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
SPREAD情報 セキュリティマイスター 能力検定 |
年2回 | 非公開 | 5,500円 |
試験方式 | 出題形式 | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|
オンライン受験 | 四肢択一 | 45分 | 30問 | 70% |
5. 情報セキュリティ管理士認定試験
情報セキュリティ管理士認定試験は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が運営する資格制度です。取得者は、サイバーセキュリティに通じた管理者・指導者としてふさわしい知見を保有しているものとみなされます。
試験内容としては、総論やコンピューターに関する一般的な知識、各種脅威への対策方法などが問われます。情報セキュリティに関する広範な知識が問われるため、サイバーセキュリティの意識を高めるためにはおすすめの資格です。
情報セキュリティ管理士認定試験の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
情報セキュリティ 管理士認定試験 |
年4回 | 42.3% (令和5年度平均) |
11,000円 |
試験方式 | 出題形式 | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|
オンライン受験 | 選択式 | 120分 | 非公開 | 70% |
会場受験 | マークシート | |||
CBT受験 | CBT方式 |
6. 公認情報セキュリティマネージャー(CISM)
公認情報セキュリティマネージャー(CISM)は、情報システムコントロール協会(ISACA)が提供している情報セキュリティのマネジメントに特化した国際的な資格です。主にセキュリティマネージャーやセキュリティ担当役職者、セキュリティコンサルタントを対象にしています。
また、試験に合格しただけではCISMの認定を受けることはできません。CISMの認定には、ISACAが定める職業倫理規定を遵守し、5年以上の実務経験が必要となります。そのため、セキュリティ管理の経験者でスキルアップを目指す方におすすめの資格です。
公認情報セキュリティマネージャー(CISM)の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
公認情報 セキュリティ マネージャー |
年4回 | 42.3% (令和5年度平均) |
ISACA会員 $575 非会員 $760 |
試験方式 | 出題形式 | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|
オンライン受験 | 四肢択一 | 4時間 | 150問 | 450点/800点 |
会場受験 |
7. 個人情報保護士認定試験
個人情報保護士認定試験は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が開催する試験です。IT系の資格というよりは、法律系の資格として区分されることが多いです。
試験問題は、個人情報保護の総論(課題Ⅰ)と個人情報保護の対策と情報セキュリティ(課題Ⅱ)の、大きく2つに分けられます。試験項目が個人情報保護に特化していることから、ほかの法律系資格と比べれば難易度は低めといえます。この試験は、業種を問わず個人情報を扱う方におすすめの試験です。
個人情報保護士認定試験の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
個人情報保護士 認定試験 |
年4回 | 41.5% (過去平均) |
11,000円 |
試験方式 | 出題形式 | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|
オンライン受験 | 選択式 | 120分 (2教科まとめて実施) |
課題Ⅰ:50問 課題Ⅱ:50問 |
課題Ⅰ、Ⅱ 各70%以上 |
会場受験 | マークシート | |||
CBT受験 | CBT方式 |
民間資格
次に、サイバーセキュリティに関連する民間資格を紹介します。民間企業が運営している資格だからといってレベルが低いわけではありません。自分が担当するシステムが利用している製品の資格を取得することで、現場ですぐに活用できる知識が身につくためおすすめです。
ここではAWS認定セキュリティ、シスコ技術者認定、ISC2資格、CompTIA Security+について解説していきます。
8. AWS認定セキュリティ
AWS認定セキュリティは、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスであるAWS(Amazon Web Services)のシステムを安全に運用するための知識を問う試験です。セキュリティやアクセス管理、データ保護、インシデント対応など、AWSのセキュリティに関連する幅広い分野の知識が必要とされます。
実務経験がなくても受験可能ですが、2年以上のAWS実務経験者を対象としており、難易度は高めといえます。
AWS認定セキュリティの試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
AWS認定セキュリティ | 随時実施 | 非公開 | 40,000円 |
試験方式 | 出題形式 | 試験時間 | 問題数 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|
Pearson VUE テストセンター |
複数選択または複数応答 | 170分 | 65問 | 非公開 |
オンライン 監督付き試験 |
9. シスコ技術者認定
シスコ技術者認定は、米国のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が実施するベンダー試験です。サイバーセキュリティに関連する試験としては、エントリー向けの「CCST」やアソシエイト向けの「CCNA」、プロフェッショナル向けの「CCNP」、エキスパート向けの「CCIE」などがあります。
シスコ技術者認定は高い専門性を証明する資格であり、企業で情報セキュリティを専門に担うエンジニアから人気です。
シスコ技術者認定試験の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
シスコ技術者 認定試験 |
随時実施 | 非公開 | 17,600円~56,800円 |
10.ISC2資格
ISC2資格とは、米国の(ISC)² が実施している資格です。国際的に最も権威のあるセキュリティプロフェッショナルの認定資格とされており、難易度が非常に高いです。
資格はCC、CSSLP、SSCP、CCSP、CISSPに分類され、なかでもCISSPは情報セキュリティ分野におけるリーダーとしての証明に役立ちます。いずれの資格も、カントリーフリー、ベンダーフリーを掲げており、グローバルな活躍が求められるこれからの時代に即した専門的な資格といえるでしょう。
これから情報セキュリティの資格を取得する方は、まずはCCから目指してみるのがおすすめです。
ISC2資格の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
CC | 随時実施 | 非公開 | 199米ドル |
CSSLP | 599米ドル | ||
SSCP | 249米ドル | ||
CCSP | 599米ドル | ||
CISSP | 749米ドル |
11.CompTIA Security+
CompTIA Security+とは、CompTIAが実施する国際的に評価の高いセキュリティ資格です。試験内容としては、デバイスに対する攻撃や脅威、脆弱性に関する知識やセキュリティ設計、実装スキルなどが問われます。また、出題形式として、選択式の問題のほかにパフォーマンスベーステストを採用しています。シミュレーション環境で実際に対応できるかを問われるため、実務的なスキルが必要です。
CompTIA Security+の試験概要は以下のとおりです。
試験名 | 試験時期 | 合格率 | 受験費用 |
---|---|---|---|
CompTIA Security+ | 随時実施 | 非公開 | 一般価格52,192円 メンバー価格40,583円 |
試験方式 | 出題形式 | 試験時間 | 出題数 | 合格ライン |
---|---|---|---|---|
オンライン受験 | ・選択式 ・パフォーマンスベーステスト |
90分 | 最大90問 | 750点/900点 |
サイバーセキュリティに関する資格の勉強方法
サイバーセキュリティに関する資格試験に合格するためには勉強方法が重要です。国家資格から民間資格まで11個紹介してきましたが、それぞれの資格で効果的な勉強法は異なります。
資格試験の勉強を始める前に、まず試験範囲を確認しましょう。ほとんどの場合、試験公式サイトに表記されています。また、試験によっては認定テキストや過去問、試験に向けたオンライン授業などが案内されている場合もあるため、試験に臨む前に情報収集が必要です。
ここでは、今回紹介してきた資格試験について、それぞれの勉強法を詳しく解説します。
関連記事:セキュリティエンジニアになるための効果的な勉強方法
1. 情報処理安全確保支援士試験
IPA公式サイトに、情報処理安全確保支援士試験のシラバスが公開されています。このシラバスは、認定にあたって要求される知識およびスキルを明確に規定した資料です。
学習する目的、具体的な学習内容も記されているため、まずシラバスを確認してから試験勉強に取り掛かるのが良いでしょう。ただし記載内容は、適宜追加や変更、削除などが行われることがあるので、注意が必要です。
また、過去問題も公式サイトで配布されているため、問題の傾向をつかむためにも取り組んでおくことをおすすめします。
2. 情報セキュリティマネジメント試験
国家資格である情報セキュリティマネジメント試験は、試験対策の参考書が多数販売されています。まずは参考書を読んで理解してから、過去問題を解いていくのが効率的といえるでしょう。
情報処理安全確保支援士試験と同様にIPAの公式サイトで過去問題が公開されています。また、詳しい解説も含めた専門のサイトも数多く公開されているため、参考にしてみましょう。
情報セキュリティマネジメント試験は、参考書と過去問題を解いて綿密な試験対策を行っていれば、IT業界未経験者であっても合格が難しい試験ではありません。
3. SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定
Grafsecの公式サイトでは、出題範囲や勉強方法に関する質問に対して、「Grafsecが推奨する書籍を中心に、その時々の情報セキュリティの話題も含めて出題します」と記載されています。
そのため、SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定に合格するためには、公式テキストをもとにした勉強がおすすめです。内容を理解し、しっかりと頭に入っていれば決して難しい試験ではありません。
4. SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定
SPREAD情報セキュリティマイスター能力検定を受験するためには、SPREAD情報セキュリティサポーター能力検定に合格しておく必要があります。先にSPREAD情報セキュリティサポーター能力検定の勉強をしているので、そこに知識を上乗せする形で学習を進めます。
情報セキュリティマイスター能力検定もサポーター能力試験同様、試験勉強の推奨書籍が指定されているため、活用するのが良いでしょう。
5. 情報セキュリティ管理士認定試験
情報セキュリティ管理士認定試験は公式サイトで紹介されている公式テキスト、公式問題集を使った学習が効率的です。テキストと問題集を購入して問題を解けるようにしておけば合格が目指せるでしょう。
また、全日本情報学習振興協会が試験対策講座の動画を配信しているので、活用すると良いでしょう。
6. 公認情報セキュリティマネージャ(CISM)
公認情報セキュリティマネージャ(CISM)の勉強方法としては、ISACA米国本部の公式サイトで教科書と問題集が販売されています。日本語教材も販売されているため、活用すると良いでしょう。
また、CISM試験レビューコースという有料のオンライン講座もあります。申し込みが必要ですが、オンラインで公式の教材をもとに、解説をしてくれるコースです。独学に不安がある方は活用してみると良いでしょう。
7. 個人情報保護士認定試験
個人情報保護士認定試験には、一般財団法人全日本情報学習振興協会公認のテキストと問題集があります。独学する際はこれらの参考書を用いて勉強するのが一般的です。
また、公式で通信講座や講習会も用意されています。受講料はかかりますが、効果的な試験対策や学習方法の指導などを行っているため、活用することで効率的な学習が可能になるでしょう。
8. AWS認定セキュリティ
AWS認定セキュリティの勉強方法として、まず試験ガイドを確認することをおすすめします。試験ガイドには、試験内容が詳細に説明されています。対象となるサービスはもちろん、対象外のサービスまで記載されているため、確認することで試験範囲のみを無駄なく学習できるでしょう。
学習ツールとしては、公式サイトに練習問題や資料が用意されています。ただし、すべて無料で利用できるわけではなく、有料のサービスもあるため注意が必要です。どの教材を使用しても、しっかりやりこむことで合格に必要な知識が身につきます。
9. シスコ技術者認定
シスコ技術者認定はベンダー資格のなかでも知名度が高いため、試験対策用の専門書籍や過去問題集が数多く販売されています。ただし、ネットワーク機器の設定方法などが出題されるため、書籍や過去問題集を解くだけでは試験対策が不十分であることも多いです。
そのため、シスコ技術者認定の試験対策講義を実施する専門スクールに通う方法もあります。実機を使ったネットワーク機器の設定方法は自宅での学習が難しいものの、専門のスクールに通えば効率的にスキルを身につけられます。
10.ISC2資格
ISC2資格はCISSPやCCSPなどの資格ごとにトレーニングコースや公式ガイドブック、問題集が販売されており、それをもとに学習することで合格を目指せます。
基本的な勉強方法としては一般的なIT関連資格と同様で、トレーニングコースを一通り受講した後、公式問題集を繰り返し解いて理解を深めていくというものです。
たとえばCISSP用の公式問題集は1,000問以上の過去問題が収録されており、これを解いていくことで試験全体の傾向や有効な対策が見えてくるでしょう。ただし、公式問題集は電子書籍版しか販売されていないため、タブレット端末やスマートフォン、PCなどのデバイスが必要です。
11.CompTIA Security+
CompTIA Security+は公式サイトにテキスト、問題集などがあり、学習方法は豊富です。自分に合った方法を選択し、学習すると良いでしょう。また、ハンズオントレーニングツールCompTIA Labsもあります。活用して実践的なスキルも磨きましょう。
CompTIA Security+はそこまで難易度が高くなく、勉強時間の目安は50時間~100時間程度です。どの方法を選択しても、一定期間集中的に学習すれば合格できると考えられます。
サイバーセキュリティの資格を取得するメリット
サイバーセキュリティ関連の資格を取得するメリットを知っておくことで、資格取得や学習に対するモチベーションを維持できます。
職種や業種によっても細かい部分は異なりますが、多くの業界に共通するメリットとして「昇進・昇格がしやすい」「スキルの証明ができる」などがあります。
下記ではこれらのメリットをより詳しく紹介するので、資格取得を検討している方は参考にしてみてください。
昇進や昇格がしやすくなる
セキュリティ関連の専門的な資格を持っていると、その知見やスキルが評価されて社内での昇進や昇格につながりやすくなります。
IT分野とは関係のない会社だからといって資格を取得するメリットがないわけではありません。たとえば、情報セキュリティ部門の担当者が退職した場合、専門的な資格をもっている社員が後任として選ばれることもあるでしょう。もともとIT関連のエンジニアを志望していたものの、現在は異なる職種に就いている方も、資格を取得することによって本来希望していた部署や役職に異動できる可能性があります。
関連記事:セキュリティエンジニアの年収は?年収1000万を目指す方法も紹介
客観的にスキルの証明ができる
資格があれば客観的にスキルを証明できます。
書類や口頭でスキルをアピールすることは可能です。しかし、サイバーセキュリティのスキルはプログラミングスキルなどと比べるとポートフォリオを提出しにくいため、資格がないと明示するのが困難です。
資格さえあればほかのアピールがいらないというわけではありませんが、資格を保有していることで書類や口頭でアピールした内容の裏付けになります。
関連記事:セキュリティエンジニアに求められるプログラミングスキルとは
就職・転職で有利になりやすい
非IT分野の企業であってもさまざまなシステムが活用されており、情報セキュリティはあらゆる企業でニーズが高いです。そのため、サイバーセキュリティについて専門的な知識がある人材の価値は高く、就職や転職活動においても有利になりやすい傾向があります。
IT業界が未経験であっても、独学で難易度の高い資格を取得した実績があれば、その熱意ややる気が評価されることがあるでしょう。現在従事している業務や、志望する会社の業務に直接的に関係しないとしても、サイバーセキュリティ関連の資格を取得しておくことで有利に働く場合があります。
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フリーランスになった場合でもアピールしやすい
フリーランスで仕事をするにあたって、資格の保有は信頼度につながります。資格取得はもちろん必須ではありませんが、独立した後で安定した仕事を請け負うためには、客観的に評価できる資格やスキルを持っていたほうが良いでしょう。
過去に従事してきた業務やプロジェクトなど、実務経験をアピールする場合も多いですが、より客観的に評価できる材料としてサイバーセキュリティ関連の資格は極めて有効な存在です。
サイバーセキュリティに関する資格を選ぶ際のポイント
サイバーセキュリティ関連の資格取得を目指す際に、複数の資格から挑戦する資格を選ぶ必要があります。複数の資格取得を予定している場合も、優先順位をつける必要があるでしょう。
資格を選ぶ際のポイントとして、「実務で役立つか」「目的に合っているか」「レベル感はどうか」などを基準にすると良いです。以下では、これらの資格選びのポイントを詳しく解説します。
実務に役立つ資格を選ぶ
IT関連の仕事では、実務にいかに役立つかが重要です。言い換えれば、実務と関連性が薄い資格はあまり重要視されません。直接的に役立つスキルが身につく資格だとより良いですが、直接的でなくても間接的に知識が役立つような資格を選ぶ必要があります。
目的を明確にする
資格取得は手段であって目的ではありません。つまり資格取得という手段を通してどのような目的を実現したいのかを明確にする必要があります。たとえば、「資格取得を通して実務スキルを身につけたい」「就職を希望している企業で求められている資格を取得したい」といった目的が挙げられるでしょう。
資格を取得するだけで無条件に評価が上がって有利になるというわけではないので、目的を見据えて努力することが重要です。
段階的に挑戦する
難易度の高い資格を取得したほうが高度なスキルが身につき、企業からの評価も高い傾向があります。しかし、いきなり難易度の高い資格に挑戦すると、合格できずに挫折してしまう可能性が高いです。そのため、難易度の低い資格から段階的に挑戦していくのがおすすめです。難易度の低い資格で身についた知識が、より難易度の高い資格の勉強に役立つこともあります。
サイバーセキュリティの資格に関するよくある質問
サイバーセキュリティの資格取得を検討している方にとって、セキュリティの三大資格や最難関の資格、セキュリティエンジニアの年収相場などについて知りたい方が多いようです。ここではサイバーセキュリティの資格に関するよくある質問に答えていきます。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。
Q1. セキュリティの三大資格は何ですか?
(ISC)²の「CISSP」、ISACAの「CISA」、SANSの「GIAC」は世界的にセキュリティの三大資格として認知されています。アメリカ国防総省の情報に関わる職員や取引先には、これらの資格取得が義務付けられており、非常にレベルの高い資格です。
Q2. 情報セキュリティの最難関資格は何ですか?
国内で実施されている情報セキュリティに関する試験において、最難関といわれているのが情報処理安全確保支援士試験です。情報処理技術者向けの試験のなかでも、一番レベルの高いレベル4に位置しています。合格率も低く、令和6年度春期の合格率は19.3%でした。
Q3. セキュリティエンジニアの年収相場はいくらですか?
2024年9月時点のレバテックキャリアの求人を参考に、セキュリティエンジニアの年収相場を算出すると、およそ500万~895万円になります。掲載されている求人を見ると、年収1,000万円を超える求人も多く存在するため、スキルや経験を磨けば高年収が目指せるでしょう。
まとめ
この記事では、サイバーセキュリティ関連の資格取得を目指している方に向けて、おすすめの資格11選を紹介しました。サイバーセキュリティ関連の仕事をするのに資格が必須というわけではありませんが、資格を保有していることでスキルの客観的な証明につながります。また、IT業界でなくともサイバーセキュリティの知識は役立つため、資格を持っていて損はないでしょう。
さまざまなレベルの資格があるため、自身に合ったレベルの資格から挑戦していくのがおすすめです。資格取得をゴールにするのではなく、資格取得を通じてサイバーセキュリティのスキルを身につけることが重要です。
関連記事:セキュリティエンジニアの将来性は?やめとけといわれる理由も解説
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
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