ITコンサルタントに英語は必要?その理由と語学力を磨くメリット

最終更新日:2024年2月20日

ITコンサルタントはIT技術を用いて、企業の課題解決や業務効率化を実現する職種です。企業の経営戦略、IT戦略の起案レベルから携わる場合もあります。また、ITコンサルタントの業務上、顧客業務への深い理解とIT活用に関する知識が必要です。

しかし、それに加えてITコンサルタントには英語力も必要な場合があります。今日、グローバル企業とのビジネスは珍しくありません。ITの分野でも最新の技術に触れるには英語が必要となります。

本記事では、ITコンサルタントを目指す若手エンジニアに向けて、ITコンサルタントに英語が必要なケースや習得のメリット、勉強方法、役立つ資格について解説します。

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この記事のまとめ

  • ITコンサルタントに英語力は必須ではないが、グローバル案件や昇進基準には必要となる場合がある
  • ITコンサルタントが英語力を身につけるためには、基礎文法を理解し、IT関連書籍・Web、TOEICなどを積極的に利用することが有効
  • 英語面接の対策としては事前に挨拶や経歴などを英語で作文しておくことが有効。流暢さ以上にゆっくり丁寧に聞かれたことに答えることが大切

ITコンサルタントに英語力は必要か?

ITコンサルタントの仕事は、IT技術を用いて、企業の経営課題の解決や業務効率化を提案し実現化を行うことです。ITコンサルタントの仕事には、英語力が必須というわけではありません。しかし、ビジネスシーンのグローバル化が進むに連れて、ITコンサルタントにも英語力が必要な場面は今後増加する可能性も十分にあります。本章では、ITコンサルタントに英語が必要となるケースについて解説します。

関連記事:ITコンサルタントとは?仕事内容や必要なスキル・年収を紹介

ITコンサルタント全員に必須というわけではない

結論から言えば、すべてのITコンサルタントにとって英語が必須となるわけではありません。しかし、英語力を持つことで有利となる場合があるのは事実です。また、ITコンサルタントの仕事の根幹と関わるIT技術の面でも、英語力があることでプラスに働きます。英語力を身に着けることは、ITコンサルタントにとってポジティブな影響があるといえるでしょう。

関連記事:ITコンサルタントに必要なスキルを基礎・領域別に紹介

次のようなITコンサルタントは英語力があった方が良い

英語力が求められるITコンサルタントとしては、海外やグローバル企業の案件に携わるITコンサルタントやグローバルコンサルファームで働くITコンサルタント、金融機関向けのITコンサルタントなどがあります。

また、ITコンサルタントとして勤める企業の昇進基準に英語力があるケースもあります。さらに、管理職以上になると英語力が必要になることも多くあります。以下では、ITコンサルタントが英語力を身に着けたほうがよいケースを紹介します。

海外やグローバル企業の案件に携わるITコンサルタント

コンサルティングの相手となるクライアント企業が、海外企業や海外に渡って展開するグローバル企業である場合、英語力を活用する機会があります。海外企業ならば、担当者が外国人のこともありえるため、英語によるコミュニケーションが必要となります。英語が堪能であれば、クライアント企業との信頼関係を構築し、より良い提案やアドバイスを行なえます。

さらに、グローバル企業であれば、現地担当者との調整や問題解決をスムーズに行え、プロジェクトの成功につながります。したがって、海外やグローバル企業の案件に携わるITコンサルタントにとって、英語力は大きな武器となります。

グローバルコンサルファームで働くITコンサルタント

グローバルコンサルファームで働くITコンサルタントの場合、上司や同僚など所属するメンバーがグローバルな人材であることがほとんどです。そのため、周囲とのコミュニケーションは英語が用いられるケースが多くあります。クライアントも海外企業になることもあるため、クライアントとのコミュニケーションにも英語力が求められます。また、海外の資料を分析するためにも英語力が必須です。

金融機関向けのITコンサルタント

金融機関が主なクライアントのITコンサルタントにも、ネイティブレベルに匹敵する英語力が求められます。金融機関が取り扱う金融商品や為替などは、海外からの影響を受けるため必然的に英語が必要になります。また、国際的な金融ルールや金融検査マニュアルを理解するためにも英語力は欠かせません。さらに、海外の関係者とのコミュニケーションのためにも必須と言えます。

ITコンサルタントとして勤める企業の昇進基準に英語力がある

所属企業によっては、昇進基準に英語力を取り入れている場合があります。例えば、主任格になるためにはTOEIC®L&R TEST(テスト)でスコアXXX点以上の取得が義務付けられている、というような場合が考えられます。そういった企業では、業務上で英語の使用機会が多いため、英語力の獲得には二重のメリットが生まれます。

関連記事:ITコンサルタントになるには?役立つ資格や向いている人の特徴とは

管理職以上になると必要になることが多い

ITコンサルタントの日常的な業務では、メールや書類のやり取りは日本語であることがほとんどです。そのため、ハイレベルな英語力を習得していなくても、特に問題はないでしょう。ただし、管理職以上に昇進すると、事情は変わります。管理職では海外の関係者との会議などが増加するため、ビジネス上の議論ができるハイレベルな英語力が必要になります。

ITコンサルタントが英語の知識とスキルを身につけるメリット

ITコンサルタントが英語の知識とスキルを習得することは、多くのメリットをもたらします。まず、英語力があることで参加できるプロジェクトの幅が広がります。また、転職できる企業の幅も広がることでしょう。さらに、企業によっては高年収が得られる可能性も期待できます。そして、翻訳を待つことなく最新のIT情報に触れられることも大きなメリットです。以下では、ITコンサルタントが英語の知識とスキルを身につけるメリットについて解説します。

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ITコンサルタントにプログラミングスキルは必要?具体例から解説

参加できるプロジェクトの幅が広がる

英語ができることにより参加できるプロジェクトの幅が広がります。グローバル企業の海外展開案件、海外事業者向けの案件、海外企業の日本進出のための案件などを視野に入れることが可能です。世界にはまだまだIT技術の発展が進んでいない国も数多くあります。そういった国をターゲットとして、英語で提案を行えるようになれば、会社の成長を通じて自身のキャリアアップにも繋がります。

クラウドの活用により、インターネット上の基盤は国境を超えて作りやすくなりました。これに沿って現場の業務領域を広げる案件がこれから待っていると考えられます。

関連記事:ITコンサルタントの将来性とは?仕事内容や年収も紹介

転職できる企業の幅も広がる

ITコンサルタントとしてキャリアアップするために、転職を検討する方も少なくはありません。業務内容や待遇の面などで自分自身が望む環境を探すには、できるだけ選択肢が多いほうが転職しやすくなります。転職する際に英語力があれば、外資系コンサルティングファームやグローバル企業など、転職先の選択肢の幅が広がります

関連記事:ITコンサルタントのキャリアパスとは?キャリアプラン・キャリアアップの具体例

企業によっては高年収が得られる可能性がある

企業によって違いますが、英語の知識、スキルが評価基準のひとつとなる場合があります。特に戦略系のコンサルティングとなる場合には、グローバルな視野から企業の課題解決を行うことが求められます。

そのため、クライアント企業が海外展開をしている場合や、世界的な競争環境の中で戦略的な判断を下す場合には、英語を使ったコミュニケーションが欠かせません。このような企業の場合は、英語力が高年収につながる可能性が十分にあります。

関連記事:ITコンサルタントの年収が高い理由や転職活動のポイントを徹底解説

翻訳を待つことなく最新のIT情報に触れられる

IT技術の最先端は英語圏で生まれています。インターネットの普及により技術情報に触れるタイミングは世界中であまり差異が無くなりましたが、それでも最新の情報は翻訳されていないことがほとんどです。翻訳されるまで待っていては、技術の鮮度が落ちてしまい、価値が下がってしまいます。

ITコンサルタントには、最新の技術動向に精通し、他社が取り入れていない技術を提案することが求められる場合があります。この観点からも、英語で記載された最新技術に関する情報を読み解ける英語力が必要です。

ITコンサルタントが英語力を磨くのに効果的な勉強方法

ITコンサルタントが英語力を磨くためには、さまざまな勉強方法が存在します。効果的な英語の勉強方法としては、基礎文法への理解を深めつつ、語彙を増やしていくことがおすすめです。また、ITに関する書籍やWebサイトを積極的に読むことも英語力を磨くためには有効な手段と言えます。

さらに、海外ドラマや映画で日常会話のリスニング力を高める勉強方法も役立ちます。以下では、ITコンサルタントが英語力を磨くのに効果的な勉強方法について解説します。

基礎文法への理解を深めつつ、語彙を増やしていく

英語力を磨くためには、英語の基礎文法への理解を深めましょう。基礎文法を身に着ければ、その後の学習が進めやすくなります。また、英語のリーディングやリスニング、スピーキングには、一定の語彙力は必須です。そのためには、英語学習用の書籍やインターネット、アプリなどを活用して英単語の語彙を増やしていきましょう。

ITに関する書籍やWebサイトを積極的に読む

英語で記載されたITに関する書籍やWebサイトを積極的に読むことで、英語の読解力を高めましょう。ITに関連した単語や文章の作りに親しむことで、読解スピードが高まります。

特にWebサイトで英文を読むのがおすすめです。自動翻訳機能を利用することで、情報を補いながら学習でき、効率的にスキルを高めることができます。

海外ドラマや映画で日常会話のリスニング力を高める

読み書きに加えてリスニング力を高めるには、海外ドラマや映画、ネット上の動画等をみて、リスニングする機会を得ることが必要となります。ドラマや映画は聞き流しながらよく使うフレーズなどを拾うのに効果的です。また、内容に興味を持てるコンテンツを見ることで、学習の効率が高まるといわれています。

ネット上の動画視聴アプリを利用して、IT技術の解説やクラウドサービスの製品紹介等を見るのもおすすめの方法のひとつです。

IT技術として役立つ情報を得ながら、リスニングにも取り組めます。動画の場合は多数のユーザに向けて作られているためゆっくり喋っていることが多く、聞き取りやすいのもメリットです。さらには、動画アプリを利用することで、気になるところを繰り返し確認しやすいことも利点となります。

ITコンサルタントが英語力を磨くのに役立つ資格

ITコンサルタントに英語力が必ずしも必要でないのと同様に、英語の資格や試験を受けることも必須ではありません。しかし、資格の取得のための学習はモチベーションを持って体系的な学習を行うことができる機会となります。さらには、資格を保有することで転職時などにも有利に働くことが想定されます。本章では、ITコンサルタントが英語力を磨くのに役立つ資格を紹介します。

関連記事:ITコンサルタントの資格16選をスキル別に紹介します

TOEIC®L&R TEST(テスト)

TOEIC®L&R TEST(テスト)は「聞く」「読む」英語力を測る試験であり、公平公正に英語のコミュニケーション能力を評価する世界基準です。合格不合格はなく、スコアによってスキルを示す形式となっています。世界160ヵ国で実施されているグローバルスタンダードであり、ビジネスや日常会話で利用できるレベルの英語力を試すことができます。日本では、一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会により試験運営が行われています。

実用英語技能検定

実用英語技能検定は公益財団法人 日本英語検定協会により行われている英語力を示す資格です。通称は英検とも呼ばれます。国内で非常に知名度が高く、英語スキルを示す場合に有用です。試験の特徴として、筆記試験だけでなくスピーキングも含まれています。また、実用英語技能検定は、2025年度より準2級と2級との中間に位置する級を新設予定です。

IELTS

IELTS(アイエルツ)はInternational English Language Testing Systemの略称であり、海外留学や研修、海外移住申請、海外の学校の入学審査などに利用される英語力を示す試験です。ブリティッシュ・カウンシル、IDP:IELTS オーストラリア、ケンブリッジ大学英語検定機構が共同運営しており、国内では英検と同じ公益財団法人日本英語検定協会により実施運営されています。140ヵ国、10000以上の機関で認定されており、国際的に信頼されるグローバルスタンダードテストです。

英語を活かせるITコンサルタントの求人例

グローバル化に対応できるITコンサルタントを目指すために、英語を身につけたいと検討している方にとって、実際に英語を活かせるITコンサルタントの求人情報は気になる要素のひとつです。本章では、レバテックキャリアに掲載されている求人情報の中から、英語を活かせるITコンサルタントの求人例を紹介します。転職活動の判断材料として参考にしてください。

【業界】
IT・通信
メイン顧客は金融・証券業

【業務内容】
【システムコンサルタント】
テクノロジー領域のグローバルチームに参画し、企業におけるデジタルトランスフォーメーション案件において、最先端のテクノロジーを活用した業務・ビジネスの変革を推進するために、企画から変革実行・運用まで一貫した支援を行います。
高いIT開発専門性に基づき、IT戦略・ビジネスグランドデザインをシステム仕様へ落とし込み、スピーディに高品質なシステムを構築、定着化まで推進します。

【求められるスキル・経験】
・英語を用いたグローバルプロジェクトの実施経験(ITにかかわるプロジェクトが好ましい)
・英語/日本語 特に英語コミュニケーションは実務でのコミュニケーションが可能なこと
・システム導入・運用経験1年以上
・グローバルチームの一員として意欲的に仕事に取り組める方
・多様なカルチャーを尊重し、異なるバックグラウンドのメンバーと働くことを楽しめる方
・主体的に行動してプロジェクトを推進することができる方
・コミュニケーション力が高く、チームワークが得意な方
・成長意欲が高く、何事にも前向きにチャレンジできる方

【想定年収】
500~1,500万円

【勤務地】
東京都

ITコンサルタントの英語に関するよくある質問

英語を活かせるITコンサルタントへの転職を検討されている方にとって、ITコンサルタントの英語に関する質問は数多くあります。よくある質問のひとつは、ITコンサルタントに英語の能力が必要かどうかについてです。

また、ITコンサルタントが英語力を高めるための方法についての質問も多く寄せられます。さらに、英語での面接に、どのように対応すべきかについての質問も少なくはありません。他にも、ITコンサルタントを英語でどう呼ぶかという質問もあります。本章では、これらのITコンサルタントの英語に関するよくある質問について回答します。

Q1.ITコンサルタントは英語ができないといませんか?

英語力はできたほうがいいものの、必須ではないスキルと言えます。外資系のコンサルタントの場合、社内やクライアントなど関係者とのコミュニケーションを英語で行う必要がある場面が比較的多いことは確かです。

しかし、採用面接時には英語を必須としている企業は少なく、むしろこれまでの経験やスキルがマッチしているかどうかを重要視する傾向にあります。そのため、転職時点で英語ができるかどうかよりも、転職後に必要となった場合に英語を勉強する姿勢を持っておくことが大切です。

Q2.ITコンサルタントが英語力を高めるにはどうしたら良いですか?

英語力を高めるにはまず目標を設定し、設定した目標を達成するための勉強を習慣化し、英語を使う場面では相手にフィードバックをしてもらうことが重要です。

目標設定時には、なるべく具体的かつ期限を意識したものにすることで、モチベーションの維持につながります。英語は使わなければ身につきません。積極的に英語を使ってコミュニケーションをとり、相手に自分の英語がどうだったかフィードバックをしてもらうようにしましょう。

Q3.ITコンサルタントの英語面接の際はどう対応したら良いですか?

英語面接に向けた対応はいくつかの要素に分解して考えることがおすすめです。
まずは挨拶や経歴の説明を求められる場合が多いです。自己紹介や職務経歴を英語で作文し、スムーズに伝えることができるよう、事前に練習しておくと良いです。

また、英語に対して流暢でなければならないと思うがあまり、早口になって支離滅裂になってしまうことがありますが、これでは伝えたいことが伝わらず、本末転倒です。ゆっくり丁寧に回答をしていくことを心がけましょう。

関連記事:
ITコンサルタントからの転職|転職先例や面接のポイント
未経験からITコンサルタントになるには?書類選考・面接対策も解説

Q4.ITコンサルタントのことを英語でなんと言いますか?

ITコンサルタントは英語では、「an IT consultant」または「an information technology consultant」「a system consultant」と表現されていることが一般的です。

まとめ

本記事では、ITコンサルタントに英語が必要なケースや習得のメリット、勉強方法、役立つ資格について解説しました。ITコンサルタントにとって英語力は必ずしも必須ではありませんが、グローバル企業やプロジェクトに携わる場合や、昇進基準に英語力がある企業で勤める場合には必要になる場合があります。

英語力を身につけることで、参加できるプロジェクトの幅が広がったり、転職できる企業の幅が広がったり、高年収が得られる可能性があります。ぜひ資格取得や自己研鑽を通じて英語スキルを身につけてキャリアアップを目指してください。

関連記事:ITコンサルタントの志望動機の書き方|経歴や業界別の例文も紹介

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