システムエンジニアはやめとけといわれる理由とは?
システムエンジニアはなぜやめとけといわれているのか、その理由について解説します。
残業や休日出勤など長時間労働になりやすい
システムエンジニアは、プロジェクトの締切や顧客の要望に応えるために、時間外労働や休日出勤が必要になる場合がしばしばあります。その結果、労働時間が長くなりがちです。
また、IT業界では技術の進歩が速いため、勉強の時間を確保しなければなりません。そうなると、プライベートの時間が少なくなり、ワークライフバランスが崩れるといった状況に陥りやすいでしょう。
給料が上がりにくい環境がある
特に初心者や中堅のエンジニアでよく見られるのが、給料が上がりにくいという問題です。これは、下請け構造になっていることが原因です。
給料が上がりにくいことによって、モチベーションの低下や評価への不満につながることからシステムエンジニアはやめとけといわれています。
納期のプレッシャーが厳しい
納期のプレッシャーが厳しいと、自然と労働時間が長くなるだけではなく、精神的に負荷がかかってしまったり体調不良を起こしたりする可能性が考えられます。
納期が厳しくなる理由としては、仕様変更や工数が足りていないこと、人員不足などさまざまあります。
常に学習し続ける必要がある
システムエンジニアが扱うプログラミング言語やフレームワークなどの技術は日々進化を続けています。
近年ではAIを活用した新しい技術が次々と登場し、昨日まで使っていた知識がもう古くなっているということもあります。
そのため、システムエンジニアは常に学習し続ける必要があります。仕事終わりや休日を勉強に費やすことになり、プライベートの時間を削らなければいけないため、システムエンジニアが辛いと感じることもあるでしょう。
SESエンジニアや下請けSEは裁量権が低い
通常、元請けがプロジェクトを受注し業務を細分化したのちに、2次請けがさらに業務を細分化し、3次請けやそれ以下に割り振ります。
3次請け以下の下請け企業になると、割り振られた仕事を淡々とこなすだけとなり、裁量がほとんどありません。その結果、自発的にプロジェクトを進めるスキルが身に付きにくいという状況に陥る可能性があり、キャリアアップを志向するシステムエンジニアにとって、モチベーションの低下につながるでしょう。
ストレス過多になりやすい
厳しい納期や顧客の無理な要求、技術的な問題解決、不確定なプロジェクト要件に迅速に対応しなければならないことがあります。
これらによって、システムエンジニアは高いストレスにさらされる可能性があります。システムエンジニアは、開発だけでなく顧客とのやりとりも発生する職種であり、顧客側が現実的ではない予算や納期を提示してくることもあります。
受け入れ難い提案でもうまくコミュニケーションをとる必要があり、ストレスがかかるため、やめとけといわれる理由の1つとなっています。
キャリアアップしにくい
特に大きな組織や伝統的な企業において顕著なのが、キャリアアップしにくいということです。これは、IT業界特有の構造的な問題に起因しています。技術力の向上とともにプロジェクト管理やチームリーダーとしての能力が求められる場面が多いものの、能力に合ったポジションは限られています。
そのため、多くのシステムエンジニアがキャリアアップする機会をつかむことを難しく感じているといえるでしょう。
システムエンジニアとして成功するためのポイント
やめとけといわれている理由に対し、解決策を踏まえながら、システムエンジニアとして成功するためのポイントについて解説します。
業務効率化や業務の分担を検討する
残業時間を減らすためには、日頃の業務を効率化することが重要です。スケジュールに余裕があったとしても、作業スピードが遅ければ残業しなければいけない状況になることもあります。業務を円滑に進めるためのツールを導入したり、タスクに優先順位をつけたりすることで残業時間を減らしましょう。
また、システムエンジニアそれぞれの得意分野やスキルに合わせて業務を分担することも、労働時間を減らすために必要な取り組みです。
プロジェクトメンバーのスキルや専門分野の可視化や、メンバーごとに担当しているタスクを見えるようにしておけば、タスクの割り振りがスムーズになります。業務を分担することにより、プロジェクト全体の効率が上がり、労働時間の削減につながるでしょう。
評価制度がしっかり定められている企業選びをする
多重下請け構造になっているIT業界で給料を上げるためには、評価制度が細かく定められている企業を選ぶといいでしょう。
評価の基準がしっかりと定められている企業に就職すれば、評価項目を意識しながら日頃の業務を行い、年に数回の昇進面談などで給料を上げる交渉が期待できます。
やるべきことを洗い出し納期を相談する
無理なスケジュールを提示された場合は、顧客へ相談しましょう。または、プロジェクトにかかるコストを調査する期間をもらうのも1つの手です。
顧客としっかりコミュニケーションをとり適切な納期にしてもらうことで、残業の削減ができるだけでなく、品質のいいシステムを提供することにもつながります。
どのタスクを優先すべきか顧客とともに検討することも大切です。共通認識を持ち取り組むことで、後々発生するトラブルを防ぐことができます。
将来像をイメージし学習する技術を絞る
IT業界では常に技術が進歩しています。全ての技術を習得しようとするのではなく、自分がなりたい将来像をイメージし、学習すべき技術を絞ることによって、効率的な学習が可能になります。
また、スキマ時間を有効活用することも継続するためには重要です。
2次請け以上や自社開発の企業を選ぶ
仕事での裁量権を得るためには、2次請け以上のプロジェクトに参画するか自社開発の企業に転職することがおすすめです。
それ以外のプロジェクトでは 裁量権が限られることが多く、自らの技術的判断や創造性を存分に発揮できる機会は少ないでしょう。2次請け以上や自社開発であれば、ある程度裁量をもって業務を行えます。
システムエンジニアとして適性があるかどうか調べておく
学習意欲がない人や変化に対応することが苦手である人は、システムエンジニアに向いていないといわれています。
論理的思考力、忍耐力がある人やコミュニケーション能力が高い人がシステムエンジニアに向いているといわれます。まずは、システムエンジニアという職種に適性があるかどうかを調べておくことが大切です。
挑戦しやすい環境に身を置く
スキルをインプットまたはアウトプットしやすい環境で働くことは、キャリアアップへの近道になります。
主体的に学び、試すことによって成長できるので、常に新しい技術を取り入れ、それを試せる環境に身を置くことが重要です。
しかし、昔ながらのやり方を重視する保守的な企業があるのも現実です。キャリアアップするために最適な環境であるかどうか、転職前に調査することが必要でしょう。
システムエンジニアとしてのキャリアを選ぶ前に考慮すべきこと
システムエンジニアはやめとけといわれている理由やその解決策の他に、転職の際には重要な年収や必要スキル、資格について解説します。
年収
レバテックキャリアに掲載されているシステムエンジニア(アプリケーションエンジニア/サーバーサイドエンジニア/社内SE/ブリッジSEを含む)の平均年収は下記の通りです。
職種 | 平均年収 | 中央値 | 想定年収 |
---|---|---|---|
システムエンジニア | 638万円 | 650万円 | 300~1,200万円 |
システムエンジニアはスキルレベルが年収に大きく影響する職種であるため、これまでの経験や有しているスキルによって平均より高い年収を得られる可能性もあります。
関連記事:
SE(システムエンジニア)とは?仕事内容・年収・役立つ資格などをわかりやすく解説
システムエンジニア(SE)の平均年収は?1000万円を目指す方法も紹介
未経験であればまずはプログラマーを目指す
システムエンジニアはプログラマーの上位職種であるため、未経験であればまずはプログラマーとして開発経験を積むことが大切です。
要件定義や基本設計など、システム開発の上流工程を担当するためには、豊富な経験と知識が必要です。
そのため、未経験者がいきなりシステムエンジニアとして採用されることはほとんどないでしょう。システムエンジニアを目指すのであれば、プログラマーとして転職し、多くの経験を積んでからのキャリアアップがおすすめです。
関連記事:未経験でSEに転職するには?年代別の転職ポイントや年収などを解説
必要スキルや資格を身に付ける
システムエンジニアを目指すために、必要なスキルや資格について知っておきましょう。
システムエンジニアに必要なスキルは下記の通りです。
スキル | 概要 |
---|---|
プログラミングスキル | プログラミングに関する技術的スキルのこと。 プログラミングスキルがなければシステム エンジニアとして仕事ができない。TIOBE Index によるプログラミング言語人気ランキングでは、 1位Python、2位C++、3位Cという結果になっている。 |
論理的思考力 | 物事を筋道立てて整理しながら考えられる力 のこと。また、自分の考えを意見としてわか りやすく説明する際にも重要なスキル。 |
問題解決力 | システムエンジニアは問題解決の連続。 適切なヒアリングや提案を行い、最終的に システムに落とし込むのがシステムエンジニアの役割。 |
コミュニケーション能力 | システムエンジニアにとって対人スキルは重要。 クライアントとの折衝や開発チームメンバーと 接する際、一定レベルのコミュニケーション スキルがないと仕事に支障をきたしてしまう。 |
提案力 | プロジェクト内での問題解決を含め、より良い システムにするために提案を行うことがあるため、 必要なスキル。 |
ヒアリング能力 | システムエンジニアは、クライアントが解決 したい問題をヒアリングする必要がある。 クライアントのニーズに沿った適切なシステム 開発をするためにヒアリング能力が重要。 |
プロジェクト管理能力 | システムエンジニアは、システム開発の現場 において、複数のメンバーを束ねるリーダー的 な役割を果たすこともある。タイムマネジメントや スケジュール管理、開発メンバーやクライアント との調整などを行える力が必要。 |
また、転職を有利に進めるためには資格の取得がおすすめです。システムエンジニアに最適な資格はいくつかありますが、中でも下記の資格はおすすめです。
資格名 | 概要 |
---|---|
基本情報技術者試験 | IPA(情報処理推進機構)が実施しているITエンジニア向けの 国家試。システムエンジニアに必要不可欠な基礎的なIT知識を 試す問題が多く、未経験からシステムエンジニアを目指すのに おすすめの資格。 |
Linux技術者認定(LinuC) | サーバーエンジニアやインフラエンジニアにおすすめの資格。 サーバー向けOSのLinuxに関する知識を試されるベンダー試。 DX時代のエンジニアに求められるシステム構築のスキルが証明できる。 |
シスコ技術者認定 | ネットワーク機器大手のシスコシステムズが実施している ベンダー資格。ネットワークやサーバー、インフラを構築する システムエンジニアにとって、Linux技術者認定と並んで メジャーな資格の1つ。 |
情報収集を習慣付ける
システムエンジニアとしてのキャリアを目指すためには、情報収集の習慣を付けることが重要です。
IT技術の進歩や業界のトレンドの移り変わりは速く、プロジェクトで取り入れられる技術もいつ変わるかわからないためです。
日頃から最新情報やトレンドをつかむ必要があり、この習慣は、キャリアが実現した後も、業界動向の変化に影響されずに活躍し続けるために活きてくるでしょう。情報収集するためにおすすめなのは下記のサイトです。
サイト名 | 概要 |
---|---|
ITmedia | ITの最新情報を取り扱うWebサイト。国内だけでなく海外のIT情報も まとめて掲載されているのが魅力的なポイント。いくつかのテーマに 沿ってブログ形式でコラムが掲載されており、テーマによっては玄人 向けに深く掘り下げられているものもある。 |
@IT | ITエキスパートのための問題解決メディア。IT技術者向けの内容には 難易度の高いものも多数含まれており、レベルの高いエンジニアに 必要な情報がたくさんある。現場のエンジニアとしても管理者としても 成長できる内容がまとめられている。 |
TechCrunch | IT系のベンチャー企業やWeb技術に関する情報を発信しているメディア。 英語での情報発信となっている点には注意。一流のエンジニアを目指す ためには知っておきたい情報が多々ある。 |
Qiita | 日本最大級のプログラマーコミュニティサイト。エンジニア個人が好きな 内容の知識を記録したり公開したりできる。一流エンジニアに近づくため のスキルが習得できる。 |
Google for Developers | Googleが提供するエンジニア向けのブログ。主に社内のプロジェクト情報 などが公開されており、一流エンジニアとして活躍するためのトレンドがわかる。 |
まとめ
システムエンジニアは、さまざまな理由からやめとけといわれています。しかし、解決策さえ考えられれば不安になる要素はなくなるでしょう。
システムエンジニアへの転職には、年収や必要スキルなどを含めた情報収集が欠かせません。おすすめのサイトを利用したり転職エージェントを利用したりすれば、求人を見ただけではわからない企業の内情がわかります。
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