- Webデザイナーの平均年収
- Webデザイナーに求められるスキル・知識
- Webデザイナーに必要なスキルを身につける方法
- Webデザイナーが年収1000万円を目指す方法
- Webデザイナーに関するよくある質問
- まとめ
Webデザイナーの平均年収
厚生労働省のjobtagによるとWebデザイナーの平均年収はおよそ480万円です。国税庁が発表する日本人の平均年収は461万円なので、平均的な給与だといえるでしょう。
Webデザイナーの年収は「低い」とイメージされがちですが、これは収入を重視する人や扶養する家族がいる人には「平均的な年収しか得られない」ために、ネガティブ視されていると考えられます。実際のWebデザイナーは多様な働き方が可能であり、働き方や身につけた実力・スキルによって年収アップも充分見込める職業です。
関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介
働き方の違いによる年収の差
WebデザインそのものはPCとインターネット環境があればできるため、Webデザイナーは多数の働き方が選べる職業です。働き方は企業に所属する場合と独立し個人で働く場合の2通りに分類でき、どう働くかによって年収には大きく差が出ます。会社勤めの場合と個人で仕事を請け負うフリーランスの場合とで年収がどの程度異なるのか、詳しく見ていきましょう。
会社勤めの場合
企業に所属する以上、その会社の評価制度の中で客観的な評価を受けるでしょう。企業にはチームリーダーやマネージャーといったポジションが社内で用意されていることが多く、スキルを着実に上げ評価制度や等級制度などで高評価を受けるなどステップを一歩ずつ踏めば、年収は安定して上げやすいといえます。
ただし、一定の段階までは年収アップが見込めるものの、会社が規定する年収には上限が設けられていることが多いです。さらに年収アップを希望する場合はキャリアアップが求められ、自分の描いたビジョンとは異なる仕事をせざるを得ないケースも珍しくありません。
フリーランスの場合
企業や組織に所属せず、個人で仕事を請け負う働き方をフリーランスと呼びます。会社の状況や規定に依存しない年収プランではなく、ダイレクトに市場からの評価が年収に反映されるのが特徴です。端的にいうと、「働いたら働いた分だけ報酬が得られる」のがフリーランスの年収です。
しかし、企業に属さないフリーランスは上位ポジションが用意されておらず、経理や営業といったデザイン制作以外の仕事も一人で行わなくてはなりません。企業所属のWebデザイナーに比べると仕事外に費やす時間が多く、案件が必ず獲得できるとは限らないため不安定な働き方といえます。
多くのWebデザイナーは企業で経験や実績を積み、実力をつけた上で独立します。フリーランスの働き方が合えば自分の采配で仕事を進められるため、年収アップが期待できるのも実情です。
ほかのWebクリエイター職・デザイナーとの平均年収比較
Webデザイナーが行うWebデザインとは、汎用的なスキルであり他職業にも活かしやすいです。この経験を活かして転職しやすい、他Webクリエイター職の年収を紹介します。
職種 | 平均年収 | 20代前半 | 30代前半 | 40代前半 | 50代前半 |
---|---|---|---|---|---|
アートディレクター | 579.8万円 | 約360万円 | 約504万円 | 約691万円 | 約628万円 |
Webディレクター | 579.8万円 | 約360万円 | 約504万円 | 約691万円 | 約628万円 |
SE(Webサイト開発) | 550.2万円 | 約334万円 | 約518万円 | 約625万円 | 約701万円 |
Webマーケティング | 630.3万円 | 約402万円 | 約574万円 | 約681万円 | 約738万円 |
グラフィックデザイナー | 480.6万円 | 約305万円 | 約432万円 | 約561万円 | 約564万円 |
イラストレーター | 466.7万円 | 約333万円 | 約446万円 | 約475万円 | 約630万円 |
広告デザイナー | 480.6万円 | 約305万円 | 約432万円 | 約561万円 | 約564万円 |
参考:厚生労働省 職業情報提供サイト jpbtag
関連記事:Webデザイナーのキャリアパス9選!必要なスキルも紹介します
アートディレクター
アートディレクターはブランドや広告をはじめ、制作物全般の企画進行といったクリエイティブを総括するポジションです。Webデザイナー経験者も多く、デザインセンスに加えてタスク管理などのマネジメントスキルが求められます。
Webディレクター
WebディレクターはWebサイト制作において企画・方針を決定し、実際の進行までを担います。Webデザイナーやエンジニア、ライターなどと連携することが多く、Webディレクターはこうした下流工程経験者も多いです。
SE(Webサイト開発)
Webサイト開発を行うシステムエンジニア(SE)は、Webデザイナーよりも具体的なWebサイト構築に携わり、運営保守も行うのが特徴です。SEはWebデザイナーよりもテクニカルな面があり、より複雑なプログラミング言語やデバッグ処理なども理解できると、Webデザイナーからの転職も可能になります。
関連記事:フロントエンドエンジニアとWebデザイナーの違い|多角的に比較
Webマーケティング
WebマーケティングはWebデザイナーにも必要なマーケティング能力を活用する仕事であり、Webサイト制作では市場調査からターゲット層の選定、PR方法などを提案します。全体の方向性を決定する上流工程を担当することから、平均年収は高めです。
グラフィックデザイナー
Webデザイナーが主にWebサイト周辺のデザインを担当するのに対し、グラフィックデザイナーは紙媒体や印刷物のデザインを担います。
Webデザイナーにもチラシ広告やパンフレットなどのグラフィックデザインの依頼がくることも多く、グラフィックデザイナーへの転向や兼任するデザイナーは多いです。
イラストレーター
イラストレーターは企業や個人から依頼を受け、目的に沿ったイラストを描く仕事を指します。アナログ、デジタル両方のイラストレーターが存在しますが、Webデザインとは違い平面のイラストから3CGなど「イラストに特化した職業」という特徴を持ちます。
広告デザイナー
広告デザイナーは媒体に関わらず広告全般のデザインを行い、Webデザイナーからの転向も多い職業です。仕事内容はWebデザインとグラフィックデザインの両方が含まれるため、Web業界に限らず活動分野を広げたいというデザイナーに向いています。
Webデザイナーに求められるスキル・知識
Webデザイナーは一般的に人数の多い職業で、Web業界が展開するにつれ人気も高まっている職種であり、現状は飽和気味であるといえるでしょう。そのため、Webデザイナーとして年収アップを期待するなら周りと差別化できるスキルや知識を身につける必要があります。
そこで、Webデザイナーに必要なスキルと知識をピックアップしました。
関連記事:Webデザイナーに必要なスキル・スキルマップとは
情報収集力
日々進化を続けるWeb業界ですが、IT業界全体から見てもその変動の激しさは特徴的で、情報のキャッチアップや新技術、トレンドリサーチなどはデザイナーとして欠かせません。
こうした新しい情報を取り入れる柔軟性に加えて、そもそも「知ることができる」「検索できる」という情報収集力が求められるのがWebデザイナーです。日ごろから情報をキャッチするアンテナを張り、幅広い情報を得られるスキルはWebデザインに役立てられます。
デザインツールに関する知識
Webデザイナーの主な仕事であるデザインは、画像編集ソフトであるPhotoshop®やロゴ制作に特化したIllustrator®などを使います。この2つのツールはほとんどのデザイナーが扱う代表的なもののため、最低限仕事で不自由なく使いこなせるスキルを身につけましょう。
単純に制作できるだけでなく、よりよい制作物を作るためにデザインの基礎知識や理論も欠かせません。汎用的なデザインの引き出しを複数持っておくと、業務に役立ちます。
UI・UXデザインのスキル・知識
UI/UXデザインとはWebデザインには欠かせない要素です。
-
・UI…ユーザーインターフェース、ユーザーとの接点でありサイトの見やすさなどを指す言葉
・UX…ユーザーエクスペリエンス、ユーザーが経験するものでありサイトの導線や内容を指す言葉
どちらもWebサイト制作におけるユーザーからの評価を得るポイントであり、UI/UXデザインセンスがあると周りと差別化する強みになります。
UI/UXデザインを磨くには、デザインそのものの理論を解説する教材や実際に有名なサイトを見て参考にするといった手段があります。日ごろから意識して身につけたいスキルです。
グラフィックデザインのスキル
Webデザイナーは主に画面上で表示されるWeb関連のデザインを担うため、紙媒体や印刷物のデザインをするグラフィックデザインの領域は従来必要ありませんでした。しかし、多様化する広告媒体の流れについていくためには、Webデザイナーがグラフィックデザインを担当する場面も多く見られます。
グラフィックデザインのスキルがあればさまざまな案件に携われるため、活動領域を広げる意味でも余裕があれば触れておきたいスキルです。
動画制作の知識・スキル
最近では動画を使用したWebサイトも増えており、動画はユーザーに分かりやすく短時間で魅力を伝える手段として活用されています。動画制作の分野はWebデザインとはまったく異なる環境であるため、Webデザインに加えて動画制作もできるデザイナーは重宝される傾向にあるでしょう。
必ずしも必要なスキルではありませんが、年収アップやデザインの幅を広げたい人は触れておくことをおすすめします。
プログラミングやコーディングスキル
プログラミングやコーディングはWebサイト制作に欠かせない作業です。プロジェクト規模や案件によってはWebデザイナーがサイト制作そのものに携わらないこともありますが、プログラミングやコーディングに関する知識があるとデザインに活かすことができます。
また、言語を扱うスキルがあるとエンジニアの担当分野への理解も深まり、やり取りがスムーズになるのがメリットです。スキルの幅を広げる意味でも、触れておくとよいでしょう。
関連記事:Webデザイナーの資格を難易度別に紹介!取得のメリットや勉強方法
Webマーケティングに関する知識・スキル
Webサイト制作において、マーケティング視点は大切な要素です。制作物に対して数字で表せる客観的な判断ができるため、デザインの質を高める意味でも役立ちます。
Webマーケティングに知見のあるデザイナーと、そうでないデザイナーでは周りからの評価も異なります。自分の制作物を客観視するためにも、SEOの基礎知識やGoogle アナリティクスなどの解析ツールの理解を身につけておくとよいでしょう。
Webデザイナーに必要なスキルを身につける方法
Webデザイナーが持っておきたいスキル、求められる技術や知識を紹介しましたが、どのように勉強するのかに悩む人も多いです。また、Webデザイナーに就職できたからといってキャッチアップを怠ると、トレンドや業界の流れに取り残されてしまうのもWeb業界の特徴です。
そこで、スキルを身につけるための方法を解説します。具体的なスキルアップの手段を見ていきましょう。
Webマーケティングに関する書籍や雑誌を読む
Webマーケティングとひと口にいっても、覚えることや知るべきことは広範囲に及びます。Webマーケティングは基礎知識を学べる関連書籍が豊富にあるため、これらの書籍で勉強するのがおすすめです。
ただし、Web業界とは変化の激しい側面があるため、書籍を参考にする場合は「最新の情報か」「信頼できる発信元か」の2点に気をつける必要があります。古い情報を避けるために発行日の近い書籍などを参考にし、常にトレンドをチェックするようにしましょう。
Webサイトの運用に携わる
Webデザインは突き詰めると、デザインにOKが出たらそこでサイト制作の前線からは離れてしまいます。ただし、Webサイトはデザインが終わったその後も変化を続けるものであるため、可能であれば運用に携わるとさまざまな学びが得られます。
アクセス数が伸びているか、狙ったターゲット層に届いているか、ECサイトなら売上にも制作物の評価は表れるでしょう。これらが分かる運用に一度触れておくと、さまざまなスキルが身につくだけでなくその後のWebサイト制作にも役立ちます。
なるべくクライアント先に同行する
Webデザイナーは会社勤めをするか独立するかの2通りの働き方があります。会社の制度に依存する年収に満足できない場合、独立を視野に入れるWebデザイナーも多いです。
この独立を考えたときに、企業に所属している間にクライアント先とコンタクトを取る機会があれば、Webサイトの企画や提案がどのように行われているかを直接知ることができます。クライアントは社外の人がほとんどであるため、コミュニケーションスキルの向上にもつながるでしょう。
Webデザイナーが年収1000万円を目指す方法
Webデザイナーの年収は統計上平均的です。しかし、案件によって報酬は大きく異なり、実力や経験が重視される業界であるため働き方や工夫次第で高年収を目指すこともできます。
具体的にどんな方法で仕事をすれば年収アップにつながるのか、Webデザイナーが年収1000万円を目指すために取りたい手法を紹介します。
経験を積んでデザインやスキルの幅を広げる
Webデザイナーに求められるスキルでも取り上げましたが、さまざまな案件で経験を積み動画やグラフィックデザインなどデザインの幅を広げるとより広範囲の仕事を受け持つことができます。単純な「できることの多さ」だけでなく、BtoBだけでなくBtoCも経験するなど得意分野を広げることで年収を高められます。
また、コーディングのスキルはWebデザイナーの基礎知識ですがJavaScriptやPHPなどの開発言語にも触れられるとエンジニアとも協業しやすく、幅広い案件の獲得が可能になるでしょう。今後のキャリア転向にも役立つため、デザインやスキルの幅を広げるのは年収アップのために大切な要素です。
年収アップを目指せる企業を選ぶ
企業に属するWebデザイナーの場合、会社によって年収の上限が設けられていることが多いです。ある程度のレンジに到達するとそれ以上は望めないため、より高年収を目指せる企業に転職するのもひとつの手段です。
キャリアを保ちながら転職を成功させるには、業界に特化した転職エージェントの利用がおすすめです。転職エージェントではキャリアアドバイスや志望動機や履歴書の添削、経験に合わせた未公開求人の閲覧などができるため、年収を増やす目的の転職に適しています。
関連記事:Webデザイナーの志望動機の書き方|書き方のポイントを例文つきで紹介
副業をする
最近では副業を認める企業も多く、会社に所属しながら個人でも案件を獲得し年収を増やすことができます。本業の収入をキープしたまま副業分だけを稼げるため、始めるハードルが低いのも嬉しいポイントです。
ただし会社によっては副業を認めていない、副業に関するルールを定めているところも少なくありません。副業ができるかどうかは必ず確認しましょう。また仕事を2つの軸で平行すると業務時間が長時間化するため、スケジュール管理や体調管理は必須です。
フリーランスとして独立する
フリーランスとして独立すると「働いたら働いた分だけ」稼げるため年収アップにつながります。会社に所属するといくら利益を上げても企業の定める給与だけしか得られませんが、実力次第でいくらでも稼げるのがフリーランスの特徴です。
自由な働き方と年収に上限のないフリーランスですが、一方で独立してすぐに軌道に乗るかというとそうではありません。多くのフリーランサーが独立直後は年収が減る傾向にあり、個人で働くには実力を身につけた上でどう働いていくかを計画する必要があります。
Webデザイナーに関するよくある質問
Webデザイナーに関する疑問には、「結局給料はどのくらいなのか」「向き不向きはあるか?」「将来的に続けられる仕事なのか」というものがよく見られます。ここからはよくある質問に答えます。
Q1.Webデザイナーの給料はどれくらいですか?
Webデザイナーの平均年収はおよそ480万円です。日本人の平均年収は461万円であり、このデータを見る限りでは平均的な給与だと考えられます。Webデザイナーに関連する職業の年収と比較すると低い分類に入るため、Webデザイナーの年収は一般的に「低い」と思われることも多いでしょう。
Q2.Webデザイナーに向いている人はどんな人ですか?
Webデザイナーはデザインが主な仕事のため、以下の特徴があると向いています。
-
・WebサイトやWebサービスに興味がある
・こだわりを持ちながらも柔軟に対応できる、クライアントの意向に沿うデザインができる
・コミュニケーション能力に優れている
Q3.Webデザイナーは一生続けられる仕事ですか?
Webデザイナーになるには年齢は関係なく、体力仕事でもないため何歳からでも始められます。またWebデザインは今後Web業界の発展により需要が高まると思えるため、仕事がなくならない将来性の高い職業という意味でも一生続けられる仕事です。
関連記事:Webデザイナーは将来性がない?後悔しないために知るべきこと
まとめ
「低い」と思われがちなWebデザイナーの平均年収ですが、実際には日本での平均といえ特別低いわけではありません。また、多様な働き方ができるWebデザイナーは、実力次第で年収アップが望める職業です。今Webデザイナーとして年収の限界を感じている人でも、本記事を参考に働き方を見直す、転職を検討するなどして年収を上げる手段を試してみてはいかがでしょうか。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
「個別相談会」に申し込む
転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。
レバテックキャリアのサービスについて