- ITストラテジストとは?
- ITストラテジストの仕事内容
- ITストラテジストの年収相場
- ITストラテジストに必要なスキル
- ITストラテジストのキャリアパス・転職先候補
- ITストラテジストの市場価値・将来性
- ITストラテジストの資格取得のメリット
- ITストラテジストの勉強方法
- ITストラテジストに関するよくある質問
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ITストラテジストとは?
ITストラテジストは、ITを活用して経営戦略を実現するための人材です。一般的にはITストラテジストと呼ばれるケースは少なく、該当するスキルを持つ職種として、CIO(最高情報責任者)、ITコンサルタント、情報システム部門長などが挙げられます。
本記事では、IPA(情報処理推進機構)の公式サイトに記載されているITストラテジスト試験の情報を参照して解説します。ITストラテジスト試験の難易度は高く、IT知識やプロジェクトマネジメントスキル、経営視点などが試験範囲に含まれます。事業企画、業務改革推進、情報化企画、製品・サービス企画などの業務において、ITを活用した基本戦略の策定・提案・推進を遂行するための知識や実践能力を求められるのが特徴です。
現行の試験制度では、春期(4月)に年1回開催されます。受験手数料は7,500円(税込)です(2023年10月現在)。合格者には経済産業大臣署名の合格証書が交付されます。
関連記事:ITストラテジストとは?試験内容や対策、転職時のキャリアを解説
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ITストラテジストの仕事内容
作業に起因する無駄を把握し、情報システムによって、その課題を解決するためのシステム化範囲や、要件定義の前提となる情報を収集します。課題の抽出を進めるために、現場の担当者や管理職に対してインタビューを実施する場合があります。ITに精通した技術者としての視点で、業務改善を目指すのがITストラテジストの特徴です。
業務にまつわる課題の抽出
ITストラテジストの仕事は、クライアント企業からの要請を受け、現状の評価とビジネス戦略上の問題を特定することから始まります。具体的には、現場のスタッフやマネージメント層との対話を通じて、企業内に存在する問題を明らかにすることが、ITストラテジストの役割です。
社内でITストラテジストの仕事を担当する場合、業務の全体像を把握し、効率的に作業を進めることが可能でしょう。しかし、フリーランスや外部企業からの要請を受ける立場の場合、業務内容を初めから理解する必要があります。このため、ITストラテジストには、ITに関する専門知識だけでなく、優れたコミュニケーションスキルや聞き手としての能力も求められます。
情報システム戦略の立案
外部の事業環境や、自社の製品・サービスに関連した技術動向を分析し、情報システム戦略を立案します。戦略を検討する際には、投資対効果を踏まえ、何をどの順番でシステム化するかという優先順位を決定するのが重要です。加えて、企業全体の情報システム戦略から、事業部門別の戦略へと詳細化する手続きも含まれます。そして、業務効率化やコスト削減といった経営上の成果を実現するために、経営層に検討内容を提案し、組織全体へと展開するよう働きかけます。
開発計画の作成・共有
IT戦略の承認を受けた後は、その実現に向けたシステム開発計画を策定し、関係者に展開します。通常は、戦略全体のフレームワークから技術基盤(アーキテクチャ)の選定までを検討し、明確にするまでがこの段階での仕事です。全体構造の設計が固まった後には、各具体的なシステム開発計画の策定を進めます。
この段階では、大まかな戦略の軸を基に、どのような技術基盤を使用し、どのようにシステムを構築するのかという基本構造を明確にし、それを現場のチームや関係者にわかりやすく伝えることが重要です。これによって、各チームが同じ目標に向かって効率的に作業を進めることができるようになり、プロジェクト全体の進行をサポートします。
また、各具体的なシステム開発計画では、どの部分を先に開発するか、どのようなリソースを割り当てるかといった具体的な実行計画を作成し、それぞれのタスクの優先順位やリソースの配分を明確にします。
戦略実行のモニタリング
情報システム戦略を立てても、それを実現しなければ意味がありません。そのため、戦略立案から実行に至るプロセスを検証し、計画時に目指したシステム化の目的が果たせるよう努めます。また、システム実現上のリスクを分析し、利害関係者とともに軽減策を推進する役割を果たします。
製品ライフサイクル
情報システムやITサービスの開発にあたり、開発・保守にわたる一連のライフサイクルに対して責任を持ちます。研究開発を伴う事業では、特許を含めた知的財産戦略を検討し、自社の技術戦略を推進します。また、関連技術の動向、競合分析に基づき、自社の競争力を維持できるよう努めます。そして、長期的に製品の付加価値を高めながら、製品の拡張性・柔軟性・保守性が保たれるよう開発プロセスを推進します
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ITストラテジストの年収相場
レバテックキャリアに掲載されている求人を例に、ITストラテジストの年収について考察します。
レバテックキャリアの求人情報より平均を算出すると、ITストラテジストの平均年収は約790万円です。一方、システムエンジニアの平均年収は約577.2万円、サラリーマンの平均年収は389.6万円となっています。
求人から見る年収
以下は、レバテックキャリアに掲載されている求人例です。年収の幅はかなり広く、経験によって大きく違いがありますが、1,000万円を超える年収も目指せることがわかります。
企画・ITグランドデザインの策定
システム開発プロジェクトの企画・ITグランドデザインの策定
年収:500~1,200万円
雇用形態:正社員、契約社員
仕事内容について
グループ全体におけるシステム開発プロジェクトのシステム企画をメインに担当していただきます。
【仕事の特色】
システム企画・各事業におけるITグランドデザインの策定
・既存システム調査と目的整理
・概要システムアーキテクチャの作成(エンジニアと連携して実施)
・ベンダー/製品選定支援、RFPの作成など
<開発環境>
開発言語
・言語:Go、TypeScript
・データベース:Aurora、DynamoDB
・ソースコード管理:GitHub
・情報共有ツール:Slack
・その他:AWS、GCP
必須条件
以下のうち、複数の経験を有する方(3年以上の実務経験)
・IT企業、ITコンサルティング企業、または事業会社で、IT戦略立案やシステム企画にメンバーとして携わった経験
・IT企業または事業会社で、DWHの構築やデータの利活用におけるプロジェクトに携わった経験
以下の知識、スキルや経験を有する方歓迎
・システム開発(要件定義~設計~開発~運用)全般の知識と経験
・各種クラウドサービス(AWS/GCP)、ITソリューションに関する基礎知識
・ベンダー選定時のRFP作成経験
・基幹システムのアーキテクチャ構築や基盤構築、更改プロジェクトで中核的な役割を担った経験
社内システム企画・DX推進
【社内システム企画・DX推進】課題洗い出しから運用までを一気通貫で担当
年収:495~1,155万円
雇用形態:正社員、契約社員
仕事内容について
変革の当事者として、課題調査、サービス企画構想からリリース後の評価、利活用の促進までを一気通貫でご担当頂きます。
・ゼロトラストネットワーク実現に向けたプロジェクト
・時間や場所の制約を受けない、新たな働き方を実現するプロジェクト
・各事業領域の個別課題に対する改革プロジェクト
<求めるスキル>
・システム開発に関わる幅広いご経験を積まれている方
・以下いずれかに該当する方は対象です
1.IT企画、システム化提案、ITコンサルティング、プリセールス
2.要件定義/プロジェクトマネジメント/PMO
3.システム構築(基本設計~リリース)
4.保守開発/運用設計
<求めるマインド>
・高い当事者意識、強い意志をもって物事に取り組める方
・途中であきらめずに、最後まで考え抜き仕事をやり遂げる方
・周囲からの信頼を獲得し、組織として高い成果を追求できる方
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ITストラテジストに必要なスキル
前章の求人情報からも分かるように、ITストラテジストには広範なスキルが求められます。ここではIPAの試験シラバスを参考に、必要とされるスキルについて考察します。
システムの全体設計スキル
ITストラテジストは、ITを活用して事業の高度化・最適化を進める上で、ITシステムの全体像やアーキテクチャを構想する役割を担います。コストや運用体制、調達といったさまざまな条件・制約を考慮しながら、システム化方針を決定する能力が求められます。その際に、開発標準や品質管理のプロセス、情報セキュリティの技術とポリシーなどの領域を理解していることも重要です。
アーキテクチャの構想はITアーキテクトが担うケースもありますが、ITストラテジストも部分的に同様のスキルが求められると考えられます。
関連記事:ITアーキテクトとは?求められるスキル・資格などをご紹介
業務分析スキル
現行業務における利用者のIT利用状況や、現行システムの運用状況を可視化し、利害関係者と課題を共有するスキルが求められます。そして、対象業務・業界で知られたベストプラクティスをもとに、業務のあるべき姿を提案する能力が必要です。具体的には、ERP(統合基幹業務)、BI(ビジネスインテリジェンス)、AI(人工知能)、IoT(Internet of Things)といった技術領域に関する知識が求められるポジションが多く見られます。
一般的に、業務分析においては、情報戦略の文書化、成果指標の設定、優先順位づけ、システムリスク分析などを担当します。ITコンサルタントと共通するスキルが部分的に求められるでしょう。
関連記事:ITコンサルタントの仕事内容を解説|必要なスキルや年収も紹介
状況把握と統制スキル
情報システム戦略の実現に向けて、プロジェクトの進行を定期的・継続的にモニタリングすることが求められます。そのため、プロジェクト計画の立案や、計画の妨げになるようなリスクの評価・軽減策の立案および実行ができるスキルが必要です。また、事業を成長させていくために、IT投資効果や利用状況を評価し、状況を改善するための施策を立案できる、プロジェクトマネージャーと共通したスキルも部分的に求められます。
関連記事:プロジェクトマネージャーとは?役割・仕事内容・必須スキルを解説
提案・実行力
提案力と実行力も重要なスキルです。これらのスキルがそろうことで、ITストラテジストとしての信頼と市場価値を高め、さらに多くのプロジェクトでの貢献を期待されるようになります。
IT戦略の専門家として、企業の課題解決のためのIT戦略を練り、それを経営陣や現場のリーダーに明確に伝え、支持を得る能力も求められます。この「提案力」は、複雑なITの概念をシンプルかつ効果的に伝える技術と、聞き手の理解レベルや興味を読み取りながら適切な言葉で説明するコミュニケーション能力を含みます。
特に、最新のIT技術に不慣れな経営陣に対しては、専門用語を避けてわかりやすく説明し、どのようにそれが企業の課題解決につながるのかを明確に伝えることが重要です。
一方で、「実行力」は提案した戦略を具体的な行動に移し、目標を達成する力を意味します。ITストラテジストは、多くの場合外部からのサポートとして派遣されるため、プロジェクトのプロセスをしっかりと管理し、納期内に確実な成果を出すことが重要です。実行力は、プロジェクトの各段階でのタスク管理、リソースの適切な配分、そしてチームとの効果的なコミュニケーションを含む、数多くの要素に支えられています。
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ITストラテジストのキャリアパス・転職先候補
Tストラテジストという名称でIPAの資格試験が設けられているものの、実際の企業にITストラテジストの職種が必ずしも存在するわけではありません。しかし、IT戦略の立案・実行に関係するキャリアは、ITストラテジストの試験に合格した人に適していると考えられます。
ITストラテジストは技術と経営にまたがる分野に強みを持つため、さまざまな役職で力を発揮できます。SIer(エスアイヤー)、コンサルティングファーム、事業会社といった企業の種類によって、ITストラテジストが活躍できる職種も変わってくるでしょう。以下では、企業の種類別に、考えられるキャリアパスや転職先候補について解説します。
SIer、コンサルティングファームでのITコンサルタント職
経営戦略立案からシステム化に至るプロセスを支援するコンサルティングファームに限らず、上流工程に力を入れるSIerでもITコンサルタントの募集がなされています。ITコンサルタント職には、一般的に経営・業務・ITにまたがるITストラテジストのスキルが求められます。顧客企業の経営戦略・IT戦略を分析し、あるべき姿を提案するのが役割です。特定の業務・業界、あるいはパッケージに精通したITコンサルタントも多く見受けられます。
事業会社のCIO(ChiefInformationOfficer)
CIOは、企業のIT戦略における最高責任者です。情報システム部門関連の役員として、ITを活用した経営戦略を推進する責任を負います。経営とIT技術の双方に精通した人材として、自社の業容拡大や利益の創出に貢献するのが役割です。ビジネスモデル立案や戦略立案に関するITストラテジストのスキルを活用できるでしょう。
事業会社の情報システム部門長
情報システム部門の管理者として、企業全体のIT戦略を企画・実現していきます。現場における業務効率化や最適化に携わるケースが多く見られます。そのため、業務に携わる課題を抽出し、業務やシステムのあるべき姿を提案する役割が求められます。開発作業をパートナー企業に委託する場合は、プロジェクト進行管理を行うなど、プロジェクト管理にも携わらなければなりません。ITストラテジストとして培った、業務分析やベストプラクティスを適用するスキルを応用できます。
ITコンサルタントとして独立
特定の企業に勤める代わりに、ITコンサルタントとして自立する選択をすることも可能です。業務を通じて、企業運営に関する深い知識を持っているため、自分のスキルを活かして独自の事業を展開できるでしょう。これまでの業務を通じて、一定の人脈を確立している人なら、自由に動ける立場のほうがよい場合もあります。
フリーランスとしての収入は一定ではありませんが、従業員として働いていた時期に比べて、より高い報酬を得ている人も少なくありません。
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ITストラテジストの市場価値・将来性
昨今、IT人材が「質」と「量」の両面で不足しているとの声が高まっています。あらゆる業界でデジタル技術の利用が広まり、IT人材の需要が高まる一方、エンジニアの人数が足りず、特に高度な技能を有する人材不足が深刻化しています。高度なスキルを有するITストラテジストの希少性は高く、市場価値も高いです。実際、IPAのITストラテジスト資格は、日経クロステックの「IT資格実態調査」において、取りたい資格の2位に入りました。
近年では、あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することが期待されています。IPAが発表した「DX白書2021_第3部_デジタル時代の人材」P102によると、現在の日本のDX推進に求められる人材像として、プログラマーやエンジニア以上にDXを主導するリーダーが必要との指摘がありました。経営戦略・IT戦略の立案・推進を担うITストラテジストは、DXで中心的な役割を担うと考えられます。組織を牽引できるITストラテジストは、人材として高い市場価値を持つことになるでしょう。以下では、DX時代におけるITストラテジストの将来性について解説します。
デジタル化による業務効率化
DXの主要なアプローチの一つに、アナログで実施されていた業務をデジタル化し、業務効率化を図る戦略が挙げられます。情報共有の不備や、非効率な手動の作業を排除し、生産性向上に寄与します。ITストラテジストは、現在の業務を分析し、課題を抽出した上で、あるべき姿を提案するために力を発揮することが期待されます。
ビジネスモデルの構想
DXの実現に向けて、デジタル技術の利用・活用を前提として、新たな収益源を構築する事業開発が求められています。旧来の事業運営にとらわれず、ユーザーの利便性を追求した革新的なビジネスモデルを構築します。新規事業開発では、社内の異なる部門をまとめたり、社外のパートナー企業と提携したりするプロセスが必要です。経営と技術の双方を理解するITストラテジストが果たす役割は大きいでしょう。
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ITストラテジストの資格取得のメリット
ITストラテジストの資格取得には、個人の専門知識や技能が公に認められ、さらにキャリアの展開や市場価値の向上など多くのメリットがあります。
自身の市場価値が高まる
ITストラテジストの資格取得は、個人の市場価値を高める大きな要素の一つです。資格は、ITストラテジストとしての専門知識とスキルを証明するものであり、雇用の際やプロジェクトの依頼の際に、他の候補者や競合者と比較して優位に立てるでしょう。資格を持つことで、高い専門性と信頼性を示すことができ、より良い雇用機会やプロジェクトの依頼、さらには高い報酬を期待することも可能です。
IT業界の中では中小企業診断士と比べて有利になる可能性
IT業界においては、中小企業診断士と比較して、ITストラテジストの資格を持つことが有利に働く可能性があります。中小企業診断士は、企業全体の経営に関する知識を持っているものの、IT関連の専門知識には限界があるかもしれません。
一方で、ITストラテジストは、ITの専門知識に加えてビジネス戦略に関する知識も持っているため、ITを利用したビジネスソリューションの提供やデジタル変革の推進において、より具体的かつ効果的な提案をすることが可能です。
特に、テクノロジーの進化がビジネス環境に大きな影響を与えている現代において、ITストラテジストの資格は、ITとビジネス戦略の統合に関する高い専門性を示すものとして評価されています。
国家資格の試験科目が一部免除になる
ITストラテジストの資格を持っていることで、一部の国家資格の試験科目が免除されることはご存じでしょうか。ITストラテジストの資格取得に伴う知識とスキルが、他の国家資格の試験科目と重なる場合に、その科目の試験を受ける必要がなくなります。一部の試験科目が免除になる、主な国家資格は以下の通りです。
上記はいずれも取得難易度の高い国家資格ですので、ITストラテジストの資格を取得した後、いずれかの試験に挑戦し、自身の市場価値をさらにアップすることもできます。
資格手当がもらえる場合がある
IT関連の企業の中には、ITストラテジストの資格を持っている従業員に資格手当を支給しているところが多くあります。ITストラテジストの資格手当は一定の額が一般的で、これによって年間で見ると数十万円の昇給が見込めます。
さらに、資格取得時に一定の額を支給する企業も存在するため、資格を取得するだけで収入が増加する可能性がある資格だといえます。
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ITストラテジスト試験の勉強方法
ITストラテジストは、IPAが主催するIT系国家資格です。IPAの資格はスキルレベルに応じて1~4までの4段階ありますが、ITストラテジストは最高難易度のレベル4に該当します。経験豊富なエンジニアやコンサルタントであっても、勉強時間を確保し、過去問を研究するなど、十分な対策を講じる必要があります。
関連記事:ITストラテジスト合格に必要な勉強時間は?学習法やポイントも解説
出題範囲
ITストラテジスト試験の試験概要は以下の通りです。
試験時間 | 出題形式 | 回答数/出題数 | 出題範囲 | |
---|---|---|---|---|
午前Ⅰ | 9:30~10:20 (50分) |
多肢選択式 (四肢択一) |
30/30 | 情報技術、プロジェクトマネジメント、システム戦略・経営戦略 |
午前Ⅱ | 10:50~11:30 (40分) |
多肢選択式 (四肢択一) |
25/25 | 情報技術、プロジェクトマネジメント、システム戦略・経営戦略 |
午後Ⅰ | 12:30~14:00 (90分) |
記述式 | 2/3 | 業務改革企画、情報システム全体の定義、課題分析と優先順位付けなど |
午後Ⅱ | 14:30~16:30 (120分) |
論述式 | 1/2 | 業務改革企画、情報システム全体の定義、課題分析と優先順位付けなど |
試験は午前・午後それぞれ2部制で、午前は四肢択一、午後は記述および論述で解答する方式です。午前試験では、情報技術、プロジェクトマネジメント、システム戦略・経営戦略といった知識が問われます。午後試験は、業務改革企画、情報システム全体の定義、課題分析と優先順位付けなどについて論述する応用問題となっています。
午前試験対策
「午前1試験」は他の高度試験および応用情報技術者試験と共通の内容が出題されます。そのため、相応の高いITスキルを保有していなければなりません。知識を問われる内容のため、参考書などを活用して理解を深めることが推奨されます。
午後試験対策
午後の記述式問題や論文の難易度は高いため、その出題傾向を把握し、十分な対策を講じる必要があります。具体的には、短い時間で論点を整理し、文章をまとめる練習をするとよいでしょう。資格試験の参考書を活用し、実際の試験と同じような環境で、10~20本の論文を書くことが推奨されます。また、普段からIT導入事例などのニュースを読み、自分なりに論点をまとめる練習を行うのも有効です。
過去問の活用
IPAの公式サイトで過去問が公開されているため、参考書と合わせて活用することが推奨されます。特に記述式問題や論文では、過去問に加えて講評が記載されており、採点基準を理解するのに有用です。ITストラテジスト試験は、令和元年度までは秋期実施、令和3年度以降は春期実施となっている点に注意してください。
勉強時間の確保
ITストラテジスト試験は、3~10年程度の経験を持つSEやコンサルタントでも、150~200時間程度の勉強時間が求められるほどの難関です。資格試験に合格するためには、計画的に勉強時間を確保することが重要です。日常の業務時間を利用して基本的なIT知識を強化し、IT戦略に関する分析や論述を行うことで、試験対策にもつながります。
業務中に業務分析やプロジェクトマネジメントの経験を積むことを目指し、キャリアプランを慎重に考慮することで、資格試験に向けた準備と勉強時間の確保を効率よく行えるでしょう。
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ITストラテジストに関するよくある質問
Q1. ITストラテジストの年収はいくらですか?
レバテックキャリアの求人情報によると、ITストラテジストの平均年収は約790万円です。ちなみに、システムエンジニアの平均年収は約577.2万円、サラリーマンの平均年収は389.6万円となっています。
Q2. ITストラテジストに将来性はありますか?
ITストラテジストの将来性は非常に高く、DX戦略の推進やAI、IoTの導入が進む現代ビジネスシーンでの需要は増加しています。今後も継続的に市場価値が上昇し、安定したキャリアパスを提供すると期待されています。
Q3. ITストラテジスト試験の最年少合格者は何歳ですか?
ITストラテジスト試験の最年少合格者は18歳です。試験は年齢や職歴による制限がなく、しっかりと準備すれば、実務経験がない若者でも合格する可能性があります。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア職を専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通しており、現状は転職のご意思がない場合でも、ご相談いただければ客観的な市場価値や市場動向をお伝えし、あなたの「選択肢」を広げるお手伝いをいたします。
「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
「個別相談会」に申し込む
転職支援サービスに申し込む
※転職活動を強制することはございません。
レバテックキャリアのサービスについて