非エンジニアでもアプリ開発が可能に?ローコード開発とは?ノーコードとの違いやメリット、将来性

最終更新日:2023年1月25日

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ローコード開発とは、可能な限りコーディング作業を少なくする開発手法です。昨今のシステム開発には「少数の人員で素早く、高品質なものをつくる」ことが要求されています。こうした要求にこたえるため、またデジタルで新しい価値を示す「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が注目を集めるのにあわせてローコード開発の認知度も高まっています。
そこで「ローコード開発をよく耳にするけれど、いまいちどんなものかわからない」「どうして今ローコード開発が注目されているの?」と思う方に向けて、ローコード開発のメリットやデメリット、従来型の開発手法との違いなどを解説します。

ローコード開発とは

ローコード開発とは「可能な限りコーディングの工数を削減することを目的に作られた開発手法」です。日本国内では「高速開発」「超高速開発」と呼ばれることもありましたが、ローコード開発用のプラットフォーム(LCAP)が世界的に普及したことで、ローコード開発という名称が一般化しました。

ローコード開発が注目される背景には、「ITエンジニアの不足」や「品質と短納期の両立」といった課題があります。一般的なローコード開発では、ビジュアルプログラミングツールやLCAPなどを用いて開発を進めていきます。これらは、GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)をベースとしており、モニターを見ながらのマウス操作などでプログラミングを行えることが特徴です。

また、近年はローコード開発をさらに発展させた「ノーコード開発」も普及し始めています。ノーコード開発では、「ソースコードを全く記述しない」ことをコンセプトにしており、こちらも専用のプラットフォームツールを使用することが前提です。クラウドサービスプラットフォームとして有名なアマゾンウェブサービスでもノーコード開発向けのサービス「Amazon Honeycode」をリリースするなど、世界的なトレンドになりつつあります。

従来の開発との違い               

  おおまかな開発方法 必要工数 求められるITスキル
従来型開発 ・プログラマーが設計しコーディングを行う
・手打ちでプログラムを作成する
・相応の工数が必要 ・高い
・ある程度の経験が必要
ローコード開発 ・ツールで作成したプログラムの部品を組み合わせる ・少ない工数で済む ・ロジックが理解できればカスタマイズは可能

ローコード開発と従来型開発の違いを整理してみましょう。ここでいう従来型開発とは、ウォーターフォールモデルなどで採用されてきた実装工程(詳細設計、コーディング)です。従来型の開発手法では、上流で作成した要件定義書や設計書をもとに、プログラマーが詳細設計やコーディングを行い、「何もないところから手打ちでプログラムを作成する」方法が採られてきました。当然のことながら、実装する機能が複雑であれば相応の工数が必要になるわけです。

一方ローコード開発では、ツールで作成したプログラムの部品を組み合わせていく作業が中心です。したがって、手打ちによるコーディング作業や、部品ごとの設計作業などが省略されることになります。

また、ソースコードに対して人の手が接触する頻度が減ることで、バグの発生確率が低下したり、開発ツールが保証している部分のテストを省略できたりと、開発工数の圧縮が可能になるわけです。

ノーコード開発との違い  

  おおまかな開発方法 必要工数 求められるITスキル
ローコード開発 ・ツールで作成したプログラムの部品を組み合わせる ・少ない工数で済む ・ロジックが理解できればカスタマイズは可能
ノーコード開発 ・用意されたロジックを組み合わせる
・プログラミングする必要がない
・少ない工数で済む ・低い

ノーコード開発とローコード開発は、開発方法やプラットフォームに違いがあります。ノーコード開発は基本的に特定のプラットフォーム上で行われ、ローコード開発は先述したように「ローコード開発用のプラットフォーム(LCAP)」が使われます。
また、ノーコードツールはコーディングができませんがローコードツールならコーディング可能です。

ノーコードとは

ノーコードとは、その名の通り「コードを使わない開発」をするアプローチです。プログラミングの必要がなく、関連する専門知識は一切不要で開発できます。使用するツールはテンプレート・機能があらかじめ実装されており、小規模アプリケーションや単純機能を持つアプリケーション開発向けです。

ノーコードは非エンジニアや開発部門のメンバーでなくても開発に携われるメリットがあるのですが、「高い拡張性やカスタマイズの自由度を持たせる」といった点においては従来型やローコード開発と比べて劣るといえるでしょう。

ローコード開発の将来性

IT分野の調査・助言を行うガートナー社の調査によれば、ハイパーオートメーションやSaaSの普及でローコード開発の需要が高まるとされています。
実際にローコード開発技術市場は2019年から一貫して成長を続けており、その勢いは2022年以降も続くともいわれています。ミック経済研究所によると日本国内でのローコード開発の市場規模は2023年度で4560億円まで拡大するとされており、ガートナー社は2024年までに「世界のアプリ開発の65%以上がローコードで開発される」と予測しています。(※)

今後は、ローコード開発技術を非IT部門が購入・利用し、ビジネスユーザーが直接、ビジネスアプリケーションの開発を行うケースが増えるかもしれません。また、すでにローコード開発をスタンダードにした開発体制をとる企業も出始めています。したがって、ローコード開発自体の将来性は十分に高いと言えるでしょう。

ただし、ローコード開発で作られたシステムの保守・運用・改修などはコーディングスキルを持った人材でなければ難しいのが実情です。そのため、プログラミングスキルを持ったエンジニアがローコード開発の技術を身に着けることで、キャリアアップの一助になると考えられます。

※参考:ローコード開発の現状--なぜ今注目されるのか、何がハードルなのか

Googleトレンドで見るローコード開発の注目度

Googleトレンドでローコードの検索数、人気度の動向を見てみると2022年12月時点で過去5年前から人気が右肩上がりであることがわかります。特に2020年からは注目度が高まり、ローコード開発に注目が集まっていると考えられるでしょう。
2017年と比べると検索数は5倍ほど増加しています。システム開発の在り方を考える上で、ローコード開発は切り離せないワードであることがわかります。

ローコード開発が注目される理由

将来的にも検索数から考えても注目されているローコード開発。なぜ、このように注目が集まっているのでしょうか。
その理由は「ビジネスの変化に追いつくため、企業はシステム開発の内製化を進める必要がある」からです。詳しく見ていきましょう。

急速に変化するビジネス要件への対応が求められる

ビジネス要件は時代とともに急速に変化しています。従来であれば「情報システム部門」「SIer」など現場に近い人員が開発を担当する、もしくは外部に開発をお願いするという方法が主流でしたが、追加の要件が増えるにつれアプリケーション開発の敷居を下げる必要が出てきました。

ローコード・ノーコード開発は高い専門知識がなくても、また情報システム部門以外のメンバーも開発に携われます。注文に対し柔軟に応えやすくするため、ローコード開発に着目する企業もあります。

DXにより新しい価値を生み出すために試行錯誤が必要

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、今のデジタル時代にあわせて企業の業務や働き方を改革する動きを指します。「ITを活用しビジネスにかかわる全てをより良くしよう」という考え方が今の時代には求められています。

こうしたDX時代において、企業は新しくデジタル価値を創出しなくてはなりません。外注だけでアプリケーション開発を行うと多くの時間とコストがかかります。一方でローコード開発はシステム開発を内製化できる手段です。こうした時代にあわせて、企業はシステム開発の在り方を見直しつつあるのでしょう。

「2025年の崖」問題への対応

2025年の崖とは、経済産業省が2018年に発表したDXレポートで警告されているものです。以下は、このレポートに書いてある課題の要約です。


  • ・既存システムが過剰なカスタマイズにより複雑化・ブラックボックス化されており対応できるメンバーが限定されてしまう(専門家の不足や市場の変化に技量がついていけないなど)

    ・経営者がDXを望んでも、既存システムの問題を解決・見直しする中で現場サイドの抵抗が大きく実現できない


上記の課題を克服できないと、DXが実現できないだけでなく2025年以降に最大年間12兆円の経済損失が生じる可能性があります。この問題を乗り越えるために、企業は基幹システムの問題点を洗い出しシステムの刷新が求められているのです。

ローコード開発では、システムの保守・管理が簡単になったり、コストや開発時間を確保してサービス向上や新規事業を展開できたりするため、2025年の崖問題に対応するには、ローコード開発は適した手法だといえるでしょう。

ローコード開発のメリット

ローコード開発の大きなメリットは前述のとおり「開発工数の圧縮(開発効率の向上)」です。しかし、このほかにもローコード開発のメリットは存在します。

ビジネスユーザーによるアプリ・システム開発

ビジネスユーザーとは、「会社内の業務やビジネスモデルを熟知している担当者」です。従来型の開発では、エンジニアがビジネスユーザーに対してヒアリングを行い、業務要件などを吸い上げたうえで開発を行っていました。一方、ローコード開発では簡単な機能であればビジネスユーザー自身が実装することも可能になります。現場の要求やアイディアを直接具現化しやすく、可用性の高いアプリケーション・システムの構築につながります。

シャドーITの減少

シャドーITとは、「企業が公に認めていないITツール」を指します。シャドーITが増えることで、情報漏洩や意図しない不具合の発生が懸念されます。ローコード開発では、非IT人材であっても開発・承認を行える体制が構築できるため、シャドーITの減少に効果があると考えられます。

スモールスタートに対応しやすい

「小さく分散して素早く始める」スモールスタートがビジネストレンドである現在は、ローコード開発の手軽さや迅速性がプラスに働くでしょう。

マイクロサービスとの相性が良い

マイクロサービスは、汎用性の高い機能を最小単位でいくつも作成し、状況に応じて組合せながら必要な機能・システムを構築する開発手法です。プログラムの部品を手軽に生み出せるローコード開発は、マイクロサービスとも親和性が高いと考えられます。

設計内容の可視化

ローコード開発はGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を使った開発がベースです。GUIとは画像や画面上に分かりやすく設計図が表示されているもので、設計を容易にしてくれます。ローコード開発はGUIにより設計内容を「見える化」でき、開発後のミスマッチ・修正工数の増加を防げるのもメリットの一つです。

品質の確保と開発工数の削減

ローコードは必要最低限の記述量で開発ができ、プログラミングする部分が従来に比べて少ないです。その分ミスが減少しバグの発生率も抑えられるため、修正にかかる時間・コストの削減が期待できます。

また、エンジニアが主体となって進める必要のある従来開発手法とは異なり、ビジネスユーザーが直接開発することも可能です。業務案件との相違が起こりにくくなるため、ユーザーの目線に立った品質の確保、開発工数の削減が見込めるでしょう。

ローコード開発のデメリット

一方、ローコード開発のデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

制限が多い

原則として、ローコード開発で可能なことは開発ツールやプラットフォームが取り決めている仕様の範囲内に限定されます。したがって、通常のコーディングによる従来型開発よりも制限が多くなりがちです。

上流工程の工数が増加する可能性

ローコード開発では、上流工程(Fit/Gap分析や業務プロセス分析、要件定義、基本設計)の工数がそれほど変わらないこともあります。これは、ローコード開発の制限を回避しつつ業務要求を実現したり、ビジネスユーザーが不慣れな分析・設計業務に携わったりするためです。

特に、上流工程のウェイトが大きいウォーターフォールモデルでは、工数削減効果が発揮されないかもしれません。逆に、設計・開発・テストを細かく繰り返すアジャイルモデルであれば、ローコード開発の恩恵は大きいと考えられます。

複雑な要件や動的なアプリには不向き

ローコード開発はツール機能に制限があるため、定型的な業務や小規模案件向きという特徴があります。複雑な開発案件だと適していないシーンも多く、株価のチャートなど動的なアプリには不向きである点がデメリットの一つです。適していない案件を開発する場合、従来型開発を選ぶことで解決できるでしょう。

ローコード開発ツール一覧

ローコード開発ツールには無料・有料のものがあります。開発規模によって選ぶ必要がありますが、無料・有料にわけてツールをご紹介します。

フリー(無料)で利用できるローコード開発ツール

Pleasanter
簡単な操作のみで業務アプリを素早く作成できるツールです。初心者向けにアプリ作成ガイドも公開されており、サポートも付いています。

iPLAss
「カスタムWebアプリケーション」「モバイルアプリケーション」を迅速に構築でき、展開可能なOSSローコード開発ツールです。JavaやGroovyなどを用いたカスタムコードの記述も可能です。

Open Lowcode
「財務アプリ」「タスク管理アプリ」などをスピーディに開発できます。拡張する場合は別途有料プランを選ぶ必要がありますが、最小限のコストで拡張できるのが特徴です。

以上の3つはフリー利用可能なローコード開発ツールです。ただし、サポートや有料機能が使いたい場合は製品版をダウンロードする必要があります。

有料のローコード開発ツール

Microsoft Power Apps
豊富なテンプレートから選ぶことができ、ドラッグ&ドロップの簡単操作でアプリ構築が可能です。Office365などMicrosoft社製品との親和性が高く、200種類以上の外部サービスとの連携機能があります。30日間の試用版も用意されています。

Canbus.
CRMや勤怠管理など、あらゆる業務がクラウド化できるツールです。料金プランだとユーザー数無制限であるため、社員数に関係なく定額料金で使用したい企業におすすめです。無料体験版もあります。

AppSuite
4つのステップで簡単に業務アプリを作成できるAppSuite。その他にも既存台帳のCSV取り込み、既存アプリをコピーして編集する機能も充実しています。クラウド版では30日間、パッケージ版では60日間の無料お試し期間が用意されています。

以上の3つは有料のローコード開発ツールです。この他にも多数のツールが有償で公開されているため、適したツールを選びましょう。

ローコード開発ツールを選ぶポイント

ローコード開発ツールを選ぶ際、いくつか気を付けたいポイントがあります。先述のようにローコード開発は有料・無料含めると複数あるため、業務内容や使い勝手にあわせたものを選ぶ必要があるでしょう。

目的に合った機能のあるツールを選択

ローコード開発ツールを選ぶ上で大切なのが、提供している機能一覧をチェックすることです。目的に合うツールを選択しましょう。
ローコード開発ツールの場合、すでに機能が搭載されたノーコード部分とコーディングが必要な部分の2つの要素が存在します。

選ぶときにポイントとなるのが、ノーコード部分で開発に必要な要件をどれだけ満たせるかです。ツールを比較する場合は、「どのツールが最も工数少なく開発できるか」という視点で選んでみるとよいでしょう。

実際に使用する人が使いこなせるかどうかを事前に確認

デメリットでもご紹介したように、非IT人材がローコード開発を担う場合、複雑な操作や手順が必要だったりコーディングが必要な部分が多いツールであれば、本来削減できたはずのコストや時間が結局はかかってしまいます。

実際にツールを使用する人が使いこなせるかどうかは確認しておきましょう。有料ツールの使用を検討している場合でも、試用期間であらかじめ試してみることをおすすめします。

ツールのサポート体制

ローコード開発ツール導入後、開発内容によっては設計や運用時につまづくこともあります。解決されない問題を抱えていると品質低下に影響するため、サポート体制があるかどうかも確認しておきましょう。


  • ・段階別のサポートがあるか(導入、運用支援など)

    ・サポートの手段(通話、メール、オンラインでの対応か)

    ・サポートコンテンツが充実しているか

    ・サポートは有料か無料か


このような観点でサポート体制をチェックすると、適切なツールを見つけやすくなります。

ローコード開発に関するFAQ

ローコード開発でよく聞かれる疑問と、本記事でお伝えした内容をまとめて以下にご紹介します。

Q1.ローコード開発にデメリットはありますか?

注目度の高いローコード開発ですが、以下のデメリットがあります。


  • ・複雑な案件、動的なアプリには不向き

    ・制限があり従来型開発と比べると自由度は低め

    ・非IT人材でも開発可能だがツールの習熟度によって困難が生じることもある


問題点は導入前に洗い出しておき、対策を講じることが大切です。

Q2.ローコードとノーコードの違いはなんですか?

ローコードは必要最低限の記述量でアプリケーション開発ができるのに対し、ノーコードはコーディングを必要としない点が異なります。両者の特徴は異なっていますが、非エンジニアでも開発に携わる可能性が高まるという点では類似しています。

Q3.ローコード開発の仕組みを教えてください

ローコード開発はビジュアルプログラミングツールやLCAPなどを使い開発を進めるツールです。GUIをベースにしているため、モニターを見ながらのマウス操作などで簡単にプログラミングを行えます。

まとめ

Tエンジニアの不足や、品質と工数削減の両立などの背景から、昨今のシステム開発には「少数で素早く、高品質なものをつくる」ことが要求されている傾向があります。こうした要求に応える手法として注目を集めているのが、ローコード開発です。ローコード開発には、単なる工数削減や効率化以外にも、マイクロサービスとの相性が良い、スモールスタートがしやすいといったメリットがあり、今後更に需要が高まっていくと予想されています。

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