機械学習エンジニアとは?仕事内容や必要なスキル、将来性などを解説

最終更新日:2024年10月29日

機械学習エンジニアは、AIの中核である機械学習アルゴリズムの実装やモデリングなどを行う職種です。

あらゆる分野でAI活用が進んでいる昨今、機械学習エンジニアは、特に注目される職種の1つです。日本では今後10年間で先端技術に携わるIT人材の枯渇が危惧されていることから、将来有望な職種ともいえるでしょう。ただし、高度な専門知識を必要とする業務が多いため、転職に際しては一定以上の知識・スキル習得が必須です。

この記事では、機械学習エンジニアに興味がある方へ向けて、仕事内容や必要な知識・スキル、将来性などについて解説します。

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この記事のまとめ

  • 機械学習エンジニアとは、機械学習アルゴリズムの開発・実装や、機械学習モデルの構築、モデルを用いたシステム開発を担当するエンジニア
  • 機械学習エンジニアはプログラミングスキルなどの技術力だけでなく、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなどのビジネススキルも要求される
  • 機械学習アルゴリズムの開発は、これから普及していく分野であるため将来性が見込める

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機械学習エンジニアとは

機械学習エンジニアとは、機械学習アルゴリズムの実装や運用を担う職種です。既存サービスや新規ソフトにAIモデルを実装する際に担当します。そのため、インフラ周りの知識や既存サービスの知識も要求される必要知識の多い職種です。たとえば、顔認証や文字起こしなどがAIモデルで実現されています。

そもそも機械学習とは

機械学習とは、AI技術の1つで、AIに膨大なデータを読み込ませて学習させ、データの特徴やルール、パターンを発見する技術のことです。たとえば、機械学習の一分野としてディープラーニング(深層学習)があります。ディープラーニングは、人間の脳の働きを模倣したコンピュータの学習方法です。機械学習により、人間には予測できない未知の状況を予測したり、データの法則性を発見したりできるため、さまざまな分野で応用されています。

機械学習とAI・ディープラーニングとの関係

AI(人工知能)は、広義の意味としては、AIを利用した分野や手法、AI関連の技術すべてを指します。機械学習は膨大なデータをAIによって解析し、特徴やパターンを発見する手法として、AI技術の1つです。

また、ディープラーニングは機械学習の一種で、大量データからその特徴をAIによって自動的に発見するための技術になります。

機械学習の種類

機械学習の種類は、「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の大きく3つに分けられます。機械学習の種類や、どのようなデータに適しているかを知ることで、より正確なモデル構築が可能です。以下で、それぞれ詳しく解説します。

教師あり学習
教師あり学習とは、正解となるデータを学習データとして用意し、そのデータの特徴やルールを学習する手法です。回帰分析を利用して、売上予測や需要予測を行う、といった利用の仕方があります。ほかにも、メールの内容を分析し、スパムメールか否か判断をすることなども可能です。

教師なし学習
教師なし学習とは、教師あり学習と対をなす手法です。教師あり学習とは異なり、正解となるデータは存在しません。クラスタリングでデータの特徴をグルーピングすることで、データの構造やパターンを抽出することが目的となります。簡単にいうと、大量のデータから人間が気づかないようなパターンやグループを見つけることが可能です。そのため、レコメンドやターゲットマーケティングに効果があります。

強化学習
強化学習とは、データを基にせずシステムが試行錯誤を繰り返し、適切な方法を学習する手法です。AIやコンピュータなどの「エージェント」と「環境」の2つの機能を利用し、環境の中で最も目的(報酬)が高くなる行動を試行錯誤して学習していきます。行動の結果から学習するため、多くの試行錯誤が必要です。

この方法はゲームや自動運転などに用いられ、たとえばオセロや将棋などのゲームでは、決められたルールの中で試行錯誤し、最適となる方法を見つけ出して強くなっていきます。

データサイエンティストとの違い

機械学習エンジニアとデータサイエンティストは、共にAIを活用する職種として挙げられますが、それぞれの仕事内容は異なります。

機械学習エンジニアは、機械学習やAIを使ったシステムを開発することが業務です。一方で、データサイエンティストはそのシステムを利用してデータを分析し、企業のビジネスにおける課題解決を支援する仕事です。

関連記事:データサイエンティストとは?仕事内容や必要なスキル、目指し方を紹介

AIエンジニアとの違い

AIエンジニアは、狭義と広義で2つの意味を持ちます。狭義の意味では、AI開発に特化したエンジニアのことです。機械学習はAIの一部であるため、機械学習エンジニアもAIエンジニアと呼ばれることもありますが、AIエンジニアは機械学習以外にAIの開発に携わっている人も含めた意味を持ちます。

広義の意味では、AI関連の技術職の総称として呼ばれます。この場合、機械学習エンジニアなどの開発職だけでなく、データアナリストやデータサイエンティストもAIエンジニアに含まれます。

関連記事:AIエンジニアとは?仕事内容やなるために必要なスキル、年収を解説

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機械学習エンジニアの仕事内容

機械学習エンジニアの主な仕事内容としては、「アルゴリズムの開発、実装」「機械学習に用いるデータの収集、整形」「機械学習モデルを動作させる環境の構築」「最新技術の調査や研究」の4つが挙げられます。仕事内容について知ることで、自分のスキルや興味と合致しているか確認できるでしょう。以下で、それぞれの業務について詳しく説明します。

アルゴリズムの開発、実装

機械学習エンジニアの主な仕事の1つが、機械学習アルゴリズムの開発・実装です。機械学習におけるアルゴリズムとは、特定のタスクを自動的に実行させるためのプログラムのことです。機械学習にはさまざまなアルゴリズムが存在しますが、問題やタスクに応じて最適なものを選び、実装する必要があります。また、機械学習およびディープラーニングを用いるAIアルゴリズムの設計を担当する場合もあります。

関連記事:アルゴリズムの効率的な勉強法は?おすすめのサイトや本、アプリも紹介

機械学習に用いるデータの収集、整形

機械学習に用いるデータの収集や整形は、機械学習エンジニアの重要な仕事の1つです。
大量のデータから必要なデータを収集します。収集したデータは、そのままでは機械学習に利用できないため、モデルが学習しやすいようにデータ整形が必要です。データが欠けている部分を削除し、正規化や数値化、特微量の選択などで学習できる形に加工をします。加工したデータを分析、評価を行うことも必要です。データの収集と整形は、モデルの精度を大きく左右する大切な工程になります。

機械学習モデルを動作させる環境の構築

機械学習エンジニアは、機械学習モデルを動作させる環境の構築も仕事の1つです。機械学習に利用するデータは、業種によって異なるため、適切なデータを準備し、環境を構築することが必要です。

たとえば、オンラインショップ事業の場合であれば、顧客ごとの注文履歴や興味を示したほかの製品などを機械学習アルゴリズムが読み込み、「おすすめ商品」や「購入する可能性が高い商品」などを割り出します。こうしたデータを収集し、機械学習に適した形で補完しておく環境の構築も、機械学習エンジニアの仕事です。

これには、クラウド環境と連結させるためのAPI開発や、データ集中・更新を自動化するためのバッチプログラム開発なども含まれます。

最新技術の調査や研究

機械学習をあらゆる業種・分野で有効に活用できるようにするため、さまざまなサービスの開発や手法を取り入れていくことが重要です。また、人工知能の技術進化は非常に速いため、有効な技術は積極的に利用していかなければなりません。

最新技術を調査・研修し、積極的に取り入れていくのも、機械学習エンジニアの重要な仕事です。

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機械学習エンジニアの年収相場とは

レバテックキャリアに掲載された最新の求人30件を調べたところ、機械学習エンジニアの平均年収は約751.6万円でした。厚生労働省より発表された令和5年賃金構造基本統計調査によると、ITエンジニアが含まれる情報通信業の平均年収は約407.4万円のため、IT業界内でも機械学習エンジニアの年収相場は高いといえます。また、AIの目覚ましい発展により機械学習エンジニアの需要は益々増加しているため、今後も年収相場は上がるでしょう。

機械学習エンジニアの求人例

実際の求人を確認しておくと、自身のスキルがどれくらい市場価値を持っているのか、年収や福利厚生などの条件から客観的に評価できます。また、不足している経験やスキルを把握し、今後のキャリアアップのための目標設定に役立つでしょう。ここからはレバテックキャリアに掲載されている実際の機械学習エンジニア求人を紹介します。

機械学習エンジニアの求人例1

以下は、1つ目の求人例です。

【仕事内容】
主に、ディープラーニングなどの機械学習を活用した下記の業務に携わっていただきます。

<具体的な業務内容>
・データの分析
・モデルの作成
・AI基盤の構築

【求められるスキル・経験】
<スキル・経験など>
・IoT/AI技術を用いた業務効率や価値を高める提案、それに伴なうIoTシステムの提案/構築/導入

<マインド>
・新しい技術や手法に対して積極的に挑戦できる方
・IoT、AIへの共感/理解をいただける方
・新しい事への興味関心を持っていただける方
・ビジネスや営業に関する基本動作を習得して自走が可能な方
・マネジメントに興味関心を持つ方(マネジメント経験は不問)

【想定年収】
400~800万円

【福利厚生】
健康保険/厚生年金雇用保険/労災保険/通勤手当/年末年始/夏季休暇/有給休暇

【勤務地】
福岡県

機械学習エンジニアの求人例2

以下は、2つ目の求人例です。

【仕事内容】
主に、深層学習技術を用いた、画像認識や言語処理などのAIソリューションの開発、導入を支援していただきます。

<同社の手がけたプロジェクト例>
医療従事者向けOCRの開発
・言語:Python(Pytorch)
・概要:さまざまな医療機器に対応した最先端のAI OCRシステムを構築。前処理やモデル開発、結果検証など、AI開発の一連の作業を担当しています。

【求められるスキル・経験】
・3年以上のPythonを使用した実務経験
・個人で開発したAIを活用したシステムをGitHubやブログに発信した経験
・Kaggleでの実績(金/銀メダル獲得、expert以上など)
・ディープラーニング検定への合格(E資格)
・AWS認定試験合格者(SAA/SAP/認定機械学習)
・プロダクトマネジメント、プロジェクトマネジメントの業務経験
・ITコンサルタント、ディレクターとしての業務経験

【想定年収】
450~750万円

【福利厚生】
健康保険/厚生年金/雇用保険/労災保険/通勤手当/住宅手当/残業手当/慶弔休暇/年末年始/夏季休暇/有給休暇

【勤務地】
東京

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機械学習エンジニアになるために必要な知識・スキル

機械学習エンジニアになるために必要な知識やスキルを事前に把握すると、どのようなスキルを身につけるべきか明確になり、効率的な学習計画を立てられるでしょう。機械学習エンジニアはプログラミングスキルをはじめとしたさまざまなスキルを求められます。いずれのスキルも習得難易度が高いですが必要不可欠です。ここからは機械学習エンジニアに必要な知識・スキルを紹介します。

関連記事:AIの勉強方法は?勉強するメリットやロードマップを解説

技術的なスキル

機械学習エンジニアは一般的なエンジニア同様プログラムを記述する機会があるため、技術的なスキルが必要不可欠です。特にプログラミングスキルは、各言語で得意とする分野や特徴が異なるため1つ習得すれば十分というわけではありません。したがって、ほかのエンジニアと比べても要求レベルが高いといえます。まずは、求められる技術的なスキルを確認していきましょう。

プログラミングスキル(Python、R,SQL)

機械学習アルゴリズムでは、Python、Rなどを使用します。また、データの操作にはSQLの知識が役立つため、併せて習得しておきましょう。特にPythonは、機械学習用のライブラリが豊富で、機械学習に特化した言語といっても過言ではありません。

学習ライブラリ、フレームワークの知識

機械学習は、専用のライブラリ・フレームワークを用いて開発されることが多いです。ライブラリやフレームワークは、複雑な機械学習モデルを効率的に構築するための強力なサポートになります。メジャーなライブラリとしては「TensorFlow」や「scikit-learn」などです。以下でそれぞれ説明します。

TensorFlow
Googleが開発・公開しているオープンソース型のソフトウェアライブラリです。大規模な数値計算を高速に行うことができ、特にディープラーニングの分野で広く利用されています。また、さまざまな種類のニュートラルネットワークを構築することが可能です。

scikit-learn
Pythonのオープンソースライブラリで、データ分析や描画に関する処理が含まれます。新しいアルゴリズムを開発したり、既存のアルゴリズムをカスタマイズすることが可能です。また、回帰分析や分類、クラスタリングなど機械学習でよく用いられる多くのアルゴリズムが実装されています。

データプレパレーションスキル

機械学習アルゴリズムに投入するデータは、あらかじめ「下準備」が必要です。不正な値や欠損値、表記のゆれなどを除去・修正し、アルゴリズムが読み込める形に整えます。こうした作業は、「データプレパレーションツール」によって自動化もできますが、人の手が必要になることもあります。そのため、データプレパレーションツールに関する知識・扱い方なども備えておくべきでしょう。

システム開発(設計、コーディングなど)の経験

機械学習エンジニアは、システム開発のスキル・経験が求められます。機械学習モデルを構築するだけでなく、実際のシステムに組み込み、運用していく必要があるからです。特に「基本設計」「詳細設計」「コーディング」は当たり前のように求められるので、自身のスキル・経験を棚卸し、アピールできるようにしておきましょう。

データベースやセキュリティの知識

機械学習エンジニアは、膨大なデータが格納されたデータベースを効率良く扱うために、データベースそのものの仕組みを理解しておく必要があります。データを操作するためのSQLのほか、RDBMSに関する知識も必要です。

また、企業が保有する重要なデータを正しく扱うには、セキュリティの知識も押さえておく必要があります。万が一誤ってデータが漏洩してしまっては致命的な問題を引き起こすことになりかねません。大切なデータを扱っているという自覚を持ち、セキュリティ面を考慮してシステムを開発することが重要です。

クラウドなどの知識

昨今では、システムに必要なリソースを素早くかつ柔軟に扱えるクラウドを利用するケースが増えています。クラウドを利用すれば、データを登録するだけで機械学習サービスやプラットフォームの利用が可能です。

クラウドを利用した機械学習システムを構築するためには、クラウドそのものを理解しておく必要があります。リソースを変更するための方法や、クラウドで提供されているサービスなどについての知識を身につけておくと良いでしょう。。

ビジネススキル

機械学習エンジニアに必要なスキルは、技術だけではありません。マネジメントスキルやコミュニケーション力、書類作成スキル、プレゼンテーションスキルなどのビジネススキルも求められます。

機械学習エンジニアは、アナリストやデータサイエンティストのように「分析・仮説構築・評価・提言」といった仕事が課されることもあります。また、開発したモデルを実際の製品やサービスに繋げ、ビジネス価値を生み出すことが必要です。そのため、ビジネススキルも備えておくと良いでしょう。

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機械学習エンジニアになるために役立つ資格

機械学習エンジニアになりたいと思っているのであれば、まずは必要な知識を身につける必要があります。そのためには、資格を通じた学習がおすすめです。資格取得に向けて学習することで、体系的に知識を身につけることができます。また、関連資格を取得することで、自身のスキルを証明することが可能です。ここでは、機械学習エンジニアになるために役立つ資格を解説します。

G(ジェネラリスト)検定

G検定(ジェネラリスト検定)は、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する検定試験・民間資格です。

試験では、人工知能分野の問題やディープラーニングの概要など、機械学習エンジニアに必要な基礎的な知識が問われます。本試験に合格することで、機械学習エンジニアとしての基礎的な素養を持ち合わせていることを証明することが可能です。受験費用は一般で13,200円(税込)、試験は年6回実施されています。

E(エンジニア)資格

E資格(エンジニア資格)もG検定と同じく、一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する検定試験・民間資格です。日本国内の人工知能の資格試験の中では、最も難易度と認知度が高い資格試験になります。

試験では、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法で実装する能力・知識があるかが問われます。受験資格を得るためには、JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していることが必要です。受験費用は一般で33,000円(税込)で、試験は年2回実施されています。

統計検定

統計検定は、一般財団法人統計質保証推進協会が実施する検定試験・民間資格です。試験では、統計に関する知識や活用力が問われます。日本統計学会公式認定の資格試験で、総務省や文部科学省、経済産業省、内閣府、厚生労働省が後援しています。

機械学習エンジニアにとって、統計学の知識は不可欠なため、統計検定の勉強は実務にも役立つでしょう。

統計検定には1級から4級までレベルがあり、受験費用はレベルにより異なりますが、一般で5,000円(税込)から10,000円(税込)で受験可能です。統計検定1級のみPBT方式で年に1回しか実施されませんが、1級以外はCBT方式で実施されており、会場によっては通年受験可能です。

Python 3 エンジニア認定データ分析試験

Python 3 エンジニア認定データ分析試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する検定試験・民間資格です。

試験では、Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法が問われます。本試験に合格することで、機械学習に使われるプログラミング言語の1つであるPythonのスキルを証明することが可能です。受験費用は一般で11,000円(税込)で、試験は通年実施されています。

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機械学習エンジニアになるには

IT業界経験者が機械学習エンジニアを目指す場合、最初にやるべきことは「機械学習関連の知識・スキル」の強化です。

IT業界経験者、特にエンジニア経験者の場合は、既に何らかのプログラミング言語について、一定以上のスキルを有しているでしょう。しかし、機械学習エンジニアには、一般的なコーディングスキルとは別に「機械学習に特化した」知識・スキルが必要です。

そのため、まずはPythonを集中的に学習し、TensorFlowやscikit-learnを用いて、簡易な機械学習アルゴリズムを開発してみてください。

また、同時にアナリスト寄りのスキル(データ分析、仮説構築、評価、提言、レポーティング)も磨いていくと、転職活動において評価されやすくなるでしょう。充分なスキルを身につけたら、求人の中から自己の志向にマッチした募集を見つけ、転職活動を行っていきましょう。

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機械学習エンジニアの将来性と需要

インターネット上で「将来的にAI関連職種は無くなる」という意見が散見されますが、反対に、「機械学習の本格的な普及はこれから」という意見も多数存在します。ここでは、両方の意見を踏まえ、機械学習エンジニアの将来性について解説します。

機械学習エンジニアの将来性や需要を知っておくことで、どのようなキャリアを築いていきたいか具体的なイメージを持つことが可能です。

機械学習アルゴリズムの開発はまだまだこれから

機械学習アルゴリズムの開発は、Webシステムや業務システム開発のように普及しておらず、本格的な普及はこれからです。また、経済産業省のIT人材需給に関する調査でも2030年までに先端IT人材の枯渇(最大79万人の不足)が危惧されています。IT人材全体の不足は機械学習エンジニアにも影響するため、機械学習エンジニアの需要は今後益々増えるという見方も可能です。

こうした現状を考慮すると、機械学習エンジニアの将来性は十分にあるといえるでしょう。

機械学習に関わる求人の推移

2022年までの過去5年間にアメリカで急成長している求人リストがLinkdInで公開されました。本リストでは上位の25職種が公開されましたが、そのうち上位の5職種は以下の通りです。

  • 1位:ワクチンスペシャリスト

    2位:ダイバーシティ&インクルージョンマネージャー

    3位:カスタマーマーケティングマネージャー

    4位:機械学習エンジニア

    5位:プロセスデベロップメントサイエンティスト

パンデミックの影響で急成長した製薬関係の仕事や近年注目される多様性関連の仕事が上位に入る中で、機械学習エンジニアも4位に入っています。このように、機械学習エンジニアの求人数は順調に推移しているため、将来性は高いといえるでしょう。

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機械学習エンジニアに向いている人の特徴

これから機械学習エンジニアになろうと考えている場合、自分自身が向いているのかどうかは気になるところです。機械学習エンジニアに向いている人には多くの特徴があるため、機械学習エンジニアを目指す前に確認しておきましょう。ここでは、機械学習エンジニアに向いている人の特徴を解説します。

データ分析が好きな人

機械学習エンジニアにとって、データ分析能力は欠かせません。そのため、データの中に隠されたパターンや関係性を見つけ出すことに強い興味を持つ、データ分析が好きな人は機械学習エンジニアに向いているといえるでしょう。

システムエンジニアなどのITエンジニアと比べても、機械学習エンジニアには高度なデータ分析能力が求められます。

プログラミングが好きな人

機械学習エンジニアの仕事には、プログラミングが必要です。そのため、プログラミングが好きな人は機械学習エンジニアに向いています。

機械学習によく使われるプログラミング言語であるPythonを使ったプログラミングが好きな場合は、機械学習エンジニアとして成長しやすいでしょう。

数学的・論理的な思考を持っている人

機械学習エンジニアには、数学的・論理的な思考能力が必要です。そのため、数学の素養があり、物事の結論と根拠を矛盾や飛躍なく論理的なつながりを捉えながら理解できる人は、機械学習エンジニアに向いています。

一般的なITエンジニアよりも機械学習エンジニアには高度な数学的な知識が要求されるため、機械学習エンジニアには理系出身者が多い傾向です。

新しい技術・知識の習得が好きな人

機械学習の領域はまだまだ過渡期といわれており、世界中で新たな技術が次々と生まれています。そのため、新しい技術・知識を学ぶのが好きな人は機械学習エンジニアに向いています。

最先端の領域で、機械学習エンジニアとして活躍していくためには、常に新しい技術や知識を吸収し、自分のスキルをアップデートしていくことが必要です。

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機械学習エンジニアのキャリアパス

機械学習エンジニアは多くのスキルを要求されるため、キャリアパスも多岐に渡ります。自身の得意分野や経験を踏まえてキャリアパスを選ぶ方が多いです。ここからは機械学習エンジニアの代表的なキャリアパス「データサイエンティスト」「プロジェクトマネージャー」「ITコンサルタント」の3つを紹介します。それぞれについて詳しくみていきましょう。

データサイエンティスト

データサイエンティストは機械学習モデルの構築だけでなく、ビッグデータを活用した意思決定全般を担当する職種です。統計やプログラミングスキルを応用してビッグデータから傾向を分析し、企業の意志決定をサポートします。プログラミングスキルや数学のスキルだけでなく、ビジネススキルやコンサル力など幅広い能力が必要です。

プロダクトマネージャー(PM)

プロダクトマネージャーとは、顧客満足度向上や顧客の利益向上を目指して経営方針の立案や業務改善サポートを行う職種です。ユーザーの行動や市場のトレンドをデータに基づいて分析し、製品の改善に活かすことができます。また、機械学習の仕組みを理解しているため、実現可能な製品やサービスの企画が可能です。

ITコンサルタント

ITコンサルタントとは、企業の課題をITシステムやサービスを用いて解決する職種です。機械学習エンジニアが機械学習モデルを用いて課題解決しているのに対して、ITコンサルタントはIT全般のサービスや技術を用います。扱うサービスは違えど、論理的思考力を活かせるためITコンサルタントに転職する機械学習エンジニアは多いです。

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機械学習エンジニアに関するよくある質問

機械学習エンジニアを目指している方や興味がある方の中には、AIエンジニアとの違いや、機械学習とプログラミングの違いなどが気になる方が多いようです。また、海外の機械学習エンジニアの年収を知っておくと視野を広く持つことができるでしょう。

ここでは、機械学習エンジニアに関してよく聞かれる質問について回答しています。類似の疑問を持つ方は、ぜひ参考にしてください。

Q1. AIエンジニアと機械学習エンジニアの違いは何ですか?

AIエンジニアと機械学習エンジニアは、どちらも人工知能に関わる仕事ですが、その範囲や専門性に違いがあります。AIエンジニアは、AI開発を行うエンジニアのことをいい、範囲はAI全般です。一方、機械学習エンジニアは機械学習に特化しています。

Q2. 機械学習とプログラミングの違いは何ですか?

機械学習とプログラミングの大きな違いは、目的達成のためのアプローチの仕方が異なる点です。機械学習は、過去の膨大なデータを機械学習アルゴリズムで解析し、その結果で目的を達成します。プログラミングは、人間が処理の流れを記述し、コンピューターがその手順にしたがって実行することで目的を達成します。

Q3. アメリカの機械学習エンジニアの年収は?

アメリカの求人サイトGlassdoorによると、機械学習エンジニアの平均年収はおよそ2,400万円程度で、レバテックキャリアの求人によると日本の機械学習エンジニアの平均年収は約751.2万円です。需要に対して供給が追いついていないため、優秀な人材は高額な報酬を提示する傾向にあります。

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まとめ

機械学習エンジニアとは、大量のデータからパターンを見つけ出し、そのパターンに基づいて予測や判断を行うモデルを開発する専門家です。AIの活用が社会で進む中、機械学習アルゴリズムの開発・実装や、機械学習およびディープラーニングを用いるAIアルゴリズムの設計などを行う機械学習エンジニアという職業にも注目が集まっています。目指すためには、技術的なスキルだけでなく、ビジネススキルやクラウドの知識など、習得すべきスキルや知識が幅広いです。この記事では、どのようなスキルや資格が役立つのか、どんな求人例が存在するのか、どんな仕事内容なのかなどを知ることができます。

機械学習エンジニアは、Google公認のデータエンジニア資格の習得や分散処理技術の習得などを通して継続して自己研鑽を行うことで、スキルアップやステップアップ転職も目指せるでしょう。

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この記事の監修

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