プロジェクトマネージャ試験の難易度は?勉強方法や時間の目安も解説

最終更新日:2024年8月21日

プロジェクトマネージャーとは、システム開発のプロジェクトを統括する責任者のポジションです。予算やスケジュール管理のほか、人員の選定や成果物に対する品質管理なども行います。

プロジェクトマネージャ試験は、IPAが実施するプロジェクトマネージャーに向けた資格試験です。
各種のITエンジニアのキャリアパスとして目指す場合も多く、キャリアアップのために受験を考えている方もいるでしょう。

本記事では、プロジェクトマネージャ試験への合格を目指している方向けに、試験の難易度や試験の内容、学習方法について説明します。この記事を参考にして、自分にとっての試験の難易度を知り、合格に向けた対策にお役立てください。

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この記事のまとめ

  • プロジェクトマネージャ試験はIPAが運営し、経済産業省が認定する国家資格「情報技術者試験」の一分野で、プロジェクトマネジメントの知識や理解が問われる
  • プロジェクトマネージャ試験は情報技術者試験の中でも高度な知識と技能が問われる高難易度の試験で、その分スキル習得や評価アップに役立つ
  • 高いレベルの知識・スキルと経験が問われるため、下位の情報技術者試験や民間資格からステップアップして受験することがおすすめ

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プロジェクトマネージャ試験とは

プロジェクトマネージャ試験とは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営し、経済産業省が認定する国家資格「情報技術者試験」の中でも、プロジェクトマネジメント業務を担うエンジニアに向けた試験区分です。

IPAでは対象者像を「高度IT人材として確立した専門分野をもち、組織の戦略の実現に寄与することを目的とするシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトの目的の実現に向けて責任をもってプロジェクトマネジメント業務を単独で又はチームの一員として担う者」と定めており、情報技術者試験の中でも最難関の試験の一つとされます。一方で、国内のIT業では知名度が高く、高度なスキルを示すことができる資格です。

プロジェクトマネージャ試験の概要

プロジェクトマネージャ試験は、秋期(10月)の年に1回実施されます。筆記方式であり、会場に赴いて受験する必要があります。

ITシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャーは責任者となる立場です。プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトマネジメントを主導し、下位者の指導にあたる人材向けであり、ITエンジニアとして豊富な経験を持つ中堅以降のエンジニアが主な受験者となります。

プロジェクトマネージャ試験は4部構成になっており、それぞれの解答時間は午前Ⅰ50分(四肢択一)、午前Ⅱが40分(四肢択一)、午後Ⅰが90分(記述式)、午後Ⅱが120分(論述式)です。

プロジェクトマネージャ試験に合格するには、午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰの3つの試験でそれぞれ60%以上の正答率と、午後Ⅱの論述式試験でのランクA判定が必要となります。

関連記事:プロジェクトマネージャー(PM)の役割は?仕事内容・必須スキルを解説

試験区分 試験時間 出題形式 解答数/出題数 合格基準
午前Ⅰ 50分 四肢択一 30問/30問 60%以上
午前Ⅱ 40分 四肢択一 25問/25問 60%以上
午後Ⅰ 90分 記述式 2問/3問 60%以上
午後Ⅱ 120分 論述式 1問/2問 ランク A判定

プロジェクトマネージャ試験の受験対象者

プロジェクトマネージャ試験には、前提となる資格はありません。誰でも受験可能です。しかし、資格対象者には前述の通りの高いスキルが求められるため、実質的には一定以上の経験が必要です。過去の受験者、合格者のデータでも40歳付近が平均年齢となっています。

試験の多くはペーパーテストのため、学習により実務経験がなくてもある程度対策は可能です。しかし、午後Ⅱでは実務経験に基づく論文が出題されるため、経験が浅いエンジニアには非常な難関となっています。実務未経験の場合には、実際のプロジェクトでどのようなことがあるのかの実例なども学ぶ必要があります。

プロジェクトマネージャ試験の試験内容

プロジェクトマネージャー試験の試験範囲については、試験要綱およびシラバスに記載されています。午前と午後で試験形式だけでなく試験範囲も異なるため両者への対応が必要となります。

以下、試験要綱およびシラバスからの抜粋です。詳細は最新の試験要綱とシラバスを参照ください。

午前

午前は午前Ⅰと午前Ⅱの二つの区分に分かれており、知識を問われる内容です。午前Ⅰは全ての高度試験・情報処理安全確保支援士で共通です。また、午後Ⅱは各試験区分ごとに専門分野の内容が問われます。共通キャリアフレームワークの分類では、下記の表(試験要綱の試験区分別出題分野一覧表)の通りです。

なお、○は出題範囲であることを、◎は出題範囲のうちの重点分野であることを表しています。また、午前Ⅰ・午前Ⅱの列の2、3、4は技術レベルを表し、4が最も高度で上位は下位レベルを包含します。特に中分類 11:セキュリティの知識項目には技術面・管理面の両方が含まれ、高度試験の各試験区分では、各人材像にとって関連性の強い知識項目がレベル4として出題されます。

分類 大分類 中分類 午前Ⅰ 午前Ⅱ
テクノロジ系 1 基礎理論 1 基礎理論 ○ 3  
2 アルゴリズムとプログラミング  
2 コンピュータシステム 3 コンピュータ構成要素  
4 システム構成要素  
5 ソフトウェア  
6 ハードウェア  
3 技術要素 7 ユーザーインタフェース  
8 情報メディア  
9 データベース  
10 ネットワーク  
11 セキュリティ ◎ 3 ◎ 3
4 開発技術 12 システム開発技術 ○ 3 ○ 3
13 ソフトウェア開発管理技術 ○ 3
マネジメント系 5 プロジェクトマネジメント 14 プロジェクトマネジメント ◎ 4
6 サービスマネジメント 15 サービスマネジメント ○ 3
16 システム監査  
ストラテジ系 7 システム戦略 17 システム戦略  
18 システム企画 ○ 3
8 経営戦略 19 経営戦略マネジメント  
20 技術戦略マネジメント  
21 ビジネスインダストリ  
9 企業と法務 22 企業活動  
23 法務 ○ 3
午後

シラバスによると、大項目単位では大きく以下のような技能を問う内容です。なお、試験要綱では3つの大項目にまとめられていますが内容は同等です。

  • 1 プロジェクト立ち上げ

    2 プロジェクトの計画

    3 プロジェクトの実行

    4 プロジェクトの管理

    5 プロジェクトの終結

上記を見てわかる通り、プロジェクトマネージャ試験では、プロジェクトの立ち上げからプロジェクトの終結まで、プロジェクト推進に関する全ての工程での知識が対象です。また、それぞれの大分類に対して、小項目が複数設けられており、それぞれの工程において実施すべきタスクレベルでのプロジェクトマネージャーとしての模範的な考え方が求められます。

例えば、『2 プロジェクト の計画』の中に、『2-6 資源の見積り』というタスクがあり、プロジェクトに必要なメンバー、施設、サービス、インフラストラクチャツールなどの資源を見積もって決定するプロセスの妥当性などを正しく導くことができるかどうかが問われます。

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プロジェクトマネージャ試験の難易度と合格率

プロジェクトマネージャ試験は、ITスキル標準でレベル4に該当する国家資格「情報技術者試験」の中でも最上位のスペシャリスト資格です。

IPAの統計情報によると、プロジェクトマネージャ試験の令和5年度秋期の試験では受験者数は7,888人、合格者数は1,066人、合格率は13.5%でした。受験者数は1万人を超える年もありますが、合格率は常に14%前後と他の試験区分と比較しても高難易度です。

勉強時間の目安

プロジェクトマネージャ試験の勉強時間の目安は今までの経験や勉強方法によって異なります。特に実務でのプロジェクトマネジメント経験の差は業務経験年数で大幅に違うでしょう。

前提知識について

基本情報技術者試験のうち、応用情報技術者に合格していると2年間は午前Ⅰ試験が免除になります。そのため勉強時間が減り、また応用情報技術者に合格していれば基礎知識があるのでその分勉強時間は少なくなるでしょう。

独学の場合

独学の場合、市販のテキストなどを利用した学習となります。範囲も多いため、経験や知識量によって学習時間は大幅に変わりえます。論文における文章力も差が出る要素です。

個人差が大きいため、幅としては50時間~300時間程度です。

講座を受講する場合

講座を受講する場合、オンラインだと受講期間2~4か月、サポート期間12か月が目安です。勉強時間そのものとしては、独学と講座で優劣をつけるのは難しいでしょう。独学の場合個人差が大きいためです。

講座の場合はカリキュラムが決まっているので個人差は少な目になりますが、当然講座を受ければ合格できるわけではありません。講座受講期間や講座受講後に自分で学習する必要があります。そのため、講座を受講してもトータルの勉強時間は人によって変わってくることにはご注意ください。

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プロジェクトマネージャ試験を取得するメリット

プロジェクトマネージャ試験は試験範囲が広く難易度も高いため、合格するためにはプランをたてて効率的に学習することが必要です。その分、試験を受験して合格すれば、さまざまなメリットを得られるのも事実です。特にITエンジニアとしてのキャリアパスにプロジェクトマネージャーを想定している場合のメリットは大きいでしょう。

ここではプロジェクトマネージャ試験に合格する主なメリットを4つご紹介します。

PMとしての知識を客観的に評価してもらえる

プロジェクトマネージャ試験に合格することによりPM(プロジェクトマネージャー)としての知識を客観的に示すことができます。

プロジェクトマネジメントの手法は多数存在し、またプロジェクトごとに特性が存在するため、どんなプロジェクトでも必ず対応できると言い切れるようなスキルレベルを表すことは困難です。しかし、プロジェクトマネージャ試験に合格することで、一定レベルのプロジェクトマネジメントスキルを満たしていることを証明できます。

履歴書の資格欄にも「プロジェクトマネージャ試験合格」と記載するだけでもそれなりの説得力はあります。IPAおよび経済産業省からプロジェクトマネジメントスキルを認定してもらえ、客観的にスキルを示せることは大きなメリットです。

関連記事:
プロジェクトマネージャーに役立つおすすめの資格と難易度を解説
SEからプロジェクトマネージャーになるには?年収や業務内容を比較

転職に有利になる

プロジェクトマネージャ試験に合格すれば、転職でも有利に働くことがあります。特にIT業界ではプロジェクトマネージャ試験は知名度が高く、評価は高いです。

IT業界では、システム開発やネットワーク構築の実務スキルが重視される傾向があります。しかし、大規模な開発においては、複数のエンジニアを取りまとめてプロジェクトを推進していく人材が求められます。エンジニアとしては優秀でも、プロジェクトマネジメントに適性があるとは限りません。プロジェクトマネジメントにはエンジニアとは異なるスキルが求められるからです。

プロジェクトマネージャ試験に合格するための学習では、プロジェクトマネジメントのスキルを身につけるきっかけとしても有用です。エンジニアとしてのスキルに加えて、プロジェクトマネージャ試験の合格をアピールできれば、転職活動時に高く評価される可能性は高いといえます。

関連記事:プロジェクトマネージャーの転職事情は?年収の上げ方や求人例も紹介

年収アップやキャリアアップに繋がる

プロジェクトマネージャ試験の合格は、年収アップやキャリアアップにつなげることもできます。可視化しにくいプロジェクトマネジメントのスキルですが、プロジェクトマネージャ試験の合格はスキルを証明する数少ない手段の一つです。

たとえプロジェクトマネジメントが未経験でも、プロジェクトマネージャ試験に合格していれば一定のスキルを示せ、マネジメントを依頼される契機にもなります。プロジェクトマネジメントを業務範囲に含むことは、ITエンジニアが年収アップやキャリアアップを実現するステップの一つです。

関連記事:
未経験でプロジェクトマネージャーになるには?資格や適性を解説
プロジェクトマネージャーの年収とは?求められる経験やスキルも解説

ほかの国家資格試験が一部免除される

プロジェクトマネージャ試験の合格を目指す方の中には、他の国家試験も今後合格を目指している方もいるでしょう。プロジェクトマネージャ試験に合格すると、ほかの国家資格試験の一部が免除される場合があります。具体的には、主に以下のような試験において一部免除制度があります。

弁理士試験
一部科目(理工V「情報」)の受験が免除される。

中小企業診断士試験
一部科目(第一次試験の「経営情報システム」)の受験が免除される。

技術士試験
第一次試験専門科目(情報工学部門)の受験が免除される。


ITコーディネータ(ITC)試験
一部の受験が免除される専門スキル特別認定制度を利用できる。

弁理士をはじめ、難易度の高い試験で一部免除になるのは、この資格合格を目指す大きなメリットと言えます。

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プロジェクトマネージャ試験の勉強方法

プロジェクトマネージャ試験の対策となる勉強方法には、独学で勉強する方法と、民間の講座を受講して学習する方法の2つに分けられます。コストや試験区分についてのサポートの仕方などが異なりますので、自分のスキルと知識の状況などと照らし合わせて選択してください。もちろん、併用しても良いです。

独学で勉強する

プロジェクトマネージャ試験を独学で勉強する方法をご紹介します。

独学にはコストを抑えられる点やスキマ時間を活用した学習がしやすいなどのメリットがあります。一方で、プランをたてて広大な範囲に対応する必要がある点は注意しておきましょう。

参考書・過去問で傾向をつかむ

プロジェクトマネージャ試験はIT業界では有名な国家資格のため、試験対策のための書籍が出版されています。特に午前の問題はマークシート形式であり、過去に出題された問題と類似する問題が繰り返し出題される傾向があります。

具体的な勉強方法として、まずは参考書で知識をインプットし、それから過去問を繰り返してアウトプットを鍛えましょう。単純な方法ですが、とにかく過去問をひたすら解くことで、本試験に合格できる水準の知識を身につけられます。

例えば、参考書としては『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2024年版』(翔泳社、ITのプロ46、三好康之)『令和03年 プロジェクトマネージャ合格教本』(技術評論社、金子則彦)などがインプット教材として挙げられます。

過去問対策としては、『2024-2025 プロジェクトマネージャ 総仕上げ問題集』(アイテック、アイテックIT人材教育研究部)が平成26年度春期~令和5年度秋期の本試験問題とその詳細な解答・解説を収録しています。

参考書・過去問はほかにもあるので、書店にて実際に内容を確認して、自分にとってわかりやすそうなものを選ぶと良いでしょう。

スマホのアプリを活用する

プロジェクトマネージャ試験の問題集はスマホアプリとしても提供されています。特にマークシート形式の午前の問題では、アプリを使って問題に解答するだけで、正解した問題と間違えた問題が記録されていくので、復習も容易です。価格も紙媒体の問題集より安価な場合も多く、スマホだけで手軽に学習できる点がおすすめのポイントです。

「小論文」対策もしておく

プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅱでは小論文が出題されます。これは課題が与えられて、自分自身の実務経験をもとに論述する試験です。120分間という試験時間で文章をまとめて記述しなければなりません。

プロジェクトマネジメントの知識に加えて、文章を書くスキルが求められます。プロジェクトマネージャ試験の合格には、午後Ⅱの小論文でAランクの評価が必要です。小論文の攻略がプロジェクトマネージャ試験の合格には欠かせないのです。

市販の書籍では『プロジェクトマネージャ合格論文の書き方事例集 第6版』(アイテック、岡山昌二 、落合和雄、佐々木章二、長嶋仁、 満川一彦)が小論文対策の定番です。小論文対策として何から始めたらよいのかわからない方のために、30本の論文事例をもとに、小論文を書くトレーニングができます。

午後Ⅰ対策・午後Ⅱ対策を個別に強化したい方は、『プロジェクトマネージャ 午後1 最速の記述対策 2024年度』(TAC出版、三好隆宏)『プロジェクトマネージャ 午後2 最速の論述対策 2024年度』(TAC出版、三好隆宏)の2冊が良いでしょう。それぞれ午後Ⅰと午後Ⅱの出題の傾向をわかりやすく解説しており、はじめてプロジェクトマネージャ試験を受験する方にもおすすめです。

講座を受講する

プロジェクトマネージャ試験対策を目的とした通信講座も有効な学習方法の一つです。独学に比べると高価ですが、体系的かつ網羅的に学習したい方や、お金をかけてでも合格したい方にとっては、講座の受講は選択肢の一つになるでしょう。

eラーニングによる学習は自分の好きな時間に利用できるメリットがあり、模擬試験を受験することで、ほかの受験者との比較で自分のスキルがどの程度なのか知ることも可能です。特に独学が難しい小論文対策では、プロの講師による採点サービスが利用できる講座もあり、活用の理由となります。

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プロジェクトマネージャ試験以外のおすすめ資格

プロジェクトマネージャ試験への合格を望んではいるが、まだ難易度が高いと感じる方や、プロジェクト経験が浅いのでもう少し経験を積んでから受験したいという方もいると思います。そのような場合には、プロジェクトマネジメントに関連する他の資格や情報技術者試験の下位区分の資格などを受験することも良いでしょう。

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験もIPAが運営する、高度情報処理技術者試験の1つです。IPAはITストラテジストを、『経営とITを結びつける戦略家』としており、IT知識を使って事業を改革したり最適化するための方針検討や推進を行える力が問われる試験です。

プロジェクトマネジメントは既にシステム化計画が行われて要件が定まり、どのようなシステムを構築するかが決まった状態から始まります。一方、ITストラテジストの仕事は、そのさらに上流の経営課題をITで解決するITビジネス戦略も含みます。

そのため、ITを使ってビジネスを成功に導くCIOやCTO、ITコンサルタントを目指す方におすすめの資格です。

ITコーディネータ試験

ITコーディネータ試験は、ITコーディネータ協会が提供する経済産業省推進資格でもある民間資格です。難易度は比較的低めで、合格率は60%~70%程度です。CBT方式のため、合否もその場で知ることができます。

年に2回実施されており、受験料は税込で19,800円です。ITコーディネータ資格の取得には、試験合格後のケース研修への参加も必要となります。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験もIPAが運営する情報技術者試験の一区分です。高度情報処理技術者試験はまだ難しいが、基本情報技術者試験レベルの知識と技能を持ち合わせている方に推奨されている試験です。

この試験の特徴は、技術から管理、経営まで、幅広い知識と応用力が問われるという点です。高度情報処理技術者試験は、プロジェクトマネジメントや、ネットワーク、データベースなどの一つの知識領域に特化した試験であるのに対して、応用情報技術者試験はITエンジニアとしての汎用的なスキルを身につけることができます。

そのため、SEとしての基礎は身についたが、さらにレベルアップしたいという方にはおすすめの資格試験です。

PMP®資格

PMP®資格は、米国のプロジェクトマネジメント協会であるPMIが運営するプロジェクトマネジメントスキルに関する資格試験です。PMPはプロジェクトマネジメント・プロフェッショナル であり、試験ではPMBOKガイドに基づいたプロジェクトマネジメントを行えるかが問われます。

「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)」とは、プロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめた参考書のようなもので、通称は「ピンボック」です。PMBOKはこの試験を運営する、PMIによって作られており、現在では、PMBOKはプロジェクトマネジメントの世界標準となっています。

受験者のプロジェクトマネジメントの経験や知識だけではなく、マネジメントに対する姿勢などの実務的な内容も問われます。プロジェクトマネジメントにおける世界標準の知識を身につけたいという人にはおすすめの資格です。

P2M資格試験

P2M資格試験は、日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)という組織が運営している資格試験です。エンジニアリング振興協会が発行している、「プロジェクト & プログラムマネジメント標準ガイドブック」に従ったプロジェクトマネジメントができるかどうかが問われます。

このガイドブックは、プラントエンジニアリングのプロジェクトマネジメントに、モノづくり日本のユニークなマネジメント手法と日本のICTシステム構築のマネジメント力も加味したプロジェクトマネジメントガイドブックとされています。

ガイドブックが、プラントエンジニアリングをベースとしているため、建設系のプロジェクトに関わるマネジメントを行う方におすすめの資格となります。

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プロジェクトマネージャ試験に関するよくある質問

プロジェクトマネージャ試験に関するよくある質問と回答を紹介します。

プロジェクトマネージャ試験は情報処理技術者試験の中でも最難関の試験の一つです。ITエンジニアにとって非常に有用ですが、幅広い知識と経験が求められるため、質問の内容を確認して受験までのプランをたてましょう。

Q1. プロジェクトマネージャ試験の難易度を教えてください。

プロジェクトマネージャ試験の難易度は高いです。IPAの指標ではスキルレベル4に該当し、例年の合格率は14%程度です。令和5年度の合格者の平均年齢は38.1歳で中堅以上のエンジニアが受験しています。

情報処理技術者試験の上位に当たるスペシャリスト資格の一つで、その中でも難易度は高めなので、IT業界の資格全般の中でも評価は高いです。

Q2. プロジェクトマネージャ試験の勉強時間はどれくらいですか?

勉強時間は業務経験や論文記述に向けたスキル、独学か通信講座を利用するかなどによって大幅に変わります。目安としては、50時間~300時間程度の勉強が必要でしょう。また過去2年以内に応用情報技術者に合格している場合、午前Ⅰが免除になります。

Q3. プロジェクトマネージャ試験の費用はいくらですか?

プロジェクトマネージャ試験の受験手数料は税込で7,500円です。他のIPAの資格と同様です。

民間資格と比較すると、国家資格は受験料が安い傾向です。取得後の有効期限などがないためコストパフォーマンスは非常に高いといえます。

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まとめ

プロジェクトマネージャ試験は、IPAが運営し、経済産業省が認定する国家資格情報処理技術者試験の一区分です。プロジェクトをマネジメントする人材に向けた試験であり、情報処理技術者試験の中でも最難関の一つといえます。IPAの統計情報によると令和5年度秋期試験の合格率は13.5%、合格者の平均年齢は38.1歳であり、高い難易度がうかがえます。

試験範囲は午前と午後で4区分があり、知識と技能が問われます。特に午後Ⅱは実務経験が問われる論述問題のため、合格には対策が求められます。難易度の分、国内のIT業界では知名度が高く、ITエンジニアの実力向上やキャリア形成に非常に有用です。

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この記事の監修

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