元デザイナーがエンジニアに転向こうして僕はLIGで最初のフロントエンドエンジニアになった/株式会社LIG 堀口誠人氏・林優一氏【前編】

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インタビュー前編では、元デザイナーの堀口氏が語る「フロントエンドエンジニアへの転向体験」をお届けします。

お話をしてくださる方も林氏、取材に伺った私も林と、なんだか紛らわしくて申し訳ないのですが・・・
どうかご容赦ください。

堀口 誠人氏
株式会社LIG フロントエンドエンジニア。2012年入社。
元はデザイナー兼コーダーだったが、キャリアプランに悩んだ結果LIG初のフロントエンドエンジニアになる。
・2014年 第一回HTML5カルタ大会 優勝
・2014年 第一回ZenHack 〜鎌倉建長寺で禅を学べるハッカソン〜(カマコンバレー主催) 優勝
などの実績をもつ。
趣味はスポーツ全般・宇宙・絵画。


林 優一氏

株式会社LIG フロントエンドエンジニア。2014年入社。
LIGのフロントエンドエンジニアチームにてリーダーを務める。
大学卒業からフロントエンドに主軸を置きつつ、独学でサーバサイドのプログラミング、アプリ開発、ディレクションなどを網羅する。
趣味はJavaScript・テニス・写真。

株式会社LIG コーポレートサイト: http://liginc.co.jp/

1. コーディングが好きな自分に気づいて、難しい構築にも挑めると思った

-本日はよろしくおねがいします。

堀口・林:よろしくおねがいします。

-では、これまでの経歴からお話を伺おうと思うのですが、堀口さんは元デザイナーなんですよね。
そもそもどういうきっかけでデザイナーになられたのでしょうか?


堀口:僕は元々プランナー・ディレクター志望だったんです。
学生時代は「何か面白いものを作りたい」という想いで業界問わずクリエイティブ関連の仕事中心に就職活動をしていました。ですが、企画職は狭き門でして・・・。
それで、採用試験に落ちまくる中で「まずは自分で作れる力がなきゃだめだ」と考えるようになりました。
作ったこともないのに作りたいですなんて、ただの勢いでしかないなって。

・・・で、過去を振り返ってみると、小学4年生ぐらいの頃にWebサイトを作ったことを思い出しました。

-小学校でですか!当時は周りでPCを持っていた人も少なかったんじゃないですか?

堀口:そうですね。あまりいなかったかもしれません。僕の場合は父がたまたまPCを使う仕事をしていたので、お下がりのWindows98を使わせてもらってたんです。

当時、僕ソニックのゲームが大好きで。公式サイトでファン同士のコミュニティがあって、よくやりとりをしてたんです。そこはソニックの絵や情報を交換する場だったんですが、仲良くなった人たちが自分のWebサイトを持っているのを知って。
自分も制作してみたいと思って、仲間に教わりながらコード書いたことがありました。

その経験を思い出して、Webの仕事を志したんです。


-過去の体験を再現する、という入り方だったんですね。

堀口:そうですね。

そして初めはデザイナーになろうと思いました。
当時はフロントエンドエンジニアという職種はほとんどいなくて、多くの会社では代わりにデザイナーがフロント部分の全てを制作していました。場合によってはディレクションも担うことも。
それで、デザイナーならいろんな経験が積めると考えました。

-では、デザイナーからフロントエンドエンジニアへ転向した理由は何でしょうか?

堀口:大きな理由が2つありました。

1つは、単純にコーディングが好きだと気づいたことです。
これは実務で仕事をしていく中で気づいたことですが、僕が小学生だったころとは比べものにならないくらい今は色々なことができるので、とても面白い分野だと感じました。

もう1つは、フロントエンドエンジニアが世の中的に必要とされている職種だと知ったことです。
以前は、コーディングの業務はどんどん海外のコーダーにアウトソーシングされて、安い仕事になっていくんだろうなあと思っていたんですが、案外そればかりでもないと。

できることが増えてきたおかげで、従来のデザイナーやコーダーだけでは対応できなくなってきた難易度の高い構築は、フロントエンドエンジニアという新しい職種が担うようになってきました。
それで、「なんだ、頑張ればまだまだコーディングでご飯食べていけそうじゃん」って思って、思い切ってジョブチェンジしました。(笑)

2. JavaScriptだけで一生が終わると思ったくらい、奥深く広い世界


-デザインからフロントエンドに担当が変わって、業務上でどのような変化がありましたか?

堀口:そうですね・・・業務の守備範囲がとにかく広くて。まず何から始めてどこまでやればいいんだろうっていうのは迷いました。サーバサイドの仕事もあるし、デザイン寄りの仕事もあるし。

JavaScriptも、もうこれだけで一生終わるんじゃないかっていうくらい奥が深くて。あとツールも次々と出てきますし。
業務範囲も広くて、ツールの流行り廃りも激しくて、取捨選択が今も非常に悩ましいです。

-ちなみに、LIGさんではそのような取捨選択をどのようにされているのですか?

林:個人判断ですね。情報に関しては、「過去にこういうことがあって、こういうケースで解決した」といった共有はするんですけど、それをどう使うのかっていうのは個人に任せています。

-自分でツールを選べる環境なんですね。自分で考えられる場があるって幸せという方も多いのではないでしょうか。

林:どうですかね?結構圧力に感じているかもしれないです(笑)

堀口:あはは(笑)いや、僕はいいと思っていますよ。

-では逆に、フロンドエンドエンジニアならではの魅力というか、仕事の面白さはどういう点にあると思いますか?

堀口:やっぱり、やろうと思えば何でもできる点は魅力だと思います。バックエンドからデザイン的な部分まで、守備範囲が広いので。

あとは、関わる人が多いのでよく感謝してもらえます(笑)
フロントエンドは、Web制作においてはプロジェクト全体に関わるので、デザイナーさんやバックエンドエンジニアさんのタスクを手伝うこともできます。

他の職種だとこうはなかなかいかないと思うんですけど、フロントエンドはそれができるので、かなり柔軟に動けますね。

-多方面にダイレクトに関われる魅力があるんですね。代わりに、コミュニケーションスキルやいわゆる「巻き取り力」が非常に求められるポジションとも言えそうですね。

堀口:それは非常にありますね。巻き取るってことはある種の「押し付けられやすさ」も大事な要素だと思っていまして。

僕も以前は「おまえ嫌だって顔に出てるよ」ってよく言われてたんですけど、
今はいかに「やりますよ!」ってキラキラ笑顔で対応するかという部分も意識しています(笑)

-対応力も大事ということですね。林さんはいかがですか?

林:そうですね・・・この職種そのものがまだ世に浸透していないので、常に新しいノウハウが出てくるっていうのはありますね。あとは、ライバルがわらわらいる状態ではないので今がチャンスかなと思っています。
 

 

3. フロントエンドエンジニアになるなら「嫌い」をつくるな

-では、今後フロントエンジニアになりたい方に対して、何かアドバイスはありますか?

堀口:うーん、そうですね・・・好きで何か作っている方はいつでもなれると思いますし、まだ作ったことない方は1回作ってみて、夢中になれたら大丈夫です。

-好きだったらなれると。

堀口:そうですね。
ものを作る仕事って、本当にやりたい人は「やりたい」って口にする前にもう既に行動に移しているような気がします。
Web開発者に限らず、例えばゲーム作りたい人は就職する前に既に作っていたり、漫画描きたい人はスクール通う前に描いちゃっている。

-たしかに、堀口さんも小学校の時にWebサイトをすでに作成されていましたね。

堀口:あとは、過去に自分がやったことを振り返ってみてもいいと思うんです。

僕、学生時代に就活で非常に苦労しまして・・・100社以上落ちたんですよね。で、その中で見つけた答えの1つに、
「きっと自分の中に将来成功するための伏線がある」と思ったんですよ。
漫画の『ワンピース』を読んで思ったんですけど(笑)
主人公のルフィが大海賊になったのは、幼少期に滅茶苦茶カッコイイ海賊に出会った、っていう
伏線があったからだと思うんです。

「じゃあ自分の伏線はなんだろう?」と考えたら、小学生のときにWebサイトを作った経験がありました。
人に話してみると「すごいね」って言ってもらえて。それを鵜呑みにしてWeb業界に飛び込みました(笑)
自分は今、過去からの伏線を回収してるんだって思っています。

なので、フロントエンドになりたい方は、これまでを振り返って作ったものを思い出してみればいいし、作ったことがない方は仕事を探す前に一度作ってみるといいと思います。
自分が本当にやりたいことなのか、相性はいいのか、見えてくるんじゃないかなと。

-本当にやりたいことは過去の自分がすでに行っていて、それが今への伏線になっている・・・なんだか深いですね。

堀口:自分でもいいこと言ったなと思います(笑)

-(笑)
では、林さんはいかがですか?


林:「まずはこれをやれ」っていうのは、基本的にはないですね。好きなようにやってみるっていうのは1つあると思うんですけど。
ただ、「嫌い」を作らないで欲しいですね。

守備範囲が広い以上、嫌いなものを作ってしまうと、その時点でフロントエンドをやるメリットがなくなっちゃうんですよ。だったらサーバサイドでエンジニアをやればいいし、デザイナーでもいいと思うし。せっかく広い土壌があるにも関わらず「嫌い」ってだけでどんどん狭くなっていく。
これってもったいないですよね。食わず嫌いはあんまりしないほうがいいと思っています。

-好奇心の強さが合う合わないを左右しそうですね。

林:そうですね。それゆえ、逆に飽きっぽいのは全然いいと思っています。好きなことや興味があることはどんどん新しいことやったらいいんじゃないでしょうか。

インタビュー後編に続く)

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