- エンジニアは何歳まで転職可能?35歳定年説が古い理由
- 年齢別、エンジニア求人の年収やキャリアパスとは?
- 年代別、エンジニアのキャリア構築のステップ
- エンジニアが転職する際のポイント
- 転職するならエージェントを活用
エンジニアは何歳まで転職可能?35歳定年説が古い理由
まず、エンジニアは何歳まで転職可能なのか解説します。結論からいうと、エンジニアは何歳までという上限なく転職が可能です。たとえば35歳以上でも転職はできます。過去には「エンジニア35歳定年説」といわれ、35歳以上になると転職が難しいと言われていましたが、この価値観はもう古くなってきています。なぜ古くなってきているのか、理由を紹介します。
「エンジニア35歳定年説」とは
35歳を超えると「体力が追いつかなくなっていく」「新しい知識を吸収できなくなるので、ほかの職種への転職が厳しい」「管理職にキャリアアップする人が増えてくる」などの理由から、「エンジニア35歳定年説」という言葉が使われていました。
しかし、これは過去の話であり、現代のIT業界では状況が大きく変わっています。現在のIT業界では、35歳を過ぎても希望の職場・職種への転職を果たし、活躍しているエンジニアが多くいます。
エンジニア職は35歳以上でも転職できる理由
エンジニア職が35歳以上でも転職できる理由は、業界全体が人手不足であることや、それに伴い未経験者もスキルを身につけやすい環境が整えている企業が増えていることが大きな要因です。
また、35歳定年説で言われていたような「年齢が上がると体力・学習意欲が衰える」ということが、多くの人に当てはまるとは限りません。
業界全体が人手不足
IT業界は深刻な人手不足の傾向にあります。以下は、厚生労働省の一般職業紹介状況から、情報処理・通信技術者の有効求人倍率をまとめたものです。※常用(パート含む)
年月 | 情報処理・通信技術者 | 職業計 |
---|---|---|
令和6年1月 | 1.53倍 | 1.21倍 |
令和6年2月 | 1.59倍 | 1.20倍 |
令和6年3月 | 1.59倍 | 1.17倍 |
このデータから、情報処理・通信技術者の有効求人倍率がほかの職種よりも高いことが分かります。IT需要の拡大やデジタル変革(DX)の加速により、エンジニアの需要は増えています。加えて、IT教育の遅れにより人材の供給が追いつかず、人手不足の傾向が続いています。
年齢が上がっても体力・学習意欲が衰えるとは限らない
現代のIT業界では、年齢が上がっても体力や学習意欲が衰えるとは限りません。身体を鍛えたり整えたりしながら活躍することを基本とするエンジニアは多いといえるでしょう。また、経験豊富なエンジニアは新しい技術を学び続け活躍しています。
未経験からスキルを学びやすい環境が整っている
経験を活かせる分野への転職はもちろんのこと、現在は未経験分野への転職もしやすくなっています。優良な学習サイトを使えば、現職が忙しい方でも隙間時間にスキルを学べる環境が整っています。
独学が厳しい場合も、オンラインのセミナーやプログラミングスクールを活用すればスキルを身につけられます。
年齢別、エンジニア求人の年収やキャリアパスとは?
何歳でも転職できるとはいえ、現職よりも大幅に年収が下がってしまうのは避けたいものです。エンジニアになるとどの程度の年収を得られるのか気になる人は多いでしょう。
ここでは、厚生労働省のデータをもとに、年齢別のエンジニア年収をまとめました。また、職種ごとに求められるスキルについても詳しく解説します。
年齢別の年収
厚生労働省のjobtagでは、システムエンジニア(業務用システム)の年齢別の平均年収が紹介されています。
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20~24歳:341.48万円
24~29歳:453.91万円
30~34歳:512.63万円
34~39歳:597.93万円
40~44歳:646.9万円
44~49歳:674.62万円
50~54歳:679.57万円
54~55歳:732.17万円
キャリアの選択肢
転職で年収を上げたい場合、エンジニアで数年経験を積んだらプロジェクトマネージャーやITコンサルタントなどの職種へキャリアアップ・キャリアチェンジすると良いでしょう。これらの職種は裁量権があり責任も重いため、年収が高い傾向にあります。
エンジニアにならなくても転職することは可能ですが、マネジメント経験が問われます。また、現場でITに関する知識を求められることもあるでしょう。これらを踏まえたうえで、エンジニアになってから目指すか、直接プロジェクトマネージャーやITコンサルタントなどになるか検討するのがおすすめです。
ほかにも、データサイエンティストなどは現在需要が高まっている職種です。専門性が高いため現場経験と深い専門知識・スキルが求められます。
職種別の求められるスキル
転職市場で求められるスキルは、ポジションにより異なります。高度なスキルが要求される以下の職種について、特に重要視されるスキルを中心にまとめました。なお、コミュニケーション能力と課題解決スキルはIT系職種であれば必要とされます。
ポジション | 主な業務内容 | 求められるスキル |
---|---|---|
プロジェクトマネージャー (PM) |
プロジェクト全体の管理 | ・プロジェクト管理スキル |
ITコンサルタント | クライアントの課題解決 | ・クライアントとの折衝スキル ・コンサルティング経験 ・業務プロセス設計能力 ・ビジネス分析/戦略立案スキル |
システムエンジニア (SE) |
システム開発・設計、要件定義 | ・プログラミング言語 (Java, Python, C++など) ・データベース設計 ・クラウド技術 (AWS, Azure, GCPなど) ・システムアーキテクチャ設計スキル |
データサイエンティスト | データ分析、機械学習アルゴリズム の設計・実装 |
・データ分析スキル ・機械学習アルゴリズムの理解 ・データビジュアライゼーションスキル ・ビジネスデータ分析経験 |
年代別、エンジニアのキャリア構築のステップ
エンジニアが転職を成功させるには、キャリア構築の戦略を立てることが大切です。キャリア構築の戦略方針は年代によって変わります。そこで、20代〜30代前半、30代後半〜40代、50代以上の年代に分けて、エンジニアのキャリア構築の考え方について解説します。時間を無駄にしないよう、日頃からどのように仕事に向き合っていくか考えるためにも役立ててください。
20代〜30代前半(初期キャリア)
若いうちにキャリア構築を意識することで、将来転職活動する際に有利になります。20代〜30代前半のキャリアパスの一例です。
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22歳:新卒でエンジニアとして入社、スキルを磨き経験を積む
25歳:クラウド、AI、データマイニングなどの最新技術を習得
28歳:プロジェクトでリーダー役を担い、初期キャリアでの経験を活かして転職など
最新技術を中心に獲得する
今後需要が高まると予想される分野を中心に勉強すれば、自分の市場価値を高められます。具体的には、クラウドサービスやAI・VR、データマイニングなど注目度の高い分野のスキルを磨くと良いでしょう。ただし、トレンドは移り変わるものなので、ニュースサイトやIT雑誌・メディアなどを通じて、最新情報を日々取り入れることは忘れてはいけません。
広い人脈を構築する
SNSやオンラインコミュニティを通じて、社外の人脈を構築することが大切です。業界の最新動向に関する情報を得やすくなるのに加え、広い視野を持てるようになります。また、コミュニティに所属するとディスカッションする機会にも恵まれ、コミュニケーション能力の向上に繋がります。
30代後半〜40代(中堅キャリア)
中堅からのキャリアアップの方向性は「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」に分かれます。どちらに適性があるかを判断したうえで、必要なスキルを身につけていきましょう。30代後半〜40代のキャリアパスの一例です。
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35歳:プロジェクトリーダーとしてマネジメント経験を積む
38歳:スペシャリストかゼネラリストかの方向性を明確化する
40歳:スペシャリストはクラウドアーキテクトなど、ゼネラリストはプロジェクトマネージャーとして活躍するなど
スペシャリストとして専門性を高めていく
特定の技術を突き詰めることで他の求職者と差別化を図れます。たとえば、以下の職種へのキャリアパスが想定されます。
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クラウドアーキテクト
セキュリティスペシャリスト
データサイエンティスト
ゼネラリストとしてマネジメント職の経験を積む
プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなど、ゼネラリストとして働く道です。小さいプロジェクトが社内で発生したら、リーダーや補佐役になるチャンスを逃さないことが大切です。たとえば、以下の職種へのキャリアパスが想定されます。
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プロジェクトリーダー
プロジェクトマネージャー
ITコンサルタント
50代以上(上級キャリア)
ベテランエンジニアで50代以上になると、どのようなポジションでキャリアを終えたいか意識することになります。50代以上のキャリアパスの一例です。
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50歳:現場リーダーとして技術力を発揮する
55歳:経営陣に近いポジションで会社の方向性を牽引する
60歳:技術教育や技術指導を通じて次世代エンジニアを育成する
現場リーダーとして活躍する
開発のエキスパートとして、社内でもっとも技術に詳しい人材を目指す道です。その分野に強い関心を持っている方は、50代になっても学習意欲が衰えることがなく、常に情報をアップデートしながら定年まで現場で活躍できます。新人の技術教育にも携わり、後任の育成者としても活躍できます。
たとえば、以下の職種へのキャリアパスが想定されます。
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テックリード
新人教育担当
クラウドアーキテクト
経営陣に近いポジションで働く
マネジメント経験や長年培った知識を活用すれば、ITコンサルタントやCIOなど、会社やプロジェクトの方向性を決める裁量権が大きい仕事を目指せます。優秀な成果を出すことができれば経営層にキャリアアップする道も開けます。
エンジニアが転職する際のポイント
エンジニアは「何歳まで」という制限なく、スキルを持っていたり経験を積んでいたりすれば転職ができる職業です。しかし、転職の仕方を誤れば、年収が下がってしまったり、希望するポジションに就けなかったりすることはあります。そこで、エンジニアが転職する際に意識するべきポイントについて解説します。
転職の目的を整理する
何を優先して転職したいのか明確にしないと、転職活動が長引くことがあります。たとえば次のように優先したい項目に順位をつけておくと、転職先を選びやすくなります。
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1位:給与 ⇒ 月給40万円以上、ボーナス年2回
2位:労働環境 ⇒ リモートワークやフレックス制などの柔軟な勤務環境
3位:やりがい ⇒ 新技術への挑戦、マネジメントポジション、プロダクトへの貢献など
自分の市場価値を客観的に把握する
自分の市場価値に合わない求人ばかりに目を向けていると、転職先がなかなか決まりません。逆に、自分の市場価値を過小評価してしまうと、年収アップのチャンスを逃してしまいます。以下の点を客観的に分析することが大切です。
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スキル:プログラミングなどのIT技術(マネジメントなども含む)
経験:マネジメント/リーダー経験、業界知識、開発知識
実績:成功したプロジェクト数や貢献実績(売上増加、コスト削減)など
中途採用者が受け入れられやすい企業を探す
35歳以上の中途採用者を積極的に受け入れる企業と、そうでない企業が存在します。前者の企業を狙った方が転職しやすいうえ、転職後も心地よく働けるでしょう。注意したいのは、平均年齢が若く、20代の管理職がいる企業です。20代の管理職の中には、年上が部下になることを嫌がったり仕事を教えにくいと感じたりする人もいます。
35歳以上の中途採用者を積極的に受け入れる企業例を挙げます。
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外資系IT企業:実力主義で年齢に関係なくキャリアアップができる
ベンチャー企業:経験豊富なエンジニアを求めていることが多い
中堅/大手企業:社内教育制度やスキルマッチングでシニア層を支援していることがある
これらのポイントを押さえて、転職活動を成功させましょう。
転職するならエージェントを活用
新卒で入社した会社に長く勤めていると、転職活動を行った経験がない方も多いでしょう。転職活動の経験がない方にはエージェントの活用をおすすめします。特にIT業界やエンジニア転職に特化しているサービスは、キャリアアップやキャリアチェンジを図りたいエンジニアに最適です。エージェントの活用がおすすめである理由を紹介します。
IT技術に精通したアドバイザーが在籍している
レバテックキャリアなどのIT業界に特化した転職エージェントには、IT技術に精通したアドバイザーが在籍しています。そのため、アドバイザーと意思疎通がしやすく、スキル・経験や要望にマッチした企業を紹介してもらえます。
自分の市場価値を適切に判断してくれる
自分の市場価値を客観的に判断することは大切ですが、転職経験がない人にとって客観的判断は難しいです。多くの求職者のデータを見てきたエージェントのアドバイザーなら、その人の市場価値を正確に把握できます。そのため、市場価値に合わない求人に応募してしまうことを避けることができ、より短期間で転職成功へ向かうことが可能です。
キャリア構築に関するアドバイスを受けられる
エンジニアとしてのキャリア構築に悩んでいる場合、アドバイザーからアドバイスを受けられます。現時点でのスキルや過去の実績はもちろんのこと、業界トレンドも意識して、市場価値を効率的に高められるキャリアプランを提案してもらえます。キャリア構築に関する相談だけでもエージェントの利用は可能です。すぐ転職する予定がなくても問題ありません。
ITエンジニアの転職ならレバテックキャリア
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