Twitter社が開発したデザインフレームワーク!最新バージョンで何が変わったのかBootstrapとは?特徴とメリット、できること、導入方法などを解説

最終更新日:2021年4月30日

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Webサービスやアプリケーション開発の現場でも顧客体験が重視されるようになりました。今後は、Webエンジニアにも顧客体験を意識した開発スキルが求められるでしょう。そこで、顧客体験を重視したWeb用フレームワーク「Bootstrap」に着目してみてください。ここでは、顧客体験にフォーカスしたフレームワーク「Bootstrap」について解説しています。

1. Web開発のフレームワーク「Bootstrap」とは?

まず、Bootstrapの概要や特徴について解説します。Bootstrapは、レスポンシブデザインを基本とし、優れたデザインをスピーディーに実装するためのフレームワークです。

Bootstrapとは

BootstrapはHTML/CSSフレームワークの一種です。HTML/CSSフレームワークとは、Web制作に必要なパーツを汎用化し、ひとつにまとめたパッケージのようなものと考えてください。HTML/CSSフレームワークを活用することで、Web制作の工数が削減できたり、品質を均一化できたりといったメリットを実感できるでしょう。

BootstrapはTwitter社によって開発されました。また、OSS(オープンソースソフトウェア)として公開されており、誰もが自由に使うことができます。さらに他のOSSと同じく無償で提供されており、知識とスキルさえあれば安価に高品質なWebサイト・アプリケーションを制作できます。

Bootstrapの最新バージョンは2021年3月時点で「バージョン5」となっています。Web上の検索結果ではバージョン4の情報が多く、実際の制作現場でも4を使っているケースが少なくありません。ただし、これからBootstrapを使い始めるのならば最新バージョンの「Bootstrap5」にも触れておくことをおすすめします。

Bootstrapの特徴

Bootstrapの特徴としては以下3つが挙げられます。

標準でレスポンシブルデザインに対応

レスポンシブルデザインとは、PC・スマートフォン・タブレットなど、閲覧するデバイスに合わせて画面幅やページレイアウトを自動調整するデザイン方法です。一般的にはHTMLファイルを複数用意し、閲覧しているデバイスによって切り替えを行います。Bootstrapでは、複数のデバイスに対応するレスポンシブデザインをワンソース(単一のパターンのコード)で作成可能なため、開発工数の削減につながるという特徴があります。

豊富なテーマテンプレート

Bootstrapには、Webサイト制作でよく使われるHTMLテーマテンプレートが多数用意されています。一部は無料で利用することができ、初心者でもごく簡単にスタイリッシュなデザインを実装できるでしょう。また、無料であっても商用利用可能なテンプレートが多く、企業向けWebサイトを短期間で構築することができます。ちなみに、世界的にメジャーなCMS「Wordpress」用のテーマテンプレートも用意されています。

グリッドシステム

「グリッドシステム」とは、Webサイトの制作において非常に手間がかかる「横並びレイアウト(段組み)」を効率よく作るための機能です。コンテンツ要素を12分割し、その中の任意の領域にオブジェクトを敷き詰めるという考え方で作られています。分割した12にエリアのうち、どのエリアにどういったオブジェクトを配置するのかを自由に選択できるため、段組み作業が効率よく行えるでしょう。

Bootstrapができること

バージョン4(Bootstrap4)の時点で、Bootstrapができることは次のとおりです。
 

  • ・FontAwesome(アイコン、ツールキット)からアイコン素材を流用できる

    ・Googleが提唱する「マテリアルデザイン」に即したパーツ作成が可能

    ・モーダルウィンドウ(ポップアップ画面)の設置

    ・ナビゲーションバーの実装

    ・グリッドシステムによる段組み構築

    ・カード、フォームの設置

 

以上の5点は、レスポンシブデザインによる動的なWebサイト構築において、頻繁に発生する作業ばかりです。Bootstrapを活用することで、Web制作における作業を汎用化・パーツ化し、作業時間を大幅に短縮できるでしょう。

2. Bootstrapを活用するメリット

次にBootstrapを使用することのメリットを紹介します。

開発工数の削減

前述のようにBootstrapでは、Webサイト・アプリケーションのデザインに必要な要素がパーツとして準備されています。要素から作りこむ必要が無く、その分だけ開発工数を削減できるのです。また、HTMLやCSSのコードも汎用化が進んでおり、コーディング工数を最小化しつつ、高品質な制作が可能となっています。

デザイナー、プログラマー双方をサポート

デザイナーやクリエイターの中には、デザインに関する知識は持っていても、コーディングの経験は少ないという人がいます。一人の人間がデザイナーとプログラマーを兼務することもありますが、一般的には「プログラマー」と「デザイナー」は別の職種です。したがって、動きのあるWebサイトの制作では、JavaScriptを扱えるプログラマーが必要になることでしょう。

一方、Bootstrapを活用すれば「ノンプログラム」で動的なデザインの実装を進めることが出来ます。高度なスキルをもったエンジニアがいない環境でも、Webサイトやアプリが形になるわけです。動的表現についても「jQuery」を使用すること比較的簡単に実装できるでしょう。

もちろん、最低限必要なHTML・CSSの知識は必要です。しかし、ごくスタンダードなWebサイト・アプリケーションであれば、実際に手を動かしてプログラミングを行う必要はほとんどありません。

逆に、デザイン経験の浅いプログラマーが顧客体験を高めるWebサイトをデザインすることもできます。

容易にモバイルファースト対応が可能

Webサイト閲覧は「PC」よりも「スマートフォン」が主流になりつつあります。今後はますます、モバイルファーストなデザインが望まれるでしょう。モバイルファーストとは、「モバイルデバイス用のデザインから制作すること」です。Bootstrapは標準でモバイルファーストに対応しています。

運用、保守作業から属人性を排除できる

Bootstrapを用いる場合、フレームワーク内に用意されたテンプレートやUI、パーツなどを使うため、開発者が離職しても運用保守を続けやすいというメリットがあります。属人的な知見に基づく、難読なコードを追いかける必要がなくなるのです。これは、チームの効率をあげることにもつながります。必要最低限の知識をもった人材が数人いれば、Webサイト・アプリケーションの制作・運用・保守が可能になるわけです。

3. Bootstrapの用途と種類

では、実際のWeb制作の実情を踏まえながら、Bootstrap の用途と種類を解説していきます。

用途

Bootstrapの用途は、主にWebサイト制作とWebアプリケーション開発の2つです。

Webサイト制作

一般的にBootstrapは、オープンソースのHTML/CSSフレームワークとして認知されています。そのため、最もメジャーな用途は「Webサイト制作」です。国内外の大手企業のサイトでも、その一部でBootstrapが使用されています。

Webサイト制作は、「サイト設計」「デザイン」「開発(要素の配置や機能の実装)」「テスト」「公開」という工程で進められます。このとき、Bootstrapは「サイト設計」「デザイン」「開発」の3フェーズで活用されることが多いでしょう。

サイト設計は顧客要求や業務要求によって変わるものの、Bootstrapには実績のあるテンプレートがいくつも存在するため、テンプレートを参考にしながら設計作業を進めることもあります。Bootstrapのテンプレートをベースにすることで、ディレクトリマップやワイヤーフレーム作成にかかる工数を削減できるからです。

また、デザインと開発についてもBootstrapの機能が活用されています。Bootstrap内に用意された共通処理やパーツを配置し、任意のタグを付与するだけで、動的なWebサイトのプロトタイプが作成できるからです。

Webアプリケーション開発

Webアプリケーション開発では、主にデザインの調整で活用されることが多いでしょう。プログラミングは得意であっても、デザインにはいまひとつ自信を持てない……といったエンジニアならば、Bootstrapのメリットを体感できるはずです。

具体的には、Bootstrapを使って顧客体験の向上につながるような画面デザイン・レイアウトなどを実装していきます。デザイナーがいない開発プロジェクトでは、どうしても機能に対するロジックベースの検証が中心になりがちです。その結果、外観やレイアウト、UIなど「顧客体験」に関する部分が吟味されず、シンプルで素っ気ないアプリケーションになることがあります。

Bootstrapは、このようにデザインフェーズで調整されるべき部分が、パーツとして用意されています。したがって、デザイナーがいないプロジェクトでも顧客体験を考慮したプロダクトを生み出せるわけです。

種類

BootstrapはOSSであることから、いくつかの種類が存在します。ここでは、その中でも特にメジャーなBootstrapを紹介しています。

Twitter Bootstrap

「Twitter Bootstrap」は、Bootstrapの元祖ともいえるバージョンで、Twitter社が提供しています。現在は単に「Bootstrap」と呼ばれます。2012年にOSS化したあとは、この本家Bootstrapをベースにさまざまな派生バージョンが開発されてきました。

Angular directive for Bootstrap

JavaScriptフレームワークのひとつである「AngularJS」と連携可能なBootstrapです。AngularJSは比較的大規模なアプリケーション開発で用いられることが多く、HTMLテンプレート機能やAjax通信機能などを有しています。AngularJSはBootstrapと干渉しあう可能性が低いため、共に使われることが多いです。

BootstrapWP

世界でもっともメジャーなCMS「WordPress」との連携を想定したカスタマイズが施されたバージョンです。WordPressで、デザイン性の高いレスポンシブWebサイトを構築する場合によく使われています。

Bootstrap Themes

現在のBootstrap公式バージョンともいえる存在で、無料・有料を問わず多数のテンプレートが用意されています。テンプレートの知識だけでもある程度はWebデザインが可能になるでしょう。制作経験の少ないデザイナー志望の初心者には特におすすめです。

4. Bootstrapの導入方法

Bootstrapの導入方法について解説します。Bootstrapには2つの導入方法があるため、いずれかを選択する必要があります。2つの方法とは「CDN(コンテンツデリバリネットワーク)からテンプレートを読み込む方法」と「Bootstrapを直接ローカルPCにダウンロードする方法」です。それぞれの具体的に見ていきましょう。

CDNからテンプレートを読み込む方法

任意の場所にフォルダを作成し、規定のコードを記載したうえで「index.html」として保存します。

・既定のコード


保存が完了した後は、Bootstrap公式のダウンロードページ(※)にアクセスし、「jsDelivr」という項目のコードをコピーします。コピーした内容をindex.html内のheadタグとbodyタグ内に記載し、再度保存します。以上で、導入作業は完了です。

※参考:Bootstrap公式ダウンロードページ

直接ローカルPCにダウンロードする方法

まず、前述のBootstrap公式ダウンロードページにアクセスしましょう。次に「Download」ボタンをクリックします。クリックが完了すると、自動的に各種ファイルがzip形式でダウンロードされます。

ダウンロードが完了した後は、zipファイルを解凍し、cssファイルやjsファイルが存在することを確認してください。確認後は、これらのファイルを読み込むためのHTMLファイルを作成します。

CDNのときと同様に規定の内容を記載したindex.htmlファイルを作成します。そして、index.htmlファイル内にcssファイルとjsファイルのパスを記載し、起動時に読み込みが行われるよう編集します。以下は、展開したフォルダ直下にcssファイルとjsファイルが存在する場合の編集例です。

・編集例

編集が完了したら再度保存し、導入作業は終了となります。

5. 最新バージョン「Bootstrap 5」における注意点

最後に、2020年6月に公開された最新バージョン「Bootstrap 5」について解説します。2021年3月時点で、多くのWeb関連プロジェクトでは「Bootstrap 4」が使用されているでしょう。また、今後もしばらくはBootstrap 4をベースにした運用・保守が続くと予想されます。

ただし、Bootstrap 5にはBootstrap 4とは異なる仕様・機能が存在するため、移行前に知識をつけておくべきです。そこでBootstrap 4からBootstrap 5への変更のうち、特に注目すべき事柄をまとめてみました。

jQueryから脱却

Bootstrap5では、JavaScriptライブラリである「jQuery」が使われなくなります。jQueryはBootstrapにおける機能拡張や動的処理の実装を担う機能でしたから、非常に大きな変更点と言えます。

特にプログラミングスキルを持たないデザイナーにとっては、JavaScriptによるプログラミングを経由せずに動的表現を行うための強い味方であったはずです。しかしjQueryは、非常に便利で扱いやすいライブラリである一方、JavaScriptで作成されたプログラムよりも動作が重くなる傾向にありました。

Bootstrapの開発チームは、ファイルサイズと負荷増大の影響を重く見ており、jQueryからの脱却を決定したようです。

CSSカスタムプロパティが利用可能に

Bootstrap には、CSSカスタムプロパティという機能が搭載されています。CSSカスタムプロパティとは、CSSの記述と修正をサポートする機能です。任意の変数に値を設定することで、その値を使う場所の変更を一括で行えるようになります。

Bootstrap5では、このCSSカスタムプロパティで変数指定できる場所が増えました。この変更により、以前よりも柔軟に効率よくデザインの修正を行えるようになります。

スタータープロジェクトの提供

Bootstrap5では、初心者がより簡単に使い始められるように、ドキュメントの整備が進められています。具体的には、前述した導入方法をはじめ、初心者用のテンプレートやよく使われる設定の解説などが提供されています。詳細は公式サイト(※)から確認できますので、ぜひ一度目を通してみてください。

※参考: Bootstrap公式ドキュメントページ

変更点を意識した学習を!

このようにBootstrap5では、いくつかの大きな変更が加えられています。もしこれからBootstrapを使い始めるならば、最新バージョンを意識した学習がおすすめです。特にjQueryが利用できなくなることは、必ずおさえておくべきポイントです。もし、本格的にWebデザイナー・エンジニアとして活躍したいのであれば、JavaScriptの知識・スキルも身に着けていきましょう。

6. まとめ

Bootstrapは、レスポンシブデザインを基本とし、優れたデザインをスピーディーに実装するためのツールです。近年ではWebサービス、アプリケーション開発において顧客体験が重視され始めていることから、Bootstrapの使い方を習得することで、エンジニアとしてキャリアに幅が生まれるといえるでしょう。

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