Vue.jsとは
Vue.jsは、JavaScriptのフレームワークのひとつです。リリースされたのは2014年で、2023年11月現在はその利便性の高さから急速にユーザー数が増加している状態です。
Vue.jsがリリースされる以前から、JavaScriptにはReactやAngularといった人気のフレームワークはいくつかありましたが、Vue.jsはそれらとは異なるメリットがあり人気が高まっています。
NPM(JavaScriptのパッケージ管理ツール)でのVue.js週間ダウンロード数を見ると、2023年11月時点では約3,872万件です。約1年前のダウンロード数とほぼ変動がないため、安定した人気が伺えます。
また、比較のためにReactの同期間でのダウンロード数をチェックしてみると、約1,985万件です。ダウンロード数だけで人気の高さは判断できませんが、Vue.jsは非常に注目されていることが分かります。
関連記事:Vue.jsとは?特徴やできること、メリット、注意点などを解説
フレームワークとは
フレームワークとは、開発の基盤となる構造を提供するツールです。フレームワークを利用することで、開発者は一からコードを書く必要がなくなり、効率的に開発を進められます。
ただし、フレームワークの選択は慎重に行わなくてはいけません。その理由は、後から変更するのは困難だからです。フレームワークには、それぞれ特徴があり、汎用性や複雑さが異なります。
特に初心者にとっては、適切なフレームワークを選ぶことが重要です。難易度が高いフレームワークを選ぶと、挫折してしまう可能性があります。この点で、Vue.jsは学習コストが低いことから、プログラミング初心者の間で支持を集めています。
フレームワークとライブラリとの違い
ライブラリとは、再利用可能な機能をまとめた部品集です。開発者は、新機能を1から作り上げる代わりに、既存のライブラリを活用することで効率的に作業を進められます。
これにより、開発時間の短縮と品質の向上が可能です。ライブラリの代表例としては、JavaScriptの「jQuery」が広く知られています。
一方でフレームワークは、開発の基盤となる構造を提供するツールのことです。フレームワークとライブラリを活用することで、開発の生産性が大幅に向上します。
Vue.jsでできること
Vue.jsを活用することで、さまざまなことができます。具体的には、シングルページアプリケーション(SPA)の構築が挙げられます。
また、ユーザーが入力した値へ即座に反応することやアニメーション効果なども可能です。さらに、柔軟な機能追加や効率的な開発などもできます。本章では、Vue.jsでできることについて解説します。
シングルページアプリケーション(SPA)の構築
Vue.jsの大きな特徴はシングルページアプリケーション(SPA)の構築が比較的容易に行えることです。
シングルページアプリケーションでは、単一のページ内でコンテンツの切り替えなどを行います。また、ユーザーが入力した値などに対し、スクリプト内部で処理を行うことも特徴です。そのため、高速の画面描写や画面遷移が可能となり、UXの向上につながることからWebページ構築で注目を集めている技術のひとつです。
Vue.jsによるシングルページアプリケーションの構築を支えているのが、仮想DOMと呼ばれる仕組みです。ユーザーが入力した値などは仮想DOMに保存しておき、リアルなDOMとの違いが生じれば、差分だけを書き換えます。
この仕組みにより、単一ページでさまざまな表現が可能となります。また、HTMLファイルの読み込み回数が少なく済むため、ブラウザへの負担が減ることも仮想DOMを使うメリットです。
なお、シングルページアプリケーションはAngularやReactでも構築できますが、それらのフレームワークと比較して実装しやすいことがVue.jsの特徴です。
ユーザーが入力した値へ即座に反応
Vue.jsにはリアクティブシステムがあります。リアクティブシステムとは「ユーザーが入力した値に即座に応答する」技術です。
リアクティブシステムを利用した簡単な例として、半角の英数字のみを受け付ける入力フォームを考えてみましょう。入力フォームに「ひらがな」が入力された場合、エラーメッセージを表示させなくてはなりません。
一般的なシステムであれば、文字を入力してボタンを押した時点で画面が切り替わり、エラーメッセージが表示されるはずです。しかし、Vue.jsのリアクティブシステムでは、「ひらがな」が入力された時点でエラーメッセージを表示できます。
上記はシンプルな機能ですが、いざ実装しようとすると大変です。一方、Vue.jsでは数行のコードで簡単に実現できます。
入力フォームやエラーメッセージはあくまでも単純な例です。リアクティブシステムは、ユーザーの反応によって画面を切り替えるなどダイナミックなUI構築にも応用でき、Webページの表現の幅を大きく広げる技術です。
アニメーション効果
Vue.jsで提供されているトランジション(transition)を利用すれば、フェードイン・フェードアウトといったアニメーション効果を容易に実装可能です。
アニメーション効果はさまざまな方法で実装できますが、Vue.jsでは発生タイミングやアニメーション時間など細かな制御をしやすく、画面を詳細に作りこめます。
柔軟な機能追加
柔軟な機能追加に対応していることもVue.jsの特徴です。プログラムを小さな機能に分けた「コンポーネント」を組み合わせてアプリケーションを構築します。
そのため、機能を追加したい場合には、新たなコンポーネントを作成し、既存ページに組み合わせることによって実装できます。不要な機能をなくしたい場合には、コンポーネントと関連する最小限の部分を削除するのみです。
いずれの場合も、既存のプログラムを大幅に書き換える必要がないため、機能の追加や削除が比較的容易に実行できます。
Vue.jsは、ユーザーの反応を見ながら柔軟にバージョンアップを進めたい場合にも使いやすいフレームワークです。
効率的な開発
Vue.jsの開発で用いられる「コンポーネント」は、小さな機能単位で作成するのが一般的です。小さく分かれているため、それぞれの機能を再利用しやすく、開発の効率化につながります。
また、コンポーネントの単位が小さいため、バグの箇所や影響範囲が特定しやすいことも特徴です。
なお、コンポーネントの再利用やバグの特定などによって効率的な開発ができるのは、「コンポーネントが正しく設計された場合に限る」ことには注意すべきです。さらに、設計書などのドキュメントがきちんと管理されている必要もあります。
自動的にデータが同期される
Vue.jsには自動的にデータの同期を可能とする「データバインディング機能」があります。これは、データと描画を同期する仕組みです。
WebサイトなどHTMLを使って構成されたUI操作では、DOMの状態管理や更新が必要となります。一方で、Vue.jsではJavaScriptデータと利用する箇所が紐づいているため、データを変更すると自動的にDOMも更新できます。
手順を大幅にカットでき、利便性が高いのがVue.jsの特徴です。
Vue.jsが使用されている分野
Vue.jsは、幅広い分野で活用されているフレームワークです。主に使用される分野には、フロントエンド開発やモバイルアプリ開発が挙げられます。
また、デスクトップアプリの開発でもVue.jsが使用されることは多いです。さらに、PWA開発でもVue.jsが活用されています。本章では、Vue.jsが使用されている分野について詳しく解説します。
フロントエンド開発
Web開発の分野において、Vue.jsはフロントエンド開発向けのフレームワークとして知られています。フロントエンド開発とは、ユーザーのブラウザ上で動作し、画面表示やインタラクションを制御するプログラムの構築を指します。
Vue.jsの強みは、シングルページアプリケーション(SPA)の構築です。SPAは、単一のWebページ内で全ての機能を提供するタイプのWebアプリケーションを意味します。
従来のWebアプリケーションでは、ユーザーの操作に応じてサーバーとの通信が頻繁に発生していました。一方、SPAではほとんどの処理をユーザーのブラウザ内で完結できます。
この方式により、サーバーとの通信量を大幅に削減でき、結果としてアプリケーションのレスポンス性能が向上します。
モバイルアプリ開発
Vue.jsを活用すれば、モバイル端末向けアプリの開発も可能です。モバイルアプリの主要な実行環境には、iOSとAndroidの2大OSがあります。
Vue.jsのフレームワークを利用することで、開発者はこの両方のプラットフォームに対応した「ハイブリッドアプリ」を効率的に作成できます。これにより、1つのコードベースから複数のOS向けアプリの開発が可能です。
デスクトップアプリの開発
デスクトップアプリの開発でも、Vue.jsが活用されています。Electronというフレームワークと組み合わせることで、デスクトップアプリケーションの開発も可能になります。
Electronとは、Web技術を用いてデスクトップソフトウェアを作成するためのプラットフォームです。Electronを使うことで、開発者はHTMLやCSS、JavaScriptなどの言語を使用して、スタンドアロンのアプリケーションを構築できます。
さらに、Electronで開発されたアプリケーションは、WindowsやmacOS、Linuxなど、主要なデスクトップOSで動作します。
PWA開発
Vue.jsの活用分野には、近年注目を集めているPWA(プログレッシブウェブアプリ)の開発も含まれます。PWAとは、Webアプリケーションとモバイルアプリの特徴を融合させた形態のアプリケーションのことです。
PWAは、Webブラウザで動作します。さらに、モバイル端末のホーム画面にアイコンを配置して直接起動も可能です。また、通常のWebアプリケーションとは異なり、オフライン環境でも一部機能を利用できます。
Vue.jsを利用したWebサイト・サービスの代表例
本章では、Vue.jsを利用したWebサイト・サービスの代表例を紹介します。代表例を以下の表にしてまとめました。
Vue.jsを利用した サイト・サービス例 |
サイト・サービス概要 | Vue.jsの活用内容 |
---|---|---|
ZOZO TOWN | ファッション中心のアパレル流通サイト | 写真の切り替えや拡大縮小機能を搭載 |
note | コンテンツ投稿・配信サービスサイト | 表示速度改善のため、Vue.jsを導入 |
日本国内のVue.jsを利用した有名なサービスとして、ZOZO TOWNが挙げられます。大手ECサイトで、さまざまな製品の写真が掲載されています。ユーザーは写真を切り替えたり、写真を拡大・縮小したりして製品を選べます。
ストレスなく買い物ができるのは、素早い画面表示や画面遷移があってこそです。「Vue.jsでできること」をうまく利用した例といえます。
また、国内のWebサービスであるnoteも、Vue.jsをベースとしたフレームワークNuxt.jsを利用しています。noteは、文章・写真・イラストなどを簡単に投稿・配信できるサービスです。
noteではもともと別のフレームワークを利用していましたが、表示速度改善のためにVue.jsへと移行しています。「Vue.jsのできること」がUX改善につながった例です。
なお、上記はVue.jsを利用しているサービスのほんの一部にすぎません。国内外のさまざまなサイトでVue.jsが使われており、今後も利用例は増えていくでしょう。
Vue.jsを選ぶメリット
Vue.jsを選ぶことで、さまざまなメリットを得られます。主なメリットには、技術の習得が比較的容易なことや軽量でコンパクトなこと、コードの可読性が高い、読み込みや実行がスピーディーなどが挙げられます。
また、JavaScriptのライブラリと併用できることや幅広い開発分野に活用できることなどもメリットです。本章では、Vue.jsを選ぶメリットについて解説します。
技術の習得が比較的容易
Vue.jsは、学習コストが低く、技術を比較的容易に習得できます。AngularやReactと比較すると、Vue.jsで実現できることは限定的です。そのため、そもそも覚えるべきことがあまり多くありません。とはいえ、一般的なWebサービス構築で必要な機能はほぼ網羅されています。
また、Vue.js独自の文法がほとんどないことも、スムーズに学習できる理由です。基本的な書き方はHTMLと同様であるため、JavaScriptエンジニアでHTMLに関する一般的な知識があれば、概ね理解できます。コードの記述に関しても、違和感なく覚えられるでしょう。
習得が容易なことは、エンジニアだけではなく、企業側にとってもメリットです。学習コストの低さはエンジニアの育てやすさに直結するため、技術の乗り換えを検討するハードルが大きく下がります。
軽量でコンパクト
Vue.jsは本体のダウンロードファイルが20KB程度(gzip圧縮)とコンパクトです。個人のノートパソコンでも簡単にインストールできます。
また、動作の軽さも魅力的なポイントです。容量に制約があるケースでも環境を構築しやすく、さまざまな用途に使用できるでしょう。
Vue.jsのコンパクトさは、これから学習を考えている個人にとっても、導入を考える企業にとってもメリットです。
コードの可読性が高い
可読性の高さも、Vue.jsが多くのプロジェクトで採用される理由の1つです。Vue.jsでは、コンポーネントという小さな単位に分けて開発を行います。正しく設計されたコンポーネントは、必然的に行数が短くなり可読性が高まります。
可読性の高さは、バグの特定、機能の拡張、コードの再利用など、さまざまな面でメリットとなるでしょう。
読み込み、実行がスピーディー
Vue.jsを利用したnoteの例に見られるように、Vue.jsは速度性能に優れたフレームワークです。これは仮想DOMという仕組みが採用されているからで、Webページの高速な読み込み、実行ができます。
仮想DOMでは、Webページの要素をJavaScriptの部品として管理し、差が出たものだけを再描画します。表示に変化が発生した際に、Webページ全体を再描画するのではなく必要分だけ再描画するため、表示が他フレームワークと比較してスムーズです。
Vue.js自体も軽量でありコンパクトなため、大量のデータを読み込む必要がないことも高速読み込みにつながっています。
JavaScriptのライブラリと併用できる
柔軟性に優れたVue.jsは、JavaScriptライブラリと併用も可能です。例えば、Webサービスの骨組み構築はVue.jsを利用し、メニューバーの制御にはJQueryを用いるといった使い方もできます。
さらに、Vue.jsでは既存ソフトウェアの一部に導入したり、段階的に導入範囲を拡大したりも可能です。すでに利用しているJavaScriptライブラリがあっても開発に取り入れやすく、扱いやすくなっています。
幅広い開発分野に活用できる
Vue.jsはWeb開発シーンでよく利用されますが、ほかの開発分野にも活用できます。Vue.jsが幅広い機能を持っていることに加え、Vue.jsをベースにした各分野向けフレームワークも数多く存在するためです。
一例として、「Onsen UI for Vue」を使うとモバイル端末向けアプリケーションの開発ができます。また、「electron-vue」ではパソコン向けのアプリケーションを開発できます。このように、フレームワークの選択により、まったく分野が違っても開発が可能です。
開発にかかる工数を削減できる
Vue.jsには「コンポーネント」という機能があり、利用することで開発工数を削減できます。
コンポーネントはプログラムの各要素を分割し、独立して扱える仕組みです。例えば検索機能にある「キーワード入力欄」と「検索結果リスト」を個々の独立した部品として、それぞれ別の機能を作る際に使い回すといった方法も可能です。
複数画面でこうした部品を再利用すれば、同様のデザインや処理が発生した場合に一から構築する必要がありません。
成果物の品質を上げることができる
Vue.jsには開発に役立つツール、ライブラリが豊富にあるため、成果物の品質を高めやすくなります。
例えば、「Vuex」を使うとアプリケーションのデータを一元管理することが可能です。不整合が生じにくく、不具合の発生を事前に防げます。
また、開発向けエディタである「Visual Studio Code」と連携すれば、バグを減らすデバッグ処理が手軽に実行できます。
このようなツールやライブラリを活用すると、幅広い開発を可能とするだけでなく品質向上にもつながるのは、Vue.jsの持つ大きなメリットです。
Vue.jsを選ぶデメリット
本章では、Vue.jsを選ぶデメリットについて詳しく解説していきます。Vue.jsは動的なWebページを比較的容易に実装できるなど、多くのメリットをもつフレームワークですが、デメリットも存在します。
Vue.jsの習得を考えているのであれば、メリット・デメリットの双方を理解したうえで検討してみてください。
ドキュメントがあまり多くない
Vue.jsは、2024年6月現在、学習用のドキュメントがそれほど多く存在しません。例えば、大手ECサイトで「Vue.js」を検索すると、ヒットするのは約480件ほどです。
同じく人気のフレームワークであるReactやAngularは約3,000件以上であることからも、関連書籍の少なさが理解できるでしょう。また、ネット上のドキュメントに関しても同様の傾向があります。
Vue.jsはそれほど難しくないため、ドキュメントがなくて困るシーンは多くありませんが、参考になる資料が少ないことは留意しておきましょう。
大規模なプロジェクトには不向き
Vue.jsはシングルページアプリケーションの構築に便利なフレームワークです。そのため、複雑なページや大規模なサービスの構築には基本的に向いていません。
大規模なプロジェクトに関わりたいエンジニアにとっては、物足りなさを感じるかもしれず、技術を身につけても仕事で活かせない可能性があります。
Vue.jsエンジニアの将来性
Vue.jsのベースとなるJavaScriptは、Web開発に欠かせない言語であり、今後なくなることは考えにくいです。
また、Vue.jsで実装可能なシングルページアプリケーションはUI/UXの面で利便性が高く、注目を集めています。世界的に有名なIT企業での使用実績も増えているため、Vue.jsは将来性のある技術といえるでしょう。IT/Web業界のエンジニア・クリエイター専門エージェント「レバテックキャリア」でも、Vue.jsに関する多くの求人を扱っています。
一方で、Webに関する技術は進歩が速く、技術的な流行などによってエンジニアの需要が左右されることもあります。
Vue.jsだけに頼ると、将来的に仕事の幅が狭まってしまうかもしれません。将来にわたって活躍できるエンジニアになるためには、Vue.js以外にも関連技術や最新技術をフォローし続ける姿勢が大切です。
Vue.js利用の手順
学習コストが比較的少ないVue.jsは、ドキュメントや関連書籍だけである程度の基礎知識は学べます。しかし、より実践的な力を身につけるためには、実際に利用して理解するのが近道です。そこで本章では、Vue.jsを利用するための手順を4つのステップに分けて紹介します。
手順1:Node.jsのインストール
まずはJavaScriptのプログラムを実行するための環境を構築します。Node.jsをインストールし、Webアプリケーション開発をする場合のサーバーサイド開発面も行えるようにします。
Node.jsには開発に必要なライブラリをインストール・管理する「npm」も含まれます。公式サイトにアクセスし、ダウンロードするようにしましょう。
インストーラーを実行したら、画面の指示に沿って進めます。
手順2:Vue CLIのインストール
次に、Vue.jsの開発ツールである「Vue CLI」をインストールします。コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力して実行してください。
npm install -g @vue/cli
コマンドを実行後、インストールが完了すればVue CLIのコマンドが操作可能になります。
手順3:Vue.jsプロジェクトの作成
Vue.jsで開発を始めるには「プロジェクト」を作成します。作成先を決め、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行しましょう。
cd [プロジェクトを作成したいフォルダパス]
加えて、下記のコマンドを実行するとプロジェクトが作成できます。プロジェクト名に使用できるのは半角英数字のみであるため、指定は間違えずに行いましょう。
vue create [任意のプロジェクト名]
実行後は指定したフォルダ配下に任意のプロジェクト名のフォルダが作成されます。このフォルダをVue.jsプロジェクトと呼びます。
手順4:Vue.jsプロジェクトの実行
先ほど作成したVue.jsプロジェクトを実行します。プロジェクトフォルダ配下に移動し、プロジェクト名を実行するとパスを省略できます。
cd [作成したプロジェクト名]
次に、以下のVue.jsにおけるサーバー側の実行環境を起動させるコマンドを実行します。
npm run serve
「DONE」などのメッセージが表示されると、起動成功です。この状態でWebブラウザのアドレスバーに「http://localhost:8080」を指定すると、Vue.jsの画面にアクセスできます。
Vue.jsの学習方法
Vue.jsは比較的容易に習得できるとはいえ、学習方法は自分に合うものを選定し体系的に身につける必要があります。Vue.jsが気になっているエンジニアに向けて、おすすめの学習方法をいくつかまとめました。1つずつ特徴と方法を見ていきましょう。
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Vue.jsとは?他フレームワークとの違いやできることをわかりやすく解説
Vue.js関連の資格を一挙公開!転職に役立つ情報もチェック
独学する
独学でVue.jsを習得する場合でも、いくつかの方法があります。まずはそれぞれの特徴とメリットデメリットを一覧でチェックし、詳しく見ていきましょう。
学習方法 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
公式サイトの ドキュメント |
・情報が豊富、具体例も参考にできる ・正しい知識を身につけられる |
・ある程度のHTML、JavaScriptの知識が必要 ・未経験者だと理解が難しい |
・エンジニアとしての実績をある程度持っている人 ・公式の情報を得たい人 |
学習サイト | ・パソコンを使い実践的な学習ができる ・最新の情報を参照できる |
・パソコンがない場所で勉強ができない ・月額料金がかかることもある |
・有料プランなら現役エンジニアとやりとりできたり 掲示板で質疑応答ができる場合がある ・オンラインで効率良く学びたい人 |
本 | ・1冊あるとその後も繰り返し学べる ・パソコンがなくても知識を得られる |
・パソコンを使った実践学習はできない ・書籍の情報は古い場合がある |
・本を読むことに慣れている人 ・移動中などネット環境外でも学びたい人 |
YouTubeなど動画 | ・聞くだけでもスムーズに知識を学べる ・隙間時間を利用して無料で学習できる |
・応用的な内容までは網羅しにくい ・学習の順序や範囲は自分で選定が必要 |
・コストを抑えて学びたい人 ・何が知りたいかがはっきりしている人 |
公式サイトのドキュメント
独学でVue.jsを習得したい方は、Vue.js公式サイトにあるドキュメントの利用がおすすめです。情報の正確性や信頼性など、多くの面でメリットがあります。また、日本語ドキュメントが多いことも魅力です。
情報も豊富で、インスタンス作成方法などの基本操作から、APIの詳細といった細かな部分まで幅広く紹介されています。
さらに、インスタンスプロパティの追加やCMSによるブログの作成など、具体的な例も示されており、イメージをつかみやすいこともポイントです。これらのドキュメントに一通り目を通せば、Vue.jsの全体像を理解できます。
より詳しく理解したい方は、同じく公式サイトで提供されている学習用ビデオをチェックしてみてください。説明は英語ですが聞き取りやすく、技術に関することなので比較的簡単に理解できます。どれも短時間のため、隙間時間にチェックできることも魅力です。
なお、公式サイトのドキュメントは、HTMLやJavaScriptをある程度理解している前提で書かれています。JavaScriptそのものの理解に不安がある方は、JavaScriptや関連する技術を学んだうえでトライしてみてください。
学習サイト
学習サイトとは、パソコンとインターネット環境さえあれば学べるオンライン学習を指します。基礎知識は無料の学習サイトでも構いませんが、より詳しい学習が必要な場合は月額料金がかかることが多いです。
有料の学習サイトの料金やサービス内容はさまざまなので、学びにかけられる金額や学びたい・サポートを受けたい内容を軸に選びましょう。以下におすすめの学習サイトを紹介します。
・侍テラコヤ
侍テラコヤは、Vue.jsなどを含むさまざまな技術を学べる学習サイトです。月額2,980円(税込)から、100種類以上の教材が無制限で利用できます。また、レッスン(60分)はチケット制で受講できます。さらに、疑問点は「Q&A掲示板」で何度でも質問可能です。
・忍者CODE
忍者CODEは、Web制作のプロを育成することを目的とする学習サイトです。Vue.jsの基礎を学んだ後は、同サイトが提供する無料の問題集に挑戦することで、スキルを磨けます。
本
必要な知識が体系的に集約された学習本を使うとオフライン環境でも学習できます。Vue.jsは学習コスト的にも「基礎を網羅している1冊」があれば十分知識を身につけられるため、1つは手元に置いていても良いかもしれません。
本での学習は自分のペースで進められてコストも比較的抑えられる、移動中などパソコンのない環境でも学べるといったメリットがある一方で、より実践的な内容は身につけにくいです。また、情報は古くなることもあるため必ず最新の情報かを確認して学習に取り入れましょう。以下に、おすすめのVue.jsに関する書籍を紹介します。
『動かして学ぶ!Vue.js開発入門』(翔泳社、森 巧尚)
JavaScript初学者向けの実践的なVue.js入門書です。本書はVue.jsの概念を網羅的に扱い、豊富な図解とサンプルコードを通じて、プログラミング未経験者にも理解しやすい構成となっています。
特にデータバインディングやイベント処理、ライブラリの活用、コンポーネント開発など、実務で重要とされる内容を中心に解説しています。
『改訂2版 基礎から学ぶ Vue.js [2.x対応!]』(シーアンドアール研究所、mio)
こちらはVue.jsを体系的に解説する書籍です。サンプルコードの実行結果を視覚的に示すなど、初心者の方でも学習しやすく構成されています。JavaScriptの知識を習得しつつ、Vue.jsが効率的に学べます。
YouTube動画
YouTubeではさまざまなVue.jsの解説動画が掲載されています。聞くだけで学べる動画だと、移動中や隙間時間を使って学べるため知識をスムーズに取り入れやすいのがメリットです。基本的にYouTubeは無料視聴ができるため、低コストで学習できるのもポイントとなります。
ただし、動画で学ぶ分には基礎的な内容や環境のトレンドなど、部分的な知識しか学べません。サイトや書籍での学習と異なり学習順序も自分で選定する必要があるため、すぐに実践力が身につく学習方法ではないことに注意しておきましょう。以下では、Vue.jsの学習におすすめのYouTube動画を紹介します。
『【Vue.js入門】Vue.jsでタイピングゲームをつくってみよう!』
約30分でVue.jsの基本を学べるYouTube動画です。環境設定からコーディング実践まで、段階的に解説されています。サンプルコードを使用しながら学習を進められるため、Vue.jsやJavaScriptの基礎を理解している方にとって、実践的に学習できるでしょう。
『Vue.js入門 #01: 一番最初のプログラム』
Vue.js初心者向けの5分程度のYouTube動画です。基本的なプログラムの実行方法を、簡潔かつ丁寧に解説しています。Vue.jsやJavaScriptの基礎を学んだ後に視聴すると、より効果的に理解を深められるでしょう。
プログラミングスクールに通う
独学だけでは途中で挫折してしまった、何から学べばよいのか分からなかったという人は、プログラミングスクールに通うのもおすすめです。
独学だと教材選び、進捗管理や学習順序は基本的に自分で選ばなくてはなりません。スクールだとこれらすべてをスクール側で行ってくれます。どのように学習を進めれば知識が身につきやすいか熟知したうえでの教育となるため、正しい知識を身につけられます。スクールの講師はエンジニアであることが多いため、疑問点が解消できるのも嬉しいポイントでしょう。
ただし、費用がある程度かかることと、通学の時間を捻出しなくてはなりません。働きながら通えるスクールやオンラインでサポートしてくれる形態もあるため、自分の環境に合わせたプログラミングスクールを選びましょう。以下では、おすすめのプログラミングスクールを紹介します。
KENスクール
34年間の実績を持つプログラミングスクールです。教室とオンラインの選択が可能で、複数の校舎を利用できます。また、Webデザインコースでは、JavascriptとVue.jsのスキルを効果的に習得できる構成となっています。
テックキャンプ
未経験者に特化したプログラミングスクールです。未経験者でもわかりやすいカリキュラムを用意しており、現場で使える知識とスキルが身につきます。また、いつでもプロの講師にオンラインで質問できる点も魅力です。
Vue.jsエンジニアのコミュニティに参加する
Vue.jsは比較的新しく、進化を続けている言語であるため、ドキュメントだけでは疑問が解決しないこともあるでしょう。そこで役立つのが、Vue.jsエンジニアコミュニティへの参加です。
エンジニアにとって「引っ掛かりやすいポイント」は共通していることも多く、現象の詳細や解決方法がコミュニティ内で共有されています。
また、Vue.jsエンジニアの人脈が広がることもコミュニティ参加のメリットです。技術面での疑問などを気軽に投げかけあえる仲間ができれば、よりスムーズに技術を習得でき、スキルアップにつながるでしょう。
実際にWebサービスを構築する
技術を効率よく習得するためには、実際に手を動かして成果物を作成することが欠かせません。ある程度Vue.jsについて理解できた方は、学んだことのアウトプットとして、Webサービス構築にチャレンジしてみましょう。
技術の習得を目的としてWebサービスを構築する際は、サービス内容よりも技術面にこだわることが重要です。例えば、既存のECサイトを真似して構築してみるだけでも、技術は確実に身につきます。
また、技術習得のための成果物をGitHubなどに公開しておけば、転職活動時にアピールできます。転職活動で利用する可能性がある場合、ソースコードはしっかりと作りこんでおきましょう。意味のない変数名を使用しないなど、仕事のつもりで作成することが重要です。
エンジニアの転職ならエージェント利用がおすすめ
Vue.jsエンジニアとして転職を考えているのであれば、エージェントの利用がおすすめです。
エージェントではカウンセリングを通じて、これまでの経験やスキルがどういった職種で活きるのか、どういった点がアピールにつながるのかなど、プロからのアドバイスを受けられます。また、職務経歴書のブラッシュアップや面接対策など、さまざまなサービスが用意されていることもメリットです。
エージェントの利用は無料で、登録も簡単にできます。まず登録だけ行い、転職情報をチェックする使い方も問題ありません。「転職に興味はあるけれど、今すぐに転職する予定はない」という人も、気軽に登録から始めてみてはいかがでしょうか。
Vue.jsに関するよくある質問
本章では、Vue.jsに関するよくある質問と回答をまとめました。Vue.jsに関するよくある質問には、Vue.jsの意味やVue.jsが使われる理由についてなどが挙げられます。これらのVue.jsに関するよくある質問と回答を理解することで、Vue.jsの知識やスキルの習得に役立てることができるでしょう。
Q1. Vue.jsとは何ですか?
Vue.jsとは、JavaScriptのフレームワークの1つです。JavaScriptは、主にWeb系の開発に関するプログラミング言語です。JavaScriptでのWeb開発シーンにおいて、生産性をアップしてくれるのがVue.jsといえるでしょう。
Q2. Vue.jsが使われる理由は何ですか?
Vue.jsが用いられるのは、以下の理由が要因として挙げられます。
-
・軽量で高速な動作性・コストパフォーマンスが良い
・開発に役立つツールやライブラリが豊富
・既存のJavaScriptで開発した成果物に対してもVue.jsは利用できる
まとめ
JavaScriptのフレームワークの中でも注目度が高いVue.jsは、利用するメリットが多く需要が増加しています。特にVue.jsはできることの幅が広く、開発シーンで重宝する機能が充実しているため、この先開発に携わるエンジニアとしては基礎知識から身につけておくのがおすすめです。学習方法は多岐にわたるため、自分に合う方法を見つけて実践力を培いましょう。
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