Rubyとは?
Rubyとは、Webアプリケーション制作をはじめとした、さまざまな用途で使われているプログラミング言語です。日本人のまつもと ゆきひろ氏が開発した言語であるため、日本語ドキュメントが豊富にある点は、Rubyを学習する際のメリットです。
またRubyには、プログラムを生成するためのプログラムともいえる「メタプログラミング」を含め、柔軟性・効率性を高める機能が備わっています。コードが読みやすく書きやすいため、便利で実用的です。
さらに、Ruby on RailsというWebアプリケーション開発フレームワークの存在も、Rubyの人気を支えています。わずかなコマンドでプログラムを自動生成するなど、簡単にWebアプリケーションを構築するための規則や仕組みが豊富に用意されています。
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Rubyで作れるもの
Rubyで作れるものの代表例はWebアプリケーションですが、そのほかの用途でも使用されています。Rubyエンジニアを目指す場合、使用用途を知ると自身のキャリアパスを描きやすくなるため事前に確認しておきましょう。就職・転職をするにあたって、志望企業や気になる求人募集で、どのようなプロジェクトを行なっているかと確認することはミスマッチを起こさないために大切です。ここからは、Rubyで作れるものの例を紹介します。
Webサービス・Webアプリケーション開発
WebサービスやWebアプリケーションの開発はRubyが最も利用されている分野です。RubyはWebサーバーからWebブラウザ上に表示するために必要な、以下の処理に長けています。
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・データの取得
・必要に応じた加工
・ユーザーが入力/送信したデータのWebサーバー上への保存
・ログイン/検索機能の実装
そのためWebサーバーから情報取得やユーザーが入力・送信したデータの保存が必要となるECサイトの開発や、効率性や処理スピードを重視したWebアプリケーション開発を得意としています。
スマホアプリ開発
Rubyを使用することでスマホアプリ開発も可能です。RubyはiOSとAndroidの両方に対応しているため、デバイスに左右されることなく開発できます。ただしスマホアプリ開発はAppleがSwiftを、GoogleがKotlinやFlutterを標準言語として推奨しています。実装するものに合わせて言語を選択する必要があります。
スクレイピング
Rubyはスクレイピングにも適しています。スクレイピングとはWeb上の情報を収集する技術です。スクレイピングは自動で情報収集を行うため、手動での情報収集に比べて非常に効率的です。Rubyには「Nokogiri」というスクレイピング用のライブラリがあるため、容易に実装できます。
API開発
RubyはAPI開発も可能です。API開発の代表例として、SNSの認証があげられます。何らかのWebサービスへログインする際に、SNSのIDやパスワードを流用することがあるでしょう。これはSNSのIDやパスワードを流用してほかのWebサービスにログインする仕組みですが、SNSの登録情報をAPIを通じて共有しているからです。RubyではこうしたSNS認証などのAPI開発を効率的に実装できます。
Rubyは初心者向けのプログラミング言語
プログラミング言語のなかには身につけるのに時間がかかるものがあり、ITに馴染みがない方は特に自分でもプログラミング言語を習得できるかは不安に感じるところです。しかし、Rubyは初心者向けのプログラミング言語です。その理由として「ほかの言語と比べて学習しやすい」「コードの記述が少ない」といった2点があります。それぞれを詳しく解説します。
ほかの言語に比べて学習しやすい
Rubyは記述したプログラムを実行する際に、プログラムを1行ずつ読み込んで変換する「インタプリタ」を利用するため「コンパイル」と呼ばれるプログラム全体の変換作業が不要です。そのためコンパイルを必要とするJavaなどに比べると、学習が容易であるというメリットがあります。
コードの記述が少ない
Rubyはほかの言語に比べてコードの記述が少ない点も初心者向けの理由です。Rubyの変数宣言は、JavaやTypeScriptと異なり型定義が不要です。そのためほかの言語に比べて全体のコード量を圧縮できます。
またプログラムを1行1行読み込んで変換するため、短い記述でプログラムを再現できます。
Ruby初心者が学習で押さえるべきポイント
Rubyが初心者も比較的簡単に身につけられるプログラミング言語であるとはいえ、闇雲な学習方法では効率が悪いです。初心者がRubyの学習をする際にいくつかのポイントをおさえると効果的に学習できます。効率的に知識を身につけたい方は事前に確認しておきましょう。ここからは、Ruby初心者が学習で抑えるべきポイントを、プログラミング経験者・未経験者に分けて紹介します。
プログラミング経験者の場合
プログラミング経験者の場合は、自身の身につけたプログラミング言語の文法と比較しながら学習できるため、初心者と比較して身につきやすいです。しっかり順序立てて学べば早期に習得できるでしょう。ここからは、プログラミング経験者におすすめの学習ステップを紹介します。どんな学習ステップを踏んで身につけていけば良いか、詳しく見ていきましょう。
Rubyの基礎文法を学ぶ
他言語との比較を通じて、命名規則やオブジェクトの扱い、繰り返しの書き方といった基礎文法を理解しましょう。Rubyコミュニティのメンバーによって運営されるRuby公式ドキュメントをはじめ、さまざまなRuby初心者向けのチュートリアルが公開されています。
Ruby on Railsを扱えるようにする
Rubyエンジニアとしての就職・転職を検討している場合、Webアプリケーション開発フレームワークであるRuby on Railsの学習も欠かせません。Ruby on Railsは、Webアプリケーション開発を効率化できるよう、少ないコマンドで多くの自動処理をしてくれるフレームワークです。その価値を最大限活かすためにも、決められた規則を覚える必要があります。
Webアプリケーション制作をしてみる
基礎を学んだあとは、実際にWebアプリケーションを制作すると理解が深まります。シンプルな記述でさまざまな表現ができるRubyによって、プログラミングの楽しさを実感できるでしょう。独学やプログラミングスクールでの学習の一環として、自分の興味ある分野のWebアプリケーションを作ってみると良いでしょう。
関連記事:Rubyの勉強方法や学習サイト、スキルを証明する資格を紹介
プログラミング未経験者の場合
プログラミング未経験の場合は、コーディングの基礎を学びながら、Ruby独特の仕様を理解していかなければなりません。
ここからは、プログラミング未経験者におすすめの学習ステップを紹介します。紹介する内容は、環境設定やプログラミングの基礎文法、オブジェクト指向などについてです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
環境設定
自分が使用しているコンピューターでRubyを扱う場合、まずは実行環境のインストールが必要です。WindowsやMacといったコンピューターの種類に応じて、公式サイトからRubyの実行環境をインストールしましょう。インストールが成功すると、インタラクティブモードで簡単なスクリプトを実行できるようになります。「"Hello World"」と出力されたら、インストールは成功です。
また、プログラミングを効率的に進めるため、Terapadに代表されるエディターや、RubyMineのようなIDE(統合開発環境)を用意しても良いでしょう。複雑なプログラムを作成する場合でも、文法の誤りを事前に防いだり、不具合を見つけたりする機能が提供されています。
プログラミングの基礎文法
多くのプログラミング言語で共通して実装されている基礎的な構文を学びます。はじめに学ぶべき文法は、変数への代入や簡単な計算、文字列の処理などです。また、配列の処理や条件分岐・繰り返しといった処理を学ぶと、プログラミングの幅が一気に広がります。同じ機能を実装する際にも、異なる記法でより分かりやすく、高速なプログラムを開発できます。ほかにも、コメントの入れ方といったプログラミング作業に欠かせない機能を理解しましょう。
オブジェクト指向
オブジェクト指向は初心者にとって難易度の高い概念ですが、理解を深めると効率的な開発につながります。オブジェクト指向とは、役割ごとに処理やデータを分けて開発する考え方です。Rubyはオブジェクト指向を前提に言語仕様が構成されているため、基礎から応用へと学習を進めるうえで必要な知識といえます。またRuby on Railsを学ぶ際や、就職して実務に臨む際にも欠かせない知識です。
関連記事:未経験からRubyエンジニアになるには? 必要スキルや年収、求人例も紹介
Ruby初心者向け学習方法
初心者がRubyの学習を検討した際、学ぶ方法はいくつかあります。自分の学習スタイルや生活リズムに合わせて適切な手法を選択しましょう。どんなに初心者向けのプログラミング言語であっても、自分に合わない学習方法や生活や心身に無理が生じる学習スタイルでは、挫折してしまいやすいです。ここからは、Rubyを効率的に学ぶ方法を紹介します。
本・参考書を活用する
自分のペースで学習したい方は本・書籍を活用しましょう。複数のWebコンテンツをハシゴして学習するよりも知識を体系的に学べます。一方で、書籍の場合は情報が古い可能性があります。購入する書籍を選ぶ場合は発行年数を確認しましょう。
Ruby初心者におすすめの本・参考書
初心者にも分かりやすい書籍を紹介します。
『たのしいRuby 第6版』(SBクリエイティブ、高橋 征義 他、監修:まつもとゆきひろ)
Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏が監修しており、10年以上改訂を繰り返している評価の高い書籍です。初心者でも楽しみながら理解を深めることができるように構成されています。
『3ステップでしっかり学ぶRuby入門』(技術評論社、WINGSプロジェクト 竹馬力 他、監修:山田 祥寛 )
「予習」「体験」「理解」の3つのステップを繰り返して、Rubyの知識を着実に身につけられる入門書です。Rubyプログラミングを初めて学習する人をターゲットとしており、基本的な文法から解説しています。各章末の練習問題を解くことで、その章の理解度もしっかりチェックできます。WindowsとMacOSの両方に対応しているのもおすすめポイントです。
『スラスラ読める Rubyふりがなプログラミング』(インプレス、リブロワークス、監修:高橋 征義)
解説されているプログラムの読み方をすべて掲載するという手法で、プログラミングが初めての方にとっても、究極のやさしさを目指したRubyの解説書です。プログラムの1行ごとに、それが何を意味しているのか丁寧に解説されており、プログラムがどのように動くのかが明解になっています。
学習サイトで学ぶ
学習サイトを利用するのも効果的な学習方法です。現在では無料または月額数千円程度で利用できる学習サイトが多々あります。このような学習サイトはプログラミング言語未経験の初心者やほかの言語経験者などを対象としており、 初級・中級・上級とさまざまなコンテンツが用意されています。理解度に応じて前のコンテンツにも戻れるため、自分のペースで学習可能です。
ただし、分からないことが出てきたときに問い合わせサポートのサービスを提供しているサイトもありますが、リアルタイム性ではスクールに劣ります。また共同学習する人がいないという点で、モチベーションが下がってしまう場合もあります。サイトによっては開発環境から自分で構築しないといけないものもあるため、自身の状況に合わせて利用するのがオススメです。
Ruby初心者におすすめの学習サイト
初心者向け学習サイトは以下のとおりです。
ドットインストール
ドットインストールは、1回3分の短い動画でさまざまなプログラミング言語を学習できるWebサイトです。Ruby入門講座も設けられており、前半部分は無料で学習可能です。RubyのフレームワークであるRuby on Rails入門講座や、開発に使うエディタに関する講座などもあり、それぞれの技術について効率良く学習できます。
Let'sプログラミング
Let'sプログラミングは、プログラミング初心者を対象としたプログラミングの解説サイトです。テキストと画像を使って開発環境の構築方法からプログラミング言語の文法まで、初心者にも分かりやすく解説しています。Rubyについては、Ruby入門とRuby on Rails入門の2つの解説コースが掲載されています。
CODEPREP
CODEPREPは、コーディングをしながら学ぶ実践型のオンラインプログラミング学習サービスです。数多くの例題が用意されているので、プログラミング言語を実践的に理解できます。
Progate
Progateは、プログラミングの基礎を体系的に学習することができるプログラミング学習サービスです。イラスト中心のスライドなど、プログラミング初心者向けのコンテンツが多い特徴があります。
スクールで学ぶ
Rubyは日本で人気なプログラミング言語のため、多くのプログラミングスクールで学ぶことができます。プログラミングスクールであれば、プロの講師からカリキュラムに沿った指導を受けられます。そのため独学で学習をすすめるよりも効率的で無駄のない学習が行えるでしょう。また分からないことがあった場合もその場で講師に質問できるため、途中で挫折するリスクが少ないです。
ただしほかの学習方法に比べて費用が高く、決められた時間に受講する必要があるため、自身の状況に合わせて検討してみてください。
資格取得を目指す
資格取得を目指すことも初心者にオススメの学習方法です。資格取得のためにはRubyの基礎を網羅的に学習する必要があります。そのため自分の知らない技術や自分の苦手分野を見つけ、知識の習得や苦手分野の克服に繋げられます。
また資格を取得することで対外的にRubyの技術力を示せるようになるため、初心者からRubyのエンジニアを目指している場合にも役立てられます。
Ruby技術者認定試験
Ruby技術者認定試験は、2011年に設立された一般財団法人Ruby Associationが主催する試験です。2022年10月3日より、最新バージョンであるRuby 3に対応した試験が開始されました。受験対象者は主に、Rubyのシステムを設計、開発、運用するエンジニアやコンサルタントです。
Ruby技術者認定試験は、習熟レベルに合わせて「Silver」と「Gold」の2種類があります。Ruby学習の初心者は、まず、Silverの取得を目標にしましょう。Silverでは、Rubyの文法知識、Rubyのクラスとオブジェクト、標準ライブラリの知識が問われます。試験時間は90 分、試験形式はテストセンターでのコンピューター試験です。受験料は1万6,500円(税込)となっています。
Rails技術者認定試験
Rubyを学び、Ruby on Railsまで学習が進んだ人は、Ruby on Railsに関する資格を目指すと良いでしょう。2010年に設立されたRails技術者認定試験運営委員会が主催する、Rails技術者認定試験が公開されています。
同試験はベーシックとシルバーの2段階に分かれており、初心者向けは「Rails5技術者認定ベーシック試験」です。Ruby on Railsに関する基礎知識が問われます。試験時間は1時間、試験方式はテストセンターでの受験となっています。受験料は1万円(税抜)です。
関連記事:Rubyの資格|「Ruby技術者認定試験」の詳細をご紹介
Rubyを学習する際に注意すべきこと
Rubyはインターネット上に情報が多く存在し、参考書も多数存在します。そのため学習しやすいプログラミング言語ですが、初心者の場合は技術的な問題と環境による問題の切り分けが難しく、学習につまづきやすい点もあります。事前に対処法を確認して効率的に学習しましょう。ここではRubyを学習する際の注意点を紹介します。
自身のレベルにあわせて学習する
プログラミングの学習では基礎的な内容から一歩ずつ知識を積み上げていく必要があります。一方でWebサイトや参考書には複数のレベルが存在するため、自分の現状のスキルと教材のレベルが合っていないと適切に知識を得られません。
もし参考書が難しく感じる場合にはほかの参考書と比較し、本当に自分にあっているレベルなのかを吟味するのも大切です。
自身で解決できない場合には他者への質問も利用する
Rubyに限らずプログラミング学習で問題となるのが一つの問題でつまづき、その解決法が分からずに止まってしまうケースです。プログラミング学習上のつまづきが発生した場合には、自分だけでは解決できない場合が多々あります。初心者の場合には、自分で解決できるかどうかの切り分けも難しいでしょう。
このような問題を避けるために、質問先を見つけて問題の解決方法を用意しておきましょう。
たとえば各種サービスによりメンターを確保するのも一つの選択肢です。問題が発生した場合のみ質問するような利用方法が可能です。また技術者コミュニティの掲示板で質問するのも良いでしょう。Stack over Flow、teratail、Ruby関連のコミュニティなどが活用できます。コミュニティにはレベルの高いエンジニアも多数存在しており、有用な回答が期待できます。
これらの利用が難しい場合には、プログラミングスクールを利用するのも一つの手段になります。
継続を意識する
プログラミングは学習し始めても、専門用語などが多く挫折しやすい面があるのは事実です。無理な学習計画を立てて進めても、挫折してしまいます。まずは無理のない範囲で学習習慣をつけることが大切です。毎日朝10分学習するなど達成しやすい目標を設定し、習慣化を意識すると継続率が向上します。
Rubyエンジニアの年収相場
Rubyを用いて転職を検討している方はRubyエンジニアの年収相場が気になるのではないでしょうか。特に、現職よりも年収が下がってしまうようであれば学習意欲は減退してしまうものです。ここからは、レバテックキャリアに掲載されている実際の求人を基に年収相場や求人傾向、求人例を紹介します。
2024年5月時点でレバテックキャリアが扱っているRubyエンジニアの求人を基に、平均年収を算出しました。ランダムに抽出した求人の最低想定年収と最高想定年収の中央値を平均したところ、約623万円でした。
Rubyエンジニアの求人傾向
ほかのプログラミング言語で数年の実務経験がある場合、Rubyの実務経験がなくても、ほかのプログラミング言語を使ったWeb系開発の経験があれば、応募できる案件が多いです。
レバテックキャリアでは、2024年5月時点で約2,800件の求人を扱っており、そのうち募集中の内容は約700件ありました。さらに、このうち「未経験」で条件を絞ったところ、約70件の求人が該当しました。
Rubyの求人・転職情報一覧>
関連記事:Rubyエンジニアの転職| 年収や求人数、転職成功事例を紹介
未経験可のRubyエンジニアの求人例
未経験可の求人例を紹介します。
【想定年収】
350~500万円
【主な仕事内容】
Ruby on Railsを用いたSaasサービスのバックエンド開発
【開発環境】
・言語:Ruby,PHP,bash
・FW:Ruby on Rails,WordPress,React,Vue
・アプリ実行環境:AWS,Docker(ECS含む)
・ミドルウェア:MySQL,PostgreSQL
・プロジェクト管理:GitHub,GitLab,Backlog,Redmine
・コミュニケーション:Slack,DocBase
・ソースコード管理:GitHub,GitLab
【求められる経験・スキル】
<経験>
・Ruby on Rails, Laravel, SymfonyなどのWebアプリケーションフレームワークを用いた開発経験1年以上(いずれか1つで可能です)
※Railsは実務未経験でも独学で勉強している方を歓迎します
<学歴補足>
・高校 専修 短大 高専 大学 大学院
<仕事のマインド>
・円滑にコミュニケーションが取れる方
Rubyの将来性
Rubyエンジニアになれたとしても、不測の事態でキャリアチェンジを余儀なくされた場合には想定していたキャリアパスを実現できなくなってしまいます。Rubyの将来性については、肯定的な意見と否定的な意見があります。Rubyエンジニアとしてのキャリアを検討するうえでは、両方の意見があることを理解しておきましょう。Rubyの将来性について、それぞれの意見を解説します。
Webアプリケーションで多く採用
Ruby on Railsを利用して効率的にWebアプリケーション開発が行えることは、Rubyの大きなメリットです。特にアジャイル開発を採用するベンチャー企業を中心に人気があります。世界的な大手サービスでも、サーバーサイドではRubyを使っているケースも少なくありません。WebアプリケーションにおけるRubyの人気は、今後も続くと予想されます。
Rubyエンジニアからの人気が高い
2024年5月時点のTIOBE Indexプログラミング言語ランキングにおいて、Rubyは13位に位置しており、高い人気があります。人気の高いRubyはエンジニアのコミュニティ活動が活発で、多くの情報がオンラインで公開されているため、さらに多くのRubyエンジニアを招くという相乗効果が期待されます。
代替技術の存在
一方で、Rubyに否定的な意見として、別の技術で代替される可能性が挙げられています。フレームワークを活用した効率的なWebアプリケーション開発には、PHPなどRuby以外のプログラミング言語が採用されるケースも多いです。
データサイエンスの分野
近年大きく成長しているAIやデータサイエンスの分野では、関連したライブラリが豊富なPythonが先行しているのが実情です。膨大なデータを扱うAIや機械学習のアプリケーション開発においては、処理速度に懸念があるRubyは採用されない場合があります。
関連記事:Rubyの将来性と需要は?懸念されている点も解説
Rubyの関連技術
Rubyだけではなく、関連する技術を身につけていくとスキルの幅が広がり、エンジニアとしての市場価値が高まるでしょう。この章ではRubyの将来性を踏まえて、Rubyエンジニアとしてキャリア形成するために欠かせない関連技術について解説します。将来どんなエンジニアになりたいかを踏まえて、優先順位を決めて学習していくと良いでしょう。
フロントエンド技術
Ruby on RailsはWebアプリケーション開発で頻繁に採用されています。そのため、Webアプリケーションに欠かせないHTMLやCSSの基礎を学ぶと良いでしょう。特にJavaScriptを使ったフロントエンド開発の知識があると、インタラクティブな機能など優れたユーザー体験を実装できるため、仕事の幅が広がります。
データベース
Webアプリケーション開発には、データベースを使った情報管理の機能が欠かせません。Ruby on Railsでは簡単なコマンドでデータの書き込み・読み出しができますが、データベースの基礎的な概念を理解しておくと、処理の効率化に役立ちます。アプリケーションの要件からデータベース設計ができるようになれば、サーバーサイドエンジニアとしてのキャリアアップにつながります。
クラウド
近年のRuby on Railsを用いたWebアプリケーション開発では、クラウド上で稼働させるケースが多く見られます。そのため、クラウド技術を理解しておくと、Webアプリケーション全体を把握できるようになります。たとえば、AWSを含めたIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)では、管理画面からサーバーを立ち上げて、アプリケーションを稼働させる環境の整備が可能です。また、HerokuなどのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を使えば、Ruby on RailsによるWebアプリケーションをデプロイ・公開するプロセスが自動化され、運用を含めた効率化につながります。
Rubyエンジニアのキャリアパス
Rubyエンジニアになったあと、そのままスペシャリストとして活躍する人もいますが、ITエンジニアはキャリアアップやチェンジをしやすい職種です。大まかなキャリアプランを立てておくためにもRubyエンジニアになったあとは、どんな職業に就けるのか代表例を知っておくと良いでしょう。Rubyエンジニアとして経験を積んだあとの代表的なキャリアパスについて解説します。
サーバーサイドエンジニア
Ruby on Railsの実務経験を積むなかで、ビジネスロジックの実装やデータベース処理についての理解は深まっていきます。Rubyに加えて、PHPやJavaなどのプログラミング言語を学び、汎用的なサーバーサイドのスキルを身につけ、サーバーサイドエンジニアになるキャリアが考えられます。
フルスタックエンジニア
サーバーサイドに加えてフロントエンド開発のスキルも身につけ、異なる技術領域でも柔軟に対応できるフルスタックエンジニアを目指すキャリアもあります。Webアプリケーション開発に採用されるRuby on Railsでは、サーバーサイドとフロントエンド双方のスキルを磨くチャンスが多いでしょう。
テックリード
サーバーサイド開発を中心に多様な技術を身につけたあと、技術チームを牽引する職種へと進むキャリアがあります。テックリードとして活躍するには、ソフトウェアの品質管理やCI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)、DevOps、SRE(サイト信頼性エンジニアリング)といった開発プロセスに関する理解も欠かせません。
プロジェクトマネージャー
管理系のキャリアに興味がある人は、開発経験を活かしながらプロジェクトマネジメントの概念を学ぶと良いでしょう。実務経験にもとづき、品質・納期・コストを最適化するようプロジェクトを運営します。また、アジャイル開発の経験が豊富な人は、スクラムマスターなどのキャリアパスも考えられます。
Rubyに関するよくある質問
ここまでRubyの学習方法や求人傾向、年収相場などを確認してきました。とはいえ、まだ疑問が残る部分もあるでしょう。たとえば、習得するまでの学習時間や他言語と比べた場合の学習難易度は、初心者がかなり気になる点となっています。ここからは、Rubyに関するよくある質問を確認して、初心者が抱きやすい疑問を払拭していきます。
Q1. Rubyを独学で習得するにはどのくらい時間が必要ですか?
Rubyを独学で勉強して、Webアプリケーションが開発できるまでの目安として300時間程度といわれています。ただしこれまでのIT経験や勉強方法によって勉強時間が異なるため、正しい手順で勉強するのが大切です。
Q2. Ruby初心者でも作れるものはありますか?
Ruby初心者でも作れるものとしてSNSが挙げられます。Rubyのフレームワークである「Ruby on Rails」を利用することで、SNSの実装に必要なユーザー登録機能やログイン機能、テキストや画像の投稿を簡単に実装できます。そのためRuby初心者でも比較的簡単にSNSを実装することが可能です。
Q3. RubyとPHPはどちらが難易度が低いですか?
RubyもPHPもそれほど違いはありません。どちらも未経験者からでも学びやすい言語です。しかし、RubyはフレームワークがほぼRuby on Railsに限られます。PHPはフレームワークが多数存在するため、浅く広く学習せざるを得ません。そのため、Rubyの方が楽と見ることもできます。
まとめ
Rubyはほかのプログラミング言語と比較して文法がシンプルかつ、Ruby on Railsなどの強力なフレームワークがあるため初心者でも挑戦しやすい言語です。学習方法や不安な点を解消したら早速学習に取り掛かりましょう。将来性も期待できるプログラミング言語なので、今後のキャリアに繋がることを期待できます。
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