プロジェクトマネージャーの役割は?仕事内容・必須スキルを解説

最終更新日:2024年10月2日

プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの全体を総括し進行管理、予算や品質、納期などすべての責任を持つポジションです。システム開発プロジェクトやアプリケーション開発、顧客の業務要件など幅広い知見を持ち、プロジェクト上の意思決定を行う役割を果たすため、求人募集などでは「プロジェクトマネージャーの経験」を持ったエンジニアが求められます。

本記事では、プロジェクトマネージャーがどのような役割を果たすのか、仕事内容、必要となるスキルと習得方法、需要と将来性や年収までを詳しく解説します。キャリアアップやキャリアの確認にお役立てください。

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この記事のまとめ

  • プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの企画立案、実行計画の策定、進捗管理、メンバーの管理や工数の決定など全体をまとめる
  • プロジェクトマネージャーになるには未経験からでは難しく、チームリーダーを経てマネジメント経験をつみスキルを磨くことが大切
  • 技術者としての知識や経験はもちろん、人とのやりとりや交渉力などソフトスキルも重要である

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プロジェクトマネージャー(PM)の役割

プロジェクトマネージャーは、システム開発プロジェクトにおいて立案、計画、立ち上げ、推進に至るまでの全体を総括して管理する責任者のポジションです。プロジェクトの完遂と納期の厳守、品質の確保、予算通りの収益の達成までを実現することが重要な役割となります。

マネージャーというと、縁の下の力持ちのようなイメージがあるかもしれません。しかし、IT業界のプロジェクトマネージャーは管理業務も行いますが、中心となってプロジェクトを推進する立場です。特に顧客との交渉や調整においては窓口となる役割を果たします。また、プログラマーやシステムエンジニアなどのプロジェクトメンバーのサポートも担うため、後方支援も兼ねています。第一線で現場に出て、なおかつ管理も行うのがプロジェクトマネージャーです。

プロジェクトマネージャー(PM)の主な仕事内容

プロジェクトマネージャーの主な仕事内容について解説します。プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体を進行、管理する立場にあるので、役割が幅広く、こなす仕事は多岐に渡ります。

紹介する業務以外にも、必要があれば臨機応変に対応することが求められます。以下に、主な仕事内容を分類し、解説します。

開発計画の策定(要件定義)

プロジェクトマネージャーの最初の仕事は、顧客の要望のヒアリングと開発計画の策定です。これを要件定義と呼び、顧客の要望を把握して、開発するシステムの目的や目標、規模、開発スケジュール、予算などを開発計画に落とし込みます。

顧客の要望を最大限に取り入れつつ、限られた予算やスケジュールで開発するために、プロジェクトマネージャーは顧客と交渉を行い最大限実現できる範囲を調整することも重要な責務です。顧客と話し合った結果、最終的な要件としてまとめ、この要件に従ってプロジェクトを進めていきます。プロジェクトの始まりであると同時にゴールを定める作業ともいえます。

開発チームの編成

開発計画が策定できたら、プロジェクトに必要な人材を集めて開発チームを編成します。開発メンバーを集める際には、社内のスタッフのみから選ぶのか、社外のスタッフにも声をかけるのかなどの判断も必要です。スタッフの技術力に加えて、人件費などコストへの配慮も行います。

プロジェクトを成功に導くには、適切な人材の割り当てがカギとなります。開発チームの編成には、プロジェクトマネージャーとしての力量が問われます。

プロジェクトの推進・管理

プロジェクトが開始したら、プロジェクトが予定通り進行するように進捗管理を行います。プロジェクト開始後の仕様変更への対応などの、開発中に発生した課題解決も重要な仕事です。

さらにプロジェクト状況を随時把握するために、プロジェクトメンバーとのミーティングを実施して進捗を確認し、その状況をクライアントや関係者へ報告することもプロジェクトマネージャーの業務です。

プロジェクトの評価・レビュー

プロジェクトの各工程における成果物のレビューを行い品質を担保することもプロジェクトマネージャーの仕事です。成果物とは、要件定義書、設計書、プログラム、テスト計画書などです。もしこれらの成果物に修正が必要だと判断した場合は、修正指示も行います。

プロジェクト終了後はプロジェクト全体の評価を実施し、プロジェクトの課題を明らかにして対策を考え、次回以降のプロジェクト実施に反映します。評価の結果は社内だけでなく、顧客の経営層へ報告することもあります。

プロジェクトマネージャー(PM)と他職種の違い

プロジェクトマネージャーのほかに、案件やチーム規模によってはプロジェクトリーダーやPMO、プロダクトマネージャーなど、少々混同しやすい職種が置かれることもあります。これらの職種と、プロジェクトマネージャーとの違いを解説します。

関連記事:プロジェクトマネージャーとディレクターの違いとは?

プロジェクトリーダーとの違い

プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体の責任者です。プロジェクトの進行に必要な進捗管理・課題管理・品質管理・予算管理などを担います。クライアントと現場の接点となる窓口業務も行い、プロジェクトの状況や改善策の提案なども行います。

一方、プロジェクトリーダーはシステムエンジニアの中から選出されるなど比較的開発寄りのポジションです。イメージとしては、プロジェクトマネージャーがチームの監督であるのに対し、プロジェクトリーダーはチームのキャプテンのような立ち位置です。

プロジェクトマネージャーがプロジェクト全体の責任者とすれば、プロジェクトリーダーは現場の責任者であると言えるでしょう。

関連記事:プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの違いは?

PMOとの違い

PMOはProject Management Officeの略で、プロジェクトにおけるマネジメント業務を専門に行います。プロジェクトのマネジメント業務はプロジェクトマネージャーも行いますが、PMOはマネジメント業務にのみ専任することが大きな違いです。プロジェクトマネージャーのマネジメントを補佐する役割といえます。

プロダクトマネージャーとの違い

企業により定義は異なりますが、プロダクトマネージャーは自社製品のプロダクト開発のトップとされることが多いです。特にWebサービスを提供する企業において置かれるポジションといえます。

プロダクトマネージャーはユーザーの課題を解決し、収益やプロダクトのビジョン実現を目指すため
に、プロダクト制作や改善を行います。エンジニアやマーケターなどをまとめあげるのもプロダクトマネージャーの役割ですが、最終的にプロダクトを成功させることが目標です。プロダクトの立ち上げ時にリリースを行った後も、機能の追加や修正とリリースを繰り返し行うサイクルをとる場合が多く、継続的に責任者として活躍します。

一方でプロジェクトマネージャーはQCDに責任を持ち、プロジェクトの目標達成が到着点です。プロジェクトの完了までが責任範囲であり、その後のシステムのライフサイクルには関わらないことも多々あります。

どちらもチームを率いる職種ですが、受け持つものが「プロジェクト単位」なのか「プロダクト単位」なのかの違いがあります。

関連記事:プロダクトマネージャーとは?業務内容や年収、必要なスキル解説

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プロジェクトマネージャー(PM)の需要と将来性

あらゆる企業や組織でDXの推進、デジタル技術の活用は必須の施策と考えられており、今後もITシステムの開発は活発に進められるでしょう。システム開発プロジェクトが存在すれば、プロジェクトマネージャーの需要があることにも繋がります。

それに加えて、IT人材の不足はIT業界の慢性的な課題です。根本的には労働者人口の不足に起因しており、今後も続くことが予測されます。

さらに、ITエンジニアの中でもプロジェクトマネジメントができる人材は数が限られており、プロジェクトマネージャーは希少性のある人材です。したがって、プロジェクトマネージャーとして活躍できる人材への需要は将来性は高く、将来性も高いといえます。

IPAのDX白書2023で、IT人材に今後身につけさせるべきスキルとして企業からのアンケート回答に最も多くあがったのが「人、プロジェクトやタスクのマネジメントスキル」であったことも、プロジェクトマネージャーの需要と将来性を裏付けるデータといえます。

多様な業界でIT化が進んでいるため需要は高い

AIやIoTなどの普及により、多様な業界でIT化が進んでいます。どのような業界であれITを導入するためには、システムやソフトウェアの開発は欠かせないものであり、それらの開発をマネジメントするプロジェクトマネージャーも必要です。

プロジェクトが成功するかどうかは、プロジェクトマネージャーの力量に大きく影響します。DXのような新しい流行なども追い風として、プロジェクトマネージャーが必要とされる場面は増えつつあります。需要は高いといえるでしょう。

最新技術を学び続ければ将来性はさらに高まる

プロジェクトマネージャーとして活躍しつつ、プロジェクトのマネジメント以外の最新技術を学び続ければ、将来性はさらに高まるでしょう。

ITとは無縁だった業界へITの導入においては、その業界の知識を身につける必要があります。また、AIやIoTなどの最新技術のトレンドを追いかければ、まったく新しいシステムやソフトウェア開発の可能性にもつながります。

このような最新技術を追いかけることで、多種多様なクライアントの業務の理解が進み、プロジェクトマネージャーとしてさらに新しい仕事を獲得できるでしょう。

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プロジェクトマネージャー(PM)の平均年収

厚生労働省が公開している職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NET)では、職業情報として「プロジェクトマネージャー(システム開発)」の情報を公開しています。これによると、厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査の結果から、プロジェクトマネージャーの年収は684.9万円です。

また、2024年9月17日時点でレバテックキャリアに掲載されている求人・転職情報から職種「プロジェクトマネージャー」の情報を30件抽出し、年収の最大値と最小値の中間の平均より想定年収を算出しました。その結果、プロジェクトマネージャーの平均年収は約1,054万円と想定できます。

プロジェクトマネージャーの求人・転職情報>

プロジェクトマネージャーには高いスキルと経験が求められるため、それに応じた高い収入にも期待することが可能です。

関連記事:プロジェクトマネージャーの平均年収は?年収アップの方法も解説

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プロジェクトマネージャー(PM)に求められるスキル

プロジェクトマネージャーはチーム全体を率い、全体の士気を高めてプロジェクトを成功へと導く重要なポジションです。そのため技術に関するスキルや知識はもちろん、コミュニケーションスキルといったソフトスキルも重視される傾向にあります。

ここではプロジェクトマネージャーに必要なスキルをまとめました。一つずつチェックしていきましょう。

関連記事:プロジェクトマネージャーに役立つおすすめの資格と難易度を解説

マネジメントスキル

プロジェクトマネージャーには、プロジェクトに必要なプログラマーやシステムエンジニアを適材適所に配置するマネジメント能力が必要です。各プロジェクトメンバーの力量や役割を把握して適切な指示とフィードバックを行い、プロジェクトを推進し、成功に導きます。

人的リソースの他にも、スケジュール、コスト、品質、リスクなどプロジェクトのあらゆる要素をマネジメントするスキルが必要です。

リーダーシップ

プロジェクトマネージャーはプロジェクトメンバーを牽引してプロジェクトを推進する必要があるため、リーダーシップが求められます。一歩引いて後ろで管理することも求められるのですが、引っ張っていく力も必要です。

プロジェクトをリードするには実務的なマネジメントはもちろん、精神的に士気を高めていくようなことも必要です。多くのプロジェクトは厳しい環境なので、プログラマーやシステムエンジニアが挫折してしまうことも多々あります。このような状況を改善し、プロジェクトを成功に導けるかどうかはプロジェクトマネージャーの手腕にもかかっています。

コミュニケーションスキル

プロジェクトマネージャーはプロジェクトメンバーのスケジュールや作業内容を管理します。しかし、エクセルやその他ツールで表にすればそれで良いというわけではありません。適宜プロジェクトメンバーや顧客とコミュニケーションを取り、状況を確認、説明し、状況を共有する必要があるのです。

プロジェクトマネージャーが率先してコミュニケーションを取らないとプロジェクト内や、顧客との間で認識のズレが生じ、作業の手戻りなどが増えるでしょう。プロジェクトを円滑に進めるためには、プロジェクトマネージャーのコミュニケーション能力が必須です。

提案力

システムやソフトウェア開発の依頼者である顧客の目線に立った提案スキルもプロジェクトマネージャーには必要です。システムやソフトウェアの開発者はどうしても技術寄りの目線でプロジェクトを捉えがちなので、バランスを取る意味でも、プロジェクトマネージャーは顧客目線による提案を心掛けたいものです。

課題解決力

プロジェクト開始後に、顧客から機能追加や仕様変更が要求されることや、機能に問題があるなどのトラブルが発生することはよくあります。そのような場合にも柔軟に対応する能力がプロジェクトマネージャーには欠かせません。

そしてプロジェクトマネージャーは、現場が混乱しないようにプロジェクトメンバーや顧客に現状や今後の流れを明確に伝えることも大切です。

交渉力

プロジェクトを発足する際には、社内の他部署、顧客、関連企業などと交渉する必要があります。交渉の内容は、予算、仕様、人員、スケジュールなどです。それぞれの立場ごとに要望があり、この要望は時に対立します。

わかりやすい予算を例に挙げると、開発企業はなるべく売上を大きくしたい、顧客側はなるべく安く抑えたいと考えます。そのため両者が交渉し、妥協点を探ることになります。プロジェクトマネージャーの交渉次第でこの妥協点が変わってくるので、非常に重要な要素といえるでしょう。

情報収集力

プロジェクトを進める中で、情報収集は欠かせません。プロジェクトマネージャーは常に一方方向だけの情報ではなく、多角的に物事をとらえ、俯瞰してプロジェクトの状況を確認する能力が求められるでしょう。

情報の活用によって、プロジェクトの進行が加速することもあります。プロジェクトマネージャーの腕とセンスにかかっているため、普段からアンテナを張り巡らせるキャッチ力を鍛えておきましょう。

計画をたて予定通りに進める能力

プロジェクトマネージャーが必ず行う仕事に、プロジェクト計画の策定とスケジュールに沿った進行の管理があります。計画はコストや納期、要件を考えることが難しさとしてあげられやすく、タスク内容を精査したりチームの処理能力を考えてスケジュールを考える計画力が重要です。

プロジェクトがスタートしたあとは、プロジェクトの進行が計画通りか細かく管理しなくてはなりません。このスケジュール管理能力もプロジェクトマネージャーにとっては大切で、現状維持や軌道修正など即座な判断ができるかどうかでプロジェクトの品質が左右されます。

システムアーキテクチャの設計スキル

アーキテクチャとは、設計そのもののことを指します。ただしIT業界でのアーキテクチャは設計そのものよりもさらに根本的な部分を指し、そもそもどのような設計方法を取るかなどを決定します。システムのグランドデザインとも表現されます。

工程としては、設計の工程よりは要件定義のスキルに近いものとなります。もしくは、基本設計まではアーキテクチャの設計スキルが関係します。

詳細設計にもアーキテチャの設計スキルは役立ちますが、詳細設計はどちらかというと全体設計よりはプログラミングに落とし込む工程です。そのため、要件定義や基本設計を担う場合のあるプロジェクトマネージャーには、アーキテクチャの設計スキルが必要となります。

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プロジェクトマネージャー(PM)の業務に役立つ資格試験

プロジェクトマネージャーのスキルや技術の取得に役立つ資格について解説します。

プロジェクトマネージャーとして働くうえで、免許や必須の資格は存在しません。しかし、資格を保有することで一定のスキルが示せるため、転職やプロジェクトへのアサインの際に役立ちます。また、プロジェクトマネジメントに関する知識は非常に多く、資格取得に向けた学習は知識の整理のよい機会にもなります。

関連記事:未経験でプロジェクトマネージャーになるには?資格や適性を解説

プロジェクトマネージャ試験

プロジェクトマネージャ試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営し、経済産業省が認定している、プロジェクトマネージャーとしての知識や思考力を問う国家資格です。

プロジェクトの責任者として、全体計画の作成や要員と資源の確保、予算、スケジュール、品質などのマネジメントを実行する者を対象としている試験です。プロジェクトマネージャーとしては保有しておきたい資格ですが、合格率は15%前後の難関です。

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営し、経済産業省が認定しているIT戦略などを担う人材に向けた国家資格です。企業の経営戦略に基づいてITを活用する者を対象としています。IPAの資格の中でも難易度は非常に高く、IT業界における上流工程を担う方におすすめの資格です。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が運営し、経済産業省が認定している、ITエンジニアとして応用レベルの知識、思考力を問う資格です。基本情報技術者試験の次に目指すべき資格として知られており、より高度な知識と技術を身につけたい方におすすめの資格です。

そして応用情報技術者試験の上位に、上でご紹介したプロジェクトマネージャー試験やITストラテジスト試験があります。応用情報技術者試験に合格しているとプロジェクトマネージャー試験やITストラテジスト試験の一部が免除になります。そのため先に応用情報技術者試験に合格している人がほとんどです。

PMP®資格

PMP®資格は、プロジェクトマネジメント発祥の地である米国の団体「PMI(米国プロジェクトマネジメント協会) 本部」が認定している国際資格です。プロジェクトマネジメントの知識をまとめた「PMBOK」をベースとしており、取得することでプロジェクトマネジメントにおける専門的な知識を保有していることを証明できます。

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プロジェクトマネージャー(PM)におすすめの本

プロジェクトマネジメントやプロジェクトマネージャー向けに多くの書籍が出版されています。これらの書籍の活用もプロジェクトマネジメントスキルの向上に役立ちます。

以下では、おすすめの書籍を紹介します。

『世界一わかりやすいプロジェクトマネジメント 第4版』(総合法令出版、G・マイケル・キャンベル、中嶋 秀隆)
プロジェクトマネジメントの基本中の基本を知ることのできる書籍です。「ヒト」「モノ」「カネ」の適切な管理や各フェーズごとのリスクなどを分かりやすく解説しています。これからプロジェクトマネジメントの学習をはじめる方に適しています。

『【新装版】外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』(大和書房、山口 周)
外資系コンサルティング企業で活躍した筆者が、プロジェクトマネジメントについての技術やリーダーとしての姿勢などを教えてくれる書籍です。実用性の高い内容も多く、リーダーや管理職として活躍する方におすすめの一冊です。

『PMBOK第7版実践活用術 最新プロジェクトマネジメントのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター、中谷 公巳)
PMBOKはプロジェクトマネジメントに関する手法や知識を体系的にまとめたものです。本書は、このPMBOKの第7版(2021年)に対応したプロジェクトマネジメントの解説書です。実務に近い具体的な事例が多く記載されており、プロジェクトマネジメントを行うリーダーやマネージャーに適しています。

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プロジェクトマネージャー(PM)に向いている人の特徴

プロジェクトマネージャーの仕事は多岐にわたり、やりがいのある仕事ではありますが向き不向きがあります。プロジェクトマネージャーに向いている人の特徴を知り、目指す場合の指標にしておきましょう。向いている特徴を持っていない場合もプロジェクトマネージャーになることを諦める必要はなく、行動や意識を改めることで後から身につけることもできます。

関連記事:PM(プロジェクトマネージャー)に向いている人、向いていない人とは

スケジュール・タスク管理が得意

プロジェクトマネージャーが重視するものの一つが、納期通りに完成させることです。求められる仕様に合わせて適切な開発計画を立てて、納期に間に合うような十分な人員を用意する必要があるでしょう。メンバーが増えるとタスクも増え、管理する部分が増えます。

この計画をしっかり立てられる人、見通しが良い人はプロジェクトマネージャー向きです。スケジュール調整は通常業務の中でも培えるスキルであり、プロジェクトマネージャーを目指すなら意識しておきたいところです。

ロジカルな思考ができる

ロジカルな思考とは、論理的で冷静、客観視ができている思考を指します。プロジェクトマネージャーは常にこうした俯瞰的な意見を持つことが大切で、ロジカルシンキングが身についている人こそプロジェクトマネージャー向きといえるでしょう。

相手目線に立てる

プロジェクトメンバーとそれぞれ向き合うプロジェクトマネージャーは、相手を考慮する目線が大切です。進捗が悪いときの原因を考えたり、どのような軌道修正を行えば良いかは、相手目線に立つことで理解が深まるでしょう。

また、この「相手」というのはチーム内だけでなく、クライアントの視点という意味も持ちます。プロジェクトが完了した先に起こるベネフィットをどう用意するかを考えられるのは、プロジェクトマネージャ向きです。

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プロジェクトマネージャー(PM)になるには

プロジェクトマネージャーになるには、システム開発の知識を持ち、プロジェクトマネジメントの経験を積むことが必要です。これらの知識の取得や経験を得るための方法として、プロジェクトリーダーまたは技術職スペシャリストのいずれかから目指すことが考えられます。

以下では、プロジェクトマネージャーになるための方法について説明します。

関連記事:プロジェクトマネージャーの転職事情は?年収の上げ方や求人例も紹介

プロジェクトリーダーからのキャリアアップが一般的

プロジェクトマネージャーを目指す一般的な方法は、プログラマーやシステムエンジニアからプロジェクトリーダーとなり、そこからプロジェクトマネージャーになる方法です。プログラマーやシステムエンジニアは、プロジェクト内で主に下流工程を担う職種です。下流工程とは、詳細設計、プログラミング、テストなどを指します。

下流工程で現場スキルを磨いて、プロジェクトリーダーへとキャリアアップし、さらに実績を積んでプロジェクトマネージャーを目指すのが王道のルートです。

技術職のスペシャリストから転職する人もいる

複雑なシステムやソフトウェアにおいては、非常に高度なITスキルが求められることがあります。このようなプロジェクトにおいては、プロジェクトマネージャー自身にも高いスキルが要求される傾向があります。

そのようなケースでは、システムやソフトウェア開発に詳しい技術職スペシャリストから、ITスペシャリストやITアーキテクトなどの上流工程の職種にキャリアアップして、プロジェクトマネージャーを目指すキャリアも考えられます。

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プロジェクトマネージャー(PM)のキャリアパス

プロジェクトマネージャーは新卒採用や通常転職してすぐ役職につくことはまずありません。プログラマーやエンジニアなどのメンバーから始まり、プロジェクトリーダーとしての経験を積んだ上で、プロジェクトマネージャーになるのが一般的です。

プロジェクトマネージャーのキャリアパスとしては、


  • ・スペシャリストとして現場での仕事に専門性を持たせる

    ・上位職であるITコンサルタントを目指す

    ・フリーランスのプロジェクトマネージャーとして独立する

以上の3つが考えられます。いずれも高い技術とコミュニケーション能力、場合によっては交渉力といったワンランク上のスキルが必要ですが、ステップアップすることで収入の増加や活躍場面が幅広くなるメリットがあります。

関連記事:SEからプロジェクトマネージャーになるには?年収や業務内容を比較

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プロジェクトマネージャーに関するよくある質問

プロジェクトマネージャーを目指す人やプロジェクトマネージャーに興味を持つ人が、よく悩みがちな質問をまとめました。

プロジェクトマネージャーの仕事は、プロジェクトマネジメントの経験がなければ理解しづらく、全体像が見えづらいかもしれません。以下の質問や本記事のコンテンツからプロジェクトマネージャー像を整理して、スキルアップに取り組み、プロジェクトマネジャーを目指しましょう。

Q1. プロジェクトマネージャーとはどのような仕事ですか?

プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの責任者です。チームをまとめてプロジェクトを成功に導く役割を担います。

プロジェクトごとにその仕事内容はさまざまですが、進行スケジュールや人員の確保、企画立案、予算や工数の割り出しなどが基本的な仕事です。

Q2. PMOとPMではどちらが上ですか?

PMOとはプロジェクトマネジメントオフィスを指します。プロジェクトマネジメントを行うチームや担当者を意味する言葉であり、PMOはプロジェクトマネージャーをサポートする役割です。

体制上は、プロジェクトマネージャーがプロジェクト全体の責任者であり、PMOはその下につく形が多いです。

Q3. プロジェクトマネージャーになるにはどうすれば良いですか?

未経験者がいきなりプロジェクトマネージャーに任命されることはまずありません。マネジメント経験を積み、ITの知識やマネジメントスキルを磨き、プロジェクトリーダーになることから始めましょう。

管理や計画に対する能力を認められると、キャリアアップ先にプロジェクトマネージャーになれる可能性が高まります。

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まとめ

プロジェクトマネージャーとはプロジェクト全体の責任者で、プロジェクト全体を牽引する役割を担います。したがって、開発者の支援としてエクセルやツールで淡々と管理していれば良いわけではありません。プロジェクトマネージャーとして活躍するためには、事務的な管理能力だけでなく、コミュニケーションスキル、リーダーシップ、交渉力などが求められます。

高い水準かつ幅広いスキルが必要となるプロジェクトマネージャーですが、責任があり広範囲の場面で活躍できます。責任範囲が大きいことから成果も大きく、待遇面も高い職種です。今後もITの活用は広がり、人材不足が続くことから、需要が高く将来性も高いでしょう。

まずは自身の経験と知識を見直し、足りない部分を補う形でブラッシュアップしながらプロジェクトマネージャーを目指してみましょう。

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この記事の監修

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