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データサイエンティストの将来性は高い
現在、世界的にビッグデータの需要が伸びています。ビッグデータを活用し、マーケティングや業務改善に活かすためです。データ活用の成否がそのまま企業の成否につながることも少なくないでしょう。
しかし、ビッグデータを扱える人材は少なく、希少価値があります。つまりビッグデータを扱うデータサイエンティストは、今後さらに需要が伸びていく可能性が高いでしょう。
AIを使いこなす人材として期待されている
AIを活用できる人材は、今後官民問わず需要が高まると考えられます。これは、内閣府が公表した資料の内容からも明らかです。内閣府では、AIとデータサイエンスに対する知見を持つエキスパートの教育体制を構築し、産業全体の活性化につなげる考えを示しています。データサイエンティストの仕事には、AIを駆使したデータ分析手法の把握も含まれることから、今後一層の重要さを増していくでしょう。
ビックデータ収集、分析、解析、可視化するという役割を持つデータサイエンティストは、AI開発の中でも重要な役割を担っており、世界的にも注目されている職業でもあります。
経済産業省が公表している資料では、ビッグデータやAI、IoTを「今後大幅に市場が拡大する見方が強い」と結論付けています。また、これら先端IT技術を扱う人材は、2020年までに4.8万人が不足するとされています。
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データサイエンティストの仕事内容を解説!必要なスキル、知識、学習方法もご紹介
データサイエンティストとは?仕事内容や必要なスキルを解説
ビッグデータ市場の拡大に伴い需要が高まる
人工知能の活用において、ビッグデータの収集・解析は必要不可欠な技術となりました。
人工知能の代表的な活用事例として挙げられるのが、自動運転や遠隔医療です。たとえば自動運転の場合、走行中の映像データやセンシングデータなどを分析しながら自動車のハンドリング、ブレーキ操作、アクセルの制御などを行います。また、遠隔医療においては、X線画像やバイタルデータ、患者が訴えている症状の特徴などから考えられる病気を判定します。
このように、人工知能の技術を活かしてさまざまな課題を解決する場合、学習データとなる膨大なデータが必要になります。これこそがビッグデータであり、今後イノベーションの革新とともにビッグデータ市場はますます大きくなっていくと考えられます。
これまでITエンジニアといえば、一定の法則にしたがって動作するプログラムを構築するプログラマーやSEが主流でした。しかし、AIが普及していく過程においては単なるコーディングだけではなく、ビッグデータを正確に扱える高度なスキルをもった人材が不可欠となります。これこそがデータサイエンティストであり、ITエンジニアと並んで極めて高いニーズが予想されているのです。
経験豊富なデータサイエンティストが少なく獲得競争が過熱
実用性のある経験と知識や技術、マインドなどを身につけている人材は、市場の中でもかなり少なく、希少価値を高めています。それに伴い獲得競争も過熱化しています。
ビッグデータや人工知能が注目される以前からデータサイエンティストという職種が存在していましたが、ごく限られた分野でしか需要がありませんでした。見方を変えれば、これまで豊富な経験をもったデータサイエンティストは極めて少ないことを意味します。
しかし近年、IT関連の分野だけではなく、製造や医療、物流をはじめとした幅広い分野において、データサイエンティストの知見が求められるようになっています。当然のことながら、すでに豊富な経験やスキルをもったデータサイエンティストの市場価値は極めて高く、多くの企業からの引き合いによって獲得競争が過熱しているのです。
データサイエンティストを育成する高等教育機関が増加している
データサイエンティストの需要増を受け、日本国内でもデータサイエンス学部、学科、研究コースなどの創設が相次いでいます。たとえば国公立大学では、滋賀大学が「データサイエンス学部」を開設し、さらに2019年4月に国内最初の「データサイエンス研究科」を開設しました。
また、独立された学部・研究科としてではなく、東京大学では学部・学科横断型プログラムとして、「数理・データサイエンス教育プログラム」が開設されました。
企業内においても独自に教育機関を導入する機会が増えているというのは、海外だけではなく日本でも同じことが言えます。それだけデータを管理するスキルの重要性について考える人が増えているということでもあるでしょう。
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将来はなくなる?データサイエンティストの将来性を懸念する声
現在非常に人気のあるデータサイエンティストですが、その裏では将来性を不安視する声も潜んでいるようです。どのような理由からデータサイエンティストの将来性が懸念されているのか、今回は4つのポイントを中心に解説します。
経済減速によるR&D投資の減少
R&D投資とは、事業拡大のために技術開発や研究に関しての投資を行うことで、イノベーティブな活動を進めていくために必要なものと考えられていますが、経済減速によって、その減少が著しく加速してしまった場合、データサイエンティストの市場需要は高まっているとしても人材を確保するだけの資金が作れない、もしくは年収が落ちてしまうということにもつながることが考えられます。
IT分野に限らず、製造業をはじめとする各業界において、これまでは自社の事業領域に関連する科学分野の研究や新技術の開発、既存技術の改良を図る「R&D」の取り組みが積極的に行われてきました。しかし、2019年からはじまった世界的な景気後退と合わせて、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受け、今まで盛んだったR&D投資(研究開発費用)が今後減少していくのではないかと危惧されています。
自動化の台頭
データサイエンティストの仕事の中で大きな比重を占めているのが学習データの準備とモデル構築ですが、これらの作業はやがて人工知能に置き換えられるのではないかと懸念する声があります。実際、すでにモデル構築の部分は自動化が進んでおり、学習データの準備においてもIoTのセンシングデバイスなどの台頭により自動化が実現しつつあります。
人工知能やビッグデータが普及すればするほど、データサイエンティストがこれまで培ってきたノウハウや知恵がAPIなどに集約され、高度な専門職ではなくとも一般的なエンジニアにも扱えるようになると考えられているのです。
すでにデータ分析や解析、可視化などについてはBIツールを導入したり、クラウド技術が世界的にも向上し続けていくことを考えると、企業は人材を増やすことなく、新技術を導入することで、データ管理を向上させることが可能になっています。つまり、データアナリストは生涯活動を続けるためには、本来の役割の範囲を超えて、他分野でのキャリアアップを図る必要性も出てきているようです。
人員余剰による飽和
R&D投資の減少、そして自動化が加速するとなると、人員余剰による飽和が起きてしまってもおかしくはありません。そうなると、市場ではデータアナリストによる競合性が高まり、仕事を得にくい状況が生まれることも予想されているのです。
データサイエンティストは海外を中心に魅力的な職種として注目され、多くの人が目指す専門職となっています。しかし、将来的には自動化の台頭によってデータサイエンティストの人員が過剰になってしまうことも懸念され、企業のR&D投資が抑制された場合はその可能性がさらに高まってくることでしょう。
しかし、識別や予測などの領域はAIに代替される可能性があるとしても、どのデータを使って社会にどのような価値を生み出すか、その仕組みをデザインするのが、人間にしかできない仕事です。したがって、単に数学的・統計学的に強いデータの専門家ではなく、自身の知見を実際にビジネスに運用できる能力や感度が備わったマルチスキル人材が求められるようになっていくでしょう。
ほかの職種との定義が曖昧なため名義が変わる可能性
データサイエンティストと類似する職種に、データエンジニアやデータアナリストがあります。これらの職種は定義が曖昧で、業務の中で重複している部分も多く、ひとことにデータサイエンティストと言っても業務内容やスキルが人によってバラバラです。そのため、今後は名義が変わる可能性もあるでしょう。
関連記事:データアナリストとデータサイエンティストの違いは?
現在の業務への不満
現役データアナリストの不満として、「身につけているスキルを活用する場がない」「周囲のデータ管理に関する基本知識が欠けている」といった意見があるようです。このようなデータアナリストの不満が出てきてしまうのはなぜでしょうか。
満足度が低い3つの理由
1つ目に、社内でロールアップが存在しないということや、手本とするべき人員が不足していて満足のいく成長を期待できないことが挙げられます。
2つ目に、データ管理に関する基礎知識が不足している上司に理解してもらうための時間が必要となってしまうことがあります。
3つ目に、普段の業務で手一杯になり、スキルアップのための時間がないことが挙げられます。
この3つが、現役データアナリストの満足度を下げる要因となっているようです。
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データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストの仕事内容は多岐に渡ります。一般的には以下の工程でプロジェクトが進むことが多いです。
・データ収集
・データクレンジング
・データの可視化
・分析モデルの構築
・レポート提出・提案
それぞれの工程について詳しく見ていきましょう。
データ収集
データサイエンティストで最も重要と言っても過言ではない工程です。クライアントの目的を満たすために必要な情報を収集します。主な取得経路はデータベースやAPI、ウェブスクレイピングやセンサーデータなどです。また、収集したデータの信頼性や正確性も確認する必要があります。
データクレンジング
収集したデータにはノイズや欠損値が含まれているため、そのまま使用できるケースは非常に稀です。そのため、不要データの削除などデータクレンジングを行う必要があります。具体的な作業は異常値の特定や削除、欠損値の補完や削除、重複値の削除などです。データクレンジングの工程を適切に行わないと、作成する分析モデルの精度が下がるため慎重に行うべき工程です。
データの可視化
データのクレンジング後はデータをグラフやチャート、散布図などで可視化し、傾向や相関関係、外れ値が残っていないかを確認します。データを可視化することで傾向や相関関係が分かりやすくなるだけでなく、クライアントへの説明にも活用できます。
分析モデル構築
クライアントの目的によっては分析モデルの構築を行います。分析モデルを構築すると、過去の傾向からデータの予測や分類が可能です。
分析モデル構築では、データの可視化によって発見した傾向や相関関係に応じて特徴量(アイスの購買予測モデルに使用する気温データなど、分析したい要素に関わる変数)を選定し、精度を高めていきます。
分析モデルの構築は一般的に一度では上手くいきません。作成後に予測結果を確認、精度を上げるためにチューニングを繰り返すことで実用的なモデルが完成します。
レポート提出・提案
データの可視化や分析モデル構築によって見つけた傾向や相関関係をレポートにまとめてクライアントに提出します。レポート作成時には機械学習やデータ分析のスキルだけでなく、経営スキルも大切です。算出したデータを基に、論理的な経営アドバイスをしなければなりません。
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データサイエンティストとして長く活躍するために必要なスキル
データサイエンティストとして継続して活躍し続けるためには、データ管理に関するスキル以外に、その他スキルを掛け合わせることが重要であると考えられています。ここではデータサイエンティスト協会が定めた『データサイエンティストスキルチェックリスト』を参考に、どのようなスキルが他に求められているのかを考えていきます。
ビジネス力
プログラマーやエンジニアなどがコミュニケーション能力やビジネスに関する知識などが求められるのと同様に、データサイエンティストもビジネス力が求められる時代になりました。
AIで何かを解決したいと考えるクライアントの多くは、具体的にどのようなシステムを開発すれば良いのか分からないからこそ開発会社に相談にやって来ます。データサイエンティストはプログラマーのようにパソコンに向かってコーディングをするのではなく、SEやPMといった上位レイヤーの担当者と同席し、クライアントとコミュニケーションをするところから始まります。
集められたビッグデータをもとにして、企業のマーケティングをサポートしたり、効率の良い社内のシステム構築をサポートするといったことが今度は強く求められるようになるでしょう。
データサイエンス力
データ分析に関する数学や統計学に長けていることは、データサイエンティストにとっては望ましいことであり、最低限求められている重要な項目になっています。データサイエンス力と、次のデータエンジニア力が合わさっているために高い価値を保つことができるのです。
たとえばAIを店舗のマーケティングに活かしたいと考えているクライアントがいる場合は、どのようなデータを収集し統計をとれば正確な結果が導き出せるのかを判断しなければなりません。当然のことながら、求める結果や統計の種類によっても収集すべきデータは変わってくるでしょう。
クライアントの意図や目的を正確に理解した後は、その課題を解決するために統計学や情報処理に関する高度な知見が求められるのです。
データエンジニアリング力
データ管理のための基盤構成に関する知識、もしくは技術なども重要なスキルに値します。収集すべきデータや統計の方法が決まったら、それをどのように処理して課題解決に活かすのかを検討しなければなりません。解析に使用するツールの選定や分析方法、さらにはPythonなどのプログラミング言語を扱うスキルも求められます。
このように、統計データをクライアントが理解または運用しやすいように形として使える状態にする力がデータエンジニアリング力にあたります。
プログラミングスキル
データサイエンティストにはプログラミングスキルも必要です。データ分析はアナログで行うわけではないので、分析するためのシステムが必要です。分析ツールはプログラミングによって実装します。具体的には、Pythonを用いる場合が多いでしょう。
ExcelやAccessでアナログに近い形でデータ分析をすることも可能ですが、非効率なのでデータサイエンティストの働きとして十分とは言い難いです。ビッグデータ解析や機械学習のための設計とプログラミングのスキルが必要です。
関連記事:データサイエンティストに求められるプログラミング言語と学習方法
すべてが一定レベル以上であることが望ましい
一般的にはビジネス力、データサイエンス力、データエンジニア力、この3つの能力が一定以上のレベルであることが求められています。一定以上のレベルとは、一人でデータ分析からビジネスへの反映ができることはもちろん、企業に明確に価値を与えられるレベルです。
データサイエンティストに求められているスキルがすべて上記の一定レベル以上にある人は、現役で活動している人の中でもわずか6%ほどしか存在していません。それだけに希少価値は高く、当然その立場に居続けるにも学習ハードルはかなり高いものであると考えられています。
関連記事:データサイエンティストを目指す上で必要な勉強
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「データサイエンティストはいらない」と言われないための方法
データサイエンティストの定義は曖昧なので、データサイエンティストを名乗る人自体は多いでしょう。また仮にある程度高いスキルを有していても、他の人材に代替される可能性はあります。ではどうすれば今後生き残っていけるのでしょうか。
データサイエンティスト積極的に行動を起こし、個人としての価値も高めていくための方法を解説していきます。
能動的にインプットを行う
データサイエンティストとして生き残り続けるためには、新しい情報や活用事例などを頻繁にインプットすることは将来的にも役立つでしょう。
インプットの量が自分自身の知識のベースを形成するため、インプットをやめてしまうとその時点で知識のアップデートが止まってしまいます。
日進月歩のIT業界においては、インプットを止めてしまうことは自分自身の成長をストップさせることも意味します。「この資格を取ったからアウトプットは必要ない」「データサイエンティストとして就職したから勉強しなくても良い」と考えるのは危険で、常に最新の技術動向や知見を吸収しておかなければなりません。
国内外の論文・ブログを読む
論文には複雑な論理であったり、多くの研究結果などが含まれていますので、それらの情報をインプットすることによって、簡単には得られない情報をインプットすることにつながります。
国内の論文検索として有効なツールは、国立情報研究所が提供している「CiNii Articles」。オンラインで検索すれば手軽にアクセスできるほか、大学図書館の本や博士論文なども同サイトで瞬時に検索できます。
また、海外の論文を検索する際には「Google Scholar」がおすすめです。「data science」の文言で検索してみると、世界各国の膨大な学術論文がヒットします。最新の論文を検索する場合は「2020年以降」や「2021年以降」などの期間を指定することも可能です。
学会へ参加する
専門ツールの活用や事業への活用事例などを学会などに参加することによって、新たな知見を得るというのも、スキルアップにつなげる良い方法になります。多くの論文は、学会で発表された後に一般に公開というパターンが多いため、いち早く最新の情報に触れてみたいという方は参考にしてみましょう。
また、学会に足を運ぶことによって、データサイエンティスト同士のコミュニケーションも実現されます。横のつながりを持っておくと、仕事で困った際にもさまざまなアドバイスやヒントをくれることもあります。実際に学会の会場まで行き、どのような人がデータサイエンティストとして活躍しているのか、自分自身の目で確かめてみるのも大切な経験になるはずです。
積極的にアウトプットを行う
インプットされた情報は、頭の中にしまっておくだけでは、すぐに記憶から消されてしまいます。それをとどめるためには、積極的にインプットした情報をアウトプットし続けることも重要です。学んだことがすべて仕事の役に立つとは限りませんが、少なくとも他のデータサイエンティストに情報共有をして役立てることは可能です。
プログラマーやエンジニアなどの情報発信および共有の場となるGitHubやSNSを活用すれば、世界中の人たちとのつながりを作ることも可能になります。仕事として実践してみた事例や、思いついたアイディアを残しておくことで、多くの人からの反応が得られるようになれば、個人的な技術の改善にもつながるでしょう。
学んだことは実務で活かす
アウトプットで最も実践的なものは、実務になるでしょう。仕事としてインプットした情報を活かすことができれば、その情報は自分の知識として忘れにくいものとして、脳内に残り続けるはずです。
たとえば、経験が浅く駆け出しのデータサイエンティストは、要件定義など重要なフェーズに参画できないケースもあるでしょう。しかし、できるだけ同席をさせてもらい、自分なりに要件定義の練習をしてみることも重要です。
はじめは業務や開発しているシステムに影響をきたさない範囲で手を動かしてみて、自分が担当する実務においてインプットしてきた知識が活かせる場面がやってきたら積極的に取り組んでみましょう。
このようなアウトプットの経験を少しずつ積んでいくと、実際に行動してきた内容が脳裏に焼き付き、論文やブログの内容を複数回読んで覚えたこと以上に自分の知識として身に付きます。
AIを活用できるようになる
AIはデータ分析や業務効率化に有効なツールです。今後は特にAIが使用される機会は増えるでしょう。言い換えれば、AIスキルを持つデータサイエンティストとそうでないデータサイエンティストの間で差が生まれるということです。
データサイエンティストに関連する技術は新しいものが多く、その分変化も激しいです。少なくともAIの動向を把握しつつ、導入していくことは必須になります。自身が開発者として設計、プログラミングスキルを持つのが理想ですが、既存のツールをビジネス活用するスキルも重要です。
クラウド環境での実務スキルを身につける
企業のシステムの多くがクラウド移行しています。データサイエンティストはデータ分析をして企業に対してビジネス提案を行う仕事です。つまり、最終的に企業のシステムを最適な形に導く必要があるのです。
企業のシステムの多くがクラウド移行しているということは、データサイエンティストはクラウド環境での実務スキルを身に付ける必要があるということです。
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データサイエンティストの仕事に役立つ資格
データサイエンティストとしての個人価値を高めるには、資格取得を検討するのもひとつの手段です。エンジニアやマーケッターなどからの転職などを検討していたり、データサイエンティストとしての更なる技術の向上に向けて、資格取得を積極的に検討してみましょう。
統計検定
統計検定はデータ分析の基礎を修める検定です。統計に関する知識を身につけることによってデータの収集、分析、解析、可視化までの流れと、その結果によって見えてくる事業における課題を明確に示すことができます。
また統計に関する知識を身につけることによって、データ分析の基本基盤構築やそこから企業先への対応につながるサービスづくりに役立てることが可能になります。
情報処理技術者試験
情報処理技術者試験はITの登竜門ともいえる国家試験です。データアナリストやデータ分析に関する知識を既に習得しているマーケッターなどは情報処理技術を習得することにより、スキルの底上げにつなげていくことができます。現代においてはシステムやソフトウェア、データベースなどの設計・開発・運用・保守などに関する知識は、どの業種であっても需要が高いため、データアナリストとしての価値を高めることにつながるでしょう。
アクチュアリー資格試験
アクチュアリー資格試験は、保健業界の高度専門職に値する職業であるアクチュアリー(保険数理士、保険数理人とも言う)のための資格試験になります。
しかし、その試験内には数学(確率、統計、モデリング)が含まれているため、データサイエンティストとして役立つ知識を学ぶことができます。
DB系資格
データベース構築、内部処理に長けていることは、データサイエンティストにとってかなり重要項目と考えられています。オラクルマスターやOSS-DBなどの資格を取得することにより、データサイエンティストとしての個人的な価値を明確に示すためにも役立つ資格になります。
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データサイエンティストが活躍できる業界
データサイエンティストはビッグデータ、そして人工知能を活用したビジネスを展開するにあたり不可欠な存在です。一見、IT業界のみに特化した職種と思われがちですが、実はその範囲は多岐にわたります。
現代において、顧客情報や行動データといったビックデータを分析し、事業に活用していくというのは定石と考えられている時代です。ここからはどのような業界でデータサイエンティストが活躍する場があるのかをみていきましょう。
IT業界
IT業界では、システム開発や作業の効率化、自動化などを目指し、そのものとなる分析基盤となる開発を担うのがデータサイエンティストの役目と考えられています。
トレンドの移り変わりが激しいIT業界において、今まさに人材価値が高騰しているのがデータサイエンティストです。多くのシステム開発会社ではAIやビッグデータをキーワードに開発案件を受注しており、精度の高いAIシステムを設計するためにはデータサイエンティストの力が不可欠です。
今後もこの流れはしばらく続き、IT業界においてデータサイエンティストの価値はさらに高まっていくと考えられます。
不動産業界
不動産業界では、住宅価格指数などを分析したり、金融業界と連携して分析データをもとにした事業展開を進めていくために、データサイエンティストの技術が求められています。そのほか分析データをもとにした情報発信などを行なっています。
「どのエリアにマンションやアパートを建てれば高い費用対効果が得られるか」「どのような客層に対してアプローチをすれば賃貸物件の入居率がアップするか」など、さまざまな課題を予測するうえでAIは重要な役割を果たします。
このようなシステム開発は専門の開発ベンダーに依頼するのが一般的ですが、大手不動産会社などでは独自のシステムを自社で開発するケースもあります。
金融業界
金融業界では、作業の効率化を図るためのデータ分析および解析を通じて、作業改善を進めていくと同時に、顧客への最適なオペレーションを実現させるための基盤作りを役目としています。
金融はAIやビッグデータと特に関連の深い分野のひとつに数えられます。たとえばローンや融資の審査、クレジットカードやキャッシュカードの不正検知など、応用できる方法はさまざまです。
特に年々巧妙化する不正利用への対策として、AIを活用した高度なセキュリティは喫緊の課題といえます。また、ATMへの生体認証技術や窓口業務の無人化においてもビッグデータを応用したAIの技術は欠かせず、当然のことながらデータサイエンティストも不可欠な存在なのです。
製造業界
製造業界では、AIを活用したデータ分析および機械学習をはじめとした最先端テクノロジーの活用に向けて、データ管理のための基盤づくりを進めていく、という大きな役割を担っています。
製造の現場ではすでに機械化が進んでおり、多くの工場では生産ロボットが稼働しています。しかし、一度に膨大な量が生産できる製造ラインだからこそ、万が一故障などで停止してしまうと甚大な影響が出てしまいます。
そこで注目されているのが、スマートファクトリーというAIの活用事例です。これは生産ラインの異音や温度上昇などを瞬時に判別し、AIが故障を予見するというもの。従来は長年の経験をもった職人によってメンテナンスを行っていた内容も、その知見をデータ化することによってAIが効率化してくれます。
しかし、職人の経験や勘という定性的な内容をデータ化するには高度な知見が要求されるため、データサイエンティストのスキルが欠かせません。
広告業界
広告業界は主にマーケティング事業における、顧客データの分析をはじめとして、そこから可視化されているデータをもとにした事業展開を進めるための基盤を構築することが重要になります。その基盤づくりを進めるためにデータサイエンティストの存在は必要不可欠になっています。
広告やマーケティングという領域は本来、膨大な統計データを分析することが不可欠です。もっとも広告効果が見込まれる場所や時間帯、媒体を選び展開する必要があるため、データサイエンティストの知見が発揮できる分野といえます。
特に最近では旧来の広告以外にも、ネットを活用したデジタル広告が急成長を遂げています。IT業界とも関連が深いため、データサイエンティストの需要はさらに伸びていくと考えられるでしょう。
コンサルティング
広告業界と同様に、データサイエンティストによって顧客データを管理し、行動分析を実施。その結果によって、クライアントへのサポートプランを考えていくことになります。
主に経営層に対してさまざまな事業のアドバイスを行うコンサルティング。コンサルタントへの信頼が厚いことは大前提としてありますが、何らかの解決策を提示する場合には根拠となるデータが欠かせません。
売り上げデータやアンケートのデータ以外にも、緻密な統計に基づいてデータサイエンティストが分析した科学的な根拠も必要とされます。
官公庁
官公庁では都市計画の策定や今後の人材不足予想など大規模データを用いた分析を行っていきます。官公庁の分析結果は多くの企業や人々に影響を与えるため、絶対に失敗は許されません。他の分野と比べて高い正確性が要求され、責任のある仕事といえます。
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データサイエンティストになるには
現代におけるデータサイエンティストの位置付けというのは、かなり専門性の高いところを指していて、短期間のうちに習得できるほどのスキルではありません。そのため、時間をかけて知識や技術を習得しなければ、データサイエンスとしての活動を始めることはできないでしょう。ですが、手段さえ分かっていれば、不可能な道ではないことにも気づけるはずです。
関連記事:
データサイエンティストになるには?目指し方や必須スキルを解説
未経験からデータサイエンティストを目指す方法を徹底解説
データサイエンティストの転職で知っておきたいこと
専門領域の履修科目が開設されている理系大学等を卒業後に就職する
学生にとってはとにかく自由な時間が多くあることが特権でもあります。その多くの時間を利用して、社会人になる前の段階で、データサイエンティストとしてのスキルを習得する期間と定めるのも良いでしょう。独学で学ぶにも範囲の広い分野でもあるため、質問ができるような環境に身をおくというのは学習をスムーズに進めていくことにもつながります。
エンジニア職から転職する
Java、Python、Rといった言語に馴染みがあるエンジニアや、データベースの構築などを経験しているエンジニアにならば、採用基準を満たす限り雇ってもらえる企業が見つかる可能性はあります。
IT関連の転職先で最も問題となるのは、過去に関連事業に対する職務経歴があるのかどうかという点です。この点において注目されるだけの経験を持っているエンジニアならば、データサイエンティストへの転身も可能性としてはゼロではないでしょう。
社内養成や公募を利用してキャリアチェンジする
社内でデータサイエンティストへの転身希望者などを募る公募や、スキル習得のために社内要請が行われているのであれば、参加してみることをお勧めします。社内養成に参加できる場合、費用を負担してもらえる場合もありますので、投資費用を自費負担する必要がなくなり、学習し始めるハードルを下げることにもつながります。
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データサイエンティストの平均年収
2016年から2020年の日本でのデータサイエンティストの平均年収は791万円。そしてglasdoorの50 best job in America for 2022によると、米国での2022年でのデータサイエンティストの平均年収は日本円換算で約1,548万円になります。国によってこれだけの差があるのは、経済状況やR&D投資の差などの影響、社会の中でデータサイエンティストの捉え方の違いなどが影響していると考えられます。
レバテックキャリアの求人情報においては、データサイエンティストの年収は「500万円~1000万円」がボリュームゾーンとなっています。
参考:50 Best Jobs in America for 2022
関連記事:データサイエンティストの年収は高い?他職種との比較
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データサイエンティストの求人例
2023年6月の執筆時点でレバテックに掲載されているデータサイエンティストの求人は1,018件です。また、データサイエンティストは求人によって機械学習、コンサルタント、分析など様々な要素に偏っています。ここからは実際の求人例を確認し、年収や要求されるスキルを確認していきましょう。
機械学習経験(自然言語処理)を活かしたデータサイエンティストの求人例
【想定年収】
408~1,000万円
【業務内容】
・日本語の大規模言語モデル構築
・デジタルマーケティングのプロダクト開発・研究
【求められるスキル・経験】
・ビジネス上の課題発見から施策の実施、効果検証までの一通りの経験
・コンピュータビジョンや自然言語処理など、関連分野の学位または経験
・大規模言語モデルの実践的な経験
【働き方】
・一部リモート
コンサルタント寄りのデータサイエンティストの求人例
【想定年収】
700~800万円
【業務内容】
・システムアーキテクトとしてシステム企画の立案、要件定義、ベンダーマネジメントなど
・デジタルソリューションに必要なAPI基盤設計やデータ分析
【求められるスキル・経験】
・システム開発における要件定義/設計などの上流工程設計経験:3年以上
・エンジニアとして自ら手を動かした経験があり、クラウドサービスのバックエンドに理解があること
・さまざまなステークホルダーと連携して事業を進めるコミュニケーション力
・求められる要件に対して、技術面を理解した上でシステムをデザインできる方
・ステークホルダーに対して技術的観点での説得力と、理解を促す粘り強いコミュニケーションの両立ができる方
【働き方】
・一部リモート
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データサイエンティストからのキャリアパス
データサイエンティストに要求されるスキルは多岐にわたります。そのため、さまざまなスキルが身に付き、どのスキルを伸ばすかによってキャリアパスは分岐していきます。
ここからは、データサイエンティストの主なキャリアパスを3つ紹介します。
ITコンサルタント
クライアントに対する提案力をより活かしたい方はITコンサルタントに転職する方が多いです。ITコンサルタントでは、データに限らず自身の知見やさまざまな手段を用いてクライアントの問題を解決します。
データサイエンティストで顧客折衷や解決提案力を伸ばした方はITコンサルタントがおすすめです。
AIエンジニア
分析モデルの構築スキルをより活かしたい方は、AIエンジニア(MLエンジニア)に転職する方が多いです。AI開発では様々な分析手法を適切に使い分け、高いモデルチューニング力が要求されます。
AI開発はIT業界だけでなく製造業や金融業をはじめとした多くの業界で活用されます。そのため、将来性が高く、キャリアアップ目的以外にも非常に人気が高いです。
AI開発では主にPythonやR言語を活用することが多いため、AIエンジニアを目指す方はPythonを中心にプログラミングスキルを身に着けていきましょう。
グロースハッカー
ビジネスの成長に携わっていきたい方はグロースハッカーに転職する方が多いです。グロースハッカーとは、ビジネスの成長を促進するためにITスキルを活用するマーケティング職です。様々なデータを活用して顧客の獲得やエンゲージメントや収益の上昇を図ります。主にマーケティングやプロダクト開発などデータサイエンティスト同様さまざまなスキルが要求されます。
データサイエンティストがデータを基に意思決定をサポートするのに対して、グロースハッカーはマーケティングやビジネスの成長を目的としているのが異なる点です。
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データサイエンティストに関するよくある質問
最後に、データサイエンティストに関するよくある質問に回答していきます。
Q1. データサイエンティストになるには何年かかりますか?
データサイエンティストには統計の知識やプログラミングの知識など様々なスキルが必要です。そのため、いずれの知識も有していない方がデータサイエンティストを目指す場合は最低2〜3年ほどかかると言われています。
Q2. データサイエンティストとして働く人が少ないのはなぜですか?
データサイエンティストに必要なスキルが多く、すべてのスキルを身に着けている人が少ないためです。機械学習モデルの構築スキルからデータベースの操作スキル、高い統計スキルなどそれぞれの取得難易度も高く、人材不足を招いています。
Q3. データサイエンティストの需要が高まっている理由を教えてください
有益な情報が大量に蓄積されているにもかかわらず、多くの企業が有効活用できていないからです。現在はIoTデバイスやシステムのログ、センサーデータなど大量のデータが生成されています。しかし、適切なデータを適切に処理できる人材が少なく、多くのデータが放置されています。
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まとめ
年代によってデータサイエンティストに対しての将来性の捉え方は異なるものの、現時点で存在価を落とすような問題は見られていません。多様な業界で需要が高まり続けていることには変わりないデータサイエンティストですが、不満を抱く人材への対応を企業側も考慮していけるようになれば、その希少価値を遺憾なく発揮する機会を増やしていけるようになるはずです。
例えデータ分析に関する事業が日々自動化に移り変わっていくものだとしても、データサイエンティストの立ち位置は変わることなく、より広い活動範囲で、多くの業界に良い影響を与え続けることになるでしょう。
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