ビッグデータ時代の有望職種「データサイエンティスト」は技術職・非技術職のどちらからでも目指せる!データサイエンティストの定義、仕事内容、スキル、転職する方法を解説

最終更新日:2020年10月27日

レバテックキャリアは
ITエンジニア・Webクリエイター専門の転職エージェントです

データサイエンティストは、統計や機械学習などを駆使して、事業戦略に必要な知見を見出す職種です。ただし、その定義は企業によって異なり、仕事内容にも若干の違いがあります。データサイエンティストに求められるスキルや知識は広範で、なおかつ専門性が高いことから、自己のスキルセットを補強しながら目指すべきでしょう。ここでは、データサイエンティストの定義や仕事内容、必要なスキル、目指すための方法などを解説します。

1. データサイエンティストとは

まず、データサイエンティストの定義について解説します。データサイエンティストは、「ビッグデータの収集・加工・分析を通して、ビジネス課題の解決や状況改善につながる提言・施策立案を行う職種」です。

エンジニア、アナリスト・コンサルタントという2つの側面

データサイエンティストには、「エンジニア」と「アナリスト・コンサルタント」という2つの側面があります。技術的な側面は「機械学習エンジニア」「データエンジニア」と、アナリスト・コンサルタント的な側面は「データアナリスト」や「ITコンサルタント」とよく似ていていることから、こうした職種と混同されがちな点も特徴のひとつです。

企業によって異なるデータサイエンティストの定義

データサイエンティストの定義は企業や求人によってばらつきがあります。学術的な研究において統計・解析を用いていた人材や、アナリスト業務に従事していた人材など、データサイエンティストのバックボーンの多彩さから、かつては明確な定義が難しかったようです。

しかし近年は、ビッグデータ活用が一般化し、データサイエンティストの認知度も拡大していることから、徐々にその輪郭がはっきりしてきました。実際に企業側も、理系学部や情報系学部の学生を新卒で採用したり、ITエンジニアやアナリストを中途採用したりと、データサイエンティストの採用に力を入れるようになっています。

2. データサイエンティストの仕事内容

次に、データサイエンティストの仕事内容を紹介します。

課題抽出および仮説立案

顧客企業や自社が抱えるビジネス課題を抽出し、優先的に解決すべき課題や解決方法の選定・提案を行います。また、収集可能なデータと実行可能な分析方法を踏まえつつ、解決のための仮説を立案します。

データ分析設計・環境構築

立案した仮説をもとに、必要なデータや分析モデルの確定、データ分析基盤の構築などを行います。データ分析業務では、フォーマットを統一しながらデータを収集し、使用する分析手法(機械学習、テキストアナリティクス、ディープラーニング)などを確定します。このとき、データ収集・分析のためにプログラミング言語を用いて、コーディングを行うこともあります。さらに、データの蓄積・検索・運用に使用する各種データベースの構築も担うことがあるでしょう。

こうした技術寄りの仕事は、機械学習エンジニアやデータエンジニアと共通する部分が多いため、ITエンジニアの経験を存分に活かせる分野です。プログラミング言語としては「Java」「Python」「R」「SAS」、DB関連では「Hadoop」「MySQL」「NoSQL」などを用いるケースが多いでしょう。

データ分析と仮説検証

データ分析では、収集した各データを組み合わせながら、統計的に有意なデータ項目を特定していきます。例えば、テキストを主体とした非構造化データを分析して顧客のインサイト(ニーズの核心)を推測したり、機械学習による多変量解析でサービスの継続率に関連する要素や将来の需要を予測したりといった具合です。ここで得られた結果は、立案済みの仮説と突き合わせつつ、妥当性を判断していきます。

データ変換、可視化

データ分析のあとは、結果を見やすくするためにデータ変換・可視化作業に入ります。収集したデータを加工し、ビジュアライゼーションツールを用いてグラフ・表などに変換します。

戦略及び施策の提示とモデル構築

データ分析の結果を経営層や他の業務部門と共有し、ビジネス上の課題解決につながる経営戦略・業務施策を決定していきます。さらに、提示した内容が当初の目的に合致しているかを判断するため、専用のアルゴリズムの実装や予測モデル構築などを行うこともあります。

3. データサイエンティストに求められるスキル

データサイエンティストに必要なスキルは多岐にわたります。ここでは、データサイエンティスト協会による一般的なスキルと、実務レベルで評価されるスキルを紹介します。

データサイエンティスト協会による一般的なスキル

データサイエンティスト協会によれば(※)、データサイエンティストには「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」という3つのスキルが必要だとされています。

ビジネス力

ビジネス力は、「企業が抱えるビジネス課題を整理し、解決に導くためのスキル」です。これは主に「マネジメントスキル」「コミュニケーション力」「ドキュメンテーション・プレゼンテーションスキル」で構成されると言えるでしょう。

データサイエンティストはアシスタントやエンジニアなどとチームを組むこともあるため、マネジメントスキルが必要です。また、クライアント企業や他部門の担当者と折衝を重ねながら仕事を進めるため、コミュニケーション力は欠かせません。加えて、解決策の提案やレポーティングなどを円滑にすすめるために、資料作成・プレゼンテーションの能力も必須です。

データサイエンス力

データサイエンス力とは「技術や統計学などを理解し、活用する力」を指し、主に以下のようなスキルが該当します。
 

  • 分析設計スキル

何のために分析が必要で、どういった分析手法を用いるのかを定義するスキルです。
 

  • データ集計、可視化スキル

データからビジネス課題の解決につながる知見を獲得しやすいように、グラフや図などを用いて可視化するスキルです。
 

  • 統計モデリングに関するスキル

統計学の知見を用いて、データに隠されたパターンや意味、推測などを獲得するためのスキルです。
 

  • プログラミングスキル

データサイエンティストは、コーディングによってツールを開発することもあります。ライブラリの豊富さや処理速度に優れる「Python」や、統計解析専門の言語である「R」、データベース操作に必要な「SQL」などがよく使用されます。

データエンジニアリング力

データエンジニアリング力は、「データサイエンスを意味のある形にし、実装・運用するための力」です。一般的には、「エンジニアとしての技術力」に該当するでしょう。アルゴリズムの開発・実装に必要な設計・コーディングスキルや、データ整形のためのデータプレパレーションスキルなどが該当します。

実務レベルで必要になるスキル

データサイエンティストの仕事は、「アナリスト・コンサルタント寄り」「エンジニア寄り」の2つに分類できます。それぞれの仕事で必要になるスキルは以下のとおりです。

アナリスト・コンサルタント寄りの仕事で必要なスキル

データ分析・レポーティングスキル
SPSS、SAS、R、Pythonなど、統計ツールを用いてデータ分析やレポーティングを行うスキルです。
 

  • 効果検証(因果推論など)の知見

ある施策が成功・失敗した理由を把握するためのスキルです。A/Bテストなどのメジャーな効果検証手法や、手法自体を構築した経験などが評価されます。
 

  • 市場調査などのリサーチスキル

データ分析の目的などをはっきりさせるために、市場調査による裏付けが必要になることもあります。
 

  • データベースの基本知識、SQLの読み書き

大量のデータを取得・加工には、DB操作スキルが必要であり、DB操作のためにはSQLの知識・スキルが欠かせません。

エンジニア寄りの求人で評価されやすいスキル
  • 機械学習エンジニアとしての基礎スキル

システム設計・開発・運用スキルや、コーディングスキルが該当します。コーディングスキルとしては、scikit-learnやTensorFlowなど、機械学習の分野で用いられる代表的なフレームワークやライブラリを活用できることも大切な要素です。
 

  • PoCなど実証モデル運用の経験

PoCとは日本語で「概念実証」と訳され、ある施策の「実現可能性」「効果・効用」を技術的な観点から検証するプロセスを指します。こうしたPoCのスキルや、理論的かつ実践的な効果検証モデルの運用スキルも評価されるでしょう。
 

  • パブリッククラウドの活用経験

機械学習やデータサイエンスは膨大な計算リソースを使用することから、オンプレミス環境よりもクラウド環境へと基盤が移行しています。したがってメジャーなクラウド環境(AWSやGCPなど)を活用した経験が転職時の必須要件になることも珍しくありません。

※参考:データサイエンティスト協会「データサイエンティスト協会、データサイエンティストのミッション、スキルセット、定義、スキルレベルを発表」

4. データサイエンティストの仕事に役立つ資格

データサイエンティストは免許やライセンスが必要な職種ではありません。しかし、以下のような資格取得もしくは資格試験対策をすることで身に付く知識は、実際の仕事に役立ちます。

統計検定

一般財団法人 統計質保証推進協会が提供している統計学に関する検定試験です。5段階の級(1級~4級)と、2つの資格(統計調査士、専門統計調査士)で構成されています。

情報処理技術者試験

IPA(情報処理推進機構)が主催する、ITエンジニア向けの認定試験です。データサイエンティストに向いている資格としては、「応用情報技術者」や「データベーススペシャリスト試験」などがあります。

アクチュアリー資格試験

保険業界の高度専門職「アクチュアリー」になるための資格試験です。第1次試験の中に「数学(確率・統計・モデリング)」が含まれていることから、データサイエンティストの実務に役立つ知識を得られます。

DB系資格

データベース系の資格としては、オラクル社製のDBやOSS製のDBに関する資格(OSS-DB)がおすすめです。

G検定E資格

一般社団法人 日本ディープラーニング協会が主催する検定試験です。ディープラーニングを活用する人材育成を目的としており、事業担当者向けの試験(G検定)とエンジニア向けの資格(E資格)に分類されています。人工知能の定義や機械学習・ディープラーニングの具体的手法が学べる試験です。

5. データサイエンティストを目指す方法

データサイエンティストを目指す方法は、「非技術職」と「技術職」で若干の違いがあります。現在の職種に応じて、適したルートを選ぶようにしましょう。

非技術職

すでに統計の基礎知識や統計用ツールに慣れている場合、RやPythonといったプログラミング言語や、AIのアルゴリズム(機械学習、自然言語、画像処理など)について知識・スキルの補強を行いましょう。まずは「アナリスト・コンサルタント寄りのデータサイエンティスト」を目指し、徐々に技術力を高めながら転職のチャンスを狙う方法がおすすめです。

技術職

一般的なITエンジニアの場合は、「統計」の基礎知識習得を最優先にすべきでしょう。また、同時に統計解析用ツール(SPSS/SAS/R等)の扱いも学ぶと、即戦力として評価されやすくなります。ITエンジニアであれば、Pythonのライブラリを使いながら統計学を身に着けていくという方法もあります。ライブラリ自体に専門的な計算式が内包されているため、基礎的な考え方を理解していれば実践的な統計を実行できるからです。

ただし、こちらは「実務でよく使うもの」がメインであり、基礎を全てカバーできるとは限りません。統計を含む数学の分野の独学が難しい場合は、必要に応じてスクール活用も視野にいれてみましょう。

キャリアパスの例

マーケッターやアナリストからの転職ならば、データサイエンティストの職務領域の一部をすでに経験していることになります。そのため、まずはエントリーレベルのポジションへの転職を目指し、徐々に技術力を高めながら、データ分析サービスを専門的に提供する企業への転職を視野に入れてみてください。また、データサイエンティストの社内養成や公募があれば、挑戦してみるのも良いでしょう。

6. データサイエンティストの年収と将来性

最後に、データサイエンティストの年収と将来性について解説します。

年収

まず、実際の求人例をベースに年収を見ていきましょう。

アナリスト・コンサルタント寄りの求人

【企業】インターネット広告代理店
【想定年収】600~1200万円
【業務内容】顧客データの分析や企画・効果検証などのほか、データサイエンスに関連する学術的な研究など。十分な経験を有する場合は、サービスの核となる戦略的 R&D にも参画。その他、関連学会誌の購読、関連するカンファレンスなどに参加し、最先端の手法を常に調査し取り入れる。

【求められるスキル・経験】

  • ・機械学習・データマイニングの基礎知識

    ・理学(物理・数学系尚可)、工学(情報系尚可)等の大卒レベルの数学的素養

    ・最新の学術的な論文を読みこなし、プログラムに落とし込める潜在的な能力

    ・データ構造・アルゴリズム、計算量に関する基礎知識

エンジニア寄りの求人

【企業】データ分析サービス提供企業
【想定年収】500~750万円
【業務内容】独自開発システムやその他文章解析技術等を利用したデータ分析。
クライアント企業に対する、自社独自システムおよび文章解析技術等を利用した課題解決の提案。自社独自システムの実装・効果検証など。
【求められるスキル・経験】

  • ・データ案件の解析経験1年以上

    ・多変量解析や機械学習モデリング経験1年以上

高年収が提示されやすいのは?

どちらの場合でも比較的年収が高く、最高額が1000万円を超える求人も珍しくありません。アナリスト寄りの場合は、研究開発や戦略策定に携わると、一気に年収が高くなるようです。また、エンジニア寄りの求人では、統計学の知見を持ちつつ、企画・設計・実装・運用まで一貫して携わることができる人材が高年収の提示を受けやすくなります。

将来性

将来性については、肯定的な意見と否定的な意見があります。肯定的な意見では、「ビッグデータ市場の拡大」「データサイエンティスト自体の人気」「教育機関の増加」などから、今後もデータサイエンティストの需要が増えると予測しています。一方、否定的な意見では「AIの発達でデータサイエンス自体が自動化される」「データサイエンススキルが一般化し、専門職ではなくなる」などが挙げられています。

確かにデータサイエンスは、技術の進歩とともにハードルが低くなるでしょう。しかし現状では、先端技術がデータサイエンティストの業務を完全に代替できる状態ではありません。特にビジネス課題の抽出や戦略立案などは、未だに人の手が必要です。したがって、5~10年前後のスパンで考えれば、まだまだ将来性は高く、悲観的になる状況ではないと言えるのではないでしょうか。

7. まとめ

データサイエンティストは、統計や機械学習を用いて企業の事業戦略に必要な知見を見出す職種です。ただし、その定義や仕事内容は企業によって若干異なる場合があります。データサイエンティストに求められるスキルや知識は広範かつ専門性が高いため、自分のスキルセットと照らし合わせながら、弱点を補強しつつ転職を目指すと良いでしょう。

ITエンジニア・Webクリエイターの転職ならレバテックキャリア

レバテックキャリアはIT・Web業界のエンジニア・クリエイターを専門とする転職エージェントです。最新の技術情報や業界動向に精通したキャリアアドバイザーが、年収・技術志向・今後のキャリアパス・ワークライフバランスなど、一人ひとりの希望に寄り添いながら転職活動をサポートします。一般公開されていない大手企業や優良企業の非公開求人も多数保有していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。

転職支援サービスに申し込む

また、「初めての転職で、何から始めていいかわからない」「まだ転職するかどうか迷っている」など、転職活動に何らかの不安を抱えている方には、無料の個別相談会も実施しています。キャリアアドバイザーが一対一で、これからのあなたのキャリアを一緒に考えます。お気軽にご相談ください。

「個別相談会」に申し込む

プロのアドバイザーがあなたのお悩みや疑問にお答えします

- 転職個別相談会開催中 -

相談内容を選択してください

※転職活動や求人への応募を強制することはありません

人気の求人特集

内定率が高い

関連する記事

人気の記事

スキルアップ記事トップへ

データサイエンティストの求人・転職一覧