データサイエンティストに必要な勉強は?独学で学ぶ方法や学習ロードマップ

最終更新日:2025年6月13日

「データサイエンティストを目指したいが、必要なスキルが多すぎて勉強の仕方がわからない」
「独学で勉強しているものの、この方法で合っているのか不安」

そんな悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。

データ分析やAI技術の進展に伴い、データを活用してビジネス課題を解決できるデータサイエンティストの需要が増えています。本記事では、多分野の知識が求められるデータサイエンティストについて、必要なスキルや学習のステップ、独学・資格・スクールを活用した勉強方法までを体系的に解説します。

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この記事のまとめ

  • データサイエンティストには、技術・ビジネス・人間力のすべてが求められる
  • 学習は順序と手段が重要で、段階的に専門性を深めることでキャリアにつながる
  • 独学でも第一歩は踏み出せるが、資格や環境選びが学びの精度を高めるカギとなる

データサイエンティストが身につけるべき7つの基礎スキル

データサイエンティストは、データを分析するだけではなく、ビジネス課題を理解し最適な手法で分析・提案までを行う専門職です。そのため、幅広い分野にまたがるスキルが求められます。

とくに意識して身につけたいのが「7つの基礎スキル」です。これはデータ分析に必要な技術スキルだけでなく、ビジネス視点や他者と協働するためのスキルも含まれます。各スキルは独立しているように見えて、実際には実務で密接に関わり合っています。

次の表では、データサイエンティストとして活躍するうえで土台となる7つのスキルと、その概要を紹介します。

スキル スキルの内容
データサイエンス データの収集・可視化・分析を通して、
インサイトを導き出すスキル。統計解析や
機械学習などの知識を含む。
データエンジニア
リング力
大量のデータを扱うための基盤設計・
構築スキル。ETL処理やデータ
パイプライン、SQLなどが含まれる。
ビジネス力 分析結果を事業課題の解決に結びつける力。
仮説構築、業務理解、提案力などが求められる。
プログラミング
スキル
データ処理やモデル構築を行うための
コーディング力。PythonやRなどの
言語が主に使用される。
マーケティング
スキル
顧客行動や市場動向を捉える力。
KPI設計やセグメント分析など、
分析結果の活用に必要。
コンセプチュアル
スキル
物事の本質を捉え、抽象化して考える力。複雑な
データや現象を整理し、課題の本質を明らかにする。
ヒューマンスキル チームや他部門との連携、プレゼンテーション力、
聞く力など。分析だけでなく伝える力も重視される。

これらのスキルは、短期間で身につくものではありません。理論だけでなく実務に即した知識と経験が求められるため、計画的な学習が欠かせません。

次の章では、データサイエンティストを目指すために必要な勉強内容とそのステップを、ロードマップ形式で解説します。

データサイエンティストの実務に関して、以下の記事で詳しくまとめています。

関連記事:データサイエンティストとは?仕事内容や必要なスキル、目指し方を紹介

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データサイエンティストになるための勉強ロードマップ

データサイエンティストを目指すには、複数分野にまたがるスキルを段階的に身につけていく必要があります。ここでは「何をどのくらいの時間で学ぶか」の目安を示しながら、学習のステップを整理していきます。

各分野 必要な時間
データサイエンス 3ヶ月~半年程度
統計学・数学 3ヶ月~半年程度
プログラミング
スキル
半年程度の期間

必要な時間を把握したら、以下の手順で勉強を進めていきましょう。キャリア形成に関しては、「データサイエンティストになるには?目指し方や必須スキルを解説」でも詳しく解説しています。

データサイエンティストの仕事内容や必要なスキルを知る

データサイエンティストを目指す上では、まず「どのような仕事をするのか」「そのためにどんな知識・スキルが求められるのか」を把握することが欠かせません。なぜなら、学習すべき内容が多岐にわたるため、自分に足りないスキルや、優先的に学ぶべき分野を整理することが重要だからです。

たとえば、以下のような業務がデータサイエンティストの主な仕事にあたります。

  • ・データ分析環境の構築

    ・データの収集・分析・可視化とレポーティング

    ・ビッグデータを活用した課題解決・事業への貢献

こうした業務をこなすためには、単に分析ができるだけではなく、統計・プログラミング・ビジネス理解など複数のスキルが求められます。

データサイエンティスト協会では、必要なスキルを以下の3領域で定義しています。

  • ・データサイエンス力:統計学・AIなど、分析の理論や手法に関する知識

    ・データエンジニアリング力:データを整え、システムに実装・運用するスキル

    ・ビジネス力:課題の背景を理解し、適切な分析アプローチを選ぶ力

まずはこうした仕事内容や必要スキルを把握し、「自分にとって何が不足しているのか」を見極めることが、学習の第一歩になります。

どの分野に特化したデータサイエンティストになるのか考える

幅広い知識が求められるデータサイエンティストですが、学びを進めていくうえでは「どの分野に特化したいのか」を早い段階で考えておくことが重要です。なぜなら、ビジネス寄り・技術寄りのどちらに軸足を置くかによって、今後習得すべきスキルや選ぶ教材が大きく異なるからです。

エンジニアリングに特化する場合
データ基盤やパイプライン構築、AIモデルの開発などを担うことが多く、PythonやSQL、Docker、クラウド環境の活用など、実装・運用に強みを持つスキルが求められます。

ビジネスに特化する場合
データの利活用による意思決定支援や、マーケティング領域での施策提案などが中心になり、仮説設計力・可視化ツール(Tableauなど)の活用、KPIの設計力といったスキルが重視されます。

将来的にどのようなキャリアを描きたいのかをイメージすることで、「何から学ぶべきか」「どこまで深めるべきか」の判断がしやすくなります。ここで方向性を定めることが、効率的な学習計画につながります。

統計の基礎・機械学習手法を身につけPythonで実装する

データサイエンティストにとって、統計学と機械学習の理解は欠かせない基礎スキルのひとつです。ビジネス課題を正しく定量化し、適切なモデルを選定するためには、統計的な思考力や分析手法に関する理解が不可欠です。

また、機械学習に関しては、アルゴリズムの仕組みや適用範囲を理解するだけでなく、実際にコードで再現できるレベルの知識が求められます。そのため、学習には実装を伴うトレーニングが有効です。

実装言語としてはPythonの習得が一般的です。Pythonは機械学習やデータ分析に特化した豊富なライブラリ(NumPy、Pandas、scikit-learnなど)が揃っており、学習効率が高いだけでなく、実務でも広く使われています。

理論と実装を並行して進めることで、モデルの仕組みや出力結果の意味を理解しやすくなり、実践力も高まります。

機械学習をビジネスにどのように導入するか知る

機械学習の理論や実装スキルを身につけたあとは、それらを実際のビジネス課題にどう適用するかを理解する必要があります。

代表的なフレームワークとして、「CRISP-DM(Cross-Industry Standard Process for Data Mining)」があり、機械学習プロジェクトの進行手順を以下の6ステップで整理しています。

  • 1. ビジネス課題の理解

    2. データの理解

    3. データの準備

    4. モデル作成

    5. 評価

    6. 展開・共有

このプロセスに沿って進めることで、分析の目的と手法のミスマッチを防ぎ、実用性の高いモデル構築が可能になります。

フレームワークを習得するには、実務で繰り返し使っていくのが近道ですが、CRISP-DMに即したプロジェクトを経験する機会がない場合は、NishikaKaggleなどのデータ分析コンペに参加することで、学習を進められます。

必要な技術力をつける

データサイエンティストとして実務に携わるようになると、Pythonによる分析や機械学習だけでなく、データの取得・加工・管理といった周辺技術のスキルも求められるようになります。

特に、SQLによるデータベース操作は基本スキルのひとつです。実際の分析対象データの多くは、社内のデータベースに格納されており、必要な情報を抽出するにはSQLを用いたクエリの作成が不可欠です。

さらに、以下のような周辺スキルも、プロジェクトを円滑に進めるうえで役立ちます。

  • ・データベースの基礎知識(RDBMS・スキーマ設計など)

    ・Gitなどのバージョン管理ツール

    ・Jupyter NotebookやBigQueryなどの実務ツール

これらの技術を学ぶことで、分析の精度とスピードを高めるだけでなく、チームとの連携や再現性の高いワークフローの構築にもつながります。

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データサイエンティストになるための3つの学習方法

データサイエンティストに必要なスキルを身につけるには、学習方法の選び方が重要です。ここでは代表的な3つの学習手段を紹介しつつ、取り組みやすい方法をピックアップして解説します。

独学で勉強する

データサイエンティストを目指すうえで、まずは独学から始める人が多くいます。書籍やオンライン教材を活用すれば、統計やプログラミング、機械学習の基礎を着実に学ぶことができます。

ただし、データサイエンティストに求められるのは「実務で使えるスキル」です。業務での活用や応用力まで独学で身につけるのは難しく、途中で「これで正しいのか?」と不安になるケースも少なくありません。

そのため、独学とあわせて資格取得を目指すのが効果的です。資格を目標にすることで学習の指針が明確になり、転職時にもスキルの証明として活用できます。まずは自分に合った範囲で学びながら、適切な資格を見据えておくと良いでしょう。

独学で勉強できる範囲については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:未経験からデータサイエンティストになるには?求人状況も解説

データサイエンティストに役立つ資格を学ぶ

データサイエンティストとして必要な知識やスキルを効率よく学ぶ手段として、「資格の取得」は非常に有効です。各資格は「統計」「Pythonによる実装力」「AIリテラシー」「職種理解」など、実務で求められる主要スキルを体系的に学べるよう設計されています。

また、これらの資格を取得する過程自体が、知識の整理と定着につながるため、独学での学びを深める手段としても有効です。転職時のアピール材料としても活用できるため、学習とキャリアの両面でメリットがあります。

資格名 おすすめ理由
統計検定
(2級または準1級)
データ分析の基礎である「統計」の理解を
客観的に証明できる資格。特に2級以上は、
機械学習を扱う際に必要な統計的思考力の
裏付けとして評価されやすい。
Python3
エンジニア認定
基礎試験
Pythonによるデータ分析スキルの習得度を
測る資格。Pandas、NumPy、matplotlibと
いった主要ライブラリを使えることの証明
にもなり、実務レベルでの手を動かす力を
示せるのが強み。
G検定
(ジェネラ
リスト検定)
AIや機械学習の基礎知識を広く体系的に学べる、
ビジネス×AIの素養を問う資格。理系職種だけ
でなく、コンサル・企画職など幅広い層が活用
しており、「AIの素養がある人材」という
信頼感につながる。
データ
サイエンティスト
検定
(リテラシー
レベル)
経産省・データサイエンティスト協会などが
関わる公的色の強い資格で、「データ
サイエンティストとしての素養を持つ」ことを
証明する入門資格。職種理解・
スキル体系の全体像がつかめる。

資格は転職や社内異動の場面では、業務経験だけでなく、習得していることを可視化できる材料になります。これから学習を進めるうえで、どの分野の理解が不足しているかを整理し、適切な資格を選ぶことで、より効果的にスキルを身につけることができるでしょう。

このほかデータサイエンティストに関連する資格は以下の記事を参考にしてください。

関連記事:データサイエンティストにおすすめの資格一覧!種類別に取り方を紹介

大学・スクール・講座に通って勉強する

独学だけでは不安がある場合や、より体系的に学びたい場合は、外部の教育機関を活用するのも有効です。社会人でも通いやすい講座や学びの場が整備されつつあります。

専門の学部・学科がある大学で学ぶ
夜間・通信制で履修可能な大学もあり、基礎から専門まで体系的に学習可能です。

データサイエンティスト向けの講座・勉強会で学ぶ
民間スクールやオンライン講座では、短期間で実務に直結する内容を学べます。中には修了証が取得できるものもあり、スキルの証明にも活用できます。

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専門性を高めるための勉強のロードマップ

基礎スキルを身につけ、一定の知識を習得したら、次は専門性を深めるフェーズに進みましょう。ここでは、現在の自分の得意分野を把握し、それをどのように伸ばしていくか、キャリアにどうつなげていくかを整理するためのロードマップを紹介します。

専門性を高めるうえで指針になる「将来性」について、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:データサイエンティストの将来性ー10年後はどうなる?

スキルチェックシートで得意分野を再確認する

データサイエンティストとして専門性を高めていくには、まずは「今の自分に何ができて、何が足りていないか」を正しく把握することが大切です。

その際に活用できるのが、データサイエンティスト協会が公開している「スキルチェックシート(Ver.5)」です。このシートでは、データサイエンス力・データエンジニアリング力・ビジネス力の3領域について、自分のスキルレベルを項目ごとにチェックできます。

スキルチェックシートはスキルの棚卸しツールとして使えるため、得意分野を明確にし、今後どの分野を深めていくかの指針を立てるのに役立ちます。

得意分野を発展させる勉強に取り組む

スキルチェックを通じて自分の得意分野が見えてきたら、次はそのスキルを「より深める」か「隣接分野に広げる」ことで、専門性を高めていきましょう。

たとえば、機械学習のモデル構築に強みがある場合は、最新のアルゴリズムや深層学習の知識を習得することで、より高度な分析ができるようになります。一方、分析スキルはあるけれどデータ収集や加工が苦手であれば、SQLやデータエンジニアリングの知識を補うことで、業務の幅が広がります。

「現在のスキルを深掘りして第一人者を目指す」「関連スキルを身につけて汎用性を高める」など、自分のキャリア目標に応じて、学習の方向性を定めていくことが大切です。

磨いたスキル・知識を生かしてキャリアにつなげる

学習によって得たスキルや知識は、それを活かす環境があってこそ真価を発揮します。たとえば、社内で新たな業務領域に挑戦したり、プロジェクトのリードを目指すなど、ポジションアップを図る方法があります。

一方で、現在の職場ではスキルを十分に活かせない、あるいは裁量が得られない場合には、転職を視野に入れてより適した環境に移るという選択肢も有効です。実際、データサイエンティストとしての専門性が高まるほど、企業からのニーズは増えています。

キャリアの方向性を考えるうえでは、「何を学ぶか」と同じくらい「どこでそのスキルを使うか」が重要です。スキルの棚卸しとあわせて、今後のキャリアパスも見直してみましょう。

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まとめ

データサイエンティストを目指すには、統計・プログラミング・ビジネス理解など、幅広い分野のスキルが求められます。まずは自分に必要な知識を見極め、段階的にスキルを習得していくことが重要です。

独学や資格取得、講座の受講など学び方は多様です。しかし、大切なのは目的に合った方法を選ぶこと、習得したスキルをどの環境でどう活かすかまで見据えることが、キャリア形成の鍵になります。

本記事を参考に、自分に最適な学習ロードマップを描いてみてください。

この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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