データサイエンティストになりたい方へ!適性や必要なスキル、資格、勉強法を紹介データサイエンティストを目指す上で必要な勉強

最終更新日:2020年7月3日

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データサイエンティストとは、購買履歴や顧客情報など企業に蓄積されたビックデータからビジネスに活用する知見を見い出し、企業の意思決定をサポートする職種です。近年、ITに限らず様々な業界から注目されている職種ですが、数学、統計学、モデリング、プログラミングなどの幅広い知識とスキルが求められるため、勉強には工夫が必要です。この記事では、データサイエンティストに求められるスキルや知識、マインドセットを紹介したうえで、それらを習得するための勉強法と役立つ資格を解説します。

1. データサイエンティストになるには

冒頭でも記載したとおり、データ分析のスペシャリストであるデータサイエンティストになるには、膨大な知識量と幅広いスキルを身につける必要があります。ここではまず、データサイエンティストを目指す上で身につけたほうが良い基礎的なスキルや知識、マインドセットを紹介します。

データサイエンティストに求められるスキル

データサイエンティストの育成と評価構築を目的に設立された「データサイエンティスト協会」は、データサイエンティストに求められるスキルを「ビジネス力」、「データサイエンス力」、「データエンジニアリング力」の3つのカテゴリーに分けています。それぞれの定義は以下のとおりです。
 

  • ・ビジネス力…ビジネス課題とその背景を理解し、整理しながら解決に導く力

    ・データサイエンス力…情報処理・人工知能・統計学など、情報科学系の知識を使いこなす力

    ・データエンジニアリング力…データを意味のある形に整え、システムに実装し、その運用までをこなす力(※1)
     

同協会が2019年に発表した「データサイエンティストスキルリスト ver3.01」では、データサイエンティストの業務に対する習熟度を「見習いレベル」、「独り立ちレベル」、「棟梁レベル」、「業界を代表するレベル」の4段階に分け、それぞれのレベルを目指すために必要なスキルをリストアップしています(※2)。

以下では、基礎段階に当たる「見習いレベル」に必要なスキルを「ビジネス力」、「データサイエンス力」、「データエンジニアリング力」の部類に沿っていくつか紹介します。

見習いレベルで必要なビジネス力
  • ・分析結果を簡潔に言語化できる論理思考力

    ・円滑な情報共有ができるコミュニケーションスキル

    ・ドキュメンテーションスキル

見習いレベルで必要なデータサイエンス力
  • ・データ理解・検証スキル

    ・データ集計、可視化スキル

    ・分析設計スキル

    ・統計モデリングおよびモデルの評価、調整スキル

見習いレベルで必要なデータエンジニアリング力
  • ・アルゴリズムの開発、実装スキル

    ・データプレパレーションスキル

    ・システム開発(設計、コーディングなど)のスキル
     

※1 データサイエンティスト協会プレスリリース資料(2020年6月1日アクセス)
※2 データサイエンティスト協会「データサイエンティストスキルリスト ver3.01」(2020年6月1日アクセス)

各スキルについての詳しい紹介は下記記事をご参照ください。
関連記事:データサイエンティストに求められるスキルとは

さらに、データサイエンティストに求められるプログラミングスキルについてもっと詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
関連記事:データサイエンティストに求められるプログラミングスキルと学習方法

データサイエンティストに求められる知識

データサイエンティストとして活躍するには、ビジネス分野やデータサイエンス分野の幅広い知識も必要になります。

ビジネス知識

ビジネスシーンで活躍するデータサイエンティストゆえに、ビジネスパーソンとしての基本である法務周りの知識やKPIに対する理解も当然ながら必要になります。さらに、個人情報保護などにまつわるコンプライアンスやデータ倫理の知識も求められるでしょう。

ITセキュリティーに関する知識

ITセキュリティの基本となる3要素(機密性、可用性、完全性)について理解し、マルウェアなどによる深刻なリスク(消失・漏洩・サービスの停止など)の回避方法や、基本的な防御手法を心得ている必要があります。さらに、暗号化技術についての知見もあると業務で役立つでしょう。

基礎数学

データサイエンティストとして、平均(相加平均)、中央値、最頻値の算出方法や順序尺度、比率尺度といった統計手法を使いこなせるための統計数理知識は必要不可欠です。また、線形代数や微分・積分などの数学素養も求められます。

データ解析に関する基礎知識

階層クラスター分析を中心としたグルーピングに関する知識やサンプリング、データを可視化するために必要な抽出方法や加工方法に関する知識が求められます。さらに、ポアソン回帰やロジスティック回帰など、統計モデリングに使われる初歩的手法に対する理解もあると良いでしょう。

機械学習に関する知識

機械学習にあたる解析手法を複数理解し、機械学習に使われるプログラミング言語に関する知識を身につけると良いでしょう。また、教師あり学習と教師なし学習の違いを理解し、過学習に伴うリスクも把握しておきましょう。ディープラーニングについての知見があるとなお良いでしょう。

データサイエンティストに求められるマインドセット

続いて、データサイエンティストとして、長く現場で活躍するために備えるべきマインドセットを解説します。

ビジネスマインド

ビジネス価値を創造することの重要性を常に意識しておきましょう。ビジネスとしての目的意識を持ち、分析的且つデータドリブンな考え方に基づき行動できることが求められます。勉強の段階からこのようなマインドを積極的に養うと良いでしょう。

協力志向

データサイエンティストの業務は決して個人プレイではありません。社内外の様々な人や組織と関係を構築する求心力が求められます。議論をファシリテートすることでアイデアを引き出すなど、他人と協力してプロジェクトに取り組む柔軟なマインドセットが求められます。

サステナビリティ

AI活用は様々な社会課題の解決に貢献するものとして期待されています。その主導的な役割を担うデータサイエンティストは、AIの開発のみならず、作ったAIを実際の商品やツールへと応用化させていく推進力が必要になります。
 

2. データサイエンティストになるための勉強法

次に、データサイエンティストになるための具体的な勉強方法について解説します。学び方は大学や講座、勉強会に通って学ぶ方法と、独学する方法の大きく二通りに分けられます。以下では、それぞれのルートについて詳しく解説します。

大学・スクールに通って勉強する

体系化されたカリキュラムと講師によるサポートがある大学・スクールは、データ解析などの技術習得を効率的に進めることが可能です。

機械学習の分野で活躍するデータサイエンティストは産業界からの期待も高く、近年では専門スクールに加え、データサイエンティストの育成に取り組む大学も増加しつつあります。

専門の学部・学科が開設されている大学

日本国内においてデータサイエンス専攻の学部・学科が開設されている大学は滋賀大学、横浜市立大学、武蔵野大学の3大学です(2020年6月時点)。その他にも、理工学専攻で数理の知識を系統的に学ぶことで、データサイエンティストとしての素養を身につけることが可能です。

また、データサイエンティスト協会のスキル委員は「データサイエンス力の視点では情報科学、データエンジニアリング力の視点ではコンピュータサイエンスの分野に進学することが効率的である」としている一方で、スキルの応用力を考慮した際に、物理や経済などの副専攻を履修したほうが良いと勧めています(※3)。

さらに、専攻として独立しておらず、情報系や理工学系の研究科が主体となって教育プログラムを展開している大学もあります。例えば東京大学では、大学院情報理工学系研究科主導で「データサイエンスティスト養成講座」を開講しており、所定講義の履修(基礎課程・応用課程)や研究を遂行すること(実践課程)で、大学から修了証が授与される仕組みになっています(※4)。

※3 Data Scientist Society Journal 「DSになるために必要なこと」(2020年6月8日アクセス)
※4 東京大学「領域知識創成教育研究プログラム概要」(2020年6月2日アクセス)

講座・勉強会

データサイエンティスト協会は、データサイエンスに関連する教育プログラム(※5)のリストを提供しています。

同リストは、統計数理研究所が「データサイエンティスト育成ネットワークの形成」の一環として国内外の教育プログラムをまとめたものであり、プログラミングスキルの習得からビジネス力の育成まで、幅広い育成コースを網羅した内容になっています。

ここでは、その中から2つの講座を抜粋してご紹介します。

データサイエンスオンライン講座
総務省統計局がデータサイエンス分野の人材育成のために開講しているオンライン講座です。「社会人のためのデータサイエンス入門」や「誰でも使える統計オープンデータ」といったテーマに分けられており、誰でも無料でデータサイエンスの基礎を学ぶことができます。内容も初学者向けなので、未経験者なら一度はチャレンジしておきたいオンライン講座です。

現代統計実務講座 
一般財団法人実務教育研究所が主催している文部科学省認定の通信講座です。データサイエンティストに不可欠な統計学のリテラシーを高め、仕事で使える実務統計を習得できるカリキュラム設計になっています。

また、経済産業省はIT・データ分野を中心に、今後の成長が見込まれる教育訓練講座を経済産業大臣が認定する「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を設けており、認定獲得したプログラムを定期的にリストアップしています(※6)。

NECマネジメントパートナー株式会社が主催する「データサイエンティスト養成ブートキャンプ」や株式会社日立アカデミーが主催する「データ利活用技術者育成講座」など、クラウド、IoT、AI、データサイエンス分野の計87講座がまとめられています。ぜひ受講の参考にしてください。

※5 統計数理研究所「国内外の教育プログラム」(最終更新日:2015年12月14日)(2020年6月9日アクセス)
※6 経済産業省「第四次産業革命スキル習得講座一覧」(最終更新日:2020年4月28日)(2020年6月8日アクセス)

独学で勉強する

データサイエンティストを目指している方の中には、学校や講座に通わず独学での勉強にチャレンジしたい方もいるでしょう。ここでは、独学で勉強する方におすすめの書籍と資格をご紹介します。

データサイエンス協会のスキル委員が推薦する書籍

データサイエンティストに求められる知識や技術は幅広く、単一の書籍から全てを学ぶことが困難だとされています。ここでは、データサイエンティスト協会が発表している推薦書籍リスト(※7)の中から、特に未経験からデータサイエンティストを目指している方におすすめの本を紹介します。

『BIシステム構築実践入門 (DB Magazine Selection) 』(平井明夫著、翔泳社)
データベースに蓄積されたデータを有効活用するための「BI(ビジネス・インテリジェンス)」というシステムを構築するための技術解説書です。技術と業務の両面から、BIシステム構築に必要な知識を、実例ベースで基礎からやさしく解説しており、ビジネス・インテリジェンスに関する入門書であり、BIシステムに関わる人はまず最初に読むべき1冊だと勧めています。

『基本統計学 第4版』 (宮川公男著、有斐閣)
統計検定2級の範囲を体系立てて学習するのに適した書籍です。やや難しい箇所には印が付されており、読者の目的に合った学習が出来るよう工夫されている一冊です。

『道具としてのビッグデータ』(高橋範光著、日本実業出版社)
IoT、インダストリー4.0などの流れを企業事例を交えながら解説し、ビッグデータを利活用する上でのノウハウをわかりやすく紹介している一冊です。

 『実践データマイニング―金融・競馬予測の科学』(月本洋著、オーム社)
データマイニングを使って株価予測・競馬予測といった日常的なテーマを分析した内容の解説本です。具体的なINPUTデータとモデルを適用した結果についての解説もあるため、具体的なイメージが湧きやすいでしょう。

『Rによるデータサイエンス データ解析の基礎から最新手法まで』(金明哲著、森北出版)
2017年発売以来、重版を重ねている一冊です。多変量解析からデータマイニングまで豊富な情報がコンパクトにまとめられています。Rの勉強を始めたばかりの方は辞書代わりに手元に置いておくと良いでしょう。

『トップデータサイエンティストが教える データ活用実践教室』(高橋威知郎・安宅和人等著、日経BP)
価値のあるデータ分析を行う方法や、データ活用を実際にビジネスシーンに活かす方法など、データを扱う際に生じる疑問に対して、現役のデータサイエンティストが現場の視点をもって回答しています。

『わかりやすいパターン認識(第2版)』(石井健一郎・上田修功等著、オーム社)
2019年11月に第2版をリリースしたばかりの機械学習を学ぶ入門書です。数理的な面から機械学習を学ぶ際、最初に読む書籍として専門家が勧めている一冊です。続編と合わせれば、機械学習の手法を一通り学ぶことができるでしょう。
 
※7 データサイエンティスト協会「推薦書籍一覧」(2020年6月8日アクセス)

データサイエンティストを目指す上で役立つ資格

続いて、データサイエンティストとしてのスキル・知識を証明するのに役立つ資格を紹介します。資格取得のための勉強は知識の習得にも繋がりますので、必要に応じてチャレンジしましょう。

統計検定®
「統計検定」とは、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。4級~1級まで5つのレベル(準1級含む)が設けられており、データ分析における基礎的な知識から、データ解析を遂行するために必要な統計専門力まで幅広く問われます。統計学で得られる知識はデータ分析に欠かせないものなので、取得しておいて損はないでしょう。

情報処理技術者試験
プログラマーやシステムエンジニアの多くが取得している、情報処理技術者としての知識や技能を認定する国家試験です。基礎的なスキルを認定する「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」では、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について幅広く出題されます。

アクチュアリー資格試験
「アクチュアリー」は、「保険数理士」や「保険数理人」とも呼ばれ、保険業界の第一線で活躍できる高度専門職です。アクチュアリー試験では、第1次試験(基礎科目)の中に「数学(確率・統計・モデリング)」が含まれています。これらは、データサイエンティストの業務と共通しており、試験勉強がデータサイエンティストとしての知識・スキル習得に役立ちます。

その他に、データベーススキルを証明する「OSS-DB技術者認定試験」も、データサイエンティストの仕事に役立つ内容になっています。

以下の記事では資格の勉強法についても紹介していますので、気になる方はぜひご参照ください。
関連記事:データサイエンティストに役立つ資格
 

3. データサイエンティストを目指すためのキャリアパス

データサイエンティストになるためのキャリアパスは複数あります。専攻のある大学などに進学し、専門知識を身に着けてから就職するルートや、周辺職種で実務経験を積んでから転職するルートなどがあります。具体的には、以下の通りです。


  • ・専門の教育機関を卒業して就職・転職する

    ・エンジニア職から転職する

    ・マーケター・アナリストから転職する

    ・社内養成や公募を利用してキャリアチェンジする
     

それぞれのキャリアパスについて詳しく知りたい方は、以下の記事を併せてご参照ください。

関連記事:データサイエンティストになるには?周辺職種からの目指し方を解説

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