- データサイエンティストの年収・収入は高め
- 事例紹介|データサイエンティストの仕事とは
- データサイエンティストが求められる企業
- データサイエンティストの仕事はなくなる?将来性をチェック
- データサイエンティストに向いている人
- データサイエンティストに求められるスキル・知識
- 未経験からデータサイエンティストを目指すには
データサイエンティストの年収・収入は高め
気になるデータサイエンティストの年収ですが、IT業界においては高い傾向があります。
データサイエンティスト協会が2020年に実施したアンケート「データサイエンティストのリアル」によると、データサイエンティストの平均年収は791万円です。また、レバテックに寄せられているデータサイエンティストの求人には、想定年収が1,000万円をこえるものもあります。
一方、厚生労働省が実施している「賃金構造基本統計調査(令和3年)」によると、情報通信業の平均年収(賞与含む)は581万円でした。データの年代に多少の違いはあるものの、一般的にデータサイエンティストの年収・収入は高いと言えるでしょう。
ただし、上記はあくまでも平均であり、どれだけの年収を得られるかは能力によります。マーケティングや事業開発などを通じて企業に莫大な利益をもたらしているデータサイエンティストであれば、賞与やインセンティブなどを含め2,000万円をこえるケースも考えられます。一方で、実力が伴わない場合、平均以下となるのはデータサイエンティストも同様です。
データサイエンティストの仕事とは
データサイエンティストと一口にいっても仕事内容は多岐にわたるため、実態をつかみづらいと感じる転職希望者の方もいるでしょう。本章では、データサイエンティストの具体的な仕事内容について解説していきます。
データを分析し、経営に役立てる
データサイエンティストの主な仕事が「データを分析して経営に利用すること」です。
詳しくは次章で説明しますが、データはサービスの向上、各種経営判断、市場の動向の予想など、幅広い分野で利用されています。当然ですが、サービスの向上に使われるデータと経営判断で使われるデータは違うものであり、解析手法も異なります。そのため、転職でデータサイエンティストを目指すのであれば、より具体的にどのような分野に興味があるのかを考えなくてはなりません。
データを分析する仕組みを作る
データサイエンティストの仕事のなかでもより研究的な分野が「データを分析する仕組みを作ること」です。次世代のデータサイエンスに向けた取り組みとも言えます。
この分野は専門性が高く、AIに関する深い知識や高い開発能力、高度な数学の知識などが求められます。そのため、情報工学出身者のようにアカデミックなバックボーンを持つ人材が採用されるケースが多いです。未経験からの転職は基本的にはありません。
関連記事:データサイエンティストとは?役割や必要なスキルを解説
データサイエンティストが求められる企業
続いては、転職のイメージをより具体的にするために、データサイエンティストが活躍しやすい分野・企業を紹介していきます。
Webサービス
データサイエンティストの仕事をイメージしやすい分野のひとつがWebサービス系です。各種SNSやオンラインショップでは、好みに沿った情報や製品が次々と表示されますが、それはあなたのこれまでの傾向を分析した結果です。
近年では、表示される情報や製品の精度もますます高まっています。データサイエンスの分野は日々進化を続けており、より正確にデータを捉えられるようになっているのです。
Webサービスの分野で主に解析されるのは人の行動です。心理学的な観点からデータを分析してみたい方におすすめです。
ITコンサルタント
大手ITコンサルティングファームでは、クライアントの課題解決のためにデータサイエンス部門を増強しています。既存のビジネスにビッグデータ解析を組み合わせることで、新たな企業価値を創造する案件に対応するためです。
ITコンサルタントでは、クライアントごとに提案する内容が大きく異なり、扱うデータや解析手法もさまざまです。そのため、常に新しいことにチャレンジしたい人に向いています。
製造業
製造業ではさまざまな切り口でデータサイエンスが用いられています。トレンドやユーザーの好みを分析して製品開発に活かすほか、市場の動向を分析して生産計画立案に役立てることも大切です。
また、インダストリー4.0以降、工場内の各種データを収集・分析し、品質や生産性の向上に役立てようとする動きも活発化しています。
製造業の分野では、今後ますますデータサイエンティストの需要が高まると予想されます。
金融業
データサイエンス的なことが古くから行われてきた分野のひとつが金融業です。ビッグデータの収集や解析が比較的容易になったことで、加速度的にその分野が広がりつつあります。
金融業におけるデータサイエンスの活用事例は、市場の動向予測、AIによる投資の支援、投資の自動化など挙げればきりがない程です。さまざまな分野でデータサイエンティストが活躍しています。
金融業は多くのデータサイエンティストが活躍しており、最新の技術に触れたい方におすすめの分野です。
データサイエンティストの仕事はなくなる?将来性をチェック
データサイエンティストと検索すると「なくなる」「やめとけ」といったネガティブなワードがサジェストされることがあります。それらの根拠として挙げられているのが「AIの発達のよって仕事を奪われる」や「人材が増えて市場が飽和する」といった理由です。
一方、データサイエンティスト協会が会員に実施したアンケートでは(2021年発表)、81%が「将来性を感じる・どちらかといえば将来性を感じる」と回答しています。また同調査によると、育成プログラムを備える企業・組織の数は増加傾向です。これは、データサイエンティストへの需要の高まりを反映した結果と考えられます。データサイエンティストは今後しばらくは需要があると言えるでしょう。
一方、技術の進歩が早いIT業界において、将来的に100%安泰な仕事はなく、データサイエンティストも同様です。データサイエンティストとして経験を積み、スキルを身につければ、他の分野でも活かせます。転職に際し、ネガティブなワードを意識するよりも、自分の目標に進み、技術を磨くことが大切です。
関連記事:データサイエンティストの将来性について - 10年後はどうなる?
データサイエンティストに向いている人
ここまでデータサイエンティストの仕事と将来性について確認するなかで、自分がデータサイエンティストに向いているのか気になっている方も多いはずです。続いては、データサイエンティストに向いている人の特徴について解説していきます。
ビジネスマインド
データサイエンティストには、統計などの専門知識や、それを用いてデータから情報を読み解く能力が不可欠ですが、同じくらい大切なのが「読み解いた情報を如何にビジネスチャンスにつなげるか」といったビジネスマインドです。
大量のデータを分析していると、目的を見失ってしまい「データ解析のためのデータ解析」の状態におちいることがあります。そのような状態を抜け出し、経営に役立つ情報を見つけ出せるかは、ビジネスマインドを持ってデータを見ているかにかかっています。
想像力・好奇心
データから新しい情報を読み解くためには、想像力や好奇心も重要です。一見関連性がなさそうなデータでも、実際には有意な相関が得られ、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性もあります。
データサイエンティストは、常識にとらわれず、データをチェックする姿勢が重要です。ただし、あくまでもビジネスであることを忘れてはいけません。
関連記事:データサイエンティストの転職で知っておきたいこと
データサイエンティストに求められるスキル・知識
データサイエンティストには専門的な知識が求められます。本章では、データサイエンティストに必要なスキルや知識について紹介していきます。
数学・統計学に関する知識
データを的確に扱い客観的に読み解くためには、数学に関する知識が欠かせません。統計はもちろんですが、微分・積分、線形代数などの知識も求められます。
なお、数学というだけで尻込みしてしまう人もいるかもしれませんが、学校で知識として学ぶのと、データサイエンスという目的を持って学ぶのでは、学習に対する意欲も理解度も変わってくるものです。
Python・R言語に関する知識
データサイエンスの分野では、PythonとR言語がデファクトスタンダードとして用いられています。
Pythonはデータの収集や処理に用いられるのが一般的です。R言語は統計処理に特化しています。いずれの言語も豊富なライブラリやパッケージが用意されており、効率的にデータの解析が可能です。Python・R言語を学ぶ場合は、ライブラリやパッケージを含めて学習しておきましょう。
なお、大量のデータを高速で処理したい場合には、処理速度に優れたC++が用いられることもあります。
関連記事:データサイエンティストに求められるプログラミング言語と学習方法
データの可視化に関する知識
データを読み解くためには、可視化が欠かせません。数字だけでは見えてこなかった情報も、グラフ化すると明確になるものです。グラフには、棒グラフ・散布図・レーダーチャートなどさまざまなタイプが存在します。です。また、サーモグラフィーのように色の違いで表現する手法もあります。
あるいは、これまでにない情報を読み解くためには、これまでにない可視化手法が必要となるかもしれません。どういった時にどういった可視化手法が有効なのか、知識をしっかりと身につけておきましょう。
DBに関する知識
データサイエンスでは大量のデータを扱います。データの保存先はDBが一般的であるため、DBの扱いにも慣れておかなくてはなりません。
大量のデータを解析する際、無駄な情報が過剰に含まれていると、計算の処理速度が遅くなってしまいます。また、計算資源の無駄遣いという意味でも推奨されません。
データサイエンティストとして活躍するためには、DBから必要最小限の情報だけを的確に抜き出せるよう、効率的なクエリを書く技術が重要です。
経営に関する知識
データサイエンスでは「データで何をするか」が重要です。企業活動としてデータサイエンスを行う場合、企業に何かしらのメリットをもたらす必要があります。
企業活動に役立つ情報を見つけだすためにも、何のデータに基づき、どのような経営判断をしているのかを意識しておくべきです。経営に関する知識や視点があってこそ、データから重要な情報を読み解けます。データサイエンティストを目指すのであれば、経営に関する知識も身につけておきましょう。
関連記事:未経験からデータサイエンティストを目指には?必要スキルを解説
関連記事:データサイエンティストを目指す上で必要な勉強
関連記事:データサイエンティストになるには?目指し方や必須スキルを解説
未経験からデータサイエンティストを目指すには
データサイエンティストには専門的な知識が求められるため、未経験者がいきなり転職で目指すのは容易ではありません。しかし、技術を身につけ、事前に準備することで、データサイエンティストとして転職できる可能性はあります。ここでは、未経験からデータサイエンティストを目指すポイントについて紹介します。
社会人向け大学院などで専門知識を身につける
データサイエンティストに必要な知識は多岐にわたります。体系的な知識を効率よく身につけるには、大学院で学ぶのもおすすめです。
近年、データサイエンティストに対する社会的な需要の高まりをうけ、社会人向けにデータサイエンスの講義を行う大学院が増えています。そのような大学院を出ていれば、知識をアピールでき、転職に有利となる可能性があるでしょう。
「通い続けるのは大変…」と思われるかもしれませんが、大学院の多くはオンライン授業も実施しているため、自分のタイミングで学習を進めていくことができます。
また、大学院に通うメリットとして「挫折しにくい」ことが挙げられます。ある程度のお金と時間を投資しているのはもちろん、同じタイミングで学ぶ同期の存在は大きいでしょう。
Python・R言語エンジニア経由で目指す
データサイエンティストは、PythonやR言語が使えることが必須です。そのため、PythonやR言語の実務経験がない方は、PythonやR言語のエンジニアとして経験を積む方法もあります。ある程度の知識・技術が身につけば、データサイエンティストへの転職に有利です。
また、同じ社内でデータサイエンティストの仕事がある場合、部門やプロジェクトの異動によってデータサイエンティストへの道が拓ける可能性もあります。
なお、異動の希望を通すためには、Python・R言語エンジニアとしてキャリアを積むことはもちろん、統計などの知識を身につけ、それをアピールする努力も欠かせません。
ITコンサルティングファーム経由で目指す
大手ITコンサルティングファームは、データサイエンス部門を持っていることも少なくありません。
ITコンサルタントというと敷居が高く感じるかもしれませんが、製造業やサービス業などさまざまなバックボーンを持つ人が活躍する職種です。現在の仕事で得た知識や経験が役立つ可能性もあります。
そのため、まずは通常のコンサルタントとして転職し、経験を積んだのちにデータサイエンス部門への異動を希望する方法もあります。この場合、データサイエンスが使われるプロジェクトに積極的にかかわる姿勢が重要です。
転職エージェントを有効活用する
ここまで、社会人向け大学院経由やエンジニア経由で目指す方法を紹介してきましたが、いずれのケースでも重要なのが、「常日頃からデータサイエンティストの求人情報に目を向けておくこと」です。さまざまな求人情報をチェックしていれば、求められる技術やキャリアなどが見えてきます。
一方で、仕事を続けながら求人情報を集めたり、常に目を通したりすることは困難でしょう。そこで、転職エージェントに登録しておけば、自分にあった求人を効率よく見つけられます。
情報収集を転職エージェントに任せることで、時間的にも余裕ができるでしょう。空いた時間を統計やプログラミング言語の学習に使えば、より多くの知識が身につき、データサイエンティストへの転職が有利となるはずです。
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