- セキュリティエンジニアのキャリアパス(同分野)
- セキュリティエンジニアのキャリアパス(異分野)
- キャリアアップ実現のためのスキルの磨き方
- セキュリティエンジニアの就職先・転職先となる主な業界
- セキュリティエンジニアの将来性
- セキュリティエンジニアに活かせる資格
- セキュリティエンジニアに関するよくある質問
- まとめ
セキュリティエンジニアのキャリアパス(同分野)
セキュリティエンジニアとしての専門的な経験を活かすことで、同じ分野内のより高度な職種や専門領域へのステップアップが期待できます。
たとえば、セキュリティアナリストやセキュリティコンサルタント、セキュリティアーキテクトなど、セキュリティエンジニアのキャリアパスは多彩です。ここでは、情報セキュリティを扱う分野の職種をいくつか紹介していきます。
セキュリティアナリスト
セキュリティエンジニアとしての専門的な知識や経験は、情報セキュリティの分野でさらに上を目指すためには大切です。さらに高度なスキルが求められる職種にチャレンジしてみたい方には、セキュリティアナリストへの転職がおすすめです。以下では、セキュリティアナリストの仕事内容や仕事に活かせるスキルなどについて解説します。
セキュリティアナリストの仕事内容
セキュリティアナリストは、サイバー攻撃が発覚した際に、攻撃手法の分析を行うことを主な仕事にしています。サイバー攻撃は、攻撃元が分かりにくく、いつのまにか重要な情報が盗まれてしまうことも多く、迅速に攻撃手法を断定し、対策を行うことが重要となります。
ただし、この仕事にはセキュリティエンジニアとしての経験や幅広い知識が必須であり、難易度の高い仕事です。
セキュリティアナリストに活かせるスキル
さまざまなサイバー攻撃や不正アクセスに対して対策を講じてきたセキュリティエンジニアは、攻撃の手法や特徴について熟知している方も多くいます。そのような経験を活かし、セキュリティインシデントが発生した際に速やかに原因を追究し、的確な対策が講じられます。
セキュリティアナリストの年収相場
セキュリティアナリストの年収相場は、約500〜1,000万円となっています。ほかのIT関連の職種と比較すると、年収相場は比較的高めです。ただし、一般的なセキュリティエンジニアよりも高いスキルと経験が求められ、セキュリティアナリストは非公開求人になっている傾向があります。そのため、セキュリティエンジニアとして十分な経験と実績を積んだ後、セキュリティアナリストとして独立して活動するケースが多いでしょう。
セキュリティアナリストの求人例
【想定年収】
400~800万円
【業務内容】
お客様システムから収集、検知したイベント、ログを分析し、脆弱性や攻撃手法を調査。その後、ポータルサイト、メール、電話にて、お客様への報告や対処法などのアドバイス、顧客への月次報告作成、セキュリティデバイスにてデバイス設定変更などを行う。
【求められるスキル・経験】
・NW知識:TCPIPの仕組みの理解、機器の種別や製品知識(目安はCCNA取得レベル)
・Linux知識:OSの仕組みの理解、コマンド操作ができること(目安はLPIC1、LinuC1取得レベル)
・ITインフラ運用、オペレーションの経験
・メンバーやお客様との良好な関係を築くことに意欲のある方
セキュリティコンサルタント
セキュリティエンジニアの経験をさらに広げていく選択肢の一つに、セキュリティコンサルタントがあります。セキュリティコンサルタントとは、クライアントのさまざまな情報セキュリティの課題や問題点を特定し、最適なソリューションを提案する職種です。クライアントと直接コミュニケーションを取り、情報セキュリティに関する技術的な問題に向き合いたい方は、セキュリティコンサルタントがおすすめです。
関連記事:セキュリティコンサルタントの仕事内容|目指し方や役立つ資格も紹介します
セキュリティコンサルタントの仕事内容
セキュリティコンサルタントは、企業に対してセキュリティの専門家の立場からさまざまな助言や支援を行うのが主な仕事です。
企業によってはセキュリティ専門のエンジニアが不在で、十分な情報セキュリティ対策が講じられていなかったり、サイバー攻撃の対象になっていることに気づかないまま放置されていたりするケースもあります。そのようなクライアントに対し、セキュリティ上の課題の抽出や対策の提案やISMSなどの資格取得を支援する業務も担います。
セキュリティコンサルタントに活かせるスキル
セキュリティコンサルタントは、セキュリティエンジニアとしての技術的な知見はもちろんですが、クライアントとのコミュニケーションも求められます。クライアントが伝えたいことを正確に汲み取り、要望を理解して実行する力が不可欠です。
そのため、顧客との折衝経験のある方は有利です。たとえばセキュリティエンジニアとして顧客先を回っていた経験があったり、セキュリティエンジニアになる前は営業経験があったりするなど、幅広い職務経験のある方に向いているでしょう。
セキュリティコンサルタントの年収相場
セキュリティコンサルタントの年収相場は、約500〜1,000万円とされています。また、セキュリティコンサルタントの求人案件は、多数公開されているのが特徴です。セキュリティに関する技術的知識はもちろんですが、営業のようなコミュニケーション力およびプレゼン力を求める求人案件が多い傾向にあります。
セキュリティコンサルタントの求人例
【想定年収】
600~2000万円
【業務内容】
コンサルタントとして、お客様に対してセキュリティサービスを提供。
事業戦略、ソリューション開発など企画・推進、事業拡大のため新規顧客の獲得、提案、プロジェクト化を担当
【求められるスキル・経験】
・セキュリティビジネス(コンサルティング、ベンダー、SIer、事業会社など)の実務経験をお持ちの方
・DDoS攻撃や標的型攻撃などの情報資産を脅かす攻撃やその対策に対する強い興味/関心を持っている方
・OSからアプリレイヤまでの幅広いシステム的、技術的な知識と興味がある方
・情報セキュリティ/個人情報保護に関わる動向に興味を持っており、セキュリティ領域のエキスパートを目指している方
セキュリティアーキテクト
情報セキュリティの領域でのキャリア展開の選択肢として、セキュリティアーキテクトが挙げられます。セキュリティアーキテクトは、組織全体の情報セキュリティの戦略や構造を設計する業務を担います。セキュリティエンジニアやセキュリティアナリストが兼務するケースもありますが、これらの職種と比較した場合に、より広範囲の業務を担うのがセキュリティアーキテクトです。
セキュリティアーキテクトの仕事内容
一般的なセキュリティエンジニアは、すでに稼働しているシステムのセキュリティ対策を担うケースが一般的です。しかし、セキュリティアーキテクトは企業や組織全体における情報セキュリティの方針や設計を考え、それを形として構築する業務まで担います。
たとえば情報セキュリティの観点から適切なソフトウェアを選定したり、各部署の要望を集約してセキュリティリスクの少ないシステムを構築するといった作業も、セキュリティアーキテクトの重要な役割です。
セキュリティアーキテクトに活かせるスキル
セキュリティアーキテクトは、セキュリティエンジニアとして上流工程に携わってきた経験を活かせる職種です。ユーザーやクライアントからの要望をヒアリングした上で、セキュリティ上の安全性も比較しながら最適なシステム要件を選定していきます。
セキュリティアーキテクトの年収相場
セキュリティアーキテクトの年収相場は、一般的に500〜800万円と言われています。求人募集では、セキュリティアーキテクトというカテゴリで募集されるケースは少ないです。ほとんどがセキュリティエンジニアやセキュリティマネジメント担当者などの名称での募集になります。ただし、経験やスキルが高ければ相場よりも大幅に高い年収で求人を探すことも可能です。
セキュリティアーキテクトの求人例
【想定年収】
540~1110万円
【業務内容】
セキュリティリスクを検知する基盤システムの開発
【求められるスキル・経験】
Webアプリケーション開発(設計、実装)の実務経験2年以上
セキュリティマネジメント担当者
情報セキュリティの専門職を募集する際、セキュリティマネジメント担当者として求人を公開する企業も多いです。セキュリティマネジメント担当者は、一般的なセキュリティエンジニアよりも幅広い業務を担当することが多く、企業によっても業務内容はさまざまです。
セキュリティマネジメント担当者の仕事内容
セキュリティマネジメント担当者は、企業などでのセキュリティソフトの導入や設定、運用といった業務、またセキュリティ関連の機器の導入などに関わる仕事です。加えて、情報漏洩などのセキュリティ事故発生時には、再発防止などの作業も行います。
セキュリティマネジメント担当者に活かせるスキル
セキュリティマネジメント担当者は、これまでセキュリティエンジニアとして携わってきたすべての経験やスキルが総合的に活かせる職種といえます。特に、セキュリティ対策の立案や要件定義に携わってきたエンジニアはニーズが高く、転職先でセキュリティマネジメントの責任者に抜擢されるケースもあります。
セキュリティマネジメント担当者の年収相場
セキュリティマネジメント担当者としての年収はさまざまで、一般的に募集されている求人案件では400〜800万円程度が相場となっています。上流工程や責任者としての立場で活躍する場合は、さらに高額の年収を見込むこともできるでしょう。
セキュリティマネジメント担当者の求人例
【想定年収】
400~700万円
【業務内容】
HW/SWの提供および運用、アカウント管理、SaaSの導入および管理
【求められるスキル・経験】
マネジメントシステム(ISMS、プライバシーマーク など)活動での事務局としての実務経験、あるいは被監査部門側の担当者としての実務経験をお持ちの方
CISO
セキュリティエンジニアのキャリアパスの一つに、CISO(Chief Information Security Officer)が挙げられます。CISOとは、企業の情報セキュリティの取り組みを統括する責任者のことです。
外部からの脅威やリスクを的確に評価し、適切な対策を打ち出す知識と技術が求められるため、情報セキュリティや情報システムの管理に関する経験が重要になります。特に、情報システム部門でのマネジメント経験がある方には、おすすめの職種です。
CISOの仕事内容
CISOの仕事内容は、情報セキュリティの基盤構築・運営から、専門スタッフの管理、他部門との連携まで幅広くあります。特にサイバー攻撃やセキュリティの深刻な問題が発生した際には、CISOが素早く判断を下し、その対応を現場でリードする責務を担います。
CISOは、異なる部門や立場のあいだに生じる情報のギャップや誤解を解消し、組織全体としてのセキュリティ対策を迅速に展開する役割です。さらに、経営層の方針を具体的な施策に落とし込みつつ、各部門との調整や最終的な意思決定にも携わるため、その責任範囲は大きく、極めて重要なポジションと言えるでしょう。
CISOに活かせるスキル
CISOとしての役割を果たすためには、単に高度なIT知識や情報セキュリティの専門経験だけでは不十分です。もちろん、これらのスキルは重要ですが、それと同時にリーダーシップを発揮し、チームや部署を効果的にマネジメントする能力も必須となります。さらに、さまざまな部署や役職の人々と円滑に連携し、折衝を行う能力も求められます。
CISOの年収相場
CISOとしての役職における年収の相場は、およそ700〜1000万円です。企業情報の流出を防ぐべく、多数の企業がCISOのポジションを設ける動きを見せており、それが高い給与を反映している主要な理由となっています。さらに、一部の企業では、今後のリーダーシップポジションとしてCISOを目指す人材の募集も行われています。
CISOの求人例
【想定年収】
450~1,000万円
【業務内容】
・セキュリティ戦略の策定、構築、実行
・プロダクト/サービスに対するロードマップ/ポリシーの策定、推進
・プロダクト/サービスに対するセキュリティ設計、開発の推進
・ITセキュリティに対するロードマップ/ポリシーの策定、推進および啓蒙活動
・脆弱性情報の収集、分析および社内での対策活動
・セキュリティインシデント対応
・セキュリティ認証や各種監査への対応および個人情報保護法などの法対応
【求められるスキル・経験】
・セキュリティエンジニアとして提案/設計/構築経験5年以上
・システム構築/運用に関する企画、設計経験3年以上
・Web アプリケーションの脆弱性およびセキュリティ対策に関する知識と実務経験3年以上
セキュリティエンジニアのキャリアパス(異分野)
せっかく転職するのであれば、セキュリティエンジニアの経験を活かしつつも異業種で経験を積んでみたいと考える方もいるでしょう。セキュリティ領域以外のキャリアパスとして、他分野のエンジニアへの転職と、マネジメント経験を活かせるマネージャー職への転職があります。ここでは、それぞれの職種について紹介していきます。
他分野のエンジニアに転職
セキュリティの専門的知識を活かそうと考えた場合、同じIT系であってもサーバーやインフラ分野のエンジニアは関連性が高く転職にも有利にはたらく可能性があります。ネットワークシステムで構成されるシステムにとって、セキュリティ対策は不可欠です。
しかし、自社のなかでネットワーク構築に詳しいエンジニアはいても、セキュリティ対策の専門的知識をもった人材がいなくて困っている企業は意外と多いです。
セキュリティエンジニアとしての知識を活かしながら、サーバー構築やインフラ構築といった幅広い知見を得ることができるため、おすすめのキャリアプランといえます。
マネージャーに転職
セキュリティエンジニアとして上流工程やマネジメント経験がある方は、マネージャーとして転職する道もあります。IT業界はもちろんですが、大企業の多くには情報システム部門が存在するため、社内SEなどを統括する立場としても活躍できるでしょう。
キャリアアップ実現のためのスキルの磨き方
セキュリティエンジニアとしてキャリアアップする上で必要になるスキルの磨き方について解説します。セキュリティエンジニアの知識領域は、情報処理推進機構ではレベル4の高度試験に含まれており、ステップを分けてスキルアップしていく必要があります。ステップに沿ってスキルを磨いていき、効率的なスキル向上を目指しましょう。
関連記事:セキュリティエンジニアになるには?必要なスキルや知識も紹介
スキルアップの流れ
ステップ①:サーバーやネットワークなど特定領域のセキュリティスキルを伸ばす
↓
ステップ②:セキュリティマネジメントや法律などの知識、職務範囲以外の領域のセキュリティスキルを身につける
↓
ステップ③:海外のセキュリティ事例や先端技術の知識を身につける
データベースやネットワーク、サーバーなど自分の強みをベースにして、幅広いインフラの知識を得ていくことが大切です。さらに、セキュリティ攻撃は海外からも行われるため、日本のみならず世界のセキュリティ動向もしっかりと把握することが重要です。
特定領域のセキュリティスキルを伸ばす
セキュリティエンジニアとしてキャリアアップを目指すためには、特定領域のセキュリティスキルの向上が不可欠です。たとえば、サーバーセキュリティやネットワークセキュリティは、それぞれ専門的な知識や技術を要求される領域です。
これらの特定領域を深く掘り下げ、実際の業務での運用や最新のトレンドを追い続けることで、ほかのエンジニアとの差別化を図ることができます。専門領域のスキルを磨くことで、より高度なタスクやプロジェクトに携わるチャンスも増え、キャリアの幅を広げることが可能となります。
関連記事:セキュリティエンジニアを学ぶおすすめの本!基礎から応用まで
職務範囲以外の領域のセキュリティスキルを身につける
キャリアアップを目指すセキュリティエンジニアにとって、職務範囲以外の領域のセキュリティスキルを身につけることは重要になります。特にセキュリティマネジメントや関連する法律の知識は、日々進化するセキュリティの領域において大切なスキルです。これらの職務範囲以外のスキルは、組織内の異なる部門とのコミュニケーションを円滑にし、セキュリティ戦略の策定や実施においても大きなアドバンテージとなります。
幅広いセキュリティ事例の知識を身につける
さらにスキルアップするには、幅広いセキュリティ事例の知識を身につけるようにしましょう。セキュリティの世界は日々進化し、新しい脅威や技術が次々と登場します。特に海外ではさまざまなセキュリティ事例や先端技術が生まれており、これらの知識を習得することはセキュリティエンジニアのスキルアップに欠かせません。
セキュリティエンジニアの就職先・転職先となる主な業界
セキュリティエンジニアはクライアント企業からの依頼を受けて業務を受託する以外にも、IT以外の業種を営んでいる企業に入り、社内のセキュリティマネジメントを担当するエンジニアとして活躍する道もあります。どのような業界でセキュリティエンジニアは活躍しているのか、いくつか代表的な事例を紹介します。
コンサルティング業界
コンサルティング会社に入り、セキュリティコンサルタントとして活躍する人材も少なくありません。特に中小企業などにおいては、セキュリティ対策が不十分な企業も多く、経営層がその重大性に気づいていないケースも多いです。そのような企業に対し、セキュリティコンサルタントという立場から的確なアドバイスを提供します。
コンサルティング業界の求人例
【想定年収】
430~530万円
【業務内容】
セキュリティ製品導入プロジェクトの構築や検証
【求められるスキル・経験】
・2年以上のインフラ(サーバ/NW)の設計構築経験
・情報システムのメンバーとして社内インフラ全般の構築/運用経験
大手・中小メーカー
家電や自動車などの製造を手掛けるメーカーは、関連企業や取引先、下請け業者も多く、サプライチェーンとしてつながっています。セキュリティ対策が不十分な状態だと、材料の調達や物流にまで影響を及ぼすことが考えられるほか、自社の開発ノウハウが外部に流出するおそれもあります。
このようなリスクを最小限に抑えるためにも、セキュリティエンジニアの適切な対策が不可欠です。
メーカーの求人例
【想定年収】
400~700万円
【業務内容】
エンドユーザー向けセキュリティ製品のプリセールス、製品導入、運用支援
【求められるスキル・経験】
・セキュリティ分野での業務経験1年以上
・インフラエンジニアとして設計/構築経験を半年以上
インフラ系企業
電気や水道といった生活インフラに加えて、最近では情報通信も重要なインフラ産業として確立されました。当然のことながら、サイバー攻撃によってシステムが停止してしまうと、ライフラインが停止して多くの人命に関わることも予想されます。
一見ITとは関連性が低いように考えられがちですが、ネットワークシステムによってインフラが制御されていることを考えても、セキュリティエンジニアの役割は極めて重要といえるでしょう。
インフラ系の求人例
【想定年収】
350~420万円
【業務内容】
サーバーの運用/保守、ミドルウエア更新を含むセキュリティ向上業務、セキュリティリスク分析
【求められるスキル・経験】
・Web開発実務(サーバサイドエンジニア/1年以上)
・インフラ設計実務(サーバサイド/1年以上)
・インフラ構築実務(サーバサイド/1年以上)
・SQL実務(1年以上)
商社
世の中にある製品やサービスは、商社がなければ提供できないものが多いです。たとえば自動車や家電製品、建物の建設などに必要な素材は海外から輸入しているものが大半です。輸入の流れは商社が存在して初めて成り立ちます。
海外との取引で使用しているネットワークシステムがサイバー攻撃の対象になってしまうと、通信が途絶え一連の手続きができなくなることも予想されます。
商社の求人例
【想定年収】
700~1000万円
【業務内容】
脅威情報/脆弱性情報の収集と対策推進、情報セキュリティインシデント対応
【求められるスキル・経験】
・情報セキュリティポリシー/運用プロセスの策定/コンサルティングの経験 (ISMS、ITILなど)
・情報セキュリティ監視/インシデント対応/脆弱性対応の経験
金融業界
普段私たちが使用しているATMやネットバンキングなどのサービスは、サイバー攻撃に狙われやすく、少しでもセキュリティホールがあると不正アクセスによって莫大な資産が盗まれてしまう可能性があります。
「銀行のネットワークは安全なもの」という前提で私たちは利用していますが、このような当たり前を支える裏にはネットワークエンジニアが存在しています。
金融業界の求人例
【想定年収】
300~480万円
【業務内容】
システムリスク、情報セキュリティに関するセキュリティオペレーション、及び、改善支援
【求められるスキル・経験】
金融機関のアプリ開発(3年以上)
医療業界
医療業界では患者の電子カルテ、オンライン診療、先進医療などでシステムの需要があり、セキュリティ対策が必要不可欠です。医療システムは、患者の個人情報と密接に関わるため、セキュリティ事故に注意しなければなりません。そのため、医療業界でもセキュリティエンジニアの需要は高まっています。
医療業界の求人例
【想定年収】
505~666万円
【業務内容】
・5ヶ所ある事業所のIT環境の整備など
・親会社のIT担当と連携して当社のITインフラの更改計画の立案と推進
・システム、ネットワークサポート(サーバー、ソフトウェア、ネットワークなどに関するトラブルシューティングの一次対応)
・ITヘルプデスク(WindowsPC及び周辺機器のサポート、トラブルシューティング、アカウント管理、契約管理など)
・社内セキュリティポリシー、規程の策定
・IT資産の購買、管理
【求められるスキル・経験】
・社内インフラ、ネットワーク構築に関する基本的知識
・セキュリティに関する基本的な知識
・従業員100名規模以上の会社における社内SE実務経験
保険業界
保険業界は個人の病気などの情報はもちろん、家族情報などのプライベートな情報、資産状況など直接狙われやすい情報も扱っています。万が一セキュリティ事故が発生すると、信頼を失い、企業にとって大きな損害になります。そのため、保険業界はセキュリティエンジニアの需要が高いです。
保険業界の求人例
【想定年収】
900~1,600万円
【業務内容】
<サイバーセキュリティ計画の作成>
・内外の動向を踏まえたセキュリティ計画を年次で作成
<セキュリティ啓もう活動>
・従業員のセキュリティ教育とセキュリティ情報発信
<情報セキュリティ関連規程の策定>
<サイバーセキュリティリスク管理>
・サイバーセキュリティリスクの評価/分析/報告/改善提案
<CSIRT>
・セキュリティインシデント対応策の策定と訓練実施
【求められるスキル・経験】
・サイバーセキュリティの実務経験
・システム開発もしくはインフラエンジニアリング/運用の経験
セキュリティエンジニアの将来性
IT業界におけるセキュリティエンジニアの役割は日増しに重要になっています。将来的にもセキュリティエンジニアの需要は増加すると見られており、多くの企業や組織がセキュリティエンジニアの育成や研修に力を入れ始めています。
今後も、セキュリティエンジニアが果たす役割はますます重要になり、転職市場においても大きな価値となるでしょう。ここでは、セキュリティエンジニアの将来性について解説します。
関連記事:セキュリティエンジニアの将来性は?やめとけと言われる理由
今後セキュリティ人材の需要は高まると予想
結論から言えば、セキュリティエンジニアをはじめとした専門的な人材は今後も需要が高まっていくと考えられます。AIやIoT、5Gといったテクノロジーの進化とともに利便性は向上していますが、それと同時にセキュリティリスクも増大しています。
特にIoTデバイスが爆発的に普及したとき、深刻な人材不足に陥ると予想されており、将来的なセキュリティエンジニアの需要は非常に高いでしょう。
セキュリティエンジニアの人材育成が推奨されている
情報セキュリティ人材の育成は、現代のIT化されたビジネス環境において重要な課題です。特に、セキュリティエンジニアの人材育成が推奨されており、経済産業省やIPA(情報処理推進機構)は、情報セキュリティ分野の人材不足の問題を解決するための取り組みを進めています。ここでは、それぞれが行っている対策について詳しく解説します。
経済産業省が行っている取り組み
経済産業省によって進められているのは、以下のようなものがあります。
-
・情報処理技術者試験などの実施(IPAによる)
・スマートキャンプやプログラミングコンテストの実施
・海外との技術者交流の促進
・産学連携による技術者の育成
多くのITエンジニアが受験している情報処理技術者試験はもっとも代表的な事例ですが、ほかにもプログラミングコンテストや人材交流など、積極的に多様な取り組みが行われていることが分かります。
IPAが行っている取り組み
IPAでは、以下のようなことが行われています。
-
・情報処理技術者試験などの実施
・ITスキル標準(ITSS)の利用拡大
・IT人材のアジア各国の連携
・地域でのIT人材の育成支援
人材需要が高く、かつ公的機関がセキュリティエンジニアの育成に力を入れていることもあり、優秀なセキュリティエンジニアの人材価値はますます高まっています。
セキュリティエンジニアに活かせる資格
セキュリティエンジニアとして活躍するためには、専門的な資格の取得が非常に役立ちます。特に、セキュリティエンジニアや関連する職種には、いくつかの主要な資格が存在します。代表的な資格としては、シスコの技術者認定資格やCompTIA、さらには情報処理技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験などです。ここでは、セキュリティエンジニアや、そのほかのセキュリティ関連の職種で活かせる資格を紹介していきます。
関連記事:サイバーセキュリティのおすすめ資格11選!難易度と勉強方法も紹介
シスコ技術者認定
米国のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズが実施しているベンダー試験がシスコ技術者認定です。ネットワークやセキュリティの知識を証明する資格として有名で、セキュリティ分野の資格名には「Security」という名称が入ります。
CyberOps Associate
CyberOps Associateはシスコ技術者認定のなかでもセキュリティ関連の基礎的な知識を試すものです。CyberOps Associateを取得したからといってセキュリティエンジニアに無条件で転職することは難しいですが、初心者が導入用の試験として挑戦するには最適といえるでしょう。
CCNP Security
CCNP Securityはコア試験とコンセントレーション試験とよばれる2種類の試験に合格することが認定条件となります。コア試験ではインフラ関連の知識がメインで出題され、コンセントレーション試験ではセキュリティのトレンドや最新のテーマからも出題されます。
※2020年2月24日よりCCNP Security認定は改定されました。
CompTIA
CompTIAとは米国で設立されたIT業界団体です。現在では日本をはじめとして世界で118もの国がメンバーシップに参加しており、さまざまなIT関連規格の標準化や資格の認定などを行っています。
CompTIA Security+
CompTIA Security+は、特定のベンダーに限定されないベンダーニュートラルな資格で、最低2年間の実務経験のあるエンジニアを対象に実施されます。試験科目は1つ、制限時間は90分とシンプルな試験ですが、極めて専門性が高いことでも知られています。
情報処理技術者試験
ITエンジニア養成を目的に、日本国内で実施されている資格試験が情報処理技術者試験です。IPA(情報処理推進機構)という独立行政法人が実施しており、学生から社会人まで毎年多くの方が受験します。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、主にITを利用するユーザーが基本的な知識や技能を身につける目的で実施されている試験です。ITパスポート試験と同等のレベルといえるもので、基本情報技術者をはじめとした資格試験へのステップにも有効です。
ただし、セキュリティエンジニアとしてスキルを証明するほどの資格ではないため、実務経験を積んだ後にはシスコ技術者認定やCompTIAなどに挑戦してみましょう。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験はセキュリティ分野の国家資格です。応用情報技術者試験の上位試験に該当し、複数のスペシャリスト資格の一つです。IPAが設定しているスキルレベルではレベル4に該当します。
難易度が高く、例年の合格率は14~19%になります。情報処理安全確保支援士試験を受験する人の多くは応用情報技術者試験に合格しているはずなので、知識レベルが高い人の中での上記合格率と考えるとより難易度は高いと言えるでしょう。
セキュリティエンジニアに関するよくある質問
セキュリティエンジニアに関心を持つ人々の中には、数々の疑問や考えを抱いている方が多くいます。具体的には、セキュリティエンジニアのキャリアパスや市場需要、未経験者がどのようにしてセキュリティエンジニアになるかといった内容が挙げられます。さらに、どのような性格やスキルがセキュリティエンジニアに適しているのかという疑問を持つ人も多いです。ここでは、これらのセキュリティエンジニアに関する質問に対して回答をしていきます。
Q1. セキュリティエンジニアのキャリアパスを教えてください。
セキュリティエンジニアのキャリアパスとしては、同じセキュリティ分野と異分野があります。具体的には以下のようになります。
-
【セキュリティ分野】
・セキュリティアナリスト
・セキュリティコンサルタント
・セキュリティアーキテクト
・セキュリティマネジメント担当者
-
【異分野】
・他分野のエンジニア
・マネージャー
Q2. セキュリティエンジニアの市場需要は高いですか?
IT化の影響で多くの企業でセキュリティの重要性が高まっていて、セキュリティエンジニアの需要が増しています。またこの傾向は今後も続くでしょう。セキュリティ事故は企業に大きなダメージを与え、企業の存続を脅かすものです。リスクを回避するため、セキュリティエンジニアへの依頼案件は増加するはずです。
関連記事:セキュリティエンジニアへの転職を成功させる方法|年収や求人例も紹介
Q3. 未経験からセキュリティエンジニアを目指す方法はありますか?
未経験からセキュリティエンジニアに必要なスキルを身に付けるのはハードルが高いです。そのため、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアで経験を積んでから目指すことをおすすめします。これらのエンジニアは未経験者にも門戸が広いため、独学でも知識習得や資格取得をして就職することが可能です。
Q4. セキュリティエンジニアの仕事に活かせる資格は何ですか?
セキュリティエンジニアの仕事に活かせる資格として以下が挙げられます。
-
・シスコ技術者認定
・CompTIA
・情報処理技術者試験
・情報セキュリティマネジメント試験
・情報処理安全確保支援士試験
資格取得に向けた学習は、体形的な知識の習得に役立ちます。是非挑戦してみましょう。
Q5. セキュリティエンジニアとホワイトハッカーの違いは何ですか?
セキュリティエンジニアは、セキュリティ強化のためのシステムを構築するエンジニアです。ホワイトハッカーは、ブラックハッカーからの攻撃を防ぐために自らもネットワークやサーバーに侵入します。セキュリティエンジニアとホワイトハッカーは、ブラックハッカーへの対処方法が異なります。
Q6. セキュリティエンジニアはどのような人が向いていますか?
責任感があり、忍耐強い人が向いています。企業の信用にかかわるセキュリティを担当するため、一歩間違えば大きな損失を出してしまう可能性があります。
また、セキュリティに関する仕事は業務量が多くなりがちです。そんなときでも投げ出さずに乗り越えられる忍耐強い人が向いています。
まとめ
この記事では、セキュリティエンジニアのキャリアパスやステップアップ方法、将来性について解説しました。情報漏洩やなりすまし、不正アクセスなどインターネット上の脅威は日々増大しており、これらの問題に対処するセキュリティ人材のニーズは非常に高い状況にあります。
キャリアパスとしてもコンサルタントやアナリストなどさまざまな選択肢があり、キャリアアップを目指す上でも優良な職種です。これからセキュリティエンジニアを目指すのであれば、ゆくゆくはどういった立場で企業のセキュリティ面を支えていきたいのかを考えながら、必要なスキルを身につけていくと良いでしょう。
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「将来に向けた漠然とした不安がある」「特定のエンジニア職に興味がある」など、ご自身のキャリアに何らかの悩みを抱えている方は、ぜひ無料のオンライン個別相談会にお申し込みください。業界知識が豊富なキャリアアドバイザーが、一対一でさまざまなご質問に対応させていただきます。
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