データサイエンティストの転職!各業界の需要や求人例も紹介

最終更新日:2024年10月2日

社会の情報化が進み、蓄積されていく膨大なデータにどのような価値を見出し、活用するかは、企業経営の今後を左右する大きな課題です。

DX推進の一環として、データ分析のスペシャリストであるデータサイエンティストの必要性は多くの業界で提言されています。このような時代の流れを察知し、データサイエンティストへのキャリアチェンジを検討しているエンジニアも多いでしょう。

本記事では、転職したいデータサイエンティストやデータサイエンティストへのキャリアチェンジを検討するエンジニアに向け、データサイエンティストの転職市場における需要について解説します。また、年収や実際の求人例、必要なスキルや資格についても紹介しているため、参考にしてみてください。

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この記事のまとめ

  • データサイエンティストとは、企業のデータを収集、分析し、最終的に企業の課題を解決する職種
  • データサイエンティストは金融業界、不動産業界、広告業界など幅広い業界で需要がある
  • データサイエンティストへ転職するには、プログラミングや統計学の知識、データベースを扱うスキルなど専門的な知識やスキルが求められる

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データサイエンティストの転職で知りたい業界需要

ビックデータを活用したビジネスが盛んとなりつつある昨今、データサイエンティストの求人ニーズはとても高くなっています。データサイエンティストは、エンジニアとしての開発だけでなく、企画・マーケティングなどさまざまなフィールドでの活躍を期待されている職種です。

データマイニングなどの高度なスキルを持っていれば、転職の選択肢は飛躍的に広がります。しかし、必ずしもエンジニアとして経験豊富で、技術レベルが高い人材だけが、求められているわけではありません。データベース系言語の経験がなくても、データ分析のスキルに長けた人材やITコンサルティング経験者は採用される可能性があります。

また、データサイエンティストの需要状況は業界によっても異なります。ここでは7つの業界におけるデータサイエンティストの需要状況について紹介しているので、参考にしてみてください。

不動産業界

不動産業界では、不動産テックと呼ばれる不動産とテクノロジーを融合させた取り組みが進んでいます。たとえば、不動産売買や賃貸の履歴をビッグデータとして収集し、物件の価格推移のデータを提供したりするサービスなどです。不動産テックの推進を担う存在として、データサイエンティストの需要が高まっています

また、不動産会社の営業支援にもビッグデータが活かされています。たとえば、賃貸物件の賃料の査定は、立地や間取り、築年数などさまざまな条件を考慮しなければなりません。そこで、賃貸物件のビッグデータがあれば、その分析結果を活かして、コンピュータによる賃料査定が可能です。

さらにWebサイトと連携させれば、物件を探している顧客データも合わせて、顧客に最適な物件を提案できます。このようなシステムを構築できる人材として、不動産業界でもデータサイエンティストの需要が高まっています。

金融業界

金融業界においてもデータサイエンティストの需要があります。金融とITを掛け合わせた「Fintech(フィンテック)」という言葉が普及しているように、ITと金融の親和性は高く、ビッグデータやAIを活かしたこれまでにないサービスも展開されています。

たとえば、日本におけるFintechの事例は、ロボアドバイザーと呼ばれる人工知能を活用したAI投資が有名です。既に多くの証券会社で展開されており、投資に詳しくない個人にとって、少ないリスクで投資にチャレンジできるサービスとして人気があります。

また、POSのデータやクレジットカードなどの決済データ、SNSやニュースサイトのテキストなど、これまで投資判断には使われていなかったさまざまなデータをビッグデータとして集約し、活用する動きもあります。そのため、ビッグデータを扱えるデータサイエンティストは金融機関においても需要が高いでしょう。

製造業界

製造業界においても、データサイエンティストの需要が高まりつつあります。製造業界では、製品品質の管理とものづくりの効率化が大きな課題と長年いわれており、他業界や他先進国と比べてもデジタル化・DX化が遅れているのが現状です。経済産業省が発表している「2023年版ものづくり白書」によると、製造業においても収集・蓄積したデータを有効活用するべくデータサイエンティストの育成に力を入れる企業が増えているとされています。

製品品質管理では、これまで目視による確認で品質を見定めていました。しかし、製品の画像や動画があれば、それをAIに読み取らせて品質を確認できます。

また、既存の製品の改良や新製品の開発などのものづくりの効率化においては、これまでの開発経験で得られたデータを分析することで、開発期間の短縮も可能です。

電力業界

電力業界では、発電所内で発生する異常の早期検知、火力発電でのボイラー炉内のドローン点検、ガスの需要想定など、データサイエンティストが活躍する場面は多岐にわたります。

具体的には、発電所の稼働において「正常時」「異常時」それぞれの膨大なデータをプログラムに蓄積し、そのデータをもとにAIを構築することで、異常となる予兆を早期に発見できます。

また、故障や老朽化を予測し事故を未然に防ぐなども可能になり、効率的かつ安全に運用できるでしょう。

化学業界

化学業界においても、化学プラントに起こる現象をデータを用いて解析したり、プラントの状態を予測するモデルを構築したりするため、データサイエンティストが求められています。たとえば、合成ゴム材料の製造ラインにおいて製品の品質を予測する機械学習モデルを作ることができれば、検査頻度を減らしコスト削減につなげられます。

各種機器や生産工程から得られた、ビッグデータによる多面的かつ深い解析ができるデータサイエンティストは化学業界でも活躍できるでしょう。

広告業界

広告業界では、ユーザー情報やサイトへのアクセスログなどの細かいデータを扱う場面が多く、これらのビッグデータを巧みに活用することがマーケティング戦略や売り上げアップなどの成功への鍵となります。

ビッグデータは、ターゲットに最適な広告を掲載・配信するにあたり非常に重要な要素なので、広告業界においてもデータサイエンティストは重宝されます。

コンサルティング

コンサルティングの現場でもデータサイエンティストの活用が進んでいます。 クライアント企業をコンサルティングするときに、営業支援やマーケティング戦略、販売促進活動、広告、アンケート、市場調査など、さまざまなデータを分析する必要があります。ITやインターネットの普及で、膨大な量のデータを取得し、ビッグデータとして分析できる環境が整ってきました。そのため、コンサルティングの支援職種としてもデータサイエンティストが求められています。

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そもそもデータサイエンティストとは

データサイエンティストとは、企業や組織の持つデジタルデータを活用し、統計学の手法を用いて課題解決を行う職種です。データを収集して、分析を行うことで所属組織に有用な知見をもたらします。 業務上の課題抽出、課題の優先順位付け、目標設定の明確化、仮説の立案と検証による課題解決など経営戦略に貢献するデータサイエンスの専門家です。

データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストの仕事は、データを用いて、顧客の経営課題を解決することです。対象となるデータを基に、統計学的な手法を用いて業務を行います。

具体的には、経営課題について仮説をたてて、データの収集、分析を行い、結果を検証し、最終的な成果を経営層などへ提言する、という流れです。以下では、データサイエンティストの仕事内容を詳しく解説していきます。

関連記事: データサイエンティストとは?仕事内容や必要なスキル、目指し方を紹介

経営課題の分析・把握と戦略立案

データサイエンティストの仕事の一つとして、まず所属組織における課題の洗い出しを行います。洗い出した課題に対し、優先順位をつけ、ターゲットとする課題を明確化します。その後、課題の解決に向けて仮説をたてます。この仮説が以降の業務での検証対象です。営利企業の場合には、経営課題の把握と戦略の立案にあたります。

データ分析基盤環境の構築・運用

各種の業務システムやSNS、オープンデータなどから、仮説の検証に必要なデータを収集し、整理、蓄積、分析が行いやすいように加工します。データを格納する環境として、データベースなどを用いたITシステムを利用するためITエンジニアとしてのスキルが必要な業務です。 データを準備できたら分析を実施し、有用な傾向を探します。データの分析に向けてもプログラムやITツールなどを活用します。

仮説検証・レポート作成・提言

分析結果をもとに仮説の検証を行い、仮説の裏付けを取ります。データ分析の結果、仮説が正しくないと判断したら、再度仮説の設定とデータの分析を行います。成果につながるまで繰り返し行うことで、課題の解決を図ることが可能です。

仮説が検証できたら、成果から導き出された施策を経営層などに提言します。KPIの設定を行い、次の施策の実施とその検証を繰り返すことで、経営課題の改善サイクルを生み出します

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データサイエンティストの転職求人例

データサイエンティストへの転職を検討している方は、実際の求人例を確認すると良いでしょう。求人例を見ることで、実際の仕事内容や求められるスキル、大体の年収などを把握できます。

以下では、レバテックキャリアが保有するデータをもとに、データサイエンティストの求人例を2つ紹介します。参考にしてみてください。

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関連記事:データサイエンティストになるには?目指し方や必須スキルを解説

企業内のデータドリブン化を担うデータサイエンティスト求人例

企業内のデータドリブン化を進めるデータサイエンティストの求人例は以下の通りです。

【業界】
出版・印刷

【想定年収】
700万円~900万円

【業務内容】
・デジタルメディアの運営における収集、加工などのデータ処理
・デジタルサービスにおける課題の把握とKPIの設定
・各サービスの課題に対する対策状況のレポーティングと改善への提言
・データ分析の結果から予測モデルやMLOpsの構築

【求められるスキル・経験】
・AWS、GCPなどのクラウド利用に関するスキル、経験
・BIツールを用いた業務経験
・データサイエンティストとして、環境構築やデータ加工プログラムの作成経験
・自ら課題把握を行い、ソリューション提案ができる方

ポテンシャル採用枠のデータサイエンティスト求人例

ポテンシャル採用におけるデータサイエンティストの求人例は以下の通りです。

【業界】
IT・通信

【想定年収】
350~450万円

【業務内容】
・ECサイトの顧客分析
・ドライブレコーダー動画分析
・バス需要予測システムの開発
・Web広告データ分析
・自動運転AI開発/支援ソフトウェアの開発
・機器予防保全ソリューション構築

【求められるスキル・経験】
・プログラミング実務経験一年以上
・データサイエンスに興味を持ち、新しいフィールドにチャレンジする意志を持った方
・チームへの貢献を考え、協調性と柔軟性をもって業務に取り組める方
※最大合計1年間の座学、実務演習、OJTなどによる研修期間あり

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未経験からデータサイエンティストに転職できる?

未経験といっても、データサイエンティスト未経験IT業界未経験に分かれます。IT業界の求人における「未経験可」とは前者である場合が多いです。

そのため、データサイエンティスト未経験でもIT業界経験者、特にデータ分析スキルを持つWebマーケターなど分析系の職種経験があれば、データサイエンティストへの転職は比較的しやすいでしょう。しかし、IT業界未経験からいきなりデータサイエンティストに転職することは非常に難しいです。

以下では、ケース別に未経験からデータサイエンティストへ転職するための方法について解説します。

関連記事:【2024年最新】未経験からデータサイエンティストを目指す方法を解説

エンジニア職から目指す場合

エンジニア職からデータサイエンティストを目指す場合、すでにIT知識や業界の構造などについて理解しているため、データサイエンス分野の専門的なスキルを習得していくと良いでしょう。具体的には、PythonやSQLなどのプログラミング言語の知識やデータベース周辺の知識が挙げられます。また、AIや機械学習などについての知識も有用です。

データサイエンティストの業務に必要なスキルを身につけ、転職を目指しましょう。

分析系の職種から目指す場合

分析系の職種からデータサイエンティストを目指す場合、データ分析の知識は有しているため、IT業界の経営に関する知識や課題解決力を身につけると良いでしょう。また、データサイエンティストはデータ分析をするだけでなく、データ分析を行うシステムを開発することもあるため、プログラミングスキルも必要です。

IT未経験から目指す場合

IT業界未経験の場合は、エンジニア職やマーケティング職として経験を積んでからデータサイエンティストへの転職を目指すのが王道です。また、自社内にデータ活用に関する部署などがある場合は転職せず社内でキャリアチェンジできることもあります。どちらにしても、データサイエンティストに必要なスキルを習得することが重要です。

SEやマーケティング職を経験してから転職する

IT業界やエンジニア職種未経験から目指す場合、SEやマーケティング職へ転職し、経験を積むことが一般的です。SEやマーケティング職種で一定のスキルを身につけていれば、データサイエンティストへ転職できる可能性があります。ただし、スキルの関連性が高い場合に限ります。たとえば、SE時代にPythonでのプログラミング経験があって、Pythonプログラミングを行っているデータサイエンティスト職種に転職する場合などは有利です。

データサイエンティストへの転職を見越してSEやマーケティング職に転職するのであれば、関連性の高いスキルが身につけられる求人へ応募しましょう。とにかく経験を積むために全く関係ない職種に転職してしまうと遠回りになってしまう可能性があります。

社内でキャリアチェンジできないか検討する

従事している企業がデータ活用を積極的に行っている場合、社内でキャリアチェンジできる可能性があります。たとえば中小企業で人手不足なら経験値が低くてもポテンシャルに期待してキャリアチェンジさせてもらえる場合もあるでしょう。しかし、全くの未経験では難しいため、普段から必要な知識やスキルを学習しておく必要があります。

データサイエンティストに求められるスキルを磨く

IT業界未経験からデータサイエンティストに転職することは非常に難しいですが、不可能とは言い切れません。データサイエンティストに求められるスキルを磨くことで、現在の職種に関係なくデータサイエンティストに転職できる可能性があります。

一言にデータサイエンティストといっても企業によって担当する業務は異なります。転職を希望する企業のデータサイエンティストに求められるスキルを調べることが重要です。

プログラミングを中心にツールの開発などを行う場合もあれば、既存のツールを使ってマーケティング施策を検討するような業務が中心の場合もあります。求められるスキルを把握した上でスキルアップに励みましょう。

データサイエンティスト未経験者の転職で求められるスキルの一例としては以下が挙げられます。

  • ・BIツールやR/Pythonなどの専門知識がある

    ・SQLの知識があり、MySQLなどが使える

    ・微分積分、線形代数、確率統計などの知識がある

    ・データマイニングの知識があり分析ツールを活用できる

    ・実務ではWebエンジニアとしての経験が1~2年以上ある

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データサイエンティストの年収レンジ

データサイエンティストへの転職を検討する際、年収について気になる方も多いでしょう。2024年8月現在レバテックキャリアに掲載されているデータサイエンティストの求人をもとに、30件を抽出し、想定年収の上限平均と下限平均の中間値を算出しました。その結果、データサイエンティストの平均年収は、約822万円となります。

データサイエンティストは、高いスキルレベルが求められるため、年収も高い傾向です。別職種のエンジニアとして働いた後、データサイエンティストにジョブチェンジした場合は400万円程度が目安となりますが、未経験採用という点を考慮すると比較的高い年収が提示されているといえます。

データサイエンティストの求人・転職情報>

関連記事: データサイエンティストの平均年収は高い?年収を上げる方法や将来性を解説

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データサイエンティストに必要な6つの知識・スキル

データサイエンティストを目指すには、技術スキルは当然としてそれ以外にもさまざまな周辺知識の習得が必要となります。ここでは、データサイエンティストに求められる重要なスキルを6つに絞って解説します。具体的な実務スキルだけでなく、より汎用性の高い考え方の土台となるようなスキルも重要です。

プログラミングスキル

データサイエンティストとして実業務を行う上で、特定の言語に対するプログラミングスキルは必須となります。データサイエンティストがよく扱うプログラミング言語は、統計解析や機械学習に特化したR、データ分析や解析、機械学習と相性の良いPython、DBの操作や定義を行うのに必要になるSQLなどです。企業によってはSASやSPSSのスキルを求める場合もあります。

関連記事:
データサイエンティストに必要な勉強は?学習ロードマップを解説
データサイエンティストに求められるプログラミング言語と学習方法

データベース系業務ツールの活用スキル

データサイエンティストにはデータベース系の業務ツールを扱うスキルが求められます。業務ツールとしては、BIツールやETLツールなどを用いた業務がスタンダードである傾向が強いです。Tableauのほか、マイクロソフト社が提供しているPower BIなどが多くの企業から支持を得ています。

多くのツールは有償のため、独学で勉強しようとすると大変ですが、初心者の方は無料のBIツールであるLooker Studioを触りながらBIツールの機能やデータ連携の方法などを勉強することも1つの手です。

統計学/機械学習の知識

データサイエンティストは、統計学/機械学習の深い知識が求められます。統計学においては、近年のBIツールにはあらかじめ統計手法を選べるようになっているものがほとんどですが、実現したいことに応じて最適な統計手法を自ら選ばなければなりません。

また、機械学習に関しても近年はscikit-learnなどの機械学習ライブラリなどが充実しており、アルゴリズムの実行自体は容易となってきています。ただし、既成のライブラリではうまく予測できない事象に直面した際や、ライブラリに組み込まれていない新しい手法の適用などを行う際には、専門的な知識が必要となります。

ライブラリやフレームワークの活用スキル

データサイエンティストはプログラミング言語を用いて、データ収集や解析の基盤を作りますが、常に一からプログラムを作成するわけではありません。データの収集や分析のために各種の言語にはライブラリやフレームワークが用意されており、これらを用いることで効率的にデータサイエンスのためのプログラムを作成することが可能です。

特にPythonとNumPyやPandas、scikit-learn、Keras、TensorFlowなどの組み合わせがメジャーです。

コンサルティングに関するスキル

データサイエンティストの仕事は、企業のデータ活用をサポートする職種であり、提案力が求められます。データ抽出や集計が目的ではなく、データをもとに次のアクションを提案することが役割です。いわば、社内コンサルティングともいえます。

データから導き出した情報を基にコンサルティングを行うため、ロジカルシンキングやプレゼン力などのコンサルティングスキルが身についていると転職に有利になるでしょう。

課題解決能力

データサイエンティストは、経営課題の解決に向けて支援する職種であるため、問題解決能力が必要です。課題はどこにあるのか、どう解決すべきなのかをデータを基に論理的に検討するのが仕事です。実務的なスキルだけではなく、冷静な判断力や根気強さなども求められるでしょう。

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データサイエンティストの転職で有利な資格

データサイエンティストに資格は必須ではありませんが、ITに関する一定レベルのスキルを示したり、データサイエンス領域の知識保有などを示したりすることが可能です。また、資格取得は学習や転職への意欲をアピールすることにもつながります。以下では、データサイエンティストとして転職する際に有効な資格について紹介します。

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験とは、情報処理推進機構(IPA)が実施するITに関する国家資格で、情報処理技術者としての知識やスキルが一定以上のレベルにあることを証明できる資格です。 ITを活用する社会人全般を対象としたITパスポートをはじめとし、専門性の高いITストラテジスト試験やシステムアーキテクト試験など、合計13種類もの試験が用意されています。

そのなかでも、データサイエンティストへの転職に特に有効な資格としては、データベーススペシャリスト試験が挙げられます。高度な知識とスキルが求められる難易度の高い試験ですが、挑戦することで深い理解につながるでしょう。

統計士・データ解析士

統計士データ解析士は一般財団法人実務教育研究所が実施する講座を修了することで得られる資格です。統計士は「現代統計実務講座」、データ解析士は「多変量解析実務講座」を受講し、単元ごとの課題や試験に合格すると資格が取得できます。

申し込むと学習教材やカリキュラムが用意されるため、これからデータサイエンティストを目指す方におすすめの資格といえるでしょう。

統計検定2級

統計検定は、日本統計学会が認定している資格です。4級から1級までの5つのレベルがあり、データサイエンティストへの転職では、統計学の基礎知識を証明できる2級以上のレベルが求められるでしょう。

データサイエンティストには「データを分析した結果、そのデータを活用して、目の前の課題をどうやって解決できるか」という見解が求められます。統計検定の勉強を通じて、課題に対して統計の活用力を身につけられるという点がメリットです。

Python3エンジニア認定基礎試験

Python3エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している民間の認定試験です。Pythonを使用したデータ分析に関する基本的な知識が問われます。データサイエンティストとして活躍していく上で、Pythonは必須ともいえるプログラミング言語です。資格試験を通じて学習すると良いでしょう。

G検定・E資格

G検定E資格は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施しているAI技術に関する試験です。機械学習やディープラーニングに関する知識や技能を認定する内容となっています。ジェネラリスト向けのG検定とエンジニア向けのE資格があり、E資格を受験するためには、協会が指定する講座を事前に受講する必要があります。

データサイエンティストには、ディープラーニングやAIに関する知識も非常に重要なため、取得しておくと良いでしょう。

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERは日本オラクル社が主催するデータベース認定試験です。オラクルデータベースという特定の製品に特化した資格ですが、データベースやSQLなどの基礎的な知識も身につくため、オラクルデータベースを使用していないプロジェクトであっても役立つでしょう。試験レベルはブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナに分かれています。

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データサイエンティストに向いている人とは

データサイエンティストには向き不向きがあります。データサイエンティストだけでなくエンジニア職種全般にいえることですが、IT業界以外のほかの職種と比べて比較的向き不向きがはっきりしやすいでしょう。

データサイエンティストに向いている人の特徴としては、物事を論理的に考えられることやプログラミングが好きなこと、コミュニケーションスキルが高いことなどが挙げられます。以下で、これらについて詳しく説明するので、参考にしてみてください。

物事を論理的に考えられる

データサイエンティストはデータに対して数学的・統計学的なアプローチを取ります。ツールとしてプログラミングも行うため、論理的思考は必須です。

また、データ分析の結果から経営課題の解決策を検討します。そのためデータサイエンティストはほかのプログラマーやエンジニアに比べてより論理的思考が求められるといえます。

プログラミングが好きで学び続けることが苦にならない

データサイエンティストのメイン業務はシステム構築ではなくデータ解析ですが、データ解析にはプログラミングが必須です。また技術的に最新分野なので、プログラミングについてもアップデートが早いです。そのためプログラミングが好きで学び続けることが苦にならない人はデータサイエンティストとしての適性があります。

コミュニケーションスキルが高い

データサイエンティストはパソコンに向かって作業する時間が長いですが、チームでの作業や、解析した結果から分析を行って他部署や顧客に連携する場合があります。そのため、コミュニケーションスキルも重要です。最終的に、分析結果を企業の業績アップなどに結び付けられるかどうかは、提案や説明などのコミュニケーションによるところが大きいといえるでしょう。

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データサイエンティストとして活躍できる企業

データ流通が盛んである現代で、データサイエンティストとして活躍できる場は数多くあります。主な市場としてはBtoC企業やWebサービスを提供する企業が多い傾向にありますが、ほかの領域においても今後需要は伸びていくでしょう。

しかし、せっかくデータサイエンティストとして転職しても、データサイエンスに対する社内の理解が十分に得られていないと活躍の場が限られてしまう可能性があります。以下では、転職者目線でデータサイエンティストとして活躍しやすい企業の特徴を2つ紹介します。

DX推進に積極的な企業

DX推進に積極的な企業は、データサイエンティストとして働きやすいでしょう。DXの推進にはデータ基盤が不可欠であり、データ基盤を構築・活用することがデータサイエンティストの重要なミッションです。

とはいえ、仕事は一人で進められるわけではなく、関係部署との連携や上層部のデータ基盤に関連する設備(ツール)投資への理解などが必要になります。DX推進を全社プロジェクトとして位置づけ、上層部を始めとした各社員がそのことを認識している企業はデータサイエンティストとして仕事がしやすい環境といえるでしょう。

データドリブンな組織文化

データサイエンティストへの需要は、保有データ量の多い大手〜中堅企業に限った話ではなく、IT系ベンチャー企業などでも高い状況にあります。IT系ベンチャー企業の傾向としてデータを基に意思判断を行うデータドリブンな組織文化であることが多く、データサイエンティストという職種やデータ投資の重要性を理解しています。

企業規模だけではなく、組織文化についても判断材料に含めて求人を探すことがおすすめです。

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企業のデータサイエンティスト採用動向

ここでは、企業サイドにおけるデータサイエンティストの採用動向について紹介していきます。取り上げるトピックとしては、「経験者採用について」と「データサイエンスに対する理解の程度」の2つです。これらの状況を把握した上で、データサイエンティストとしてどのように仕事をすべきか考えることも重要でしょう。

経験者採用に苦戦している

企業側の採用動向として、中途採用であれば、データサイエンティスト経験者を求める傾向にあります。しかし、高いスキルを持つデータサイエンティストを採用するのは難しいです。理由としては、実務経験がある高スキルのデータサイエンティストは高待遇であるケースが多いことから、転職市場にあまり出てこないからです。

教育制度が整っている職種・職場であればポテンシャル採用という選択肢も出てきますが、データサイエンティストに対する十分な教育制度が整っている企業はかなり限られているのが現状です。それには、データサイエンティストのスキル要件が高いことや定着してまだ日の浅い職種であることが要因としてあります。

そのため、データサイエンティストへ転職したい方は、即戦力となれる高いスキルを身につけておくと良いでしょう。

データサイエンスに対する理解が不足気味

企業側における、データサイエンスやデータサイエンティストへの理解が不足している場合が多く存在します。

たとえば、求人を出すにあたっては業務内容や年収、仕事の魅力などを訴求する必要があります。しかし、データサイエンスに対する理解が不足している企業では、待遇や仕事内容を求人内容に反映することが難しいです。データサイエンティストとしての求人であっても、業務内容としてはデータアナリストや機械学習エンジニアの領域であるというケースもあります。

この現象の多くは職種に対する理解不足から起こることで、応募する側としても注意しておきましょう。

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データサイエンティストの将来性

データサイエンティストはIT業界の中でも比較的珍しい職種で、プログラマーやエンジニアと比較すると少ないです。そのため、将来性について疑問視している人もいるでしょう。しかし、結論からいうと、データサイエンティストは将来性のある職種です。

情報が溢れる現代社会において、データ活用などの知見が広がり、データサイエンティストは幅広い業界で求められています。Glassdoorの調査によると、米国の2022年の人気職業ランキングではデータサイエンティストが3位に入っており、非常に人気の高い職種です。

しかし、データ準備やモデル構築の自動化が進んでいるほか、簡易的な統計解析ができるBIツールの登場などに伴い、今後のデータサイエンティストの需要について懸念の声があるのも事実です。確かに簡易的な統計解析やモデル構築しかできないデータサイエンティストの需要は減っていくでしょう。

一方で、スキルの高いデータサイエンティストには将来性があります。経営知識×データサイエンス、マーケティング知識×データサイエンスのように付加価値を掛け合わせるなど、データサイエンティストとして生き残るためにはどうするかを考えることが必要です。

関連記事: データサイエンティストの将来性ー10年後はどうなる?

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データサイエンティストから目指せるキャリアパス

データサイエンティストの経験があれば、さらにそこから別の職種を目指すことが可能です。データサイエンティストのキャリアパスとしては、プロジェクトマネージャーやAIエンジニア、研究開発職などが挙げられます。

ここで紹介する職種は、データサイエンティストより上位職種というわけではなく、幅広い職種を選択できるということです。キャリアパスの選択肢はある程度、幅広いほうが市場で生き残るのに有利でしょう。

プロジェクトマネージャー

データサイエンティストとして活躍しながら、プロジェクト全体の動きを把握し、スケジュールやタスク管理などができれば、プロジェクトマネージャーへの転身が可能になります。マネジメントが得意な人やマネジメントに関心がある人はプロジェクトマネージャーを目指すのがおすすめです。

AIエンジニア

データサイエンティストはAIを活用することも多く、自社のデータ活用に合わせてAIプログラミングを行う場合もあります。AIプログラミングに特化したい人はAIエンジニアというキャリアパスもあります。AIエンジニアはデータ活用のためのプログラミングよりも、土台となるAIシステム開発のためのプログラミングを行うプロジェクトが多いでしょう。

研究開発職

データサイエンティストの経験を活かして研究開発職にキャリアチェンジするルートもあります。研究対象は研究機関によって異なりますが、AI技術、データ解析、ビッグデータ、マーケティングなどさまざまな選択肢があります。

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データサイエンティストの転職に関するよくある質問

データサイエンティストへの転職を検討する際、データサイエンティストの仕事内容やキャリアパス、年収などについて気になる方が多いようです。以下では、データサイエンティストへの転職に関するよくある質問と回答をまとめています。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。

データサイエンティストについて把握することで、自分が目指すべきか、どのようにスキルアップしていくべきかなどイメージしやすくなるでしょう。

Q1. データサイエンティストの仕事でつらい点は何ですか?

データサイエンティストの仕事のつらい点としては、社内の理解が得られず仕事が進めづらいということがあります。これはデータサイエンティストの仕事がまだ社会に浸透していないからでしょう。またほかにも、地道な作業がある点や成果物へのプレッシャーが高い点、スキル的に頼れる人がいない点などがよく挙げられます。

Q2. データサイエンティストの転職先の選択肢を教えてください。

同じデータサイエンティストとして転職するという以外にも、より全社的な視野が求められる経営・ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーなどの選択肢があります。日本ではまだデータサイエンティストという職種が浸透してから間もないこともあり、今後キャリアパスの選択肢が増えていくことが予想されます。

Q3. データサイエンティストの年収はいくらですか?

レバテックキャリアに2024年8月時点で掲載されているデータサイエンティストの求人をもとに、想定年収を算出すると約822万円でした。スキルや経験にもよりますが、求人のなかには、1,000万円以上の年収を提示する企業も多数存在しており、高年収が期待できる職種です。

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まとめ

データサイエンティストは、DX推進やデータドリブンな経営などに欠かせない存在であり、多くの業界で求められる人材です。転職市場において、優秀なデータサイエンティストは需要が高く、引く手あまたといえるでしょう。一方で、ツールの進化と普及により参入ハードルが下がったため、バックボーンの弱いデータサイエンティストは淘汰される懸念があるのも事実です。

価値の高いデータサイエンティストとして転職するには、ITスキルと知識、統計手法、そして経営的な目線での判断など、総合的なスキルの向上が必要です。また、DX推進に力を入れている、データサイエンスに理解のある企業選びも転職では重要視したいポイントとなります。

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