セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説

最終更新日:2024年10月2日

セキュリティエンジニアとは、企業における各種の業務システムやネットワーク、グループウェアといったITのセキュリティ確保を主業務とするエンジニアです。情報セキュリティマネジメントの仕組みづくりや、従業員に向けたセキュリティ教育の実施なども業務の対象です。

本記事では、セキュリティエンジニアを目指すエンジニアに向けて、同職種の仕事内容や必要なスキル、役立つ資格を解説します。

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この記事のまとめ

  • セキュリティエンジニアとは、企業や組織におけるITセキュリティのあらゆる対策や情報漏洩を防止するエンジニア職種
  • セキュリティエンジニアの平均年収は約680万円とエンジニア職種の中でも高く、最大年収1,000万円以上の案件も存在する
  • 未経験から目指す場合、ITエンジニアとしての知識/スキルを身につけ、実務経験を積むことが有効

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セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアとは、企業のサーバーやネットワーク、ITシステム、サービスに対し、セキュリティを考慮した設計、構築、運用・保守を行うエンジニア職種です。情報セキュリティの専門家として、セキュリティの脆弱性の発見、対策手順書の作成、従業員に向けた教育などを行うのも業務に含まれます。

ITシステム、ソフトウェア、アプリケーションなどは、企業に多くのメリットをもたらしてくれますが、その一方で課題となるのがセキュリティです。インターネットなどのネットワークを介すと、外部からの攻撃を受けるリスクが生じます。近年では、情報漏えいやランサムウェアによる攻撃へのセキュリティ対策は、企業の経営を守るための重要課題として認識されています。

セキュリティエンジニアは、これらのセキュリティリスクを未然に防ぐのがミッションです。

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セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事内容は、ITシステム、アプリケーション、ソフトウェアなどをウイルス感染やサイバー攻撃から守るために技術的なセキュリティ施策を実施することです。情報セキュリティに配慮したインフラの設計・構築を行い、テストや改善を繰り返して、強固なセキュリティを追及します。

ただし、セキュリティエンジニアとしての習熟度や所属組織などによって、業務の対象が異なる場合があるでしょう。ここでは、セキュリティエンジニアの代表的な仕事内容について紹介します。

企画・提案

企画・提案の段階で、導入するIT機器やアプリケーション、ソフトウェアなどを、セキュリティ確保の観点から選定し、提案します。また、現状のセキュリティ状況を把握し、新しいIT機器やシステム導入の必要性があれば、あわせて提案する必要があります。

セキュリティポリシーの策定やセキュリティマネジメントシステム(ISMS)の構築によって、全社的なルールを定めて浸透を図るのも、セキュリティエンジニアの仕事です。

システムのセキュリティ診断

企業の持つ既存システムや新規に開発するシステムに対し、セキュリティ診断を行います。脆弱性などのウィークポイントや将来的なリスクとなりえる構成などを洗い出し、状況を報告・対策を提言するのがセキュリティエンジニアの対象業務です。分析やテストなどの結果、脆弱性やリスクとなる点が明らかな場合は、セキュリティ対策を実施する場合もあります。

セキュリティ診断を行うと、インフラや組織、ルールにおけるセキュリティ面の課題を洗い出せます。

情報セキュリティマネジメントの企画立案・設計・運用支援

要件を詳しくヒアリングし、情報セキュリティマネジメントの企画書を作り具体的な対策方法を提案します。また、提案後の導入・運用支援も視野に入れた計画が必要です。

企画提案が受け入れられた場合、より詳細にその組織に最適な情報セキュリティマネジメントを設計します。具体的には、以下のような内容をまとめます。

  • ・対象範囲の明確化

    ・組織体制や業務ルールの考案

    ・情報システムの各レイヤーおよび一般業務フロー内におけるチェック項目の設定

    ・情報システムや業務ルールの運用方法

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設計・実装

組織の持つシステムに対し、セキュリティ対策を施す場合には、設計・実装のフェーズが発生します。サイバー攻撃の手法に対し有効な施策を選定し、セキュリティエンジニアがインフラ、ソフトウェアの各領域に対して実施します。

要件定義・設計

システム構築に必要なセキュリティ要件を洗い出し、要件定義書に落とし込みます。具体的には、OSやファイアウォール、認証、ソフトウェア上の攻撃対策などのレイヤー別に要件を整理します。特に、インフラに関連するセキュリティ要件は、ハードウェア、ミドルウェア構成に影響を及ぼす場合が多いため、機器選定前に実施することが重要です。

要件定義書を作成したら、設計書を作成します。ネットワークやサーバーなどを分析した上で、レイヤー別にどのようなセキュリティ対策を実装するかを設計書に明記します。

アプリケーション上のセキュリティ脆弱性となる点についても、どのような攻撃を想定して、どう対策するかをアプリケーションの設計に反映しておきます。

セキュリティ対策の実装

設計書に従って、ネットワークやサーバー、OS、アプリケーションなど各レイヤーにおいてセキュリティ対策を実装します。ほかのエンジニアと協力しながら、コンフィグ作業や機器のマウンティング業、暗号や認証の設定、アクセス権設定、セキュアプログラミングなどを行います。

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テスト・運用・保守

設計・実装を行った部分のセキュリティを評価するために、テストを行います。また、セキュリティ対策の効果が永続的に作用するよう、運用・保守業務を行うのもセキュリティエンジニアの仕事です。

ペネトレーションテスト(侵入テスト)

完成したシステムやアプリケーションを対象に、脆弱性の有無を確認するためのテストを行います。特に、外部向けのWebシステムなどでは重要な工程です。具体的には、これまでに発見されたサイバー攻撃の手法を、実際にシステムに実行して問題が発生しないかを確認します。問題がある場合には、設計あるいは実装工程に戻って対応策を検討します。

セキュリティ面でのシステムの運用、保守

システムの完成後は、セキュリティインシデントが発生しないよう運用・保守を担当します。セキュリティエンジニアの運用・保守の主な仕事内容を以下にまとめました。

  • ・アプリケーションやOSのアップデート

    ・通信データの監視

    ・アクセス権の管理

    ・ログファイルのチェックや保存

これらを行うことで、セキュリティ性を維持します。

情報セキュリティ分野では、新たな脅威が次々と生まれています。そのため、担当するシステムなどが新たな脅威の対象となるかどうかを正しく見極める力が必要です。対象となる場合は、セキュリティエンジニアが早急に対策を施さなければなりません。

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セキュリティエンジニアの平均年収

2024年8月時点で、レバテックキャリアに掲載されている求人・転職情報を参考にすると、セキュリティエンジニアの平均年収は約680万円です。求人・転職情報から30件を抽出し、年収の上限と下限の平均をとって算出しました。

年収の幅は企業によって大きく差があり、高い年収の求人では、スキルの高いセキュリティエンジニアが求められています。年収が1,000万円を超える求人もあることから、ほかのエンジニア職種と比較して需要が高いといえるでしょう。

セキュリティエンジニアの求人・転職情報一覧>

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セキュリティエンジニアのやりがいと厳しさ

セキュリティエンジニアは専門性の高いエンジニア職種です。仕事内容は幅広く、高いスキルが要求されるため、その分やりがいもあれば厳しさを感じるエンジニアもいます。企業の情報セキュリティの確保という重要な役割を担うことから、その責任が重くのしかかる場合もあるでしょう。

ここでは、具体的にどのようなやりがいや楽しさ、厳しさがあるのか紹介します。

セキュリティエンジニアのやりがい・楽しさ

セキュリティエンジニアに求められる大きな責任と高い専門性が、やりがいにつながっているといえます。セキュリティエンジニアの仕事内容の主な目的は、セキュリティ上のリスクを未然に防ぐことです。企業やユーザーがITシステムやアプリケーション、ソフトウェアなどを安心して利用できるのは、セキュリティエンジニアの役割が十分に発揮されている証といえるでしょう。

IT犯罪から企業やユーザーを守れる

セキュリティエンジニアは、高い専門スキルで企業やユーザーをIT犯罪から守ります。IT犯罪は、企業やユーザーに大きな損害を及ぼすリスクです。実際に、サイバー攻撃の被害により信頼をなくして倒産する企業や、漏洩した個人情報が悪用され暮らしが脅かされるユーザーもいます。

セキュリティエンジニアは、そういった脅威に対抗するための重要な役割を担っています。目立つ仕事ではありませんが、人を助ける職業といっても過言ではないでしょう。

高い専門性と幅広い業務知識を身につけられる

セキュリティエンジニアは、仕事上必要となる知識が多く大変ですが、知識を身につけていく過程で、自己成長の喜びや楽しさを実感できるでしょう。

セキュリティエンジニアの仕事内容を一通りこなせるようになるには、セキュリティだけでなく、インフラやソフトウェアの知識も求められます。また、顧客のシステムにセキュリティ対策を施す場合が多いです。その場合、顧客のシステムや業務の知識もある程度必要になります。

難易度の高いスキルを自分のものにするのは、苦労が伴います。しかし、得たスキルは仕事で発揮できるのでやりがいを感じやすく、将来のキャリアを築く土台にもなるでしょう。

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セキュリティエンジニアの厳しさ・きつさ

セキュリティエンジニアの仕事は、厳しさやきつさを感じる局面が少なからずあります。厳しいからこそやりがいが生まれる面があるといえるでしょう。ここでは、その厳しさ・きつさを感じる原因について解説します。

責任が大きい

セキュリティエンジニアは責任が大きく、その重圧から厳しさやきつさを感じやすい職業です。セキュリティが突破されると企業や組織の機密情報、顧客などの個人情報が流出・漏洩する、システムが破壊される、システムを乗っ取られる、など甚大な被害が発生するからです。セキュリティに欠陥があれば攻撃を受けやすくなり、対策していても被害を受ける可能性があります。

これらの問題が起きた場合、企業や組織は顧客からの信頼を失ったり、業務を停止しなければならなかったりするなど、経営上の損害に直結しかねません。

近年では、医療機関を狙ったサイバー攻撃により医療の提供が妨げられるケースも危惧されています。これからのセキュリティエンジニアは、社会的な基盤確保も考えなければなりません。

最新の知識を学び続ける必要がある

サイバー攻撃やコンピュータウイルスなどの脅威は増してきており、それに対応すべくセキュリティエンジニアに求められる知識やスキルもアップデートし続けなければなりません。IT犯罪は、つねに新たな技術を活用するため、セキュリティ確保の施策も刷新していく必要があります。

学び続けることを怠れば、企業やユーザーに大きな損害が生じる可能性が高いため、終わりの見えない現状がきつさを感じる要因の1つでしょう。

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セキュリティエンジニアに必要なスキルと知識

セキュリティエンジニアに必要なスキルと知識は幅広い分野・領域に渡ります。情報セキュリティの高い安全性を実現するためには、セキュリティエンジニアが正しいスキルと知識を持ち、あらゆる場面でそれらを的確に発揮しなくてはなりません。できる必要があります。セキュリティエンジニアに求められる具体的なスキルと知識について、それぞれ解説します。

  • ・インフラ、ソフトウェアの知識と脆弱性診断スキル

    ・システム、ソフトウェアのセキュリティ脆弱性対策スキル

    ・セキュリティマネジメントルールの策定、運用スキル

    ・セキュリティ監視の構築スキル

    ・プログラミング言語に関する知識/スキル

    ・最新のセキュリティ対策の教育スキル

    ・コミュニケーションスキル

関連記事:
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セキュリティエンジニアになるための効果的な勉強方法

インフラ、ソフトウェアの知識と脆弱性診断スキル

セキュリティエンジニアは、ハードウェアやミドルウェア、プログラミング言語といった個別の要素に加え、それらの組み合わせで起こり得るセキュリティ脆弱性についての知識が必要です。

また、セキュリティの状況を診断するための脆弱性診断スキルも必要になります。具体的には、情報セキュリティの問題点を漏れなく見つけるスキルです。

インフラ、ソフトウェアに関して、幅広く知識を持ち、ITシステム全体から脆弱性を探せる広い見識が求められます。

システム、ソフトウェアのセキュリティ脆弱性対策スキル

情報セキュリティを確保するために、システムやソフトウェアの状況に応じて、どのような対策を講じれば良いのか判断できるスキルが必要です。情報セキュリティの脆弱性は、放置しておくと攻撃を受けるリスクが高まるため、セキュリティエンジニアは脆弱性を発見でき次第、対応にあたる場合が多いです。

セキュリティマネジメントルールの策定、運用スキル

情報セキュリティにおいては、インフラやソフトウェアの利用者側の扱い方も重要な要素です。技術的なセキュリティ対策が万全でも、利用者が誤った使い方をすればセキュリティ事故、インシデントは簡単に発生します。

このような事態に備え、IT機器、システムの利用を管理するのがセキュリティマネジメントルールです。組織とIT環境にマッチしたセキュリティマネジメントルールの策定とその運用の仕組みづくりを行えるのは、セキュリティエンジニアの重要なスキルの1つです。

また、対外的に企業や組織がセキュリティ対策を適切に行っていることを示すために、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を構築し、ISMS認証の取得と維持を図る場合があります。セキュリティエンジニアは、これらの認証に適合するセキュリティマネジメントを知り、対応していく必要があるでしょう。

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セキュリティ監視の構築スキル

システムやソフトウェア、ネットワークに対し、外部からのアクセス・侵入・攻撃が行われていないか監視するための仕組みの構築も、セキュリティエンジニアに求められる役割です。セキュリティツールやソフトウェアの選定、導入、設定を行い、問題発生時に通知する仕組みを構築するスキルが必要となります。

プログラミング言語に関する知識・スキル

セキュリティエンジニアには、プログラミングスキルが必要です。サイバー攻撃の土台はプログラミングで構築されており、その仕組みを読み解くためにプログラミングの知識・スキルが必要な場合があるからです。

また、プログラムが読めなければ対象システムの脆弱性を詳細に判断することができません。システムは必ずプログラムでできているので、プログラミングができないとセキュリティエンジニアとしての要件を満たしていないといえます。

セキュリティを確保したプログラミングを「セキュアプログラミング」と呼びます。ただ動くアプリケーションを作るよりも考慮すべき点が多いです。

関連記事:セキュリティエンジニアに求められるプログラミングスキルとは

最新のセキュリティ対策の教育スキル

セキュリティエンジニアは、顧客や自社の従業員に対し、情報セキュリティに関する教育を行う場合があります。情報セキュリティに関する知識を持ち、顧客に分かりやすく正確に教えるスキルが必要です。

情報セキュリティに関しては、日々技術的な進展があり、情報が古いと誤った知識を与える場合もあり得るため、最新の情報セキュリティ事情を教育の内容に反映させなくてはなりません。また、セキュリティに関する意識を変えさせる啓蒙的な活動を行うケースもあります。

コミュニケーションスキル

セキュリティエンジニアの仕事は、ITインフラやアプリケーションの担当者にセキュリティへの対策状況を確認するなど、周囲の人との協力が必要です。そのためコミュニケーションスキルが求められます。また、従業員へのセキュリティ教育の際には、相手の知識の程度に合わせて伝え方を柔軟に変える必要があるでしょう。

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セキュリティエンジニアの仕事に役立つ資格

セキュリティエンジニアにとって資格は必須ではありませんが、資格を持っていると対外的にスキルをアピールできます。特に転職においては、資格は自身の付加価値となります。また、資格取得のための学習により、体系的に知識を習得でき、セキュリティエンジニアの仕事内容を理解するのにも効果的です。

また、セキュリティエンジニアは、知識やスキルをブラッシュアップし続ける必要があります。そのため、最新の情報セキュリティに関わる資格取得に取り組むと、知識の定着・向上が図れて一石二鳥といえます。

関連記事:セキュリティエンジニアへの転職を成功させる方法!年収や求人例も紹介

情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運用する、情報セキュリティに関する知識、技能を有することを認定する試験です。情報セキュリティに関するネットワークやハードウェア、アプリケーション、法令など幅広い知識が問われます。

IT人材教育の指標とされるITSS(ITスキル標準)のレベル4に該当する高度な試験です。ITSSは、IPAが主導となって定義しています。

試験に合格し所定の手続きを行うと、国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格保持者となることが可能です。

CASP+

CASP+とは、CompTIA(コンピュータ技術産業協会)が提供している、サイバーセキュリティ認定資格のうちの1つです。IT管理者として10年、かつ、セキュリティ領域の管理者として5年以上の実務経験を持つ、高度な技術者を対象としています。合格すれば、セキュリティエンジニアとしての能力の高さを示せる資格といえるでしょう。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって運営されている、ITの安全な利活用を推進する者を対象としている国家試験です。業務の現場で情報セキュリティマネジメントを実施する人材が想定されているため、セキュリティエンジニアの仕事に活かせる資格といえます。

ITSS(ITスキル標準)ではレベル2相当です。企業におけるセキュリティマネジメント人材が、どの程度の知識を持つべきかを知るためにもおすすめの試験といえます。

シスコ技術者認定

シスコ技術者認定は、ネットワーク製品大手のシスコシステムズの認定する資格で、ネットワークに関する知識やシスコ製品を扱うスキルの証明が可能です。難易度別に、エントリ、アソシエイト、プロフェッショナル、エキスパートの4つのレベルに分かれています。

プロフェッショナル以上の試験では、Security、Data Center、Collaborationなど技術領域別の試験が存在しています。ネットワークセキュリティを学ぶ際に適した技術者認定制度です。

LinuC

LinuCは、サーバーOSとして高いシェアを持つLinuxの技術力を証明する資格です。レベル1~3に分かれており、ITSS(ITスキル標準)でいうと、ITスペシャリストのセキュリティ分野で、レベル1~3に相当する難易度です。

「LinuCレベル3 303 Security」では、Linux環境でのセキュリティの脆弱性を評価し、トラブルシューティングができるエンジニアとして評価されます。そのため、セキュリティエンジニアが取得しておきたい資格といえます。

また、2023年11月には、レベル3の上位に位置付けられる「システムアーキテクト」が追加されました。サーバーセキュリティも出題されるため、知識の補填に役立つでしょう。

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未経験からセキュリティエンジニアになるには

セキュリティエンジニアは、エンジニア未経験から直接なるのは難しいでしょう。情報セキュリティをはじめ、インフラ、ネットワーク、ソフトウェアなど幅広い分野に対する知識、スキルが必要な職種だからです。また、仕事内容における責任が非常に大きいこともあり、未経験者にとってはハードルが高いといえます。

しかし、未経験でもこれから経験を積んでいけば、将来的にセキュリティエンジニアになることは可能です。

ここでは、より具体的にセキュリティエンジニアを目指す際に必要となるスキルの習得方法について紹介します。

関連記事:未経験でセキュリティエンジニアになれる?求人や必要なスキルを紹介

大学・専門学校で学ぶ

大学・専門学校で情報系の学部・学科を専攻すると、体系的にIT知識とスキルを学ぶことが可能です。また、特定の言語・技術に対して深く学習できるため、セキュリティエンジニアとして必要な素養を身につけられます。

情報セキュリティを専門に学ぶコースは多くはありませんが、ベースとなるスキルが獲得できれば、セキュリティエンジニアへの一歩となります。

まずはほかのITエンジニアとしての経験を積む

未経験からセキュリティエンジニアを目指す場合、インフラエンジニア、ネットワークエンジニア、ソフトウェア開発のエンジニアなどとして、実務経験を積んでからキャリアアップを図ると良いでしょう。実務経験とともにスキルや知識を獲得し、そのあいだに資格の取得も行っておくとよりスムーズです。

未経験可の求人に応募する

セキュリティエンジニアの仕事内容は、細かく分かれているため、未経験可の求人に応募できるチャンスもゼロではありません。

たとえば、脆弱性診断エンジニアやSOC(Security Operation Center)運用エンジニアといった職種は募集人員が多いです。ほかのセキュリティエンジニア職と比べて、要求されるスキルは少ないといえるでしょう。こういった求人では、まれにエンジニア未経験者でも応募可能な場合があります。

正社員以外の雇用形態から目指す

正社員といった雇用形態にこだわらずに、派遣社員やフリーランスとしてセキュリティエンジニアを目指すのも1つの方法です。派遣社員の求人が比較的多いこともあり、経験が浅くても採用されるケースは珍しくありません。

まずはセキュリティエンジニアとしての実務経験を積みながら、スキルの習得やキャリアアップを目指すのも有効的です。

資格を取得し知識・スキルを証明する

セキュリティエンジニアの仕事に関連する資格の取得を行うと、一定の知識・スキルを証明するのに効果的です。資格の取得は必須ではありませんが、未経験の場合は、経験に代わるアピール材料が必要といえます。ITエンジニアの土台となる知識やセキュリティ分野に関連する知識・スキルを習得し、転職時に示せるよう積極的に資格取得を目指しましょう。

セキュリティエンジニアにおすすめの資格については、「セキュリティエンジニアの仕事に役立つ資格」を参考にしてください。

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セキュリティエンジニアの将来性が高いと考えられる理由

セキュリティエンジニアの将来性は高いです。考えられる理由としては、企業が情報セキュリティを重要視するようになったことが挙げられます。

情報セキュリティを脅かすサイバー攻撃やウイルスなどの手口は、IT技術の進歩とともに進化し続けています。そのため、今後も企業の情報資産を守れるセキュリティエンジニアは、欠かせない存在としてますます需要が高まるでしょう。

関連記事:セキュリティエンジニアの将来性は?やめとけといわれる理由も解説

ITの普及で情報資産の価値が高まっている

ITの普及によって企業が持つ情報資産の価値は、高まってきています。テレワークといった柔軟な働き方の推進も重なりネットワークを通じた情報のやり取りが増えたことで、あらゆる情報がデータとして蓄積され参照しやすい環境になったといえるでしょう。デジタル化による利便性が向上した一方で、第三者からのサイバー攻撃から情報を守る対策が急務となっています。

個人情報漏洩の防止意識の高まり

ITシステムやデバイス上で情報を格納したり利用したりする機会が増えています。それと同時に、個人情報の漏洩の防止意識は日々上昇しており、マイナンバーなど、より厳密な管理が必要な項目も登場しています。

個人情報が漏洩するケースは、企業内部の人間によるミスが原因となっている場合もあるでしょう。このような事故を防ぐことも、情報セキュリティ部門の大切な役割といえます。

日々進化するマルウェアの感染防止のため

マルウェアへの感染によって、甚大な被害を受ける企業も少なくありません。マルウェア感染によるシステムの不具合だけでなく、個人情報や機密データが漏洩・破損する恐れも考えられます。

また、企業サイトが不正に改ざんされれば、インターネットバンキングやクレジットカード決済による不正送金といった被害が生じるでしょう。企業の信頼を失わないためにも、マルウェア対策をはじめ万が一の対策を施すのがセキュリティエンジニアの役割です。

近年では感染した端末のデータを盾に取り、身代金を要求するランサムウェアなどのマルウェアも登場しており、セキュリティエンジニアの業務の重要性が増してきています。

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セキュリティエンジニアのキャリアパス

セキュリティエンジニアとしての経験、スキルを活かせる職種として、以下が挙げられます。

  • ・セキュリティアナリスト

    ・セキュリティコンサルタント

    ・セキュリティアーキテクト

いずれも、セキュリティエンジニアの業務の一部に特化していて、情報セキュリティに関連するスペシャリストです。

また、セキュリティエンジニアとしての知見を活かし、クライアントユーザー側のセキュリティマネジメント担当者となるキャリアパスも考えられるでしょう。企業によっては情報セキュリティ責任者(CISO:Chief Information Security Office)を設けている場合もあり、セキュリティエンジニアの経験、スキルを活用できる役職です。

関連記事:セキュリティエンジニアのキャリアパス - 同分野・異分野に分けて解説

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セキュリティエンジニアの仕事内容に関するよくある質問

セキュリティエンジニアについて、よくある質問に回答します。セキュリティエンジニアに関する質問は、仕事内容や職種の魅力、適性についての内容が多いため、その3つをピックアップしました。これから転職を検討される方は、セキュリティエンジニアとはどのような職種か、再確認するための参考にしてください。

Q1. セキュリティエンジニアとはどのような仕事ですか?

情報セキュリティを専門に担当するのがセキュリティエンジニアです。 ITインフラに必要なサーバー構築や運用・保守などを行う上で、セキュリティ確保に努めます。セキュリティに配慮したシステム設計や運用、サイバー攻撃を未然に防ぐための調査や対策など仕事内容は多岐にわたります。

Q2. セキュリティエンジニアの仕事の魅力は何ですか?

つねに新たな脅威や攻撃手法に対処するために、技術やスキルを磨いて対応策を講じることで、自己成長を実感できるのが魅力といえます。また、企業の機密データや個人情報などを守る仕事は、社会の安全と信頼につながります。高い需要と年収が見込めるのも魅力でしょう。

Q3. セキュリティエンジニアに向いているのはどのような人ですか?

セキュリティエンジニアはシステムや企業、個人情報などをリスクから守る責任ある仕事のため、重要な仕事に対して、やりがいと捉えられる人が向いているといえます。また、セキュリティ関連技術の進展は早く、これらの分野に強い興味を持ち、学習を続けられる人も向いているといえるでしょう。

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まとめ

セキュリティエンジニアは企業などの組織における情報セキュリティの確保を専門とするエンジニアです。仕事内容は、企業のセキュリティ診断や脆弱性への対応、セキュリティマネジメントの仕組み作り、セキュリティに関する知識の教育などです。また、システム開発プロジェクトにおいて、情報セキュリティの観点から要件定義や設計、実装に携わります。ペネトレーションテストを実施したり、セキュリティ監視の仕組みを構築したり、セキュリティ対策の導入を図ったりするのも仕事内容に含まれます。

セキュリティエンジニアはスキル、専門的な知識が必要となるため、完全な未経験からいきなり転職するのは難しいです。インフラ・ネットワーク・アプリケーションといった分野のエンジニアなどとして経験を積み、スキルや知識、資格を身につけ、キャリアアップを目指すと良いでしょう。

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