【CTOの職務経歴書】新卒で大手に入れなかったら終わりみたいな考えは、気にしなくていい|トライフォート CO-Founder/CTO 小俣泰明氏[前編]

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「CTOの職務経歴書」は、レバレジーズ(現レバテック)のアナリスト兼営業が、インタビュー取材を通して注目企業CTOの視野に迫る連続企画です。

第一回は・・・

株式会社トライフォートの代表取締役CO-Founder/CTO・小俣泰明氏。

<株式会社トライフォートとは>
2012年の設立から1年半で100名を超えるという圧倒的な速度で成長し、各種メディアに登場している注目企業。

「現在の就職活動は健全な状態ではない」と語る小俣氏に、ご本人の経歴を交えながら、
キャリアプランニングの考え方について伺いました。

日本で最もCTOと対談する男を目指す、わたくしレバテック営業の山田がインタビュアーとしてお届けいたします。


Q1. 小俣さんのプログラミングとの出会いはいつですか?

小学校3年生の時に「PB100」っていうのがあって・・・
 

--PB100、ですか?

僕、今36歳なんですけど、僕が小学生のころってパソコンがなかったんですよ。残念ながら。
(PB100の画像を見せながら)これ電卓みたいに見えるんですけど、ここでプログラミングするっていう。
父親が「遊んでみろ」ってくれたんです。これが最初ですね。自分でスロットゲームとか作ってました。

カシオPB100(ポケットコンピュータ)の画像
カシオPB100(ポケットコンピュータ)発売当時のCM映像よりキャプチャ

--そこからはもうプログラマまで一直線だったのでしょうか。

中学から高校くらいでパソコンが普及しはじめて・・・自分の時代はMS-DOSからWindowsに移行するときだったんです。
で、Windowsのプログラミングで確か・・・VisualBasicだったと思うんですけど。Windowsのアプリとか作ってましたね。

それが高校くらいです。
 

--高校を卒業した後は?

漫画の専門学校に行ってました。
漫画家になりたくて。

2年間はずっと漫画を書いてました。
 

--プログラマになることはいつ頃から考えてたのでしょうか?

実は小学校3年くらいからずっと変わってないんですが、僕の目標は漫画家なんですよ(笑)

今も漫画のシナリオを考えたりします。
 

--考えたシナリオはソーシャルゲームなどのサービスに活かされたりするんですか?

それ自体が活きるかは分からないんですけど・・・シナリオ含めて「新しい体験を生む方法を考えるマインド」には繋がってるかもしれませんね。
まあ、漫画だけでなく他にもプライベートでタスク管理ツールとか作ったり、ゲームを作ったり。
どちらかというとプログラミングは「表現したいものを叶える手段」として使ってるって感じですね。

雑誌「日系トレンディ」の表紙の画像 雑誌「日系トレンディ」。FlipTask紹介ページの画像
日経トレンディに掲載された小俣氏作の「FlipTask」

Q2. 最初の就職活動はどのようにされたんですか?

はじめての就職はプログラマでなくサーバの保守みたいな仕事でした。
当初のコンパック(注1)なんですけど。そこでは正社員でなく、業務委託の形態でやってました。

そこで3年働いてから、伊勢丹データセンターっていうインフラ系のシステムを担当する部門に移って。
そこでも運用・保守をやってました。
正社員になったのはそこからです。
 

--1社目を正社員でなく、業務委託としてスタートすることに不安を抱く人は多いと思います。

「新卒で正社員として大手に入れなかったら終わり」みたいな考えは、全く気にしなくていいんじゃないかと。
僕の当時の目標は「ITの大手企業に入ること」でしたが、1社目で叶えられなくても道はあると思います。
僕は最初業務委託から入ったんで、いわゆる新卒の就活はやったことないです。

だから就活の苦しみを知らないんですが。
大手の就職サイトのような就職ツールって、掲載されてない企業の方が多いですよね。うちもそうですけど。
でも、掲載されてなくても正社員募集ってちゃんとあるじゃないですか。他にもそういうところって多いんじゃないでしょうか。

だから、普通の正攻法な就活に縛り付けられる意味ってあるのかなーって感じます。

株式会社トライフォートの代表取締役CO-Founder/CTO・小俣泰明氏が自身の就職活動について話をしている写真
取材時はiPad miniを片手に、漫画家を目指していた話で実際にデッサンしたり、PB100の画像を表示していた

--いわゆる正攻法な就活にとらわれない方法でいい、と。

新卒の人たちって、逆に自分が入りたい企業を自分の足で自分で探して、そこに直接オファーを送るような活動をしたほうが全然いいんじゃない?って気がしますね。
むしろそうすべきですね。
そうすれば、結構就活の厳しさも体験せずに就職できると思うんです

--ダイレクトリクルーティング、という言葉も最近は聞かれますね。

話題になっている手法に囚われてる時点でダメだと思う。
行きたい所があったら、どんな手を使ってでもアポをとりに行くってやり方でいいんじゃないかと。その熱意は絶対に伝わりますし。

 

Q3. 小俣さんの「大手に入る」という目標は、どう達成されたのですか?


僕は3社目でNCom(注2)に入ったのですが、さっき言ったように1社目は業務委託で働いてました。
そこでノウハウを積んで、2社目で正社員。3社目で大手に転職しました。

焦って達成しようとする必要はないですね。今は就職氷河期とよく言われてるけど、失業率ってずっと大きく変わってないですよね。
職はいっぱいあるのに、やり方に縛り付けられているから苦しい。本当は自分のやりたいことを明確にできれば、ちゃんとやり方はあります。


--実際に大手で働いてるとき、自分と周りの同僚を見て思うことはありましたか?

NComは早稲田や東大とか高学歴のやつしかいなかったですね。
正直、みんな優秀で。

優秀なんだけど、優秀だからこそなのか適応能力が高い。
だから、僕が1人で茶髪だったのは異質だと見られてたかもしれないですね(笑)

みんな優秀だし、話もすごく面白いです。NComの仲間との話は今の自分にとってすごく重要なものだったりします。


--NTTコミュニケーションズに入社したことで、小俣さんの目標は一度は達成されたんですよね。

NComに入る前まではずっと「大手企業に入ること」が目標だったんですが・・・
いざ入ってみたら「全然ゴールじゃない!」と気づいて。そこからベンチャーに転職することになりました。

後編を読む小俣氏のベンチャー時代・トライフォート設立時代についての話をお届けします

注1:コンパック…コンパック・コンピュータ・コーポレーション。2002年にヒューレット・パッカードに吸収合併されている。
注2:NCom…エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社。

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