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【CTOの職務経歴書】モラトリアム期間を経てエンジニアへ。B to Cのウェブサービスにこだわって掴んだCTOという役職|株式会社wizpra CTO 田邊賢司氏【前編】

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今回の「CTOの職務経歴書」に登場するのは、株式会社wizpraの田邊賢司氏。顧客マネジメントを行う「wizpra NPS」と、従業員のモチベーションアップを図る「wizpra card」、2つのクラウドサービスを手掛けるベンチャーのCTOを務めている。実はwizpraのCTOを務めるかたわら、株式会社ProfitMakersという会社を自ら立ち上げ、日本のIT企業、およびエンジニアを応援するという大きな志を実現しようとしている田邊氏。前編ではwizpraに入社するまでの歩みを語ってもらった。

株式会社wizpraとは
顧客のロイヤルティや継続利用意向を測る指標として注目されているNPS(Net Promoter Score)を活用し、顧客体験を向上させる「wizpra NPS」を主力サービスとして展開。読売新聞社やリクルート社など、大手企業を中心に100社以上で導入が進んでいる。
https://www.wizpra.com/

エンジニアの仕事に出合うまでのモラトリアム期間

――まずは、中学や高校時代に熱中されていたことを教えてください。

田邊氏:中学校のころは、3年間サッカーをやっていました。レギュラーにはなれなかったんですけれどね。高校時代も少しだけ続けていたのですが、すぐに辞めてしまいました。遊びのほうが楽しくなってしまったんです(笑)。

――高校を卒業されたあとは、大学に進学されたのですか?

田邊氏:いいえ、大学には行っていません。そもそも、自分が何をしたいのかが全然分からなくて。とはいえ、就職するにもやりたいことが見つからなかったんですね。ですので就職活動はせず、卒業後はアルバイトや契約社員をしながら、やりたいことを探していました。

経験した仕事は、飲食店やガソリンスタンドなどのサービス業、工場の夜勤など、とにかくいろいろやりましたよ。少しでもたくさんの仕事を経験し、そのなかから自分にあった仕事を選びたいと考えていたんです。

――エンジニアという仕事を知ったのは、いつ、何がきっかけだったのですか?

田邊氏:2000年のITバブルのころです。テレビに出てくる人たちがキラキラ輝いていてうらやましかった。そんな折、未経験可のエンジニアの募集を見つけたんです。そこで私は、「いくら何でもホントの未経験はまずかろう」と思い、バイトをしながら独学で基本情報技術者試験と初級シスアドの資格を取得。その後、その会社に入社しました。

エンジニアを目指したきっかけてについて楽しそうに語る田邊氏の写真

エンジニアを目指そうと決めたのは23歳のとき。文系出身だが、資格取得の参考書を読んでいるだけで楽しかったという

SIerからウェブサービス企業へ、エンジニア人生をスタート

――いよいよエンジニアとしての第一歩ということですが、最初はどのような会社でキャリアをスタートされたのですか?

田邊氏:最初の会社はいわゆるSIerと呼ばれる会社で、メガバンクの基幹システムを受注していました。銀行や、その開発センターに出向き、数年がかりのプロジェクトをチームで手掛けていくという仕事です。

その会社では、とにかくビジネスマナーを叩き込まれました。名刺交換から始まり、挨拶の仕方、質問の仕方、報告・連絡・相談の仕方などをがっつりと教え込まれたんです。たとえば、お辞儀は腰から45度の角度で頭を下げろとか、返事をしてもらえなくても「おはようございます」を徹底するとか。

でも、挨拶ってバカにできないんですよ。私の行った常駐先があまりコミュニケーションを積極的に取らない現場だったので、最初は挨拶をしても返事をしてくれませんでした。でも、しつこく挨拶していると、少しずつ返してくれるようになる。すると、「おはようございます。昨日はどうでしたか?」と言葉をつなげることができるようになり、チームの雰囲気が良くなっていくんです。

ちなみに私は、今でも「挨拶しようよ」と言うほうです。最初の会社の経験を通じて、文化づくりや雰囲気作りの大切さを学びました。文化を作るためには、挨拶のような小さなことが大切なんですよね。

――その後、ウェブサービスを手掛ける株式会社オウケイウェイヴ、さらに株式会社インタースペースへと転職されます。そのきっかけは何だったのですか?

田邊氏:メガバンク系の仕事は小さく切り分けられて、自分がどの部分の開発をしているのかがよく分からなくなります。さらに、リリース後の運用は別の会社がするので、そのシステムが良かったのか悪かったのかすら分かりません。

そこで、ユーザーからダイレクトに反応が返ってくるサービスを手掛けたいと考え、ウェブサービスを一気通貫に手掛けられるオウケイウェイヴに転職しました。

オウケイウェイヴでは、最初はFAQのシステムを担当しました。その後新規事業に手を上げ、PMとしてサービスを企画段階から立ち上げる経験をさせてもらったんです。

新規に立ち上げたのは、ソーシャルの要素を交えたC to Cのサービスです。私としてはとてもやりがいのある仕事で、C to Cのサービスを続けていきたいという想いが強かったのですが、もう一度FAQシステムのほうに戻ってくれと言われまして。そのタイミングでインタースペースに転職をしました。

――インタースペースではどのような仕事をされていたのですか?

田邊氏:インタースペースは広告事業が有名だと思いますが、私はメディア事業部で、ウェブサービスの立ち上げから携わりました。そもそもプロジェクトにエンジニアが一人もいない状態だったので、まずは採用です。M&Aにより手に入れたソーシャルゲームの会社はディレクター機能とデザイナー機能しかなかったので、エンジニアを採用してチームを立ち上げる必要がありました。

そのとき、あるエンジニアの会社をM&Aしたんです。ソーシャルゲームはスピードが速いので、サービスへのコミットメントが何よりも大切。でも、その会社はSI気質な会社だったので、社内に入れても社内外注みたいになってしまうのではないかという危惧がありました。

――サービスのコミットメントというのは、なかなか難しい問題ですね。

田邊氏:技術力ももちろん大切ですが、技術が足りなければ業務委託などで優秀な人を補えばいいんです。それよりも、ウェブサービスには企画から一緒に入って提案してくれる、会社の事業やサービスそのものに興味があるエンジニアが必要なんですよね。

――その後、株式会社トライフォートの立ち上げに参画されます。こちらはどういった経緯があったのでしょうか?

田邊氏:もともと代表と友達だったんです。同じ業界にいましたが、あまり友達と一緒に仕事をすることは考えたことがなく、立ち上がって落ち着くまでの間だけならいいかと考え、参画しました。

ここでも苦労したのは、やはり採用です。受託開発がメインだったので、案件は我々が引っ張ってこれたので苦労はなく、人さえいれば儲かるという感じだったのですが。出入りしていた人材紹介会社の人をスカウトし、起業から3ヶ月目に人事採用担当として雇ってから上手く回るようになりました。

――お辞めになったのは、想定していた期間どおりだったのですか?

田邊氏:いえ、思っていたよりもだいぶ早く辞めました。100~200人規模になったら辞める、それまで4~5年かかるだろうと想定していたのですが、成長スピードが速くて。1年半ちょっとで辞めました。成長軌道に乗るまでが自分の仕事だと割り切っていたので、辞めるのにそれほど未練はなかったです。

CTOという冠が世界を開いてくれる

――その後、ランサーズ株式会社へと移られます。その理由は何だったのですか?

田邊氏:ひとつは、CTOにチャレンジできたからです。インタースペースのときにもほぼCTOに近しいことを行っていたのですが、冠をいただいてきちんとやるということにチャレンジしてみたいと思いました。

もうひとつは、クラウドソーシングという事業に対する興味と、ビジョンがしっかりとしたビジョナリーカンパニーを見てみたいという思いがあり、ランサーズがそれに当てはまっていたからです。

逆に、ランサーズが私に対して期待していたのは、人数が増えたときにどういう組織を作っていくべきかの知見です。私は過去PMをやってきましたし、組織が成長するときにどのあたりで壁にぶつかるかなどを経験として知っていました。

そのため、最初にエンジニアの採用と育成を手掛けたのち、組織のリビルドのようなことを行っていきました。

ランサーズ時代について語る田邊の写真

ランサーズ時代、技術的には高度なスキルを有していても、人間性が社風に合わない人は採用しない方針を貫いた

――CTOになって変わったことはありますか?

田邊氏:冠が付いたことで出られる会とかもあったりするので、肩書きは役に立つこともあるなと思います。また、関わる人も他社のCTOが増えてきたので、話す内容やレベルが少し変わったかもしれません。

――wizpraへの転職は、どのように決められたのですか?

田邊氏:実は、自分で自分の会社を作り、そこで技術顧問やアドバイザーを行いつつ、独自のサービスを作ろうということは決めていました。現に今、余暇時間を使って自社のサービスを展開しています。

とはいえ、最初はそれだけだと不安だなと。家族に「正社員としてやれる仕事があればぜひやってほしい」と言われていたところにwizpraを紹介され、興味を抱いたんです。

テクニカル的な部分で言うと、テキストマイニングやデータマイニング、ビッグデータの処理などといった部分を掘り下げたいと感じました。あとは、メンバーですね。社長以下、熱い想いを持っている人が集まっているところに惹かれたので、入社を決意しました。
 

後編を読むもう一度ジャパン・アズ・ナンバーワンを復活させたいという思いを胸に、今できる限りのことに力を尽くす
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