Pythonは難しい?習得のコツやWebエンジニアへの転職法

最終更新日:2024年7月12日

Pythonを学びたいと思っているものの、「Pythonは難しい」という意見を聞き不安に感じている方は多いです。確かにPythonには複雑な面もありますが、学習難易度自体は高くはなく、正しい方法で学習すれば習得は可能です。

本記事ではPythonが難しいと感じる理由やその解決方法を解説します。また、Pythonを学ぶポイントや、Pythonに将来性がある理由についてもまとめました。本記事を読むことでPythonの学習ポイントが分かり、習得してWebエンジニアに転職する道が開かれます。

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この記事のまとめ

  • Pythonはライブラリやフレームワークが多かったり、インデントが間違っているとエラーが発生したりするため難しいと感じる方もいる
  • シェアの高いフレームワークから学んだり、エディタのインデントガイドなどを上手く活用したりすることで、効率的にPythonを習得できる
  • PythonはAIやデータ分析などの分野で活用できる理由などから、将来性がある

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Pythonが難しいと感じる理由と解決策

PythonはWebアプリ開発やAI開発、データ分析などの分野で活用されるプログラミング言語です。PHPやRuby同様にスクリプト言語に分類されます。

ここでは、Pythonが難しいと感じる理由と解決方法について表にまとめました。

難しいと感じる理由 解決方法 具体例やおすすめサービス
ライブラリ・
フレームワークが多い
・公式ドキュメントを参考にする
・シェアの高いフレームワークから学ぶ
・ドキュメントを参考に、
ライブラリ名、概要、引数、
返り値、使用例をノートにまとめる
Django
Flask
インデントが正しくないと
エラーが発生する
・エディタのインデントガイドを
活用する
Visual Studio Code
Notepad++
Atom
開発環境の構築が難しい ・プロジェクトごとに仮想環境を
用意する
venv
変数の型を指定しないので
データ型が分からない
・型チェックを行う Pyright
mypy

関連記事:Pythonとは?特徴やできること・活用事例などを解説!

ライブラリ・フレームワークが多い

Pythonには幅広い標準ライブラリが備わっています。ソースコードをシンプルに記述できる一方、標準ライブラリを覚えるのに時間がかかります。たとえば、演算処理を行うmath、データ解析を行うpandas、画像処理を行うPillow、ファイル操作などを行えるosなどの標準ライブラリがあります。これらのライブラリを覚えることはもちろん、目的に応じて使い分けるには知識と慣れが必要です。

さらに、Pythonには標準ライブラリ以外にも、コミュニティによって開発・共有されるライブラリ・フレームワークが数十万あります。役に立つものもありますが、情報量が少なかったり、日本語の情報が存在しなかったりするものもあります。そういったライブラリ・フレームワークから勉強すると、分からないことを調べられず挫折しやすいです。

解決法:公式ドキュメントを参考にする

公式ドキュメントには、標準ライブラリの使い方がサンプルコード付きで解説されています。公式ドキュメントなら情報の真偽を確かめる手間を省けるので効率的です。公式ドキュメントで使い方を学んだら、実際にサンプルコードを書いて実行してみると記憶に定着しやすくなります。理解したライブラリはノートにまとめておき、再度素早く調べられるようにしましょう。

解決法:シェアの高いフレームワークから学ぶ

Pythonエンジニアは、よく使用するフレームワークとして「Django」「Flask」を挙げる人が多いです。DjangoやFlaskのようなシェアの高いフレームワークは情報量が多く、知識・経験のある方がまとめた解説サイトが多くあり、分からない箇所を調べやすいです。

インデントが正しくないとエラーが発生する

Pythonには開始/終了の括弧がなく、インデントによって開始/終了の位置を示します。そのため、インデントが正しくないとエラーが発生してしまいます。

value = 5
if value < 0:
print(‘valueが負の値になっています。’)
print(‘正の値を入力してください。’)

上記のコードでは、1つ目のprintはif文内ですが2つ目はインデントされていないため、if文が1つ目のprintの時点で終了しています。2つ目はif文に含まれないため、valueが正の数なのに「正の値を入力してください。」と表示されてしまいます。

このように、Pythonはインデントによって開始/終了位置を見分けています。この仕組みはコードを見やすくするメリットがある一方、正しくインデントしないとエラーが出力されるため、慣れない方にとっては煩わしく感じる場合があります。

解決法:エディタのインデントガイドを活用する

Visual Studio Code、Notepad++、Atomなどの有名なエディタには、インデントガイド機能があります。機能をオンにすることで、インデントの深さごとに線が引かれるようになったり、インデントの種類ごとに色分けされたりします。インデントを見やすくできれば、インデントのミスでエラーが発生することもなくなります。

加えて、プロジェクトごとにコーディング規約を設けることも大切です。PEP8を参考にコードレイアウトやコメントの書き方に関するルールを定義することは、バグの減少や可読性向上に繋がります。

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開発環境の構築が難しい

Pythonの開発環境の構築時点でミスをすると、予期せぬエラーが発生する可能性があります。たとえばライブラリをインストールするフォルダを別のところに指定すると、インポートが上手くいきません。

特に、複数のプロジェクトで異なる開発環境を構築する場合は注意が必要です。たとえば、プロジェクトAでPython3.11、プロジェクトBでPython3.10を使う場合、1つのパソコンに複数のパッケージをインストールするため、パッケージ同士が競合してエラーが発生する可能性があります。

ほかにも、プロジェクトごとに使用するフレームワークの種類が異なるケースは要注意です。複数のフレームワークをインストールすると開発環境が複雑化します。たとえばFlaskのバージョンアップデートを行った場合、同じ環境で動かしている全てのプロジェクトの動作テストが必要になるなど、さまざまな不都合が発生します。

解決法:プロジェクトごとに仮想環境を用意する

複数のプロジェクトで異なる開発環境を構築する場合、仮想環境を用意することが大切です。たとえばvenvモジュールを使うと、コマンド入力だけで仮想環境を構築できます。仮想環境に必要なライブラリやフレームワークのみをインストールすれば、開発環境がシンプル化します。

変数の型を指定しないのでデータ型が分からない

Pythonは動的型付け言語であり、変数の型を指定しないのが特徴です。型を指定しないのでどのデータ型になるのか実行前に分からず、予期しないエラーが発生する可能性があります。また、他人のコードを読む際もどのデータ型が参照されているか分からず、理解に苦労します。

解決法:型チェックを行う

型チェックツールを使うことで、型ヒントに合致しない値を代入するとエラーを表示することができ、予期しない不具合をなくすことができます。Pyright、mypyなどが有名な型チェックツールとして挙げられます。

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Pythonを学ぶポイント

ここでは、Pythonを学ぶポイントを解説します。Pythonを学ぶポイントとおすすめサービスについて以下の表にまとめました。

学習ポイント おすすめサービス
他人のコードを数多く読む
オンラインの学習サイトを活用する
Pythonのコミュニティサイトを活用する ・有志の方が立ち上げているコミュニティサイト

関連記事:Pythonエンジニアの仕事内容|必要なスキル・学習方法も解説

他人のコードを多く読む

他人のコードを多く読むことで、Pythonの独特なルールを理解できます。Python公式ドキュメントには、文法ごとに分かりやすい解説とサンプルコードが書かれているので欠かせません

また、非公式の無料サイトにも、多くの優れたサンプルコードが掲載されています。サンプルコードを読むのに加えて、コードに手を加えて実行結果がどのように変わるか確かめてみるのも効果的な学習方法です。

オンラインの学習サイトを活用する

Progateやドットインストールなどの学習サイトの教材は、イラストや図が多く使われていて初心者にも分かりやすく、練習問題も多く掲載されています。また、学習サイトは通勤時間や昼休みなどの空き時間に勉強するのにも適しています。

Pythonのコミュニティサイトを活用する

Pythonのコミュニティに参加することで、分からない点を質問したり情報交換を行ったり、交流して学習モチベーションを高めたりすることができます。有志の方が立ち上げたコミュニティが多くあるので、自分にとって居心地が良い場所を探してみることをおすすめします。

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Pythonに将来性がある理由

どの言語を学ぶか迷っているときは、将来性についても把握しておくと良いでしょう。IT業界は技術進化が激しく将来が確約されたものではないとはいえ、少しでも将来性があったほうがキャリアパスを描きやすくなります。プログラム言語の中でも、Pythonは将来性があるといわれる言語です。ここでは、将来性がある理由を紹介します。

関連記事:Pythonの将来性|メリットやJava・Rubyとの比較も解説

言語ランキング1位を獲得した実績がある

検索エンジンのヒット数などからプログラミング言語の人気度・注目度をランキング付けしたTIOBE Index for June 2024では、Pythonが2023・2024年に1位を獲得しています。このランキングが全てではありませんが、2024年7月時点でPythonは人気があることが分かります。

ソースコードの可読性に優れている

Pythonはインデントルールが設けられており、ソースコードが美しく可読性に優れています。また、豊富なライブラリが存在するため、自分で複雑な処理を記述する必要がなく、ソースコードをシンプル化することが可能です。可読性の高さは、開発スピードの向上やバグの減少に繋がります。

AI・データ分析などの分野で活用できる

AI市場は今後も成長を続ける可能性が高いです。総務省の令和5年版情報通信白書によると、日本のAIシステム市場規模(支出額)は、2027年には1兆1,034億7,700万円まで拡大すると予測されています。Pythonには機械学習ライブラリが豊富に存在するため、AI・データ分析の分野で活用しやすい点も特徴です。

求人数が豊富

レバテックキャリアは2024年6月11日現在、Python関連の募集中求人を1,456件保有しています。Pythonは言語ランキング1位を獲得しているだけでなく、実際に業務で使っている企業が多いことが分かります。このことからもPythonの将来性がうかがえます。

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Pythonスキル習得後にWebエンジニアに転職する方法

Pythonを習得することで、Webエンジニアに転職する道が開かれます。しかし単にPythonを習得するだけでは、転職活動で苦戦することもあるでしょう。そこで、Pythonを習得後、Webエンジニアに転職する方法やポイントについて解説します。ここで解説する転職のポイントをおさえて転職活動に臨みましょう。

自分のスキルセットを整理する

まずWebエンジニアに必要なスキルについて、どのスキルが不足しているかを理解することが大切です。スキルセットを整理することで、面接でアピールすべき事項やポートフォリオに記載すべき内容を考えられます。Webエンジニアに求められることが多いスキルについて表にまとめたので、こちらも参考にしてください。

必要なスキル 概要
HTML・CSS HTML・CSSでWebページを作成できる
JavaScript JavaScriptの基本文法やDOM操作、イベント処理などを理解できる
データベース MySQL、PostgreSQL、SQLiteなどのデータベース管理システムで、
データベースの操作が行える
クラウドサービス AWS 、Azure、GCPなどのサービスを使いこなし、インフラの管理ができる
バージョン管理 Gitの基本コマンドを理解し、プログラムファイルのバージョン管理できる

ポートフォリオを作成する

ポートフォリオを提出することで自分のスキルレベルや学習意欲をアピールすることができ、選考通過率を高められます。ポートフォリオの形式は特に定められていませんが、エンジニア職の場合は次のような事項を記載することが多いです。

記載する事項 具体例
自己紹介 ・氏名
・学歴/経歴
・取得言語/スキル
・SNSアカウント
過去の実績 ・所属したプロジェクト
・受賞経験
・登壇経験
自主制作物 ・制作したWebアプリのURL
・GitHubのソースコードURL
保有資格 ・基本情報技術者試験などの国家資格
・オラクルマスターなどのベンダー資格

転職エージェントを活用する

IT・Web業界に特化した転職エージェントに登録することで、転職成功率を高められます。レバテックキャリアにはWeb業界に精通したアドバイザーが多く在籍しており、専門家の視点でPythonスキルや過去の経験を活かせる案件を探してくれます。また、ポートフォリオの添削や面接練習も行ってくれるため、選考通過率をアップさせることが可能です。

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この記事の監修

レバテックキャリア編集部

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