Node.jsとは?メリット・デメリットやできることを解説

最終更新日:2023年10月24日

Node.jsを習得し、フロントエンドだけではなくサーバサイド開発でも活躍できるエンジニアになりたいと思っている方も多いのではないでしょうか。新しい技術を習得する際は、その技術のメリット・デメリットを把握することが重要です。本記事では、Node.jsのメリット・デメリットや学習方法、将来性などについてまとめました。Node.jsの概要を理解し、習得すべきかの判断に役立ててください。

この記事のまとめ

  • Node.jsは、JavaScriptをサーバでも動かせるオープンソースの実行環境
  • Node.jsには、開発で使う言語をJavaScriptに統一できたり、C10K問題を解決できたりと、さまざまなメリットがある
  • PHPやPythonなど他のサーバサイド言語と比べると普及率は低いものの、Node.jsの需要はしばらく続くと予想される

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Node.jsとは

Node.jsは、オープンソースのJavaScript実行環境です。実行環境とは一般的に、プログラムを動かすのに必要なソフトウェアをまとめたものを指します。Node.jsをサーバにインストールすることで、JavaScriptをサーバで実行できます。

JavaScriptをWebブラウザで動かせるのは、あらかじめブラウザにJavaScript実行環境が内蔵されているためです。サーバには内蔵されていないため、開発者が個別にインストールする必要があります。

そもそもJavaScriptとは

JavaScriptは、Webアプリ開発におけるフロントエンドで主に使われているプログラミング言語です。演算などの基本的な処理ができるほか、WebページのHTMLを変更することで、表示内容の変更が可能です。たとえば、ユーザーがボタンをクリックしたらフォームを表示したり、アニメーションやスライドショーを作成したりすることができます。

JavaScriptには、多くのフレームワーク・ライブラリが存在します。文法がわかりやすく初心者でも比較的習得しやすいことや、フロントエンド分野においていて他に導入候補となる言語が少ないことから、JavaScriptは安定した人気を誇っています。

関連記事:JavaScriptとは?基本や特徴を初心者にもわかりやすく解説

Node.jsはプログラミング言語ではない

Node.jsはJavaScriptとは異なり、プログラミング言語ではありません。公式サイトには、JavaScript実行環境と記載されています。また、Node.jsを使う場合でも、JavaScriptの文法はフロントエンド開発時と基本的には同じです。

Node.jsでできることとは

続いて、Node.jsで開発できるものについて解説します。Node.jsを導入すると、JavaScriptの活躍の場を広げることができます。以下で紹介する開発に参入したい方は、Node.jsの習得を検討してみるとよいでしょう。

Webアプリ開発

Node.jsはWebアプリ開発で多く使われています。Node.jsをサーバにインストールすれば、JavaScriptでフロントエンドだけではなくサーバサイド開発も可能です。サーバサイド開発では、データベースと連携してデータの取得・更新を行ったり、ブラウザに表示するデータの整形を行ったりしています。

スマホアプリ開発

スマホアプリ開発でもNode.jsが活用されています。Node.jsはクロスプラットフォームであり、WindowsやMacだけではなくAndroidやiOSでも動かせるためです。スマホの普及率の増加に伴い、スマホにインストールして使うゲームやツールの開発需要も高まっています。また、Node.jsはスマホアプリに必要となるリアルタイムな処理も得意としており、アプリの品質向上に役立ちます。

IoT関連の開発

IoT家電とは、インターネットに接続された家電製品のことです。ネットから得た情報をもとに動作を行ったり、スマホからの操作命令を受信したりできます。

Node.jsでIoT家電そのものを作るわけではなく、家電から取得したデータを処理するシステムを開発します。家電の制御を行うプログラムは、C言語などによって作られることが多いです。

Node.jsのメリット

Node.jsを導入するメリットについて解説します。

サーバサイドでもJavaScriptを使える

通常、サーバサイド開発を行う場合、PHPやPythonなどの言語を使えるエンジニアを雇わなければなりません。Node.jsを導入すれば、サーバでもJavaScriptを使えるため、プログラマの人件費を減らすことが可能です。また、言語を統一したほうがプログラムの管理もしやすくなり、作業の効率化につながるでしょう。

クロスプラットフォーム

クロスプラットフォームに対応している点もNode.jsのメリットです。クロスプラットフォームとは、異なるプラットフォーム上でも同じようにプログラムを動かせることです。Node.jsを使えば、AndroidでもiOSでも同じようにプログラムを動かせます。プラットフォームごとにプログラムを構築する必要がないため、開発工数を削減できます。

C10K問題(クライアント1万台問題)を解決できる

Node.jsを導入することで、C10K問題を解決できる可能性があります。C10K問題とは、クライアントの同時接続数がある程度まで増えると、サーバ自体に問題がないにも関わらず、サーバ性能が劣化(レスポンス速度が低下するなど)することです。

Node.jsには、このC10K問題を解決できる機能が備わっています。シングルスレッドで動作するため、クライアントの数が増えても性能が劣化する心配がありません。なおかつ、非同期処理を行えるため、シングルスレッドでも効率的に処理することが可能です。

TypeScriptでも使える

Node.jsの導入により、TypeScriptもサーバで動かせるようになります。TypeScriptとは、JavaScriptにいくつかの機能を追加して作られたプログラミング言語です。JavaScriptと互換性を持ち、大規模なWeb開発で多く使われています。

Node.jsのデメリット

一方で、Node.jsには以下のようなデメリットもあります。デメリットも事前にしっかりと把握したうえで、習得するべきかどうかを判断しましょう。

Node.jsに対応していないサーバがある

サーバのなかには、Node.jsに対応していないものもあります。対応していない場合、仮想環境を構築してからNode.jsを導入する作業が必要です。つまり、Node.js開発を行う際には、VPSなどの仮想環境に関する知識を求められることがあります。

フロントエンドのプログラムをそのまま使えるわけではない

フロントエンド開発用に書かれたJavaScriptコードをそのままコピーし、サーバサイド開発で流用できるわけではありません。Node.jsを使う場合でもJavaScriptの文法は変わりませんが、サーバサイドならではの処理を追加する必要があります。とはいえ、フロントエンド開発で得た知識はサーバサイドでも活用できます。

Node.jsの学習方法

続いて、Node.jsの学習方法について解説します。

オンライン学習サービスを使う

自分のペースでNode.jsの基礎を効率よく学習したい方には、オンライン学習サービスがおすすめです。Progateドットインストールなどのオンライン学習サービスでは、Node.jsの教材も用意されています。ただし、教材の多くはJavaScriptのスキルがあることを前提とした内容になっているため、先にJavaScriptの文法や使い方の習得が必要です。JavaScriptの基礎に関しても、同じくオンライン学習サービスで学べます。

参考書を購入する

参考書では、基礎から応用までを体系的に学べるため、実務レベルまでNode.jsのスキルを高めることが可能です。また、初心者向けにNode.jsのインストール方法をわかりやすく解説しているものや、Node.jsのフレームワークに関するもの、Webスクレイピングについて学べるものなど、さまざまな種類の参考書があるため、学習の目的に合わせて選択しましょう。

セミナー・勉強会で学ぶ

セミナー・勉強会でNode.jsを学ぶ方法もあります。セミナーでは、Node.jsやWebアプリ開発全般に関する最新情報を得られるほか、演習で実際に簡単なWebアプリなどを開発できることもあります。また、他のJavaScriptエンジニアと、ITスキルや転職についての情報交換を行える点もメリットです。

Node.jsの将来性

今後、Node.jsは実務でどの程度使われていくのでしょうか。JavaScriptやNode.jsの将来性について解説します。

JavaScript自体の需要

2023年9月5日時点、レバテックキャリアのJavaScript案件は4,618件あり、他言語と比べても案件数は多い傾向があります。また、2023年のTIOBE IndexのランキングにおいてJavaScriptは6位です。TIOBE Indexは、検索エンジンの検索数などの数値から言語の人気度をランキング形式で発表したものです。これらのデータから、JavaScriptは数あるプログラミング言語の中でも人気が高く、今後も需要が続くと予想されます。できます。汎用性が高いことや、フロントエンドの分野でシェアを独占していることが人気の理由といえるでしょう。

関連記事:JavaScriptの将来性とは?需要状況を解説

Node.jsの需要

2023年9月5日時点で、レバテックキャリアのNode.js案件は1,440件です。サーバサイド言語であるPHPは4,269件、Pythonは4,444件の案件があり、Node.jsの案件数は比較的少ないことがわかります。しかし、Node.jsはプログラミング言語ではなく実行環境であるため、Node.jsの人気がないと断定はできません。むしろ2009年にリリースされた新しい実行環境にしては、案件数は多いといえます。

Node.jsの将来性について

JavaScript自体の人気が非常に高いこと、Node.jsもそれなりの案件数があることを考えれば、Node.jsの需要もしばらく続くと予想できます。サーバでJavaScriptを使えるようにできることや、非同期処理とシングルスレッドの組み合わせによってC10K問題を解決できるメリットは大きいです。

ただし、JavaScript+Node.jsだけで全ての案件に対応できるわけはなく、サーバサイド分野でも活躍したい場合、PHPやPythonなど他言語にもある程度詳しくなる必要はあると言えます。

Node.jsを学ぶのをおすすめできる人

最後に、ここまで解説したことを踏まえ、Node.jsの習得はどのようなタイプのエンジニアに向いているのかを考察します。

JavaScriptでのフロントエンド開発ができる人

JavaScript+Node.jsでサーバサイド開発を行うためには、すでにJavaScriptでのフロントエンド開発の基礎知識が身についている必要があります。初心者向けのJavaScript+Node.jsの参考書は少なく、サーバサイド開発から学ぶのは難しいためです。

サーバサイド開発の基礎を習得している人

サーバサイド開発の基礎を習得している人は、Node.jsの学習をスムーズに進められます。反対に、Node.jsを習得しても、データベースとの連携やデータの加工方法、ブラウザとの通信方法などの知識がなければ、使いこなすことはできません。Node.jsでのサーバサイド開発に携わりたい人は、まずサーバサイド開発のスキルを身につけましょう。

サーバサイド開発に必要なスキルに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:サーバーサイドエンジニアに必要なスキルは?資格や勉強方法まで解説

Web業界でのフルスタックエンジニアを目指す人

Node.jsは、フルスタックエンジニアを目指す人におすすめです。フルスタックエンジニアとは、Web開発において幅広い領域を担当できるエンジニアを指します。Node.jsを習得すれば、フロントエンドとサーバサイドの両方に携われるでしょう。

ただし、Node.jsを使わない案件も多いため、PHPやPythonなども習得しておくことが推奨されます。また、ネットワークやサーバなどのインフラ関連の知識も求められる場合があります。

フルスタックエンジニアに求められるスキルに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:フルスタックエンジニアのロードマップを初級~上級に分けて解説

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