セキュリティエンジニアの将来性は?やめとけといわれる理由も解説

最終更新日:2024年8月23日

セキュリティエンジニアとは、情報セキュリティインシデントやサイバー攻撃から企業や政府、自治体などの情報資産を守る職種です。

企業の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」に「情報」が加えられ、情報は守るべき価値あるリソースとして認識されています。社会へのITの浸透につれ、機密情報や個人情報の取り扱いは活発化している状況です。このような背景からも情報セキュリティ対策の重要性は増し、セキュリティエンジニアの活躍の場は拡大しています。

この記事では、セキュリティエンジニアへのキャリアチェンジを検討するエンジニアに向けて、セキュリティエンジニアの需要や将来性、仕事内容、年収を紹介します。

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この記事のまとめ

  • セキュリティエンジニアは企業のセキュリティ対策を行うエンジニアで、セキュリティが重要な現代において需要が高い
  • セキュリティの重要度は今後も増加する可能性が高く、それに伴いセキュリティエンジニアの需要も増加が見込まれる
  • セキュリティエンジニアはやめとけと言われることもあるが、好奇心や責任感のある人にとってはやりがいのある仕事
  • セキュリティエンジニアのキャリアパスでは、セキュリティアナリスト、セキュリティアーキテクト、セキュリティコンサルタント、セキュリティマネジメント担当者など
  • セキュリティエンジニアに必要な知識やスキルは独学でも習得可能であり、実際に手を動かして理解を深めることが重要

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セキュリティエンジニアとは

セキュリティエンジニアとは、企業や組織の情報資産であるネットワークやシステム、デジタルデータなどをサイバー攻撃から守るエンジニアです。

ITシステムやインフラにおけるセキュリティ診断やセキュリティ強化のための提案、企画、実装までを担当します。また対策を施した後にトラブルが生じた場合の対処や、トラブルがなくても定期的なチェックや運用保守を担当する場合もあります。他にも組織のセキュリティルールの策定、セキュリティに関する教育なども担当することも珍しくありません。

関連記事:セキュリティエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事は、企業や組織のIT活用のあらゆるシーンでセキュリティを確保することです。その業務内容は非常に幅広く、対象範囲は所属組織によっても異なります。

代表的なフェーズごとの業務としては下記が挙げられます。

・企画・提案
セキュリティ診断、セキュリティ対策の企画・提案、セキュリティ機器の導入提案、セキュリティ対策の実施提案

・設計
システム開発やインフラ構築プロジェクトの設計におけるセキュリティ設計

・実装
セキュリティ機器やソフトウェアの導入・設定、セキュアプログラミングの実施

・テスト
ITシステムやインフラに対するテストの実施、ペネトレーションテスト

・運用・保守
システムやインフラのセキュリティ監視、セキュリティトラブル発生時の被害拡大防止・対処

ほかのエンジニアとの違い

エンジニアの種類は細分化すると数多いですが、大きくわけるとソフトウェア側とインフラ側に分かれます。組み込みエンジニアのように特殊なシステムを扱う場合もありますが、基本的にはソフトウェアを扱うエンジニアと、インフラを扱うエンジニアの二種類です。

しかし、セキュリティエンジニアはソフトウェア側とインフラ側の両方の領域に携わることがあります。セキュリティ対策には、インフラ側での対処とソフトウェア側での対処が存在するためです。また、インフラとソフトウェア両方を合わせてシステムを稼働させるため、総合的な試験なども行います。

セキュリティエンジニアとほかエンジニア職種の違いは、セキュリティエンジニアはセキュリティに特化している点です。ほかのエンジニア職種は取り扱う技術領域が定まっていますが、セキュリティエンジニアはセキュリティ上の課題があれば、インフラ、ソフトウェアのいずれの領域でも業務の対象となります。

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セキュリティエンジニアの将来性が高い理由

セキュリティの重要性は年々増しています。ITシステムなどで扱われる情報資産の価値が向上していることがその大きな要因です。したがって、高度IT社会においてセキュリティエンジニアの仕事がなくなる可能性はまずないでしょう。

企業にとってセキュリティ対策は必須なので、セキュリティエンジニアの確保も必須ということになります。セキュリティエンジニアの将来性は確実と言っても過言ではないでしょう。

手口が巧妙・複雑化するインシデント

1990年代後半からインターネットの普及は加速し、ITは企業や個人にとってなくてはならない技術となりました。その普及と同時に、情報セキュリティに関する事件も珍しくなくなりました。ITの利用者のリテラシーの向上や対策情報の拡散により、各種のサイバー犯罪は年々手口が巧妙化し、インシデントの発生件数も微増傾向が続いています。

IPAの「情報セキュリティ白書2024」によると、2023年度のフィッシング報告件数は126万513件で、2022年度(96万1,595件)から31.1%増加しました。また、2023年に漏えいした個人情報は4,090万8,718人分であり、前年比690.2%と大幅に増え、最多を更新しています。

ランサムウェアによる被害件数は197件で前年比14.3%減でしたが、これ以外にもノーウェアランサムと呼ばれる新たな手口が30件確認されており、以前として脅威の一つです。

IT化の促進と情報セキュリティ人材の不足

IPAの発表した「DX動向2024」によると、アンケートに回答した企業は2023年度DXを推進する人材の「量」「質」の不足は前年と比較してさらに深刻度合いを増しています。「やや不足している」「大幅に不足している」と回答した企業の割合は、「量」で85.7%、「質」で85.5%に達しました。

また、最も不足している人材(人材類型別)では「サイバーセキュリティ」分野が14.0%となっており、セキュリティ人材に対する高い需要を見て取ることができます。セキュリティ人材の中でも重要な役割を担うセキュリティエンジニアは、特に需要が高く、希少価値の高い職種といえるでしょう。

活躍の場が幅広い

民間企業も公的機関も、システムを活用するのであればセキュリティは必須です。今の時代セキュリティ事故が発生すると信頼を一気に失い、活動が困難になる可能性が高いです。特に十分なセキュリティ対策を行わずにセキュリティ事故を起こした場合、信頼を失うだけでなく損害を賠償しなければならない可能性もあります。

セキュリティへの対策は広く経営課題と認識されており、十分なセキュリティ対策を行うためにはセキュリティエンジニアの力が必要です。この事情は業界や業種を問わないため、セキュリティエンジニアの活躍の場は幅広いといえます。

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「セキュリティエンジニアになるのはやめとけ」といわれる理由

セキュリティエンジニアは将来性のある職種ですが、やめとけと言われることもあります。セキュリティエンジニアとなることを検討している場合には、その理由が気になるところです。

概して「セキュリティエンジニアになるのはやめとけ」といわれる理由は、セキュリティエンジニアの重要性と技術的な特性によるものです。セキュリティエンジニアの将来性の高さとも裏表の関係であり、やりがいや高収入とも密接な関係があります。

代表的な理由には下記が挙げられます。以下では、個別に詳細を説明します。

  • ・責任が重くプレッシャーがある

    ・対応はスピーディーさを求められる

    ・激務になる場合がある

    ・継続的に学ぶ必要がある

責任が重くプレッシャーがある

セキュリティエンジニアは他のエンジニアと比べ、より責任が重くプレッシャーがあります。

情報漏洩などのインシデントの発生は企業の信頼を大幅に落とし、そのリスクは企業を倒産などに追い込む可能性も高いです。つまりセキュリティエンジニアの仕事は企業の存続に影響し、ミスがあると大惨事を招く可能性があります

対応はスピーディーさを求められる

サイバー攻撃を仕掛けてくる相手は、こちらがセキュリティ対策を施すのを待ってはくれません。むしろ、こちらが準備しきれていない隙を狙ってきます。

サイバー攻撃は日々進化しているため、セキュリティ対策も日々新しい要素を取り入れていく必要があります。特に新しいサイバー攻撃が出てきたときは、スピーディーに新しいセキュリティ対策を施すことが必須です。

激務になる場合がある

セキュリティ上のトラブルが発生した場合や、重大な問題が見つかった場合、セキュリティエンジニアは対応が終わるまで業務を離れられません。問題解決を後回しにすると被害が拡大するためです。

問題が起こらなければ通常稼働ですが、上記のような際には激務になる可能性が高いでしょう。

継続的に学ぶ必要がある

サイバー攻撃が進化していく以上、それに対処するために新たなセキュリティ対策を学ぶ必要があります。基礎を身に付ければ新たな技術も上乗せになりますが、情報をアップデートしていくことは必須です。

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セキュリティエンジニアの活躍分野

業種や業界に関わらず、企業にとってIT化、デジタル化の推進とDXの実現は重要な課題です。そんなIT技術の利用において、必ず対応しなければならないのがセキュリティ対策であり、セキュリティエンジニアが不要な企業はないともいえる状況です。その中でも、特に活躍が見込まれる分野について記載します。

ITサービス・ソフトウェア

ITサービス・ソフトウェア業界においては、情報システムやソフトウェア、アプリケーションの設計、構築に向けたセキュリティ観点の対策が必須となるため、セキュリティエンジニアは重要視される職種です。

また、セキュリティソフトウェアの開発においてもセキュリティエンジニアが必要となります。さらには、顧客に対するコンサルティング、ソリューションの提案といった上流工程でもセキュリティエンジニアによるセキュリティマネジメントが活かされます。

ECサイト(小売・販売)

ECサイトにてBtoCのチャネルを利用している場合は、電子商取引におけるセキュリティが重要な課題です。電子マネーや各種のキャッシュレスなどの適用、顧客個人情報の保護といったシーンでセキュリティエンジニアの活躍が見込まれます。

メーカー(家電・機械)

家電、機械メーカーにもセキュリティエンジニアの活躍の場はあります。

今後、家電や機械がインターネットに接続されて利用されるIoT技術のさらなる普及が見込まれています。利便性を高め、新たな価値を製品に付与する技術として期待されていますが、常時インターネットに接続されているということは、サイバー犯罪の脅威にさらされ続けているということでもあります。このため、セキュリティエンジニアによるセキュリティ対策が必要とされます。

フィンテック(金融)

金融や銀行、保険業などのフィンテック関連でも、セキュリティエンジニアの活躍シーンが見込めます。フィンテックでは個人や企業の機密性の高い情報をインターネット経由で扱うため、セキュリティ面が重要視されているのです。クレジットカード関連の企業などもセキュリティエンジニアの活躍先となります。

官公庁、一般企業

官公庁や一般企業においても個人情報やビジネス上の機密情報の取り扱いがあれば、今後、セキュリティ対策がより重要な意味を持ちます。ビジネス上の機密情報の取り扱いのための仕組みづくり、社員の情報セキュリティ能力の向上などの情報セキュリティマネジメントができる人材が活躍する場の一つです。

さらには、新型コロナウイルスの流行が契機となりテレワーク環境の重要性が向上しました。テレワークも含めた環境を構築、管理できるセキュリティ人材は重要性を増しています。

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未経験でセキュリティエンジニアになるには

エンジニア未経験からセキュリティエンジニアになることはハードルは高いものの不可能ではありません。

日本の企業のセキュリティエンジニアは外資系のセキュリティエンジニアよりも給与が低い傾向にあります。しかし、外資系のセキュリティエンジニアでは入社時に高いスキルが求められるのに対し、日本の企業のセキュリティエンジニアは入社後の成長を見込んで採用するケースが存在するためです。

ただし、日本企業のセキュリティエンジニア全てがポテンシャルを見込んだ採用をしているわけではありません。また、競合の転職希望者もいるため狭き門となるでしょう。

したがって、未経験からセキュリティエンジニアへの転職を目指す場合にも知識とスキルの習得は重要です。他のエンジニア職種での経験を積んでおくことや関係する資格の取得なども有効な手段といえます。

セキュリティエンジニアの求人・転職情報>

関連記事:セキュリティエンジニアになるには?必要なスキルや知識も紹介

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セキュリティエンジニアに必要な知識やスキル

セキュリティエンジニアにはセキュリティ技術に対する知識、活用スキルが必須です。ソフトウェア、インフラの両方の領域について広く知見が求められます。

また、情報セキュリティマネジメント技法、分析によって、企業や組織のセキュリティ体制の構築、構成する人員のセキュリティスキルを向上させる能力も必要となります。

セキュリティ技術に関する知識・スキル

セキュリティエンジニアは脆弱性の発見や攻撃を想定して対策を講じる必要があります。そのためにはシステムを安全に運用するための知識が求められます。攻撃の監視や通報システムにはセキュリティエンジニア自身が開発に関わる場合もあるためプログラミングのスキルも必要です。

情報セキュリティマネジメントに関する知識・スキル

情報セキュリティマネジメントとは、セキュリティを導入したシステム環境を適切に運営していくためのマネジメントです。マネジメント対象は、システムとそれを利用する人間です。企業にセキュリティを導入した場合、運用ルールを作り、ルールを守るための教育などを行います。

インフラの設計に関する知識・スキル

ネットワークやOSなどのインフラについての知識やスキルも、セキュリティエンジニアの必須スキルの一つです。インフラは外部との窓口となりサイバー攻撃にさらされる機会が多いことから、セキュリティ上も重要なポイントです。

インフラ上のセキュリティ対策には、ハードウェアとソフトウェアの両方が存在しています。セキュリティエンジニアは、これらを組み合わせて強固なセキュリティを築くことが重要な責務の一つです。

暗号化に関する知識・スキル

通信時のセキュリティを高めるためには、暗号化技術が必須です。データを変換して送信し、受信側は暗号を解除してデータを読む仕組みになっています。当然データの流出は避ける必要がありますが、暗号化することで通信時に万が一流出しても情報を守ることが可能です。

認証技術に関する知識・スキル

認証技術は現状進歩している分野です。認証方法の種類も増加中で、セキュリティエンジニアは認証技術についても知見が求められます。

具体的な認証技術としては「パスワード認証」「生体認証」「CAPTCHA認証」、これらを組み合わせた「多要素認証」が挙げられます。生体認証では顔、指紋、網膜など、パスワード認証におけるワンタイムパスワードなどバリエーション豊富です。システムによって導入している認証技術が異なるので、幅広く対応できると活躍の場は広がるでしょう。

プログラミングスキル

セキュリティエンジニアはシステムの開発に携わることがあります。開発にはプログラミングが必須になるため、プログラミングの知識やスキルを理解するための専門用語の理解も必要となります。

単にアプリケーションの開発ができるというレベルではなく、アプリケーション上の脆弱性が発生するポイントを知り、その対処を行うセキュアプログラミングがセキュリティエンジニアにとっては重要です。

関連記事:セキュリティエンジニアに求められるプログラミングスキルとは

論理的思考力

セキュリティエンジニアは各種の技術的な知識に加え、論理的な思考力も求められるシーンがあります。システム上でセキュリティに関するインシデントや障害などが発生した際には、システムの構成から原因を特定する必要があり、論理的に筋道立てて作業手順を考えることが求められます。

コミュニケーション能力

システムやインフラの設計や開発においては、プロジェクトチームを組んで作業を分担して取り組むことが一般的です。プロジェクトメンバーや顧客と打ち合わせを行う機会は頻繁にあり、特にセキュリティに関する意思疎通は大切です。

セキュリティの対策や対処では現場レベルでの協力が必要なケースもあり、ITリテラシーが高くない相手にも共通認識を持てるコミュニケーションスキルが求められます。

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セキュリティエンジニアのスキルや知識を証明できる資格

セキュリティエンジニアとしての知識を証明するために、資格の取得は有効です。

セキュリティに関する資格には、エンジニア向けやセキュリティマネジメント担当者向け、特定の技術領域に特化したものなど多くの種類が存在しています。難易度についてもそれぞれ異なるため、資格の取得を検討する場合には、自身のスキルレベルに合わせてターゲットを決めましょう。

情報処理安全確保支援士試験

経済産業省の認定するセキュリティ領域での技術者向け資格として「情報処理安全確保支援士」の登録制度が存在します。

情報処理安全確保支援士となるには、情報処理技術者試験と同様に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によって運営される情報処理安全確保支援士試験に合格する必要があります。情報システムのセキュリティ対策と情報セキュリティマネジメントのスキルを示せる資格となっているため、セキュリティエンジニアにとって有用です。

情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験はIPAが試験運営し、経済産業省が認定する国家資格「情報技術者試験」の一区分です。応用情報技術者試験の上位資格であるスペシャリスト資格の一種になります。

セキュリティに特化した資格ですが、エンジニア向けではなく情報システムの利用部門での管理者向けの資格となっています。セキュリティエンジニアの場合には、セキュリティマネジメントを支援する立場として取得していると良いでしょう。

CISM

CISMは公認情報セキュリティマネージャーの略で、情報セキュリティマネジメントの知識と経験を認定する国際資格です。

資格の受験要件として、情報セキュリティ業務5年以上、マネジメント業務3年以上となっています。受験要件が比較的厳しめなので、資格を取得することでスキルと同時に経験値のアピールにもつながります。

シスコ技術者認定

ネットワーク機器のメーカーであるシスコシステムズが主催しているシスコ技術者認定はシスコ製ネットワーク機器の操作やネットワークに関する一般的な知識やスキルを証明することのできる資格です。

初級者向けの「CyberOps Associate」からエキスパートレベルの「CCIE Security」まで4つのレベルに分かれています。

関連記事:セキュリティエンジニアになるための効果的な勉強方法

CompTIA Security+

CompTIA Security+は、ベンダーニュートラルで、業務上必要とされるセキュリティスキルが網羅された認定資格です。国際資格なので、日本国内だけでなく世界的に評価されています。

試験分野は下記となっています。

  • ・攻撃、 脅威、 脆弱性

    ・アーキテクチャと設計

    ・実装

    ・運用とインシデントレスポンス

    ・ガバナンス、 リスク、 コンプライアンス

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セキュリティエンジニアに向いている人の特徴

セキュリティエンジニアに向いている人の特徴は複数あります。そしてこれらの特徴が組み合わさって初めてセキュリティエンジニアに向いていると言えるでしょう。

特に重要なポイントは、好奇心旺盛で新しいことにも積極的に取り組むことと、責任感や忍耐力といった異なる要素が求められることです。好奇心旺盛なだけでも、根気強く同じことを繰り返すだけでも適正としては足りないということです。具体的な適正要素としては以下が挙げられます。

・好奇心旺盛で学習意欲が高い
・責任感がある
・試行錯誤を繰り返す忍耐力がある

好奇心旺盛で学習意欲が高い

セキュリティは日々進化しているため、セキュリティエンジニアは学習し続ける必要があります。義務感や責任感で学習を続けることも可能かもしれませんが、好奇心で楽しみながら学習している人とはどうしても差が出てくるでしょう。そのため、セキュリティに対して好奇心を持てる人はより適性があると言えます

責任感がある

企業にとってセキュリティが非常に重要ということは説明するまでもないかもしれません。そのため、セキュリティエンジニアとしての責任感を持って業務に取り組む必要があります。

ただし、責任に押しつぶされて働けなくなったりパフォーマンスが落ちてしまっては本末転倒です。責任感を業務のクオリティに向けられるとより適性があると言えるでしょう。

試行錯誤を繰り返す忍耐力がある

セキュリティ対策にはある程度決まった方法がありますが、個々のセキュリティ対策は企業システムに合わせる必要があります。毎回対象とするシステムが変わることになるので、そのたびに試行錯誤が必要です。試行錯誤の過程では繰り返し作業が発生するので、忍耐力のある人に向いています

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セキュリティエンジニアと他職種の平均年収の比較

2024年8月16日時点でレバテックキャリアに掲載されている募集中の求人から、各職種ごとに30件を抽出し、エンジニア職種ごとの年収の最低額と最高額の中間値の平均をとり、平均年収を算出しました。セキュリティエンジニアと類似職種の平均年収は以下のようになっています。

職種 平均年収
セキュリティエンジニア 約702万円
サーバーエンジニア 約612万円
ネットワークエンジニア 約602万円
組込・制御エンジニア 約572万円
アプリケーションエンジニア 約638万円
サーバーサイドエンジニア 約716万円
フロントエンドエンジニア 約743万円
テストエンジニア 約607万円
QAエンジニア 約689万円
ヘルプデスク 約498万円

他のエンジニア職種とセキュリティエンジニアを比較すると、セキュリティエンジニアは比較的平均年収が高めです。技術的な難易度の高さからセキュリティエンジニアの評価が高いとみることができそうです。

関連記事:セキュリティエンジニアが年収1000万円を目指すには?想定年収や将来性も紹介

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セキュリティエンジニアのキャリアパス

セキュリティエンジニアから目指せるキャリアパスは複数あります。

基本的にはセキュリティの知識、スキルを活かしたキャリアパスが多く、今後も新たな職種が登場することも考えられます。実際に自ら手を動かすタイプの職種もあれば、知識を活かしてコミュニケーション業務をメインにする職種もあるため、セキュリティエンジニアとしての知見を活かしつつ自分のスキルや適性と見合ったキャリアパスを選択することが可能です。

関連記事:セキュリティエンジニアのキャリアパス - 同分野・異分野に分けて解説

セキュリティアナリスト

セキュリティアナリストは顧客のシステムを膨大なログなどを分析することによって監視し、インシデントやトラブル発生時にはその攻撃手法や攻撃元などの分析を行うことが主な業務です。セキュリティ技術に深い造詣を持ち、サイバー攻撃や不正アクセスへの対策を行った経験を活かして、有事には迅速な対応が求められる高度なセキュリティエンジニアといえる職種です。

セキュリティアーキテクト

セキュリティアーキテクトはシステム、ソフトウェア、アプリケーションの開発におけるセキュリティ面での基本方針の策定、設計を行うことが主たる業務です。サイバー攻撃に強く、脆弱性の少ないソフトウェア製品を作り上げるために、全体を通したセキュリティ品質を確保できるスキルが必要な職種です。

また、組織におけるセキュリティ対策の基本方針や体制づくり、経営戦略における情報セキュリティの指針などセキュリティを高める仕組みづくりなどのセキュリティマネジメントも、セキュリティアーキテクトの業務の対象となります。

ソフトウェア構築においても、セキュリティマネジメントにおいても、全体を通してのセキュリティへの方針を立てて、漏れなく適用し、隙の無い仕組みを作りあげるセキュリティエンジニアを統括するポジションです。

セキュリティコンサルタント

セキュリティコンサルタントはクライアントに対してセキュリティのヒアリングや提案を行う職種です。提案に際して、セキュリティ診断などの実施も業務範囲となりえます。セキュリティに関する知識、技術にくわえ、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルが必要になります。

実際に自分で手を動かしてセキュリティ対策を行うことは少ないものの、実務ができるレベルのスキルはあった方がより良いセキュリティコンサルタントになれるでしょう。

セキュリティマネジメント担当者

企業における情報システム部門担当者などのポジションで、セキュリティ面での組織の統率を図ることがセキュリティマネジメント担当者の業務となります。セキュリティ対策の調査、手順の展開、セキュリティに関する意識の浸透など、現場レベルでのセキュリティ向上策を実施します。

セキュリティエンジニアとしてのセキュリティ技術へのスキル、セキュリティマネジメントのスキル、現場とのコミュニケーション能力が必要となる職種です。

関連記事:
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セキュリティエンジニアに関するよくある質問

セキュリティエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。

セキュリティエンジニアは他のエンジニアと比較しても広範なスキル・知識が求められ、役割も他のエンジニアとは異なる点が多いです。具体的にどのような特徴があるのか、スキルは独学で習得可能なのか、といったことをあらかじめ把握しておくと良いでしょう。また労働環境や将来性についてもキャリアの検討では重要です。

Q1. セキュリティエンジニアに向いている人の特徴は?

セキュリティエンジニアに向いている人の特徴として、責任感や忍耐強さが挙げられます。

業務内容が企業の重要な情報を守ることであり、プレッシャーが常に存在します。一方で、地道な作業も多いため、責任感と忍耐強さが必要です。さらに、セキュリティについての関心が高く、継続的な技術習得ができると良いです。

Q2. セキュリティエンジニアに必要なスキルは独学で身につけられる?

セキュリティエンジニアに必要なスキルを独学で身に付けることは可能です。ネット上や書籍で情報が充実していて、なおかつ自分で環境を作ることもできるからです。知識習得だけでなく、自分で構築したサーバーにセキュリティ攻撃をしかけ、それに対する防衛策を作ってみる、といった実践的な勉強も可能です。

Q3. セキュリティエンジニアは激務ですか?

エンジニア全般が激務と言われることがありますが、セキュリティエンジニアに関してはタイミング次第といえます。

たとえば、セキュリティ対策を一新する作業時や、セキュリティ事故が起こってしまったようなときは激務になります。しかし、トラブルのないときには業務が安定するでしょう。

Q4. セキュリティエンジニアがなくなる可能性はありますか?

セキュリティエンジニアがなくなることはまずないでしょう。セキュリティエンジニア業務のAIによる代替も、AI化されたセキュリティ攻撃に対抗するのが難しいです。

セキュリティ対策へのAIの活用は進む可能性が高いですが、大枠の舵取りの部分に向けた全体設計を考えるスキルが今後より役立つと予測できます。

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まとめ

この記事では手口が巧妙化するサイバー犯罪と、それに対応する情報セキュリティ人材の不足からくるセキュリティエンジニアの需要および将来性の高さについて解説しました。

政府が推進している各産業のDX化においてはAIやデータサイエンスなどの先端技術が注目されやすいですが、DX化と情報セキュリティの強化は切っても切り離せない存在です。需要の高いエンジニアとしてのキャリアを歩みたいと考えている方は、ぜひセキュリティエンジニアも選択肢に入れることをおすすめします。

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