プロジェクトリーダー研修とは
プロジェクトリーダーはシステム開発プロジェクトにおいて、業務領域や技術領域などによって分けられるチームを束ねて、率いるポジションです。各チームの責任者ともいえるでしょう。
プロジェクトメンバーの場合は自分に割り当てられたタスクをやり遂げることが求められますが、プロジェクトリーダーはチームでの成果が求められ、職責もより大きくなります。
求められる成果の違いから、プロジェクトリーダーには開発者に必要とされるスキルに加えてさまざまなスキルが求められます。
その際に必要なスキルの習得・向上を図れるのがプロジェクトリーダー研修です。研修の内容に決まりはなく、サービスを提供している企業によって異なります。網羅的にスキルを習得したい、足りないスキルに特化した研修を受けたいなど、必要に応じて受講する内容を選べます。
新たにプロジェクトリーダーのポジションについた人やポテンシャルが発揮できていない人材が、最大限に活躍するために非常に有用な研修です。
プロジェクトリーダーが研修を受講するメリット
チームを率いるプロジェクトリーダーになるためには、さまざまなスキルを取得することが必要です。研修を受講することで得られるメリットを具体的に紹介するので、是非参考にしてください。
プロジェクトリーダーの役割が理解できる
プロジェクトリーダーとして仕事をする際には、プロジェクト全体のゴールと、自身および自分のチームの役割を意識して成果を出さなければなりません。プロジェクトメンバーとして自分に割り当てられた範囲で成果を出す立場から、プロジェクトリーダーとしてチームの成果に責任を持つ立場へ変わります。プロジェクトにおいてより大きな責任を負うため、意識を変えなければなりません。
プロジェクトのメンバーからプロジェクトリーダーになることは、エンジニアのキャリアパスのなかでも大きなステップにあたります。プロジェクトリーダー研修の受講は、プロジェクトリーダーの役割を理解し、指示を受ける側から指示する側へ意識を変化させるために役立ちます。
チームを牽引する実践力が身につく
プロジェクトリーダーの場合、完全にマネジメント業務に専念するわけではなく、開発者としての業務と並行しながらチームをまとめます。その際、開発領域においてもほかのエンジニアに先行し、積極的にチーム内で発生した課題の解決に努めることが求められます。プロジェクトリーダー研修は、高い技術力を持ちプロジェクト技法を熟知して実業務をこなすプロジェクトメンバーの手本となる振る舞いを身につける機会です。
コミュニケーションスキルを高められる
プロジェクトリーダーはチームをまとめる立場のため、チームメンバーとのコミュニケーション機会が増えます。また、チームを代表した立場として、クライアント、プロジェクトマネージャー、他チームとの交渉の席につくシーンもあります。
プロジェクトリーダー研修はさまざまなケースを想定した、コミュニケーションのシミュレーションを行える機会です。プロジェクトメンバーの立場では意識する必要がなかったレベルのコミュニケーションスキルを習得できるでしょう。
人材育成に必要な力が身につく
プロジェクトリーダーはチームを率いる立場として、チームメンバーや後進の教育を行うことも業務の一環です。人に教える、人を育てることについて考え、そのためのテクニックを学習する機会を持てます。
判断力・決断力が身につく
プロジェクトリーダーとなった場合、判断や決断における影響力が高まります。判断、決断の結果がチームメンバーの行動にも影響するためです。プロジェクトリーダー研修では、根拠に沿って適切で正確な判断をするための考え方についても学ぶことができます。
計画立案力が身につく
プロジェクトリーダーには、計画や目標を立案する力が必要です。チームが方向性を見失わず目標を達成するには、一貫性のある目標設定と現実的に実行可能な計画を立てることが大切だからです。チーム全員が理解し達成できる内容が求められるでしょう。研修では、個人ではなくチームで開発を行うための目標設定や計画立案のスキルを養うことができます。
分析力を伸ばせる
プロジェクトリーダーは、先を見通す力が必須です。チームが向かう先を見据えて消費者のニーズや業界のトレンド、世の中の情勢を的確に捉え察知する力が重要となります。また、情報を元にどのように分析をするか、そして活かすことができるか考えるスキルを伸ばすことができるでしょう。
プロジェクトリーダー研修の内容
プロジェクトリーダー研修は、主催する企業やターゲット職種、受講スタイルなどにより、プログラム内容が違います。実施方式もさまざまで、集合型・オンラインなど柔軟に選べます。グループワークが主体、座学ベースの研修など様式も異なります。
代表的な内容の例として、下記があげられます。
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・プロジェクトマネジメント基礎
・リーダーシップ研修
・スケジュール立案や課題解決などのプロジェクトを成功に導く行動の習得
・ステークホルダー別、フェーズ別のコミュニケーション
・周囲の力を引き出す巻き込み力
・自律的な課題設定と問題解決
最も必要とされるスキルや現在の弱点であるポイントを補完できる内容の研修を受け、スキルを補完して行くことが重要です。実際にどのような研修を受けるかは、企業・チームの方針や自分が高めていきたいスキル内容から決めると良いでしょう。
たとえば、SIerのエンジニアの場合は上流工程でチームを牽引するためのスキルについての研修内容、ソフトウェア開発者の場合はチームで起きた課題解決に向けた研修内容だと、現場で役立つスキルを身につけられるでしょう。
プロジェクトリーダーに求められるスキル
プロジェクトを率いるリーダーとして求められるスキルは技術的な領域とヒューマンスキル領域の両者が対象となります。知っておくことはこれから目指す上でとても重要になるでしょう。具体的に以下で説明するので、是非参考にしてみてください。
関連記事:プロジェクトリーダーに必要なスキルとは?資格や年収相場も紹介
担当領域に関する知識やスキル
プロジェクトリーダーはチーム内で発生した課題を解決するため、エンジニアとして高度な技術スキルが求められるシーンがあります。チームが担当する領域の知識・スキルを深め、メンバーを助けられるレベルが必要です。
指導力
プロジェクトリーダーはチームで成果をあげ、チーム全体やメンバーの評価をあげる役割も担っています。チームで成果を出すためには、チームメンバー全員が力を発揮することが近道です。このため、プロジェクトリーダーはチームメンバーが活躍できるよう指導するスキルも求められます。
指導にはコーチング、ティーチングなどの種類があり、必要に応じて使い分けます。
コーチングスキル
コーチングは相手に対し自発的な行動を促すコミュニケーション技術です。相手の持っている能力を引き出し自律的な行動ができるようにすることで、成果に繋げます。
プロジェクトリーダーにはメンバーにコーチングを行い、活躍と成長を促すコーチングスキルも必要となります。
ティーチングスキル
ティーチングは相手に知識やノウハウを伝える指導方法です。たとえば、業務手順は自主性を促すよりも、理解度を深められるようにしたりやり方を教えたりすることが先決です。このように、情報を相手が理解できるように伝えるティーチングスキルも指導力には含まれます。
ティーチングで情報を伝え、コーチングで引き出した能力や自律的な行動で成果に繋がるよう指導していきます。
プロジェクトリーダーに関するよくある質問
プロジェクトリーダーを目指す方や興味を持つ方の中には、必要なスキルや就任するまでにかかる期間の目安、研修内容などが気になる方が多いようです。ここではプロジェクトリーダーに関するよくある質問に答えています。類似の疑問を持つ方は参考にしてください。
Q1.リーダー研修では何をしますか?
リーダー研修は、主催する企業によってプログラムが異なります。プロジェクトリーダーにはチームをまとめるスキルが必要です。何を選べばよいか分からない場合は、ティーチングやコーチングなどの指導力やコミュニケーション力、計画立案力を伸ばす内容が良いでしょう。
Q2.プロジェクトリーダーになるには何が必要ですか?
プロジェクトリーダーになるには、チームをまとめるリーダーシップやメンバーへのヒヤリング能力が欠かせません。また、トラブルが起きた際に対応する問題解決能力、スケジュールの管理能力など、チーム全体を目標達成へと導くスキルが必要です。
Q3.プロジェクトリーダーになるには何年くらい必要ですか?
企業によって異なりますが、SEの場合は入社してから3~5年ほど現場経験を積み、リーダー研修を経て任されることが多いようです。すでにマネージメントの経験などがあれば比較的早くプロジェクトリーダーになれる可能性もあるでしょう。
まとめ
プロジェクトリーダーはプロジェクトメンバーをチーム単位でまとめ、チームの成果に責任を持つポジションです。プロジェクトメンバーからキャリアアップしてたどり着く役割であり、業務の内容にも変化があります。
プロジェクト内で果たす役割が変わることにより、プロジェクトリーダーとなった際にはマネジメントなどのスキルが求められます。プロジェクトリーダーとなる前にスキルを習得しておきたいところですが、ポジションについたタイミングで必ずしも身についているわけではありません。
プロジェクトリーダーとしての仕事を全うするために必要となるスキルの習得方法として、プロジェクトリーダー研修を受ける方法があります。プロジェクトリーダー研修は主催者やコースによって習得できるスキルが違います。プロジェクト内でのプロジェクトリーダーの役割の理解、リーダーシップ、コミュニケーションスキルなど目的に合ったコースを利用するとよいでしょう。
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