- フロントエンドエンジニアとは
- フロントエンドエンジニアがつらいといわれる8つの理由
- フロントエンドエンジニアに転職するメリット
- フロントエンドエンジニアの適性やスキル
- 未経験からフロントエンドエンジニアになるための方法
- フロントエンドエンジニアの仕事に役立つ資格
- フロントエンドエンジニアの将来性
- フロントエンドエンジニアに関するよくある質問
- まとめ
フロントエンドエンジニアとは
フロントエンドエンジニアとは、WebサイトやWebアプリケーションの「フロントエンド」を設計するエンジニアのことです。フロントエンドとは、Webブラウザ上でユーザーが直接触れる部分を指します。
フロントエンドの設計では、HTMLやCSSなどを用います。本章では、フロントエンドエンジニアの仕事内容やバックエンドエンジニアとの違いなどを解説します。
フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアの主な仕事内容は、Webデザイナーが設計した内容をもとにHTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を使用して、ブラウザへの表示機能を実装することです。また、デザインやUI/UX設計に関わる場合もあります。
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バックエンドエンジニアとの違い
バックエンドエンジニアは、ユーザーからは見えていないサーバー側の開発に携わるエンジニアです。一方、フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接目にする部分の開発を担当します。
Web開発ではフロントエンドエンジニアもバックエンドエンジニアも欠かせない存在であり、両者がうまく連携してWebシステムやWebサイト、Webアプリケーションなどを開発します。
フロントエンドエンジニアがつらいといわれる8つの理由
フロントエンドエンジニアの仕事は、つらいといわれることがあります。フロントエンドエンジニアは、他の部署の作業に左右されやすく、最新技術の変化が激しいため、絶え間ない学習が求められます。
また、コーディング作業も煩雑化しがちで、納期に追われる場面も少なくありません。勤務先によっては残業が多いケースもあるでしょう。本章では、このようなフロントエンドエンジニアがつらいといわれる8つの理由について解説します。
関連記事:フロントエンドエンジニアとWebデザイナーの違いは?多角的に比較
1.他業務の影響を受けやすい
フロントエンドエンジニアは、Web開発でフロント側の開発を担当しますが、他業務の影響を受けることが多くあります。デザインやUI、バックエンド開発のスケジュールが変わり、フロントエンドの開発内容が変更になることも少なくありません。他の工程の影響を受けて振り回されることは、つらいと感じる一因となるでしょう。
2.最新技術の入れ替わりが早く常に習得が必要
Web関連の技術は、入れ替わりが早いことが特徴です。例えば、JavaScriptは進化が早い言語であり、常に最新のスキルを身につけておく必要があります。
日々の業務に加えて、最新技術も習得し続けないといけないため、つらいと感じるケースもあるでしょう。また、技術の入れ替わりが早いと、最新版へ更新するためのメンテナンスが必要となり、作業負担が大きくなるおそれもあります。
関連記事:Reactの資格はある?フロントエンドエンジニアに転職する方法も解説
3.コーディングする作業が煩雑になりやすい
フロントエンドエンジニアは、通常HTML/CSSを使ってデザインや機能面の実装を行います。HTML/CSSは比較的簡単といわれますが、コーディング量が多くなりやすく、デザインや機能面を実装する作業が煩雑になるケースがあります。
4.納期に追われやすい
フロントエンドの開発はデザインやUI、バックエンド側の影響を受け、変更されるケースがあります。バックエンド側の設計変更の完了を待って、納期直前にフロントエンド側の追加作業を行わなければならないこともあるでしょう。当初の計画にはなかった設計変更があると、作業に追われ、残業が発生しやすくなります。
5.Webデザイナーの業務まで担当することがある
フロントエンドエンジニアの業務はユーザーの目に触れる部分の開発であり、Webデザイナーの仕事に近いといえます。そのため、企業や現場によっては、Webデザイナーの仕事も兼務する場合があります。予想外に業務範囲が広がることで、つらいと感じてしまうかもしれません。
関連記事:Webデザイナーとは?仕事内容や他職種との違い、未経験からの目指し方も紹介
6.覚えなければならないことが多い
フロントエンドエンジニアはプログラミングや開発ツール、派生するデータベースやバックエンド側の知識も必要です。勉強して覚えなければならないことが多いため、つらいと感じる人もいるでしょう。また知識として覚えれば良いだけでなく、手を動かして生きた知識にしていく必要もあります。
7.バックエンドエンジニアに比べて軽視されることがある
システムのメイン機能はバックエンド側にあります。フロントエンドも処理を実装しますが、表面的なデザインや簡易的な機能が中心です。
システムのメインを担っているバックエンドエンジニアに比べて軽視されることがあるでしょう。軽視とまではいかなくても、バックエンドエンジニアの方が平均的に年収が高く、評価されやすい場合は多いはずです。
8.職場によっては残業が多い
フロントエンドエンジニアに限らずエンジニア全般に言えることですが、納期に遅れている場合などは特に残業が多くなりやすいです。このような状況にならないよう納期に配慮している職場もありますが、残業する前提で納期を設定している職場もあります。
フロントエンドエンジニアに転職するメリット
フロントエンドエンジニアへの転職を検討している方にとって、転職するメリットを知ることは重要です。フロントエンドエンジニアは、最新の技術やツールに触れる機会が多くあります。
また、仕事にやりがいを感じられる点や、キャリアアップしやすい点なども魅力です。本章では、これらのフロントエンドエンジニアに転職するメリットについて解説します。
最新の技術やツールに触れる機会が多い
フロントエンドエンジニアは最新の技術やツールに触れる機会が多くあるため、モチベーションが向上しやすく、自身のスキルアップにつながります。業界の最新トレンドを第一線で体感でき、常に新しい技術を仕事に取り入れられるでしょう。
やりがいを感じられる
フロントエンドエンジニアが開発する機能の多くは、ユーザーが直接利用する部分です。そのため、ユーザーや顧客の声がダイレクトに届き、やりがいを感じやすくなります。
また、成果が目に見えやすいことも、高いモチベーションにつながる要素です。さらに、制作チームのメンバーと協力しながら一つの作品を作り上げる過程に喜びを感じる方も多くいます。
キャリアアップしやすい
フロントエンドエンジニアはさまざまな業務と連携するため、他職種の知識が自然と身につきます。バックエンドエンジニアはもちろん、Webデザイナーやフロントエンドエンジニアのスペシャリスト、プロジェクトマネージャーなど、幅広い職種にキャリアアップしやすいといえるでしょう。
まずは、フロントエンドエンジニアとして業務経験を積み、さまざまなキャリアを経験すれば、収入アップも期待できます。
必要な技術が初心者でも学習しやすい
フロントエンドエンジニアが扱う技術は、初心者でも学習しやすいといわれています。主に使用する技術は、HTML/CSSやJavaScriptといったプログラミング言語です。
これらの言語は、初心者でも比較的習得しやすいとされています。必要な技術が初心者でも学習しやすい点は、フロントエンドエンジニアを目指すメリットといえるでしょう。
スキル次第で独立できる
Webサイトの開発は需要が高いため、フロントエンドエンジニアとして技術を磨き、価値が高まれば、独立してフリーランスのエンジニアになることも可能です。フリーランスエンジニアになると、収入がかなり増える可能性もあります。また、仕事を選びやすくなることや、時間と場所の制約がなくなることもメリットです。
関連記事:フロントエンドエンジニアのキャリアパス例は?身につけるべきスキルや将来性も紹介
需要が高く将来性がある
フロントエンドエンジニアはWeb制作に欠かせない存在です。厳密に言えば、バックエンドエンジニアがフロントエンドも開発する場合や、フルスタックエンジニアと呼ばれる幅広いポジションを担当できるエンジニアがフロントエンドを担当することもあります。
しかし、少なくともフロントエンドのスキル自体は依然として高い需要があります。そのため、フロントエンドエンジニアも将来性があると言えるでしょう。
ただし、上記のように他のエンジニアに代替される可能性もあるのでフロントエンド以外のスキルも積極的に身に付けた方がより良いです。
平均年収が高い傾向がある
2024年10月18日時点で、レバテックキャリアに掲載されているフロントエンドエンジニアの求人情報から、上位30件の上限年収と下限年収をもとに平均年収を算出しました。その結果、フロントエンドエンジニアの平均年収は約723万円でした。
この数字は国税庁が発表した令和4年分 民間給与実態統計調査による給与所得者の平均年収458万円を大きく上回ります。他媒体の求人情報でも、平均して550万円程度以上はあると考えられます。スキルを磨けば、平均年収よりも大幅に稼ぐことも可能な職種といえるでしょう。
関連記事:フロントエンドエンジニアの年収は低い?年収アップのポイントも解説
フロントエンドエンジニアの適性やスキル
フロントエンドエンジニアとして活躍するためには、さまざまなスキルや適性が必要です。この職種では、いち早く新しい技術を取り入れることが求められます。そのため、学習意欲の高さが求められます。
また、プロジェクトメンバーと協力して開発を進めるため、コミュニケーションスキルも重要です。さらに、柔軟な思考やデザインへの関心なども役立つでしょう。本章では、これらのフロントエンドエンジニアの適性やスキルについて詳しく解説します。
関連記事:フロントエンドエンジニアに必要なスキル!勉強法も一挙紹介
学習意欲が高い
フロントエンドエンジニアには、学習意欲が高い人が適しています。Web業界はトレンドの変化が激しく、最新技術に興味を持ち、積極的に習得できる人材が求められます。
新たな技術を習得できれば、仕事の質や収入にも良い影響もあるでしょう。そのため、フロントエンドエンジニアは常に成長を続けたい方にとって、やりがいのある職種です。
コミュニケーションスキルがある
フロントエンドエンジニアとして活躍するには、コミュニケーションスキルも重要なスキルです。この職種では、クライアントと直接やり取りする機会が多くあります。
また、締め切りやデザインに関する打ち合わせも行われるため、コミュニケーションスキルが求められます。さらに、優れたコミュニケーションスキルがあれば、自ら案件を獲得するなど活躍の幅が広がる可能性もあるでしょう。
柔軟性がある
フロントエンドエンジニアには、柔軟性も求められます。フロントエンドの設計では、さまざまな方法を試みる姿勢が大切です。
また、技術が急速に進化する中、その変化に追随できる柔軟性も欠かせません。固定観念にとらわれず、新しいアイデアを受け入れる姿勢が重要になります。柔軟性を備えることは、フロントエンドエンジニアにとって大切な要素といえるでしょう。
デザインに興味がある
デザインに興味がある方は、フロントエンドエンジニアの適性があるといえるでしょう。一部の企業では、フロントエンドエンジニアにデザイン業務を割り当てることがあります。
また、デザイナーの提案に基づいてコードを書く場面が多いため、デザインの知識が役立ちます。デザインに興味がある方は、自身のデザインスキルが大きな強みとなるでしょう。
未経験からフロントエンドエンジニアになるための方法
未経験からフロントエンドエンジニアになるための方法を解説します。Webサイトの開発は需要が高いため、未経験者でもフロントエンドエンジニアに採用される場合があります。
学習の実績を示し、学びたいという意欲が評価されれば、未経験でも採用される可能性は十分にあるでしょう。ただし、未経験の場合は簡易なプログラムやデバッグなどの単純な仕事から入り、徐々にステップアップしていくケースが多いです。
関連記事:フロントエンドエンジニアの転職のポイント!必要なスキルも解説
独学でスキルを習得する
書籍やオンラインサイトを使った独学は、気軽に勉強を始められる点がメリットです。無償のオンラインサイトを活用すれば、コストも抑えられます。ただし、独学には忍耐が必要で、慣れていないと挫折するおそれがあるため注意しましょう。
プログラミングスクールで体系的にスキルを習得する
コストはかかりますが、プログラミングスクールを利用すれば確実に短期間でスキルが身につきます。提供されたカリキュラムに沿って、現役エンジニアなどのプロの講師から教えてもらえるため、学習をスムーズに進められるでしょう。
実際にサイトを作成してみる
ある程度のスキルを習得できたら、実際に簡易なWebサイトを作成してみましょう。実践的なスキルが身につくほか、作成したサイトをポートフォリオとして利用でき、転職活動のアピール材料になります。
未経験可のフロントエンドエンジニアの求人を探す
スキルに自信がない場合は、未経験可の求人に応募することも選択肢のひとつです。実際に、2024年10月18日時点でレバテックキャリアに掲載されている「未経験可」のフロントエンドエンジニアの求人数は148件ありました。
より多くのエンジニアを確保するために研修制度を設け、フロントエンド開発の未経験者を積極的に採用している企業も存在します。そのため、未経験可のフロントエンドエンジニアの求人を探すのがおすすめです。
関連記事:フロントエンドエンジニア志望動機作成の5つのポイントを解説
資格を取得する
資格取得に挑戦することで、フロントエンドエンジニアに必要なスキルを体系的に学べます。転職時にはスキルを証明できるほか、仕事に対するやる気もアピールできるでしょう。次章では、フロントエンドエンジニアに関する代表的な資格を紹介します。
関連記事:未経験からフロントエンドエンジニアになるには?求人例も紹介
フロントエンドエンジニアの仕事に役立つ資格
フロントエンドエンジニアに必須の資格はありませんが、取得しておくと転職活動や実際の業務で役立つ資格はあります。エンジニアの技術は移り変わりが早いため、常に新しい知識や技術を学びスキルアップできるよう、資格取得を目指すのもよいでしょう。本章では、フロントエンドエンジニアの仕事に役立つ資格を紹介します。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5プロフェッショナル認定試験は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが運営する認定試験です。HTML5、CSS3、JavaScriptなど、最新のマークアップに関する技術力と知識を証明します。レベル1と2があり、それぞれ以下の内容が問われます。
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レベル1:マルチデバイスに対応したWebコンテンツ制作の基礎の実力。
レベル2:システム間連携や最新のマルチメディア技術に対応したWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計の能力。
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、株式会社サーティファイのサーティファイWeb利用・技術認定委員会が運用する認定試験です。WWWで利用される技術の世界的な標準化を図るW3Cに準拠した、セマンテックなマークアップスキルを測定・認定します。スタンダードとエキスパートがあり、それぞれ以下の内容が問われます。
スタンダード:セマンテックWebを理解し、HTML5をマークアップすることができる。また、CSSを用いてHTMLの構造を維持しつつ、Webページのデザインやレイアウトを表現できる。
エキスパート:レイアウト手法や色彩設計など、ユーザビリティやアクセシビリティを考慮したWebデザインを表現できる。また、スクリプトを用いた動きのあるWebページの表示、マルチデバイス対応、新規サイトを構築できる。
フロントエンドエンジニアの将来性
SNSの利用拡大やスマホ決済の広がりに伴い、Webサイトの高機能化が進んでいます。HTMLとCSSに加えて、JavaScriptによる動的な機能や、サーバープログラムと複雑に連携したWebサイトも多く登場しています。また、ブラウザが多様化し、HTMLやCSS自体も進化しています。
Webサイトの需要が増加するなか、フロントエンドエンジニアの需要も今後ますます増えていくでしょう。現時点では、仕事も多くフロントエンドエンジニアの将来は明るいといえます。
関連記事:フロントエンドエンジニアの将来性は?市場需要と必要なスキルを解説
フロントエンドエンジニアに関するよくある質問
フロントエンドエンジニアへの転職を考える中で、さまざまな疑問や質問を抱く方は少なくありません。よくある質問には、フロントエンドエンジニアに向いている人についてや求められること、フロントエンドとバックエンドの違いなどが挙げられます。本章では、これらのフロントエンドエンジニアに関するよくある質問と回答を紹介します。
Q1. フロントエンドエンジニアに向いている人はどんな人ですか?
フロントエンドエンジニアに向いている人は、スキルアップのための努力を継続できる人、ユーザー目線で作れる人、業務効率化ができる人、柔軟な対応ができる人などです。フロントエンドはユーザーの目に直接触れる部分なので、そこにやりがいを感じられる人には合っているでしょう。
Q2. フロントエンドエンジニアに求められることは何ですか?
フロントエンドエンジニアに求められることは、HTML、CSS、JavaScriptなどの言語スキルです。他にも派生する知識やユーザーの利便性を考えることも重要ですが、まずはメインで使用する言語スキルは必須になります。
Q3. フロントエンドとバックエンドの違いは何ですか?
フロントエンドとは、WebサイトやWebアプリケーションでユーザーの目に触れる画面側を指します。一方で、バックエンドとはサーバーの内部の処理側です。そのため、開発の担当領域が違います。また担当が異なる結果、求められるスキルや平均年収も変わってきます。
まとめ
フロントエンドエンジニアはつらいと言われることがありますが、実際つらい面もあるでしょう。エンジニア全般につらい部分はあるはずですが、フロントエンドならではの悩みなどもあるかもしれません。ただしフロントエンドのスキルは今後も需要があり、スキル次第で収入も上がりやすいです。
重要なこととしては、フロントエンドのスキルだけではなく、バックエンドや他のスキルも身に付けていくことです。フロントエンドだけだとスキル的に軽視されることがあるのも事実で、またバックエンドに比べるとAIやツールで自動化されやすいこともあります。
そのため、フロントエンドエンジニアというよりは、フロントエンドも含めて全般的に対応できるエンジニアを目指すのがおすすめです。
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