プロジェクトリーダー初心者におすすめの本
プロジェクトリーダーの経験が浅い方や目指している方は、まず本で知識をつけることをおすすめします。プロジェクトリーダーにとって必要な知識や起こりうるトラブルへの対策など体系的に学べ、また振り返りたいときに読み返せるのも本の良さです。
以下では、プロジェクトリーダー初心者に向けたおすすめの本を紹介します。
これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ
これ以上やさしく書けないプロジェクトマネジメントのトリセツ
実践に重点を置いたプロジェクトマネジメントの説明書です。実際のプロジェクトマネジメントに使えるツールとして、「知識」ではなく「現場でのマネジメント方法」を説明しています。
「トリセツ」とは「取扱説明書」の略です。電化製品などの機械や用具などの使い方が分からないときは取扱説明書を確認するように、プロジェクトマネジメントの進め方で困ったときに読む本ということです。
プロジェクトマネジメントが失敗する理由の一つに、「進め方が分からない」点が挙げられます。多くのプロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーが、プロジェクトの実際の「進め方」を知らないために苦労しています。
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・最初の段階で何をどこまで計画すべきか分からない
・とりあえず始めて、走りながら考えようと思ったがほとんどがやり直しになった
このような悩みを解決するために、現場でのマネジメント方法を書いた本です。
この本の著者はプロジェクトマネージャー歴20年以上あり、さまざまなプロジェクトに携わっています。著者が繰り返しプロジェクトに参画しPDCA(Plan・Do・Check・Action)のサイクルを回す中で、選りすぐった役に立つ理論を実際に使えるツールとして解説しています。
物語と講義という形式で初心者でも分かりやすく書かれているため、プロジェクトの流れがイメージしやすいでしょう。講義の部分で「プロジェクト進行のための具体的なアクション」についても詳しく解説しています。
予備知識がなくても、この本を読んで実践すれば、プロジェクトのノウハウが身につくでしょう。
関連記事:プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの違いは?
PMBOKガイド®第7版対応 アジャイル型プロジェクトマネジメント
PMBOKガイド®第7版対応 アジャイル型プロジェクトマネジメント
ビジネス環境の変化に対応するために、プロジェクトマネジメントの実務と知識体系は進化し続けています。従来のシステム開発では、企画から設計、開発と工程を進めていくウォーターフォール型開発が主流でしたが、現在では仕様変更に強いアジャイル型(適応型)開発が注目を集めています。
本書はその潮流を踏まえてアジャイル型開発にポイントを置いた、現場目線の実務ガイドです。もちろん、プロジェクトマネジメントの全体像も把握できるようになっています。第1部の第1章の見出しが「リーダーシップ」となっているように、現場でプロジェクトを推進しているプロジェクトリーダー向けの内容です。また、チームやコミュニケーションについての示唆に富んだ言及もあります。
そもそも、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、アメリカのPMIによって作られたプロジェクトマネジメントの知識体系ガイドです。プロジェクトマネジメントの世界標準といわれており、その日本語版にあたるのが『PMBOK®ガイド第7版』です。本書はその名の通りこちらにも対応しています。
マネジメントやPMBOKの基礎を学ぶのにもおすすめです。
マンガでわかるプロジェクトマネジメント
マンガでわかるプロジェクトマネジメント(広兼 修、トレンド・プロ)
プロジェクトマネジメントと、PMBOKの基本がマンガで説明されています。そもそも、プロジェクトマネジメントとは何かという基本的な部分から解説し、プロジェクトのスタートから遂行するまでのストーリーが描かれています。
本書はプロジェクトマネジメントの入門書ですが、想定読者をビジネスパーソンのほか学生や主婦も含んでいるため、やさしい説明文で、予備知識がなくても読みやすいです。
この本の著者は、日常生活のいろいろな場面で、プロジェクトマネジメントの知識を応用すると望ましい結果が得られるといいます。付録の「結婚式」を例にした説明もユニークで面白いです。プロジェクトマネジメントは誰にとっても役に立つものという考えがよく理解できます。
プロジェクトリーダーとしての経験が浅い方はもちろん、初心に戻りプロジェクトマネジメントを学びたいという方にもマッチする内容です。マンガゆえの読みやすさ、理解のしやすさも魅力の1つです。
世界一わかりやすいプロジェクトマネジメント
世界一わかりやすいプロジェクトマネジメント 第4版( G・マイケル・キャンベル、サニー・ベーカー、総合法令出版)
世界で活躍するプロジェクトマネジメントのプロたちがおすすめしている入門書です。どのようなトラブルも乗り越え、プロジェクトを成功まで導くノウハウやツールを、この1冊で学べます。
この本は、初めて大規模プロジェクトを任されたプロジェクトマネージャー向けに書かれていますが、プロジェクトリーダーがプロジェクトの進め方を学ぶのにも役に立ちます。
内容としては、実証に裏付けられたプロジェクト管理手法がどのように成功をもたらすかが分かりやすく説明されています。
また、実践的な場面でチームをまとめられるポイントも書かれており、プロジェクトを進める上で予測できるリスクと対処法の細かい説明が非常に役立つと高い評価を得ている1冊です。
先制型プロジェクトマネジメント―なぜ、あなたのプロジェクトは失敗するのか
先制型プロジェクトマネジメント―なぜ、あなたのプロジェクトは失敗するのか(長尾 清一 、ダイヤモンドセールス編集企画)
プロジェクトが成功しない理由、プロジェクトマネジメントにおいて自分に足りないものが見つかる本です。
PMBOKでは「what」(何をすべきか)が定義されていますが、この本ではそれだけでなく、「why」(なぜ必要なのか)、「how」(実践でどうすればよいか)を説いています。
プロジェクトマネジメントには「こうすれば必ず成功する」という正解はありません。しかし、失敗を避ける方法はあります。
「教科書通りプロジェクトが進むはずがない」という現実的な視点から、「プロジェクトをいかに失敗させないか」をベースにした内容が記載されています。思ったようにチームを動かせない、仕事に行き詰ってしまったというプロジェクトリーダーに役立つ本です。
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方(岩田松雄、サンマーク社)
「普通のおじさん」と自認する著者が紹介するリーダーになる考え方を紹介しています。「リーダーになる人は生まれ持ってリーダーシップがあるのではないか」「初めてプロジェクトリーダーに抜擢されたが、うまくやれるだろうか」と疑問や悩みを持つ人におすすめの本です。
この本を読めば、リーダーシップとは先天的に持って生まれたものではなく、後天的に身につけるものだという著者の理論が腑に落ちるでしょう。リーダーにとって、人間性が非常に大切だということも分かります。リーダーシップのイメージが変わるかもしれません。
著者は「誰でも頑張ればリーダーになれる」と断言しています。周りに認められ、ついていきたいと思われる信頼あるリーダーになるための考え方が分かる内容です。
関連記事:プロジェクトリーダーに必要なスキルとは?資格や年収相場も紹介
自分に合う本選びのポイント
自分に合った参考書を選ぶことは、学習を始めるにあたって非常に重要です。プロジェクトリーダーに関連する知識の入門書は決して安くはないため、慎重に選びましょう。
自分に合う本選びのポイントとして「目的を明確にする」「レビューを読む」「サンプルを確認する」があります。以下では、この3つのポイントについて詳しく説明します。ぜひ参考にしてみてください。
学習目的を明確にする
入門書を選ぶ際に一番重要なことは、学習の目的を明確にしておくことです。目的をはっきりさせることで、それに適した入門書を選択でき、効率的な学習につながります。
例えば、プロジェクトリーダーになるためにまずは知識を習得したいと思っている方は、基礎知識に特化した入門書を選ぶのが良いでしょう。一方で、プロジェクトリーダーになって、現場での指揮の取り方を知りたいと思っている方は、知識というよりも実践的な内容の入門書が必要です。
まずは、自分が何を習得したいのか、学習の目的をリストアップすることをおすすめします。
レビューや評価を参考にする
自分に合う本を選ぶときに、レビューや評価を参考にすることも一つのポイントです。
レビューや評価を読むと、本の内容や、ほかの読者の反応を見ることができます。それにより、自分が必要としている内容であるかが分かり、「思っていた感じと違った」という失敗を回避できるでしょう。特に、自分と同じ目的を持つ読者のレビューは非常に重要なので参考にしましょう。
また、高評価な本は信頼度が高いですが、低評価なレビューにも注意が必要です。低評価の内容が自分の目的や学習スタイルに関連するものでないかも確認するのが良いでしょう。
自分にとって最適な本を選ぶためには、本の内容がニーズに合うかを詳しく知ることが大切です。
サンプルを確認する
本が自分に合うかどうか知るためには、サンプルを読んでみるのが良いでしょう。
購入してから、学習したい内容とのズレがあったり、自分にとって読みづらかったりすると、金銭的、時間的コストが無駄になってしまいます。
サンプルを一部読むことで、本の内容や構成、図の量や学習へのアプローチを確認することができ、自分にとって最適な本を選ぶことができるでしょう。
より知識が身につきやすくなる本の読み方
本の読み方によって、知識が身につきやすさが変わってきます。ビジネス書や入門書は、さらっと読むだけでは知識の習得が難しいです。
より知識が身につきやすくなる読み方のポイントとして、「重要な部分を意識する」「必要な箇所を熟読する」「複数の本を読む」「アウトプットする」などがあります。
以下では、紹介した4つのポイントについて詳しく解説します。
重要な箇所に対し線を引く、付箋を貼る、メモを取るなどする
本の中で大切だと思った部分や共感した部分には、線を引く、付箋を貼る、メモを取るなどすると、内容が頭に入りやすいでしょう。
ただ読んでいるだけでは、重要な箇所に気づかず読み流してしまうため、目印をつけたり、メモを取ることで集中して読むことができます。
また、読み返したときに、重要部分を見つけやすいという利点もあります。
状況に応じて興味・関心のある箇所のみを熟読する
状況に応じて興味、関心のある部分のみ熟読しましょう。入門書は最初から順番に読む必要はありません。
入門書は専門的な知識が多くあるため、最初から順番に読んでいくと、最後まで集中力が続かず、途中で読むのを辞めてしまうというケースがよくあります。しかし、関心がある情報から読み進めると、集中力を下げることなく、知識が頭に入りやすいです。
まず、目次を確認し、自分に必要である章を読むのが良いでしょう。また読むタイミングによって、興味関心は変わるため、状況に応じて適した部分を読むことをおすすめします。
複数の本を読み大切な内容は何か読み解く
より知識を身につきやすくするには、複数の本を読むこともおすすめです。1冊の本を繰り返し読むことも重要ですが、同じ分野の違う本を読むと大切な内容が分かってきます。
複数の本を読むと、共通して書かれている内容に気づけます。さまざまな本に共通して書かれていることは、非常に重要な部分といえます。1冊読んだ後、2冊目に同じ内容がないかチェックしながら読むと大切な内容を読み解くことができるでしょう。
インプットした内容をアウトプットする
本を読んでプロジェクトリーダーに関する知識をインプットしたら、必ずアウトプットをしましょう。
インプットすることは非常に重要ですが、アウトプットをしなければ忘れてしまいます。メモを取ることもアウトプットになるので、読みながらするのも良いでしょう。
さらに、得た知識を現場で実践してみるのがおすすめです。周囲の反応も見て、試行錯誤することで成長につながります。本を読むだけでなく、現場で行動を起こさなければ学習の意味がありません。
プロジェクトリーダーに関するよくある質問
プロジェクトリーダーを目指す方や興味を持つ方の中には、年収や役割、プロジェクトマネージャーとの違いなどが気になる方が多いようです。
ここではプロジェクトリーダーに関するよくある質問に答えています。類似の疑問を持つ方は参考にしてみてください。
Q1. プロジェクトリーダーの年収はいくらですか?
2023年12月時点のレバテックキャリアの求人を参考にプロジェクトリーダーの年収相場を算出すると、520万~890万円程度となります。厚生労働省が公表しているデータによると、一般的なシステムエンジニアの年収が約550万円となっているため、同等かそれ以上といえるでしょう。
Q2. PMとPLはどちらが上ですか?
PM(プロジェクトマネージャー)とPL(プロジェクトリーダー)に上下関係はなく、そもそも役割に違いがあります。PMはプロジェクト全体の管理者であり、PLはPMが立てた計画に沿って実行を促す現場の監督者です。また、企業によってはPMとPLを兼任する場合もあります。
Q3. プロジェクトリーダーは役職者ですか?
プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーは役職として勘違いされがちですが、業務における役割であり、役職ではないので注意が必要です。プロジェクトリーダーはプロジェクトの現場責任者、プロジェクトマネージャーはプロジェクト全体の管理者という役割です。
まとめ
プロジェクトリーダーにはさまざまな知識やスキルが必要になります。「プロジェクトをスケジュール通りに進めるにはどうすれば良いか」「メンバーとどのようにコミュニケーションすれば良いか」など悩みは尽きません。世の中には、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネジメントに関する本がたくさんあります。この記事内で6冊の本を紹介してきましたが、効率的に知識を身につけるには、まず自分にとって読みやすい本を見つけることが重要です。読みにくい本を無理して読んでも頭に入らず、時間を浪費してしまいます。また、インプットした知識をとどめておかず、アウトプットしていくことも大切です。本で読んだ知識を現場でも活用していきましょう。
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