Pythonエンジニアへの転職方法を解説!求人数や年収も紹介

最終更新日:2024年9月30日

Pythonは、シンプルな記述と充実したライブラリなどの特徴を持つプログラミング言語です。文法が分かりやすいことに加えて、技術者も多く情報が得やすいため、習得もしやすい言語でもあります。AIやデータ分析分野に強く、Web開発でも人気があるため、Pythonエンジニアの将来性は高いといえるでしょう。

本記事では、Pythonエンジニアへの転職に興味があるITエンジニアに向けて、Pythonエンジニアの転職事情や資格・スキル、学習方法、求人例、キャリアパスなどについて解説します。Pythonエンジニアを目指す人は、ぜひこの記事を参考にしてください。

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この記事のまとめ

  • PythonはWebアプリのほかAI、機械学習、ビッグデータなどの領域で活躍できるプログラミング言語
  • Pythonエンジニアへの転職では即戦力が求められる傾向が強く、他言語での2〜3年の実務経験が必要
  • Pythonエンジニアに必要な資質には、AIや機械学習、統計、Webアプリ開発分野などへの興味や分析力などが挙げられる
  • Pythonエンジニアのキャリアパスは、AIエンジニアやデータアナリスト、データサイエンティストなどが選択肢となる

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Pythonとは

Pythonは、近年人気があるプログラミング言語の1つです。プログラミング言語の人気ランキングTIOBE Indexでは、2023年からPythonは人気のある言語1位となり、2024年9月時点でもその人気を維持しています。また、 Stack Overflowによる2024年の開発者アンケートでも、言語別の人気ランキングで3位に入っています。

Pythonは、1991年に誕生した汎用プログラミング言語で、初心者でも扱いやすいシンプルなコード、豊富な標準ライブラリ、多様な規模の開発への対応から、世界中のITエンジニアに支持されています。人気のある言語であることから、開発に関する情報が多く、このことも学習しやすさに繋がっています。

Pythonは、さまざまな種類のライブラリを数多く揃えており、Webアプリや組み込み系アプリ、機械学習など、あらゆる開発に活用可能です。また、データ収集や分析に使いやすいことから、データ分析にPythonを使用する現場が多く存在します。

関連記事:Pythonとは?特徴やできること・活用事例などを解説!

Pythonでできること

Pythonは非常に多くの用途で使用されており、さまざまな分野で活躍している汎用的なプログラミング言語です。以下はPythonが使用される例の一部となります。

  • ・機械学習モデルの開発

    ・データ分析などデータサイエンス業務

    ・業務の自動化やスクレイピング

    ・Webアプリケーション開発

    ・ゲーム開発

特に機械学習モデルの開発やデータ分析では、豊富なライブラリから選択される機会が多いです。

関連記事:Pythonエンジニアの仕事内容|必要なスキル・学習方法も解説

Pythonのメリット・デメリット

Pythonは非常に人気が高く初心者でも挑戦しやすい言語です。しかし、当然メリットデメリットがあるため、これから学習する方は事前にPythonの特徴をおさえておきましょう。

  • メリット

    ・コードが読みやすく、初学者でも挑戦しやすい

    ・ライブラリやフレームワークが豊富なため、他言語で実装の難しい内容も簡単に実装できる

    ・利用者数が多いため、コミュニティが活発で情報が得やすい

    ・クロスプラットフォームでWindowsやMacOS、Linuxなどさまざまな環境で動作する

  • デメリット

    ・他言語と比較して実行速度が遅い

    ・モバイルアプリの開発にはあまり向いていない

    ・メモリの消費量が多い

Pythonを使用する職種

Pythonはできることが非常に多いため、活用する職種も多岐に渡ります。以下にPythonを活用する代表的な職種を紹介します。

  • ・データサイエンティスト

    ・機械学習エンジニア

    ・Webエンジニア

    ・ブロックチェーンエンジニア

    ・データアナリスト

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Pythonエンジニアへの転職は即戦力が求められる傾向

Pythonエンジニアへの転職では、即戦力が求められる傾向が強いです。

Pythonに限らず他言語でも2〜3年のアプリ開発業務の実務経験があれば、技術的な問題に対処できるエンジニアとして扱われます。Pythonの実務経験がある場合は、より有利です。特にLinuxやSQLを用いたプロジェクトの経験があるエンジニアであれば、Pythonエンジニアへの転職の可能性が広がるでしょう。

プロジェクト開発における知見を持ち、プログラミングの素養もある人材に向けて、一部企業ではPythonを独学で習得できる前提で求人募集している場合もあります。つまり、ITエンジニアとしての実務経験があれば、30代、40代でも転職のチャンスがあるということです。

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Pythonエンジニアへの転職に必要な5ステップ

Pythonエンジニアへ転職するには、まずPythonの知識やスキルを身につけることが必要です。基礎知識を身につけ、関連知識の習得にも取り組みましょう。実践的なスキルを身につけることで、転職への道が見えてきます。

以下では、Pythonエンジニアへの転職に必要なスキル習得とアクションを5ステップに分けて紹介します。もちろん、1から始めなければいけないわけではありません。自分のレベルに合わせて、ステップを飛ばしても良いでしょう。

また、あわせてPythonの勉強方法についても紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:
未経験でPythonエンジニアになるには?学習方法や求人例を紹介
Pythonは就職に有利!そのメリットと就職の3ステップ

1. プログラミングの基礎知識とPythonの文法を学ぶ

Pythonエンジニアを目指す第一歩目は、Pythonの基礎文法とプログラミングの基礎知識を身につけることです。Pythonの文法は非常にシンプルなので、プログラミング未経験者でも習得の難易度は高くありません。

Pythonの文法に加えて、プログラミングの基本である条件分岐や繰り返し、変数の定義方法なども身につけていきましょう。

Pythonの学習方法

Pythonは学習ツールが豊富で学びやすいことも特徴の一つです。自分に合う方法を選択して学習しましょう。主な学習方法には「書籍」「学習サイト」「プログラミングスクール」があります。

・書籍を利用する
Python学習用の書籍は、多くの種類が販売されています。入門書レベルからデータ解析やAI開発までレベル別に選ぶことが可能です。書籍を利用した学習は、知識が体系的に学べる、自分のペースで学習できるなどのメリットがあります。一方で情報が古い場合がある、つまづいたときに頼る相手がいないなどのデメリットも存在します。

・学習サイトを利用する
Pythonを学習できるサイトも豊富にあります。ドットインストールProgateなどが人気です。無料で利用できるサイトも多く、コストをかけずに学習したい方におすすめです。

・プログラミングスクールを利用する
スクールを利用するメリットは、経験豊富な講師からPythonのプログラミングを効率的に学べる点にあります。分からないことがあっても講師に質問できるため、学習に挫折するリスクを削減可能です。また、仲間がいることでモチベーションを維持しやすいメリットもあります。

関連記事:Pythonは難しい?習得のコツやWebエンジニアへの転職法

2. フレームワークやライブラリを学ぶ

基礎を学んだら、次はPythonのフレームワークやライブラリを学びましょう。フレームワーク・ライブラリとは、事前によく使用するプログラムを記述しておいて、呼び出すだけで実装できる仕組みです。

実務ではほとんどの場合フレームワークやライブラリを使用して開発を行うため、主要ライブラリは必ずおさえておきましょう。

Pythonを習得してデータサイエンティストや機械学習エンジニアを目指す方は、numpy、pandas、matplotlib、sckit-learnなどがおすすめです。Web開発に携わりたい方は、Djangoやflask、OpenAPIなどに触れると良いでしょう。

3. 実際に自分でコードを書いてみる

Pythonの環境のほとんどは無料で利用できます。自分のパソコンを用意し、Pythonの動作環境を作り、実際にプログラムを作成して動かします。書籍や学習サイトにあるプログラムも読むだけでなく、自分の環境で動かして修正などを加え理解を深めることが重要です。

4. ポートフォリオを作成する

実際に開発したプロジェクトをまとめたポートフォリオを作成しましょう。ポートフォリオは、転職活動において自分のスキルをアピールするための重要な手段です。

プロジェクトの内容や使用した技術、担当した部分などを詳しく記載し、見やすく整理すると効果的です。また、GitHubなどを活用し、具体的なコードも確認してもらえるようにしましょう。

5. 転職活動を行う

準備が整ったら、いよいよ転職活動です。求人サイトや転職エージェントを活用し、自分に合った企業を探します。応募書類には、これまでの経験やスキルをしっかりとアピールすることが重要です。面接では、自分の強みやこれまでのプロジェクト経験を具体的に説明できるように準備しておきましょう。

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Pythonエンジニアに転職するメリットとデメリット

Pythonエンジニアの仕事には、他の言語のエンジニアになる場合と比べてメリットとデメリットがあります。転職活動の前にメリットとデメリットを把握できれば、就職後のミスマッチを防ぐことが可能です。Pytohnエンジニアへの転職を検討する際には、必ず確認するべきポイントといえます。

ここでは、Pythonエンジニアに転職する際のメリットとデメリットについて解説します。

メリット

Pythonエンジニアに転職することで、幅広い領域で活躍できるメリットがあります。また、Pythonは世界中で人気の高いプログラミング言語であるため、転職後のキャリアアップにも繋がるでしょう。

以下にPythonエンジニアに転職することのメリットを紹介します。

関連記事:Pythonエンジニアの年収が高い理由は?需要と将来性も解説

幅広い領域で活躍できる

Pythonは汎用性が高く、多岐にわたる用途に適したプログラミング言語です。この言語で可能なことは非常に多く、幅広い領域で活用されています。Pythonを習得すると、AI、Webアプリケーション開発、データ分析といった分野で活躍できるでしょう。

世界中で人気の言語となっている

Pythonは世界中で人気の高いプログラミング言語であり、Pythonエンジニアとしての転職は将来性が期待できます。現在、多くの人々が利用するWebサービスもPythonで作成されるなど世界中で人気が継続しており、今後もアップデートが続くため将来的な活躍も見込まれます。

比較的高収入が期待できる

言語別で比較した場合、Pythonエンジニアの収入は他の言語と同様かやや高い傾向があります。詳しくは本記事内の「他言語と比較したPythonエンジニアの平均年収」を参照ください。

また、Pythonを扱うエンジニア職種の中でも、データサイエンティストやAI、機械学習エンジニアは専門性が高く、最大年収が高く設定されているケースが多いです。1,000万円を超える年収も目指せることは、Pythonエンジニアのメリットといえるでしょう。

デメリット

Pythonエンジニアに転職するデメリットもあります。

主なデメリットには、他の人気の言語に比べて求人数が少ないことが挙げられます。具体的な求人数については、本記事内「Pythonエンジニアの需要と将来性」を参照ください。この点には転職を目指す方は注意が必要です。

Pythonエンジニアの求人が少ない理由としては、日本ではPythonエンジニアが近年になって広がってきた職種であることや、機械学習・AI開発、データ分析など高度な知識が求められることがあります。

しかし、将来的に日本でもPythonが開発現場のトレンドとなると見込め、Pythonエンジニアの求人は増えていきています。

スキルと雇用待遇がマッチしない場合がある

Pythonエンジニアは、データサイエンスやAI開発で活躍する先進的な人材です。海外企業では給与水準も高い傾向があります。

一方で、日本国内の企業では会社の上層部にこのような背景が理解されておらず、他のエンジニア職種と同様の待遇しか提示されないケースがあります。自分のスキルに対して期待する待遇が得られない可能性があることはデメリットといえるでしょう。

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未経験からPythonエンジニアに転職する方法

Pythonの実務経験がない方でも、Pythonエンジニアへの転職は可能です。

未経験からでもPythonエンジニアに転職しやすい理由の一つに、プログラミング経験のない人でも挑戦しやすい言語であるということが挙げられます。Pythonはシンプルで可読性が高いという特徴を持ちます。さらに、Pythonはプログラミング言語の中で特に人気が高く、学習ツールが豊富です。

また、IT業界でPythonの需要が高まっている点も未経験から転職が狙える理由といえます。PythonはAIやデータ分析の主要なプログラミング言語で、この分野の需要増加に伴って求人が増えているためです。

しかし、未経験といっても、エンジニア経験はあるが、Pythonが未経験の場合とエンジニア実務未経験の場合があります。経験によって適切な準備が異なるので、自身のスキルセットに合わせて準備しましょう。

ここからはそれぞれの背景に合わせたPythonエンジニアに転職する方法を紹介します。

関連記事:未経験でPythonエンジニアになるには?学習方法や求人例を紹介

サーバーサイド開発経験はあるがPythonは未経験の場合

サーバーサイド開発の経験がある方の場合、Pythonを用いた転職は比較的スムーズに進みやすいです。現在の知識を活かしつつ、以下のような手順で準備していきましょう。


  • 1. Pythonの基本文法を学ぶ

    2. ライブラリやフレームワークを学ぶ

    3. 簡易プロジェクトを作成する

    4. Githubなどを用いてポートフォリオを公開する

Pythonの学習のみで実務経験がない場合

Pythonを学習したものの、実務経験がない方でも転職の可能性は十分にあります。しかし、実務未経験の状態から転職するには、資格やポートフォリオを用いて、応募先に自身のスキルをアピールすることが必要です。そのため、以下の手順で転職活動を進めていくのがおすすめです。


  • 1. 資格を取得する

    2. ポートフォリオを作成する

    3. クラウドソーシングサイトで仕事を探し、実務経験を積む


クラウドソーシングサイトでPythonの仕事をすることは、経験と実績を積む方法の一つです。規模が比較的小さい案件が多いため、未経験の方が実務を経験する際に利用しやすいといえます。

Pythonを学習していない場合

Pythonをはじめとしたプログラミング言語の学習経験がない場合でも、これから学習することで転職できる可能性があります。Pythonは需要の高いプログラミング言語ですので、興味のある方は諦めずに挑戦してみましょう。まずは基礎を固めていく必要があるため、以下の手順がおすすめです。


  • 1. 目標を設定する

    2. 学習方法を選定する

    3. 簡易プロジェクトなど実践的な練習を行う

    4. ポートフォリオを作成する

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Pythonエンジニアの転職に有利なスキルと経験

Pythonエンジニアに転職するためには、有利なスキルや経験を持っておくことも重要です。スキルや経験が不足していると転職活動の結果にも影響します。これを避けるために、Pythonエンジニアに転職する際に有利なスキルや経験を把握しておくことが大切です。

以下では、Pythonエンジニアに転職する際に有利なスキルや経験について説明します。

Pythonライブラリへの理解度

Pythonのスキルはもちろん、Pythonのライブラリの知識もあると良いでしょう。データ分析に使用されるライブラリには、配列同士の演算・行列計算などが得意な「NumPy」をはじめ、データフレームを扱うことができる「Pandas」、特殊関数や統計処理・最適化などの手法が数多く含まれている「Scipy」などがあります。

PythonからRを呼び出すためのライブラリ「rpy2」も選択肢の1つです。Pythonは、ライブラリを知って理解度をあげ、使いこなせるようになることが重要といえます。

Pythonフレームワークの知識

Pythonはフレームワークが充実しているため、代表的なフレームワークについての知識やスキルを持っておくようにしましょう。たとえば、Django、Bottle、Flask、Tornadoなどを扱うことができれば、データ分析やデータサイエンス領域だけでなく、Webアプリ開発などの幅広い案件に対応できるようになります。

Linux環境で開発を行う知識

Pythonはマルチプラットフォーム対応言語であり、各種OSで利用できますが、最も多く利用されているのはLinux環境です。Linux環境で長年利用されてきたため、Pythonに関する情報が最も蓄積されています。

また、Linuxの高い安定性は、Pythonを利用する上での重要な利点の一つです。Windows上でLinux環境を仮想化することもありますが、Pythonエンジニアとしての素養として、Linux環境に関する知見を持っておきましょう。

機械学習・AI・データ分析などに関する知識

Pythonは、機械学習、AI、データ分析などの分野で需要が高いプログラミング言語です。企業でも、ビジネスで機械学習やAI、データ分析を取り入れる動きが増加しており、Pythonエンジニアを求めています。そのため、これらの分野に関する知識があると、Pythonエンジニアへの転職に有利です。

具体的にはどのような機械学習モデルがあるのか、モデルの精度を上げる手法はどんなものがあるのかなどを身につけると良いでしょう。

大規模なデータ処理を行った経験

Pythonが利用される分野のうち、Pythonのメリットが活かされる領域の一つがデータ分析、データサイエンスです。この領域で活躍するためには、大規模なデータ処理に向けた仕組みの構築スキルが重要となります。いわゆるビッグデータの基盤構築です。実際にデータを分析するためのプログラミングに加え、データの収集、格納、整理といった下準備に関する知見が役立つでしょう。

SQLのスキル

SQLはデータベースでのデータを格納・抽出・書き換えといったデータの操作で使います。大規模なデータ処理では、巨大なリレーショナルデータベースにデータを保存して運用するため、SQLの習得は必須です。また、SQLは非常に強力な言語で、たった数行のシンプルなコードで複雑なデータ分析を行えます。

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Pythonエンジニアの転職に有利な資格

Pythonエンジニアの転職において、一部の資格の取得は有利に働きます。

資格を取得していることにより、スキルの保有を証明することが可能です。また、取得に向けた学習は、ITエンジニアとして成長するためにも大切です。必要な知識を体系的に学習できるメリットもあります。

以下では、Pythonエンジニアの転職に有利な資格について解説します。

関連記事:Pythonエンジニアに役立つ資格一覧!勉強法やメリットも解説

Python3エンジニア認定基礎試験

Python3 エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会によって運営される、Python エンジニアとして基礎的な知識を問われる入門レベルの技術認定試験です。

全40問で構成され、合格ラインは正答率70%です。基礎的な構文の問題が出題されるため、Python エンジニアとして必要な基礎知識があることを証明できます。

Python3エンジニア認定実践試験

Python3エンジニア認定実践試験は、Pythonエンジニア育成推進協会により運営される試験で、Pythonエンジニアとして実践的なレベルの知識が問われます。Python3エンジニア認定基礎試験の次のステップにあたる上位の資格です。

全40問で構成され、合格ラインは正答率70%です。具体的なコードを意識した問題が出題されます。

Python3エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonエンジニア育成推進協会により運営されるPythonを使ったデータ分析の基礎や方法を問う試験です。

基礎構文に加え、「データ分析」「数学」「ライブラリ(pandas)」など、実際の開発業務で頻繁に使用される知識が出題されます。全40問で、正答率70%が合格ラインとなります。この資格は、Pythonを使った実践的なデータ分析スキルを示すことができます。

Python Certifications

Python Certificationsは、ポーランドの教育コンサルティング企業Open Education and Development Groupが運営する認定資格試験です。2024年9月時点では、3つのレベルで構成されます。試験は英語です。

PCEP(Certified Entry-Level Python Programmer)はエントリーレベル向けで、基礎構文が問われます。

PCAP(Certified Associate in Python Programming)は実務遂行レベル向けで、オブジェクト指向プログラミングについても問われます。

PCPP(Certified Professional in Python Programming)は、ライブラリを利用したプログラミングやオブジェクト指向の応用問題、GUIプログラミングなど高度な内容が含まれます。PCPP1PCPP2の2科目があります。

2024年3Q以降では、Data Science、Testing、Security、Network Programming、Web Developmentの各カテゴリも提供予定です。

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Pythonエンジニアとして活躍する上で必要な資質

Pythonエンジニアになって活躍できる人にとって必要な資質には何があるのでしょうか?

必要な資質には、分析が好きなことやAIや統計の分野に対する探求心などが挙げられます。Pythonエンジニアへの転職を検討する方は自分が適性を持っているか確認し、持っていない場合には今後資質を持てるように変化することを目指しましょう。

分析が得意または好き

データ分析を行うだけでなく、分析結果を事業に反映して成果を出すためには、相応の時間を必要とします。そのため、Pythonを用いたデータ分析分野のエンジニアには、分析思考タイプの方や地道にコツコツと取り組むことが好きな方、忍耐力に優れた方などが適性があるでしょう。

AIや統計などの分野で活躍したいと考えている

PythonはAIや統計の分野において、ほかの言語に比べて強力なライブラリを持っています。AIや統計などのキャリアを目指す方にとっては、Pythonエンジニアの仕事はおすすめといえるでしょう。

Webアプリの開発に興味がある

Pythonには、WebアプリケーションのフレームワークであるDjangoがあります。Pythonを利用して作られたWebアプリケーションは多いです。なかには世界中の人々が同時に使用してもエラーが発生しないものもあり、Pythonには高い処理能力があるといえます。このようなWebアプリの開発に興味がある方も、資質があるでしょう。

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Pythonエンジニアの需要と将来性

世界的に人気が高いプログラミング言語であるPythonは、高い需要と将来性が期待されています

Pythonエンジニアが活躍するAIやデータサイエンスの分野は、DXの推進に必要不可欠な技術で、今後も高い需要が続く将来性の高い分野といえます。

Pythonエンジニアを目指す方は、需要と将来性を把握して、自身のキャリアパス検討に役立てましょう。

Pythonエンジニアの求人数

レバテックキャリアに言語「Python」の求人・転職情報は5,386件が掲載されています(2024年9月16日時点、募集終了含む)。プログラミング言語単体の条件では、Java、 JavaScriptに続く3番目の求人件数でした。Pythonエンジニアの需要の高さを裏付けるデータといえます。

Ptyhonの求人・転職情報>

プログラミング言語に関する需要では、既存システムの開発保守やノウハウを活かすこと、人材の育成などの要因により、人気に比例して順位が即時には反映はされません。しかし、Pythonに関しては求人・案件の件数は上昇傾向にあるため、人気に遅れる形で需要もさらなる上昇が想定されます

言語別の求人数をみるとPythonの言語としての人気からすれば求人数は少ないと感じるかもしれません。レバテックキャリアのデータから2024年9月16日時点の求人数を他言語と比較して、以下の表にまとめました。

言語 求人数
Python 5,386件
Java 7,642件
JavaScript 5,489件
PHP 4,898件
Ruby 3,044件
C# 3,015件
Go 2,432件
C++ 2,010件

PythonはJava、JavaScriptに次ぐ3位の求人数です。PHP、RubyやC#などの言語よりも多いという結果で、他言語と比較してもPythonの需要は充分にあることが分かります。

関連記事:RubyとPythonを比較!選ぶポイントや学習方法も解説

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他言語と比較したPythonエンジニアの平均年収

レバテックキャリアにて言語「Python」の条件で検索を行い、取得したデータから30件を抽出し、年収の上限、下限の中間値の平均を取って平均年収を算出しました。(2024年9月16日時点)

上記の算出方法によると、Pythonエンジニアの平均年収は約843万円です。Pythonのスキル以外にデータ分析、機械学習、プロジェクトマネジメントなどのスキルが必要とされる転職・求人情報が年収が高くなる傾向が見られました。

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上記と同一条件で言語「Java」「PHP」「Ruby」に関しても平均年収を算出した結果、下記の表の通りとなりました。Pythonエンジニアの求人はほかの言語と比較して想定年収幅が大きく、平均値も高いという結果が得られました。

言語 算出した平均年収
Python 843万円
Java 638万円
PHP 596万円
Ruby 731万円

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Pythonエンジニアの求人例

Pythonエンジニアへの転職を検討する際、実際の求人を見ておくと、企業がどのような人材を求めているかが分かります。自分に足りないスキルなどを把握できるため、確認しておくと良いでしょう。

ここからは2024年9月16日時点でレバテックキャリアに掲載されている実際の求人から、「未経験可」「在宅勤務」「データサイエンティスト」の求人例を紹介します。

未経験可の求人例

データサイエンティスト・AI/機械学習エンジニア・研究開発の業務がある未経験可の求人は以下の通りです。それぞれで業務内容や求められるスキルが違うので参考にしてみてください。

【想定年収】
350~715万円

【業務内容】
統計学、機械学習技術を利用したデータ分析業務
<データサイエンティスト>
・玩具の売上予測
・サプライチェーンにおける投資リスク最小化
<AI/機械学習エンジニア>
・生成系AIを用いた業務最適化/DX推進
・農作物の出荷可否判定
・公共物の故障検知
<研究開発業務>
・大規模言語モデルを用いた連想ワード予測
・AI導入による最先端暗号化技術の最適化

【求められるスキル・経験】
<データ分析業務経験者の方>
・統計学もしくは機械学習を用いたデータ分析の実務経験1年以上
・Python実務経験1年以上

<データ分析業務の未経験者の方(データ分析の分野に挑戦したい方)>
・Webシステム、アプリ開発、Webシステム運用保守の実務経験が1年以上
・Python、Linux上、Unix上での実務経験が1年以上
・SQLを利用した実務経験が1年以上
・技術を学ぶ事が大好きで、高い成長意欲をお持ちの方
・スキルアップ/市場価値向上のために、自己学習できる方
・コミュニケーションスキル
・実践的なデータ分析の自主学習をしている方

在宅(リモートワーク)の求人例

データ活用の企画やそれに基づいた経営戦略に携わるフルリモートの求人例は以下の通りです。

【想定年収】
544~1,379万円

【業務内容】
・担当事業の戦略に基づいて、意思決定支援、 売上/利益最大化となるデータ活用プロダクトの企画/設計/実装および改善
・Webアクセスログ、アンケート、売上、効果などのデータを用いた戦略の立案/推進

【求められるスキル・経験】
・線形代数や微分積分/確率統計の基礎知識
・機械学習や数理最適化などの分析の基礎知識(大学時代の経験可)
・Python、 Rなどを使用した分析経験
・円滑にコミュニケーションが取れる方

データサイエンティストの求人例

Pythonを扱うデータサイエンティスト向けの求人例は以下の通りです。

【想定年収】
600~1,000万円

【業務内容】
・因果推論を用いたマーケティング施策の効果の検証
・自社サービス向けのレコメンドアルゴリズムの開発
・業務効率化に向けた機械学習モデリング
・統計モデリングによるKPIなどの予測
・自然言語処理を用いた業務効率化ツールの開発

【求められるスキル・経験】
・PythonやRなどを使用したデータ分析の実務経験 (2年以上)
・SQLを使用したデータの処理経験
・統計学の基礎知識
・機械学習の基礎知識
・機械学習を使ってビジネス課題を解くのが得意な方
・目的指向性の強い方
・データで事業を動かす活躍をしたい方、大きな意思決定に関わりたい方
・能動的に自ら仕事を生み出すことに興味がある方
・新しい技術のキャッチアップができる方
・人材育成に興味がある方

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Pythonエンジニアが活躍している分野

Pythonは汎用的な言語ですが、利用されている分野についてはある程度決まっています。詳しく知ることで、自分が目指したい方向性を明確にしましょう。

Pythonエンジニアが活躍している主な分野は、Web系サービスや機械学習・AI、ブロックチェーン、データ分析などです。Pythonエンジニアは、先端技術と呼ばれる領域でも活躍しており、将来性も期待できる職種です。

以下では、Pythonが用いられる分野について解説します。

関連記事:Pythonの将来性は?メリットやJava・Rubyとの比較も解説

Web系サービス開発

Web系サービス開発においてもPythonは広く使用されており、世界中で使われる動画配信プラットフォームもPythonで開発されています。

PHPやRubyも代表的な言語ですが、Pythonはソースコードが綺麗で読みやすいことがメリットとなり、Web開発企業による利用が増加中です。Web系サービス開発は需要が高く、求人数も多いです。

機械学習・AI開発

機械学習やAI開発は、Pythonが用いられる分野の代表例の一つです。現在、人工知能分野が注目を集めており、Pythonは機械学習やAI開発に向いている言語のため、利用シーンが広がっています。

Pythonは、機械学習やAI開発用のライブラリが豊富でさまざまな複雑な計算を容易に行えることが特徴です。Pythonで作られた機械学習やAIアプリケーションは数多くリリースされています。

ブロックチェーン開発

Pythonは、データの処理と管理に強い言語であるため、ブロックチェーン開発でも多く使われています。ブロックチェーンは、仮想通貨などに使われており、将来性が期待される技術です。

データ分析

Pythonは、数値解析能力とデータ解析支援機能の高さから、データ分析・データサイエンス分野でも広く利用されています。Pythonには、NumPyやPandas、SciPyなど、効率的な数値計算やデータ解析を支援するライブラリが豊富です。Pythonの強みは、こうしたデータ分析に役立つライブラリの充実にあります。

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Pythonエンジニアのキャリアパス

Pythonを扱うエンジニアへの転職を検討するのであれば、キャリアパスを知っておくとより明確な将来設計が可能になります。

Pythonはデータ分析を専門とする職種で使用されることが多く、主な職種はデータアナリストやデータサイエンティストなどが挙げられます。また、機械学習に適した言語であるため、AI(人工知能)や機械学習に携わるエンジニアにとっても必須の言語であり、キャリア上での選択肢です。

AIエンジニア

近年、IoTの躍進や自動車の自動運転技術の向上などの背景から、AIや機械学習はさまざまな分野で注目を集めています。それに伴い、機械学習を専門とする「機械学習エンジニア」という職種も新たに誕生しました。機械学習エンジニアを目指すITエンジニアの数は年々増加傾向にあり、これから伸びる市場です。

データアナリスト

データアナリストはデータの分析を行い、現状把握、課題抽出を行う専門家です。マーケティング分野と関連深い職種でもあります。

データアナリストにとって、Pythonデータを取り扱うツールとなります。Pythonエンジニアとして、Pythonの技術を活用できるキャリアパスです。

データサイエンティスト

データサイエンティストはデータの収集、分析を行い、業務上に役立てる傾向を導き出す職種です。分析によって得た傾向をどのように経営に生かすかという戦略をたてることも仕事内容に含まれ、経営層に提案を行う場合もあります。マーケティング分野とも関連が深い職種です。

ブロックチェーンエンジニア

ブロックチェーンには膨大な計算が求められますが、Pythonのライブラリを用いれば簡単に計算できます。ブロックチェーンで使われる主なPythonライブラリは「hashib」です。hashibには、ハッシュ関数、HTTPリクエストや数値計算などに関するライブラリが豊富です。

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Pythonエンジニアの転職に関するよくある質問

Pythonに興味を持つエンジニアの中には、転職を希望する人や検討中の方も多く、それぞれ疑問を持っています。転職の際に「資格の有効性」や「Pythonに求められているもの」などがよく質問される内容です。

そこで、Pythonエンジニアへの転職に関する質問をまとめました。一つずつチェックしていきましょう。

Q1. Pythonの資格は無駄ですか?

Pythonの資格は国家資格でもなく、難易度も比較的低いために影響力のなさを懸念する人もいます。しかし、Pythonの人気が高まるとともに求人の場面でも「Pythonが扱えるエンジニア」への需要が高まっているため、一定の知識と技術があることを証明するためにも活用できます。

Q2. Pythonが必要な仕事は?

Pythonを扱う仕事としては以下があります。

  • ・Webサイト制作

    ・ゲーム制作

    ・ブロックチェーン開発

    ・情報収集ツール

    ・データ処理、分析、解析

PythonはAIやロボット、ディープラーニングといった大規模な開発にも活用できます。必要とされる場面は幅広く、需要も高いです。

Q3. Pythonエンジニアとは何ですか?

Pythonエンジニアとは、Pythonを使いシステム設計やプログラミング、サービスの保守を行う技術者を指します。他言語のエンジニアと比較すると、言語習得へのハードルは低いですが、まだまだ需給ギャップが大きく、将来性のある職種といえます。

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まとめ

本記事ではPythonに関する転職事情について紹介してきました。

Pythonは、Webアプリ開発のほか、AI、機械学習、ビッグデータなどの領域でも利用され、求人数も増加傾向にあります。将来性の高い職種であり、言語習得のハードルも低いことから、エンジニアの方の次の言語や未経験の方の初めての言語としても適しています。

Pythonを扱うエンジニアへの転職は、即戦力が求められる傾向がありますが、他言語の実務経験が2~3年あれば転職できる可能性が高いです。実務経験のあるITエンジニアの方にとっては、目指しやすいキャリアパスともいえるでしょう。

また、実務未経験でもPythonエンジニアに転職することは不可能ではありません。実務で役立つスキルを身につけ、ポートフォリオなどを用いて効果的にアピールすることが重要です。

これまで他言語への経験がある人や、周りと差別化できる言語習得を希望する人は、ぜひ検討してみることをおすすめします。

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