転職活動をする中で、「どういう基準で採用をしているのだろう?」という疑問を持ったことはないだろうか。応募書類にせよ、面接にせよ、採用では求職者にいろいろな内容を問われるが、実際にどう判断しているかは採用担当者のみぞ知るもの。そこで企業の採用担当者に、中途採用において「こんなエンジニアが欲しい」という要望をダイレクトに聞いてしまおうというのが、本企画「採用担当者の本音」。
今回取り上げるのは、ビッグデータ×人工知能を主軸に事業を展開するデータテクノロジーカンパニーであり、現在は主軸である次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」の開発・提供をしている株式会社フロムスクラッチ(以下、フロムスクラッチ)。今回は、面接を担当しているR&D-Unit執行役員の井戸端洋彰氏と、R&D-Unit開発マネージャーの佐藤正大氏にお話を伺った。
※この記事は、2016年10月時点の内容です
今回の採用担当者:
R&D-Unit執行役員 井戸端洋彰(いどばた ひろあき)氏(写真左)
R&D-Unit開発マネージャー 佐藤正大(さとう まさひろ)氏(写真右)
フロムスクラッチで採用したいのはこんなエンジニア
1.高いハードルを楽しめる人、課題が大きいほど燃える人
2.裁量が大きな環境で、ユーザーにとっての価値を追求したい人
3.マーケティング×データ×テクノロジーという最先端の領域で、自分自身の成長を勝ち取りたい
1. 市場より注目を集める、データテクノロジーカンパニー
―初めにフロムスクラッチの事業内容と、エンジニアの仕事内容を教えて下さい。
井戸端:フロムスクラッチは、ビッグデータ×人工知能を主軸に事業を展開するデータテクノロジーカンパニーです。現在は、マーケティングテクノロジー領域におけるプロダクト、次世代型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」の開発・提供を中心に事業を展開しています。
「B→Dash」は、企業が保有するユーザーデータ・購買データ・広告データなどのマーケティングプロセス上に存在する全てのビジネスデータおよびデジタルマーケティングに必要なwebのアクセスログなどを、一元的に統合・分析・活用できるSaaS型のマーケティングソリューション、“次世代型マーケティングプラットフォーム”です。
「統合」:プライベートDMP / DWHほか、「分析」:アナリティクス/ BIほか、「活用」:MA / CCCM / レコメンド/ web接客ほかをはじめとして、あらゆる機能をオールインワンで搭載しています。
私が所属しているR&D-Unitでは、「B→Dash」の開発・保守・運用のすべてを担当します。分析ツール・マーケティングツールのwebアプリケーションの開発やデータ処理基盤の開発、データベースやインフラの構築・運用など、業務内容は多岐に渡ります。
―今回の募集の背景はどのようなものでしょうか?
佐藤:フロムスクラッチでは2015年に、ドレイパーネクサス、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、電通デジタル・ホールディングスやグローバル・ブレイン、NVCCなどを対象に、総額約13億円の第三者割当増資を実施しました。
これにより、今後「B→Dash」に蓄積された膨大なマーケティングデータを、機械学習をはじめとする人工知能技術を活用することで、マーケティングテクノロジー領域における新たなソリューション開発を加速させるため、エンジニアの増員を図っています。
そして新たに今年10月、福岡に株式会社TechJINという子会社を設立いたしました。主な業務としては、「B→Dash」の保守開発に加えて、マーケティングテクノロジーの新規ソリューション開発も行います。
フロムスクラッチと別会社にしたのは、営業もコンサルタントもいない、エンジニアだけの研究・開発拠点を作るためです。
コワーキングスペース(※)を設けながら、エンジニアの方にとって働きやすい環境にし、安定的にサービスを提供できる基盤を整えていきたいと考えていますので、福岡近辺の方で興味のある方がいらっしゃれば気軽に福岡のオフィスにも遊びに来てください!
※コワーキングスペース・・・主にフリーランスや在宅勤務の人たちが、オープンなワークスペースを共用し、各自が自分の仕事をしながらも、参加者同士の交流などコミュニケーションをとり、情報や知見を共有する場。
2. 中途採用で重視しているのはチャレンジし続ける姿勢
―フロムスクラッチがエンジニアに求めるスキルや経験はどのようなものがありますか?
井戸端:“マーケティングプラットフォーム”を標榜する通り、「B→Dash」という1つの大きなサービスの中に、分析やメール配信、レコメンドエンジンなど色々なタイプのサービスがあります。そのために各サービスに適したさまざまな技術要素を採用しています。
例えばRuby on RailsやAngularJS、Java、Scala、Hadoop、Sparkなど必要に応じて使い分けています。ただ、スキルとしてこれらの言語が必須なわけではありません。
技術は後からでも勉強して身に着けられますし、別の言語の経験しかなかったとしても問題はないですね。スキルよりも「新しい技術を習得したい」いう思いを持っているかが重要だと思っています。
佐藤:エンジニアの中途採用にあたっては、前職での経験も、業務の内容は基本的には重視していません。ただ「B→Dash」はDWHを構築していくことが中心にはなっていくので、webサービスより業務システムに近い、硬いシステムです。
マーケティングはゲームや広告のシステムに近いイメージがあるかもしれませんが、そうではなく金融や公共、製造や物流などの業務システムに近いです。
そのため、業務システムの経験者の方でも活躍できる場が多いです。
井戸端:経験としてあるとさらに良いのは、大量データを扱っていた経験です。
量は多ければ多い方が良いですね(笑)。
また、データを見たときにその意味や傾向を把握し、「お客さまがどのようなビジネスモデルや業務プロセスになっているのか」まで分かるぐらいデータの扱いに精通している人というのは、即戦力として期待しています。
ビジネスの視点が必要ですが、そのデータがお客さまのマーケティングにとってどのような価値があるのか、どのように活かせられるのか、答えが出せることは経験値として大きいです。
―それではどのようなマインドの方がフロムスクラッチには合いますでしょうか?
佐藤:特定の言語やツール極めたいという人よりは、「どんな技術でもキャッチアップして、必要なものを組み合わせて挑戦するような人」ではないでしょうか。
フロムスクラッチのR&D-Unitの経営層は、エンジニアとしてキャリアを築いた後に、コンサルティングファームのへキャリアチェンジされた方が多いです。
そのため、“技術はあくまでも手段である”ということを理解しています。特定の言語やツールが発想の起点ではなく、クライアントや社会の課題に対して適した技術を選ぼうという文化が根付いています。
井戸端:他には、難易度が高いことに楽しさを見いだせる人ですね。
フロムスクラッチでは、プロダクトアウトではなくマーケットインの思想が強いため、「市場から何が求められているか」というところからプロダクトの機能や仕様を決めることが多く、時には実現することが困難な場合があり、結果が出るまでさまざまな苦労があります。
その中でチームワークを大切にしながら、達成に向けて仲間と取り組み実現できることに喜びを感じられる人はフロムスクラッチに向いていると思います。
逆に、ひとつの技術を極めたい人は、フロムスクラッチに転職されても難しいかもしれません。例えば「スマホアプリを作りたい」という人は物足りなさを感じてしまう可能性があります。
もちろんスマホアプリを作る人もいますが、それは「B→Dash」の中のひとつの機能です。
アプリだけではなく、インフラやデータなども全てわかる人だと良いですね。必要なものをキャッチアップして、最先端の技術を駆使して果敢にチャレンジしたい人だと嬉しいです。
3. 面接ではプロジェクトへの関わり方を教えてもらいたい
―面接では具体的にどのようなことを質問しますか?
井戸端:今まで関わってきたプロジェクトの経験についてお伺いしています。
例えば、1つひとつのプロジェクトに長く関わっている人は、それだけ必要とされていたと捉えることもできるので、一緒に働くうえで安心感があります。
さらにその中で、同じような技術や1つの業務ではなく、いろいろな技術要素に関わっていてキャリアに幅のある人は裁量範囲の広い中で一層活躍できると思います。
佐藤:あとは、いわゆる炎上プロジェクトの経験も聞いたりしています。もちろん、その状況はクライアントや現場担当者にとっては悲惨なことです。
しかし、エンジニア個人で見た場合、短期間で大きく成長できるチャンスと捉えることができます。
「混乱の中で自分の役割をどのように定めて行動したか」を知りたいです。もちろん結果的に上手くいかなかったとしても、それを通して何を学んだのか、お伺いします。
他には「休日をどう過ごすのか」も聞くことがあります。エンジニアは休日に自分で何かを作っている方も多いですからね。
趣味が睡眠など、決してアクティブでないことが悪いわけではありません。
あくまでも、自分で技術のキャッチアップをして、何かを作っている人は本当に開発や技術が好きなんだろうな、ということを深く知るための補足情報ととらえています。
例えば、機械学習に関するツールをプライベートで触っている人がいたとして、自分で遊ぶ程度ですと「データが少ない、または足りない」「示唆が出てもそこからのビジネスアイデアにつながらない」など1人で取り組むことは限界があります。
しかし、フロムスクラッチでそれを仕事として取り組めばリアルなエンドユーザーの行動データや消費者の行動データを扱うことができるので、面白さを感じてもらうことができるかと思います。
―エンジニアとして、フロムスクラッチへ転職することのメリットは何がありますでしょうか?
井戸端:やはり、「裁量が大きい」ということではないでしょうか。決められたプロダクトを開発するだけではなく、どのようなプロダクトがユーザーにとって価値があるのかを考え、それを自身の手で開発できるのは他の会社と違うところかと思います。
佐藤:今、世界の流れはマーケティングに向いてきています。どういうことかといいますと、アメリカではCTO(chief technical officer)よりCMO(chief marketing officer)の方が予算を割り当てられています。
今までは業務効率化・予算削減のため、ITがバックオフィス分野で活躍しました。しかし、この企業の守りの部分はERP統合業務パッケージなど、成熟を迎えるとともに、クラウド化が進められています。つまり、安定稼働やコスト削減が求められ、保守的になりがちな環境と見ることもできます。
反対にデジタルマーケティングの領域というのは新しい分野で、企業の売上拡大のために攻めの姿勢が求められ、予算も多くかけられています。
つまり、新しい技術の導入や、新しいプロダクトの開発に携わる機会に恵まれる環境であり、投資と捉えられる世界観です。
縮小していく市場ではなく、これから拡大していく分野のエキスパートになれる、ということは今後のエンジニアのキャリアを考えた上でも大きなメリットになるかと思います。
―最後に、フロムスクラッチの求人に応募する方へのメッセージをお願いいたします。
佐藤:フロムスクラッチという最高の環境でともに成長しませんか?コストではなく投資を担う環境で自分自身の成長も勝ち取るとともに、テクノロジーで世界に貢献できるエンジニアになりましょう!
井戸端:日本のITはバックオフィス系からソーシャルメディア、そして現在はマーケティングに移り始めています。ソーシャルメディアはエンドユーザーの反応が返ってくることに面白みがあるでしょう。
しかし市場は成熟し、頭打ちです。それであれば、これからはそのエンドユーザーの反応を科学するデジタルマーケティングという世界の最先端分野で、エンジニアとして、自分の市場価値を高めるべく、一緒に働きましょう!
レバテック営業担当「山田 諒」から一言!
ハイスキルなエンジニアと切磋琢磨したい方にぜひ
フロムスクラッチには、以前にヒカ☆ラボでの登壇実績もあり、レベルの高いエンジニアが集まっています。 しかも、エンジニアへ与えられる裁量も大きく、経験の幅を広げたい方にとっては刺激的な環境であるはずです。 フロムスクラッチの求人に興味をお持ちになった方は、ぜひお気軽にご相談ください。