中途採用を行う企業の採用担当者に、選考のポイントや求める人物像について尋ね、転職を検討しているエンジニアに現場のリアルな声をお届けする「採用担当者の本音」。
今回取り上げるのは、独立系SIerとして大手企業をクライアントに持ち、大規模な受託開発を数多く担ってきたTIS株式会社です。現在、もう1つの柱としてサービス提供型ビジネスを掲げ、社全体でチャレンジを進めています。人事本部 人材開発部長の新井俊之さんに、今回の求人の狙いと採用で重視するポイントについてお話を伺いました。
※この記事は、2018年6月時点の内容です。
今回の採用担当者:
TIS株式会社
人事本部 人材開発部長
新井 俊之(あらい としゆき)さん
TISで採用したいのはこんな人
1. 新たなサービス事業を推進していける人
2. プロフェッショナルとして仕事をやり切る気概のある人
3. 発信力がある人
4. 自己を成長させようとする意欲が高い人
受託型からサービス提供型ビジネスへ、事業を拡大していく途上にあるTIS
―まず、TISの事業内容について教えてください。
新井:当社は1971年設立の独立系SIerです。金融を強みとし、製造、流通、エネルギー、公共とさまざまな分野の開発を手がけてきました。当社の特徴を一言で言うならば、ミッションクリティカルなシステムの開発ができるトータルシステムインテグレーターということになります。
住友不動産新宿グランドタワー内に本社を置くTIS社。独立系SIerの大手として、高品質なシステムを提供し続ける
しかしながら、個社のニーズに基づいてシステムを構築・提供するSIビジネスは低成長時代に入っています。デジタル革命が激しく進み、クラウドやAIなどはインフラとして提供されています。その中から、お客様が自社のビジネスに最適な機能やサービスを選んでいくような時代です。そういった状況を顧みると、今後は私たちの方から必要なシステムを組み合わせ、お客様に提案しながら一つのサービスを作っていくような方向にシフトしていく必要があると感じています。
そこで昨年、当社のビジョンとして10年後の未来、エキサイティングな未来を創造しようという想いから「グループビジョン2026」を策定しました。その中で、当社はSIerとしてお客様のビジネス課題をITで解決していくだけでなく、お客様が先進的なビジネスを展開していく際の戦略パートナーとなる方針や、先進技術等の活用によるサービスを提供していく方針等を掲げています。
―新しくサービス企画をしていくとなると、従来のSIにはないスキルや知見が重要なのではないでしょうか?
新井:そうですね。サービスとして汎用的なシステムを自ら企画開発して投資していくことになりますから、事業の考え方が従来のSIビジネスとは全く異なります。
新しい技術を取り入れながら、お客様に使っていただけるような先進的なサービスを企画し、展開していくことが今後は重要になります。ビジネスとしてサービス化するための知見が必要になるため、事業会社などで実務にあたっていた方が活躍できると考えています。今は立ち上げのフェーズですから、社内でそうした人材を育てていくというよりは即戦力となっていただける方に入社してもらいたいという思いが強いですね。
ビジネスイノベーション事業部というコンサルの部隊があるのですが、サービス企画の分野はそちらと連携して事業推進を行っています。たとえば、当社はクレジットカードのビジネスに強いので、既存のクレジットカード会社や新規参入企業に向けた、決済領域の新規サービス事業がすでに立ち上がっています。
クレジットカードやデビットカードの発行など、リテール決済ソリューションをトータルに提供する『ペイシェルジュ』
クレジットカード領域のサービス事業はあくまで一例で、求人として出している分野だけでも、金融や生損保などでサービス企画ができる方を募集しています。また、会社全体として新規事業を立ち上げていこうという動きがありますので、業界を横断するかたちでビジネスコンサルができる方も幅広く募っている状況です。
求職者に求めるのは“リーディング&プロフェッショナル”であること
―TISが求める人材の人物像を教えてください。
新井:私たちは「リーディング&プロフェッショナル」という言葉で表していますが、新領域であるサービス事業には、将来の市場ニーズを掴み、事業を推進し、チームメンバーを牽引していく力を持った方が必要だと思っています。
そのため、たとえばクレジットカード領域のサービス企画に携わろうという方であれば、クレジットカード業界に精通していて、業界の先のニーズを読み新たなサービスの要件を企画できる方、トレンドのキャッチアップを積極的に行える方に来てもらいたいですね。
また、ビジネス視点を持っているかどうかも非常に重要になってきますので、投資に対する回収見込みを踏まえた上で事業計画を立て、実行していける方が望ましいです。
「IT業界未経験でも、事業会社でサービス企画の経験がある方にぜひ来てもらいたい」と話す新井さん
-マインド面はいかがでしょうか?
マインドセットとしては、当社で働く上で社内外のステークホルダーとのコミュニケーションは必須になりますから、自分の意見や考えを発信できる方、周囲の人々との関係を調和しながら新しいものを作っていこうとする方ですね。
主体性を持って動くのは当然として、やはり新しいものを構築するときには挫折がつきものです。そういったときに、これは従来のSIのプロジェクトにも言えることですが、プロフェッショナルとしてやり抜く力、やりきる気概を持つことがマインドとして必要かなと思いますね。
エンジニアの採用についても継続して行っておりますが、サービス企画担当同様にプロフェッショナルとしての意識を持っている方を求めています。既存のお客様には大手企業が多く、先進的な試みを事業として推進したいと考えていらっしゃる場合もあります。
そういった事業を支えるシステムには高品質かつ高可用性が求められますから、規模に応じて最適な開発ができる方、トラブルを乗り越えながらプロジェクトをゴールに導ける方に来てもらいたいと考えています。
―書類選考では、どういったポイントをチェックしているのでしょうか。
まずは職務経歴から、どんなプロジェクトをどんな立場で、どんな役割のもと取り組んできたのかという経験を確認しています。習得している技術やスキルそのものだけではポイントにならず、当社のビジネスと結びつけたときに活躍できそうな経験・実績があるか、という観点で見ます。
-具体的にどのような経験をされている方だと、評価が高くなるのでしょうか。
サービス企画担当に関しては、先ほどお話したような事業会社でのサービス企画の実務経験があるなど、即戦力となる実績があるかどうかを重視します。
一方エンジニアであれば、大規模なプライム案件においてリーダー経験のある人材が理想的ですが、そんなスペシャルな方はなかなかいないということも承知しています。ですから、例えば2次請けや3次請けでの開発経験しかない場合でも、自身のこれまでの経験から学んだこと、成功・失敗事例から次に活かせると考えたことなどを表現いただくことで、当社が求めるスペシャリティーの片鱗を見つけることができます。そういったポテンシャルを感じる方とは、ぜひ面接でお話をしてみたいと思いますね。
加えて、当社は非常に多くの分野で求人を出しているので、ご自身の志向性や今後チャレンジしたいことを書類の段階で書いていただけていれば、マッチしそうな事業部の担当者に選考を依頼することもできます。
-面接では、どういった点を確認しているのでしょうか。
書類に記載いただいた内容をもとにこれまでの経験や今後やりたいことを伺いながら、それがTISの目指す方向性とマッチしているかどうかを判断しています。
面接は計2回行っており、一次面接を現場の部門長、二次面接を人事が担当します。対話の中で基本的な論理的思考力があるかどうかも確認しながら、一次面接の段階でエンジニアとしての技術的なスキルの有無や現場業務とのマッチ度を判断しています。
サービス企画担当の面接では、なぜ現職を辞めてTISに入社したいと思っているのか、考えや意思の確認もしたいですね。例えば現職では組織マネジメントをメインに行わなければならないポジションとなったものの、本当は現場で企画業務に携わり続けたい、という方であればTISはとても魅力的な活躍の場になりうると思います。
歴史と実績のあるSIerだからこそ、新しいサービス企画の実現に必要な難度の高いシステムも開発することが可能だという
当社は複線型人事制度を採用しているので、組織マネジメント職にならずともスペシャリストとしてスキルを発揮していただければ、キャリアアップし続けることが可能です。
役職にとらわれず社員が声を上げられる、ボトムアップの社風
―TISの企業風土を教えてください。また、新井さんご自身はTISのどんなところが好きですか?
新井:私がこの会社を好きだなと思うのは、役職に関係なく自分の考えや意見を自由に言い合える関係性が、社員同士の間で築かれているところです。物理的な距離が近いというより、仕事の進め方でも会社の制度でも、社員が声を上げたことが実現していく風土がTISにはあります。
また、TISは“逃げない会社”だと思っています。お客様が困っていれば助けたいと考え、必ず最後までプロジェクトをやりきろう、成功させようと尽力するメンバーが在籍しています。結果的に収益が見合わない状態になってしまう場合もあるのですが、そういったケースを見ながら私自身も成長してきました。私の知っている範囲でも、この人に任せればプロジェクトを最後までやりきってくれるな、という信頼のおける人が何人かいます。そういった気概を持って働いている人がいることが、入社して20年経った今でも、私がこの会社を辞めずにいる理由なのかなと思いますね。
―TISに入社することで得られるベネフィットは何でしょうか。
新井:当社はグループ会社を含めると約2万人の社員が在籍する大企業ですから、大小さまざまな案件から新規サービス事業まで、TISとしてやれることが非常にたくさんあること、まずはそこに魅力を感じていただきたいですね。
当社は一度退職した社員が再入社するケースも多いんですよ。たとえば、ベンチャーに転職して幅広い経験を積んだ後、大企業でしかできない影響力の大きな案件に挑戦したいと思って戻ってくる者もいれば、営業経験を活かして今後はコンサルタントとして活躍したいといってスキルチェンジで再入社する者もいます。そのくらい、TISには社員が活躍できるさまざまなフィールドが用意されています。
また、社員以外も自由に利用できるコワーキングスペース『bit & innovation』を運営していたり、お客様との商談や出張前後の作業拠点として『サテライトオフィス丸の内』を開設したりと、職場環境の向上にも取り組んでいます。
『bit & innovation』の一画ではIT技術に関する勉強会が開かれることもある
さらに、社員一人ひとりのスキル向上を目指し、一人あたり年12日分の学習研究時間が組織目標として掲げられており、業務時間内にさまざまな研修を受けるなど学習研究をすることが可能です。職種・階層別の指定研修のほか、各自で選択可能な社内研修が100以上用意されており、外部の有料研修にも各事業部の予算を使って受講することが可能です。他の大手SIerと比較しても高い水準であり、社員への教育投資には力をいれていると自負しています。
―最後に、TIS社への転職を検討している方に向けてメッセージをお願いします。
新井:TISは今、変革の時を迎えています。組織が新しく生まれ変わっていくには、外からの意見を積極的に取り入れていく必要があります。ですからこれから当社に入社される方も、プロジェクトを成功させるため、職場環境をよくするための考えは、遠慮なくどんどん言っていただきたいですね。
当社には新しい文化や価値観を排除するような風土はありません。お互いに意見を交わし合いながら一緒に成長していきましょう。サービス企画事業の推進をはじめ、TISの新しいビジョンに向かってともに歩んでいける方からの応募をお待ちしています。
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レバテック営業担当「髙橋哲也」から一言!
フラットな社風のもと、大手案件を通じて自身のスキルを磨き続けられる
独立系プライムベンダーとして、大手企業を中心に3000社以上のお客様へサービスを提供しているTIS社。アプリケーション開発における評価の高さはもちろん、インフラでも「AWSプレミアコンサルティングパートナー」「VMwareソリューションプロバイダープレミアパートナー」としてプレミア認定を受けている、技術力の高い企業です。その一方で、社歴に関わらず自由に意見交換ができ、発信型社員が多く集まるフラットな社風も魅力です。フレックスタイム制の採用やサテライトオフィスの開設など、社員が働きやすい環境作りにも力を入れています。TIS社に興味を持たれた方は、ぜひ一度相談にお越しください。